エイプリルフールネタ(ザレイズ版)
「アークのお祭りも久々だな」
「今回も頑張って盛り上げましょう、イクス!」
「はいイクス様、ミリーナ様! カーリャも頑張りますよー!!」
男女2人と鏡精と呼ばれる小さな女の子の存在が呼ばれたのは、学園都市アーク。
別次元にある世界で行われる、定期的な祭りの準備のために長であるワイズマンに呼ばれた。
「今回のお祭りはトラブルが無いよう、イクスさん、ミリーナさん、カーリャさん以外にも実行委員を決めました。そう言う訳で、よろしくお願いします」
「全く、私も年なんですがねぇ」
「あたしだって女性代表のくじ引きで決まるなんて思ってなかったわよ」
「ほあ〜、ベルベット様とジェイド様。珍しい組み合わせですね〜」
5人で準備を進めている中、騒ぎと共にアークの街に迷い込む人が現れる。
「くそ、何なんだよこいつら……格闘術が効くのはいいが数が多い!」
「倒せる相手なのは幸いですが、こうも数が多いと……!」
「あそこ! 人がいる!」
「大丈夫ですか!? 今助けます!」
「とりあえず、襲い掛かった魔物はこれで全部ね。ミリーナ、連絡はしておいたわ」
「ありがとう、ベルベット。それにしても、ワイズマンさん達が用意してた魔物が一部脱走するなんて……」
「そうだ! あなた達は無事ですか!?」
「ああ、大丈夫だ――助かったぜ、美しいお嬢さん」
「あら?」
「ふええええ!? ミミミ、ミリーナ様に何してんですか!?」
「おっと、すまない。鏡で舞い踊る姿に見とれてな、それにしても可愛らしい妖精を連れているじゃないか。そっちの黒髪の女性も近寄りがたいがそれに見合う美しさが「ふんっ!!」ごはぁ!?」
「申し訳ありません。このバカは後でキッチリと躾けておきますので。申し遅れました、私はウィド。今地面で伸びてるバカはクウと言います」
「――と、言う訳なんです」
「つまり、本来ならお祭りってのに必要な人材を別次元から連れてくるはずが、今回はその準備中に誤って繋いだ空間に俺達が巻き込まれた事でこの世界に迷い込んだんだな」
「はあ、いい迷惑ですね」
「すみません……」
「そうですねぇ。何事も本人に許可取って戴きませんと」
「随分他人事ですね」
「ええ、他人事ですから」
「「…………」」
「な、なんだ? ジェイドさんとウィドさんの周りに黒い靄のようなものが……!」
「あれは同類のシンパシーを感じたとかそんなものだろうな……」
「とにかく、こちらでお2人を元の世界に帰れるよう手配いたします」
「それはいいんだが、ワイズマンだっけ? ちょっと待ってくれないか?」
「どうしたんですか、クウさん?」
「実は俺達の他に連れと言うか、仲間が3人いた筈なんだ。少なくとも同じ光に巻き込まれたようだから、一緒にこっちの世界に来たと思うんだが……」
「もしかしたら、あんた達の仲間もアークのどこかにいるのかもしれないわね」
「それは大変です、ベルベット様! すぐに探しましょう!」
こうして、彼らはアークにて迷いこんだ仲間を探す事に。
「それで、仲間って言うのはどう言う人なの?」
「2人は私の家族です。まあ、内1人は義理の弟のようなものですが」
「ふうん。弟ねぇ」
「あ、皆さん!」
「エステル様、そんなに慌ててどうしたんですか?」
「大変なんです! フレンがおかしくなってしまって!」
「フレン?」
「エステル達の仲間なの。とても頼りになる騎士様って感じの人なのよ――どうしたの、そんな顔して?」
「おい、ウィド。この声って……」
「フレン様の声ですね。でも、何だか口調がおかしい気が……?」
「ふむ? 私には普通に聞き慣れた声のようですが?」
「先生! クウ! 良かった、2人は無事だったんだな!」
「ルキル…あなた、髪の毛を金髪に染めて。私はそんな不良に育てた覚えはないと言うのに…」
「先生!?」
「背伸びだけでなく髪型まで変えて。お前もおませだなー」
「ふん!」
「がはっ! おい、何で俺だけ攻撃するんだよ!」
「なんとなくだ! それよりふざけないでくれよ!」
「すみません、つい揶揄いたくなって。とにかく、身体は変わってますが服も中身もルキルのようですね」
「ふーん、フレンに乗り移ったこいつ、あんたのお仲間か?」
「まあな。で、お前は?」
「ユーリだ」
「助けてーーー! 緊急事態だよーーー!」
「ティポ様!? あとエリーゼ様が慌ててこっちに!?」
「今度はなに!?」
「大変なんです! アグリアがレイアを襲って――!」
「「「レイア!?」」」
「えっと、3人ともどうしたんだ?」
「もしかして、レイアと知り合いなの?」
「知り合いも何も仲間だ! くそっ、あそこか!」
「クウ、先に行くな!」
「あー、うぜぇ!! 無理やり連れ回したと思ったら急に服が変わるし、なよなよするわビビるわ!? あたしを馬鹿にしてんのかブス!? もー、我慢出来ねぇ!! 今ここで丸焼きになりなァ!!」
「きゃあああ!! ――え?」
「無事か、レイア! ……って、誰?」
「う、うう……クウさーん! 助けてー!」
「うぉ!?」
「これまで2人見つけましたが、姉さんがまだですね」
「うーん。これまでも似たような事がありましたが、基本的に波長が合う人と憑依する傾向がありますね」
「そうね。あの、ウィドさんのお姉さんってどんな人なの?」
「どんなって…腹黒で」
「あと料理が殺人兵器だな」
ドゴッ!
「真面目に答えろ!」
「真面目に答えてるだろ!?」
「じゃあ、ウィド様から見てお姉さんはどんな人なんです?」
「決まってます。姉さんは言うなれば女神です」
「「「め、女神……?」」」
「はい! どんな相手でも優しく微笑み、抱擁力のある愛を与えてくれる存在。それはもう女神、いえ天使と言っても過言ではありません!」
「…あんた、苦労してるのね」
「悪いな、こんなシスコンで……」
「いやはや。しかし女神と来ましたかー」
「ジェイド、そんな目で先生を見ないでくれ。ほら先生、いくら何でもそんな人イクス達の仲間にいる訳ないだろ?」
「…いるな」
「…いるわよ」
「…いますね」
「「いるのか!?」」
そうして女神のような人物の所に向かった所で、一騒動が発生する。
「へぇ……僕の姉さまに劣悪種の意識が宿るって事? だったらそいつを消せば解決でしょ!」
「させるかぁ!!」
「っ! 何するんだ!」
「当然だ!! 私の姉さんを消そうとする輩は誰だろうと返り討ちにしてくれる!!」
「先生、落ち着いてくれ! あのミトスって奴、どう見てもヤバそうな存在だ!?」
「「僕(私)の姉さま(姉さん)が一番だぁぁぁ!!!」」
「シスコン同士の殴り合いになってるじゃねーか!! 誰か止めろぉぉぉ!?」
「結局、マーテルさんって人はスピカさんではなかったですね」
「スピカの奴、どこにいるんだ?」
「あ、ルドガー! イクス達いたよー!」
「エルにルドガー、どうしたんだ?」
「ああ、イクス。ちょっと困った事になって……」
「エル、この人がイクス? ……あら?」
「ミュゼ、どうし――あれ? ミュゼの服が」
「クウー! やっと会えたわー!」
「むごっ!?」
「ちょ、待て! まさかお前……スピカか!?」
「ふふ、他人の身体でも分かってくれるのね、クウ」
「「「「え、ええええええ!?」」」」
「なるほど、あなたのお姉さんはミュゼに乗り移ってたようですね」
「事情は分かったわ…そう言えば、自己紹介がまだだったわね」
「そうですね。俺はイクス、彼女はミリーナです」
「よろしくお願いします、スピカ」
「初めまして、スピカと言います。クウの『彼女』です!」
「彼女!?」
「ちげーよ!! 彼女って言うか、元カノだ!!」
「えっ、元カノ!?」
「ええ、まあ。これには深い事情があって…」
「ちょ、スピカさん! クウさんの彼女は私がなるんですよ!」
「…あんた、相当酷い事してるのね」
「んな目で見んじゃねーよ!! 色々事情があるんだよ!!」
こうして彼らは合流し、後は帰るだけ――のはずだった。
「折角来たんですもの。私達もアークの祭りを手伝いましょう!」
「おい待て。スピカ、手伝うって言っても他人の身体のままする気か?」
「だって、私達精神だけの状態だからそのまま元の世界に帰る事になるでしょ? 確かに乗っ取ったままは良くないけど、でも多少迷惑かけたのに何もしないまま帰るのもいけないじゃない」
「確かに、スピカさんの言う通りです。迷惑をかけた分はお手伝いしないとですね!」
「姉さんが言うのなら、私も協力します!」
「はぁ……こう言い出したら止まらねーな。悪いな、こんな奴らで」
「いえ、気にしないで下さい」
「そうね。実行委員だもの、人手は多い方が助かるわ」
こうして、5人もイクス達に協力して祭りの準備に奔走。
それから数日後。いよいよアークの祭りが開催となる。
「で。何で俺、あんたと一緒に祭りの見回りする事に?」
「それはこっちの台詞よ! 文句あるなら、ウィドって奴を連れ戻して一緒に回ればいいじゃない!」
「何と!! そちらの世界には数多の世界が具現化してエンコードと言う処理によって統合されつつも、様々な過去の遺物や歴史がそのまま残っていると!! 中には別でありながらも同じ名や存在が確認されてる――何と探求心を擽られる世界だ!!」
「うむ!! ウィドと言ったな、スレイやミクリオと同じ探求心を持つ逸材に会えるだけでなく、こうして語れるとは!!」
「リフィル先生も素晴らしい先生だけど、ウィドも凄いよな!」
「ああ、ルキルはあなたの事を先生と言ってたよな! なら僕達も先生呼ばわりしなきゃだな、スレイ!」
「文句ありません。だから一緒に見回って下さいベルベットお願いします」
楽しそうな祭りの中、不安の影に引き寄せられるように危険が迫る。
「「見回り大丈夫かな(ですかね)、ベルベット(クウさん)……」」
「大丈夫よ、ライフィセット、レイア。あの2人って、何だか似ている気がするわ。いざって時は息が合うんじゃないかしら」
「そう、かな? でも、スピカがそう言うなら僕も信じてみようかな」
「姉さん、レイア!」
「ここにいましたか。おや、ライフィセットも一緒とは」
「ウィド、それにジェイドも。ルキルも息を切らして何かあった?」
「申し訳ありません。実はどこぞの洟垂れのせいで、このアークに具現化してはマズい存在を発生させてしまって。現在、イクス達は住民達を避難誘導して貰ってます」
「詳しくはまだジェイドから聞いてないが、このままだとクウとベルベットが危ないそうなんだ!」
「「ええ!?」」
「2人が、危ない? 僕達じゃなく……? ねえ、そいつってまさか!」
喜びの歓声から一変。緊迫の中、狂気の刃が黒に襲い掛かる。
「ヒヒヒ……上質な黒髪が2人も揃ってやがる! いいねぇ最高だ!」
「なんだよ、このヤベー奴!?」
「グラスディンよ! イクス達の世界にいる黒髪の奴に異常に執着する男で、殺されたら観賞用の置物にされるわよ!」
「げっ、黒髪って俺まで当て嵌ってるのか!? なんでそんなヤバい奴がここに!?」
「そんなの、こっちが聞きた――クウ、危ない!」
「ベルベット!?」
襲い掛かるピンチ。けれども、それを救う一手が現れる。
「ベルベット、無事!?」
「フィー!」
「助けに来ました、クウさん!」
「レイア!」
「なんだぁ? 醜い肉隗がこんなに……折角あと少しで黒髪2人の腹を切り裂けたのに、最高に心沸く瞬間を邪魔するなんてなぁ!?」
「クウは殺させません! こいつは私がぶちのめすと決めているんです!」
「そうそう。俺はウィドにぶちのめ――おいどさくさに紛れて何言ってんだ!?」
「やれやれ。とにかく奴は魔鏡術で作られた偽物です。すぐに排除しましょう」
「ええ。クウを狙った罪は償って貰うわ。準備はいい、ルキル?」
「ああ! 実行委員として祭りを成功させないとな!」
これは、奇跡と偶然による記憶に残らない邂逅の一幕。
交わった一時にて出会う沢山の人達との交流。その絆の形は、思い出を創り出し、力を生み出すだろう――。
「今回も頑張って盛り上げましょう、イクス!」
「はいイクス様、ミリーナ様! カーリャも頑張りますよー!!」
男女2人と鏡精と呼ばれる小さな女の子の存在が呼ばれたのは、学園都市アーク。
別次元にある世界で行われる、定期的な祭りの準備のために長であるワイズマンに呼ばれた。
「今回のお祭りはトラブルが無いよう、イクスさん、ミリーナさん、カーリャさん以外にも実行委員を決めました。そう言う訳で、よろしくお願いします」
「全く、私も年なんですがねぇ」
「あたしだって女性代表のくじ引きで決まるなんて思ってなかったわよ」
「ほあ〜、ベルベット様とジェイド様。珍しい組み合わせですね〜」
5人で準備を進めている中、騒ぎと共にアークの街に迷い込む人が現れる。
「くそ、何なんだよこいつら……格闘術が効くのはいいが数が多い!」
「倒せる相手なのは幸いですが、こうも数が多いと……!」
「あそこ! 人がいる!」
「大丈夫ですか!? 今助けます!」
「とりあえず、襲い掛かった魔物はこれで全部ね。ミリーナ、連絡はしておいたわ」
「ありがとう、ベルベット。それにしても、ワイズマンさん達が用意してた魔物が一部脱走するなんて……」
「そうだ! あなた達は無事ですか!?」
「ああ、大丈夫だ――助かったぜ、美しいお嬢さん」
「あら?」
「ふええええ!? ミミミ、ミリーナ様に何してんですか!?」
「おっと、すまない。鏡で舞い踊る姿に見とれてな、それにしても可愛らしい妖精を連れているじゃないか。そっちの黒髪の女性も近寄りがたいがそれに見合う美しさが「ふんっ!!」ごはぁ!?」
「申し訳ありません。このバカは後でキッチリと躾けておきますので。申し遅れました、私はウィド。今地面で伸びてるバカはクウと言います」
「――と、言う訳なんです」
「つまり、本来ならお祭りってのに必要な人材を別次元から連れてくるはずが、今回はその準備中に誤って繋いだ空間に俺達が巻き込まれた事でこの世界に迷い込んだんだな」
「はあ、いい迷惑ですね」
「すみません……」
「そうですねぇ。何事も本人に許可取って戴きませんと」
「随分他人事ですね」
「ええ、他人事ですから」
「「…………」」
「な、なんだ? ジェイドさんとウィドさんの周りに黒い靄のようなものが……!」
「あれは同類のシンパシーを感じたとかそんなものだろうな……」
「とにかく、こちらでお2人を元の世界に帰れるよう手配いたします」
「それはいいんだが、ワイズマンだっけ? ちょっと待ってくれないか?」
「どうしたんですか、クウさん?」
「実は俺達の他に連れと言うか、仲間が3人いた筈なんだ。少なくとも同じ光に巻き込まれたようだから、一緒にこっちの世界に来たと思うんだが……」
「もしかしたら、あんた達の仲間もアークのどこかにいるのかもしれないわね」
「それは大変です、ベルベット様! すぐに探しましょう!」
こうして、彼らはアークにて迷いこんだ仲間を探す事に。
「それで、仲間って言うのはどう言う人なの?」
「2人は私の家族です。まあ、内1人は義理の弟のようなものですが」
「ふうん。弟ねぇ」
「あ、皆さん!」
「エステル様、そんなに慌ててどうしたんですか?」
「大変なんです! フレンがおかしくなってしまって!」
「フレン?」
「エステル達の仲間なの。とても頼りになる騎士様って感じの人なのよ――どうしたの、そんな顔して?」
「おい、ウィド。この声って……」
「フレン様の声ですね。でも、何だか口調がおかしい気が……?」
「ふむ? 私には普通に聞き慣れた声のようですが?」
「先生! クウ! 良かった、2人は無事だったんだな!」
「ルキル…あなた、髪の毛を金髪に染めて。私はそんな不良に育てた覚えはないと言うのに…」
「先生!?」
「背伸びだけでなく髪型まで変えて。お前もおませだなー」
「ふん!」
「がはっ! おい、何で俺だけ攻撃するんだよ!」
「なんとなくだ! それよりふざけないでくれよ!」
「すみません、つい揶揄いたくなって。とにかく、身体は変わってますが服も中身もルキルのようですね」
「ふーん、フレンに乗り移ったこいつ、あんたのお仲間か?」
「まあな。で、お前は?」
「ユーリだ」
「助けてーーー! 緊急事態だよーーー!」
「ティポ様!? あとエリーゼ様が慌ててこっちに!?」
「今度はなに!?」
「大変なんです! アグリアがレイアを襲って――!」
「「「レイア!?」」」
「えっと、3人ともどうしたんだ?」
「もしかして、レイアと知り合いなの?」
「知り合いも何も仲間だ! くそっ、あそこか!」
「クウ、先に行くな!」
「あー、うぜぇ!! 無理やり連れ回したと思ったら急に服が変わるし、なよなよするわビビるわ!? あたしを馬鹿にしてんのかブス!? もー、我慢出来ねぇ!! 今ここで丸焼きになりなァ!!」
「きゃあああ!! ――え?」
「無事か、レイア! ……って、誰?」
「う、うう……クウさーん! 助けてー!」
「うぉ!?」
「これまで2人見つけましたが、姉さんがまだですね」
「うーん。これまでも似たような事がありましたが、基本的に波長が合う人と憑依する傾向がありますね」
「そうね。あの、ウィドさんのお姉さんってどんな人なの?」
「どんなって…腹黒で」
「あと料理が殺人兵器だな」
ドゴッ!
「真面目に答えろ!」
「真面目に答えてるだろ!?」
「じゃあ、ウィド様から見てお姉さんはどんな人なんです?」
「決まってます。姉さんは言うなれば女神です」
「「「め、女神……?」」」
「はい! どんな相手でも優しく微笑み、抱擁力のある愛を与えてくれる存在。それはもう女神、いえ天使と言っても過言ではありません!」
「…あんた、苦労してるのね」
「悪いな、こんなシスコンで……」
「いやはや。しかし女神と来ましたかー」
「ジェイド、そんな目で先生を見ないでくれ。ほら先生、いくら何でもそんな人イクス達の仲間にいる訳ないだろ?」
「…いるな」
「…いるわよ」
「…いますね」
「「いるのか!?」」
そうして女神のような人物の所に向かった所で、一騒動が発生する。
「へぇ……僕の姉さまに劣悪種の意識が宿るって事? だったらそいつを消せば解決でしょ!」
「させるかぁ!!」
「っ! 何するんだ!」
「当然だ!! 私の姉さんを消そうとする輩は誰だろうと返り討ちにしてくれる!!」
「先生、落ち着いてくれ! あのミトスって奴、どう見てもヤバそうな存在だ!?」
「「僕(私)の姉さま(姉さん)が一番だぁぁぁ!!!」」
「シスコン同士の殴り合いになってるじゃねーか!! 誰か止めろぉぉぉ!?」
「結局、マーテルさんって人はスピカさんではなかったですね」
「スピカの奴、どこにいるんだ?」
「あ、ルドガー! イクス達いたよー!」
「エルにルドガー、どうしたんだ?」
「ああ、イクス。ちょっと困った事になって……」
「エル、この人がイクス? ……あら?」
「ミュゼ、どうし――あれ? ミュゼの服が」
「クウー! やっと会えたわー!」
「むごっ!?」
「ちょ、待て! まさかお前……スピカか!?」
「ふふ、他人の身体でも分かってくれるのね、クウ」
「「「「え、ええええええ!?」」」」
「なるほど、あなたのお姉さんはミュゼに乗り移ってたようですね」
「事情は分かったわ…そう言えば、自己紹介がまだだったわね」
「そうですね。俺はイクス、彼女はミリーナです」
「よろしくお願いします、スピカ」
「初めまして、スピカと言います。クウの『彼女』です!」
「彼女!?」
「ちげーよ!! 彼女って言うか、元カノだ!!」
「えっ、元カノ!?」
「ええ、まあ。これには深い事情があって…」
「ちょ、スピカさん! クウさんの彼女は私がなるんですよ!」
「…あんた、相当酷い事してるのね」
「んな目で見んじゃねーよ!! 色々事情があるんだよ!!」
こうして彼らは合流し、後は帰るだけ――のはずだった。
「折角来たんですもの。私達もアークの祭りを手伝いましょう!」
「おい待て。スピカ、手伝うって言っても他人の身体のままする気か?」
「だって、私達精神だけの状態だからそのまま元の世界に帰る事になるでしょ? 確かに乗っ取ったままは良くないけど、でも多少迷惑かけたのに何もしないまま帰るのもいけないじゃない」
「確かに、スピカさんの言う通りです。迷惑をかけた分はお手伝いしないとですね!」
「姉さんが言うのなら、私も協力します!」
「はぁ……こう言い出したら止まらねーな。悪いな、こんな奴らで」
「いえ、気にしないで下さい」
「そうね。実行委員だもの、人手は多い方が助かるわ」
こうして、5人もイクス達に協力して祭りの準備に奔走。
それから数日後。いよいよアークの祭りが開催となる。
「で。何で俺、あんたと一緒に祭りの見回りする事に?」
「それはこっちの台詞よ! 文句あるなら、ウィドって奴を連れ戻して一緒に回ればいいじゃない!」
「何と!! そちらの世界には数多の世界が具現化してエンコードと言う処理によって統合されつつも、様々な過去の遺物や歴史がそのまま残っていると!! 中には別でありながらも同じ名や存在が確認されてる――何と探求心を擽られる世界だ!!」
「うむ!! ウィドと言ったな、スレイやミクリオと同じ探求心を持つ逸材に会えるだけでなく、こうして語れるとは!!」
「リフィル先生も素晴らしい先生だけど、ウィドも凄いよな!」
「ああ、ルキルはあなたの事を先生と言ってたよな! なら僕達も先生呼ばわりしなきゃだな、スレイ!」
「文句ありません。だから一緒に見回って下さいベルベットお願いします」
楽しそうな祭りの中、不安の影に引き寄せられるように危険が迫る。
「「見回り大丈夫かな(ですかね)、ベルベット(クウさん)……」」
「大丈夫よ、ライフィセット、レイア。あの2人って、何だか似ている気がするわ。いざって時は息が合うんじゃないかしら」
「そう、かな? でも、スピカがそう言うなら僕も信じてみようかな」
「姉さん、レイア!」
「ここにいましたか。おや、ライフィセットも一緒とは」
「ウィド、それにジェイドも。ルキルも息を切らして何かあった?」
「申し訳ありません。実はどこぞの洟垂れのせいで、このアークに具現化してはマズい存在を発生させてしまって。現在、イクス達は住民達を避難誘導して貰ってます」
「詳しくはまだジェイドから聞いてないが、このままだとクウとベルベットが危ないそうなんだ!」
「「ええ!?」」
「2人が、危ない? 僕達じゃなく……? ねえ、そいつってまさか!」
喜びの歓声から一変。緊迫の中、狂気の刃が黒に襲い掛かる。
「ヒヒヒ……上質な黒髪が2人も揃ってやがる! いいねぇ最高だ!」
「なんだよ、このヤベー奴!?」
「グラスディンよ! イクス達の世界にいる黒髪の奴に異常に執着する男で、殺されたら観賞用の置物にされるわよ!」
「げっ、黒髪って俺まで当て嵌ってるのか!? なんでそんなヤバい奴がここに!?」
「そんなの、こっちが聞きた――クウ、危ない!」
「ベルベット!?」
襲い掛かるピンチ。けれども、それを救う一手が現れる。
「ベルベット、無事!?」
「フィー!」
「助けに来ました、クウさん!」
「レイア!」
「なんだぁ? 醜い肉隗がこんなに……折角あと少しで黒髪2人の腹を切り裂けたのに、最高に心沸く瞬間を邪魔するなんてなぁ!?」
「クウは殺させません! こいつは私がぶちのめすと決めているんです!」
「そうそう。俺はウィドにぶちのめ――おいどさくさに紛れて何言ってんだ!?」
「やれやれ。とにかく奴は魔鏡術で作られた偽物です。すぐに排除しましょう」
「ええ。クウを狙った罪は償って貰うわ。準備はいい、ルキル?」
「ああ! 実行委員として祭りを成功させないとな!」
これは、奇跡と偶然による記憶に残らない邂逅の一幕。
交わった一時にて出会う沢山の人達との交流。その絆の形は、思い出を創り出し、力を生み出すだろう――。
■作者メッセージ
ソシャゲの一つ。テイルズオブザレイズ編――続きません!!
と言う訳で、今年のエイプリルフールネタでした。去年はツイステだったので、今年もソシャゲからと言う事でこちらを。実はKHの遊戯王ネタにするか迷ったけど、一日じゃ作れないのでこっちを作成しました。と言うのも、思い付きでメモだけはしてたんだ。
ギガ量は多いんだけど、どうにかこのゲームもやりくりして続けています。てかツイステが容量デカすぎるんだよ。10GB以上ってなに? 多すぎるんだよ……。
今回の話ですが、ザレイズでは他作品とコラボを行う際、元々主人公のイクス達がいる世界ではなく、アークと言う特別な世界が舞台となっております。基本的にはワイズマンと言う存在がそこにイクス達を転移させたり、祭りとは別の依頼のために呼び出したりしています。
本来はそこにゲストと言う形で他の作品のキャラを呼び出すのですが、クウ達はゲストとして呼び出した訳ではなく、運悪く巻き込まれたと言う設定で書いてみました。ルキル、レイア、スピカはテイルズキャラに憑依する形で登場してますが、たまにそんな感じのキャラも出ています。(衣装と魔鏡技だけキャラに合わせて実装する形)
長々と書きましたが、どうにかエイプリルフールに間に合ってよかった。詳しく書いたら時間ないので本当に即興ですけどね……。
それではこの辺で。
と言う訳で、今年のエイプリルフールネタでした。去年はツイステだったので、今年もソシャゲからと言う事でこちらを。実はKHの遊戯王ネタにするか迷ったけど、一日じゃ作れないのでこっちを作成しました。と言うのも、思い付きでメモだけはしてたんだ。
ギガ量は多いんだけど、どうにかこのゲームもやりくりして続けています。てかツイステが容量デカすぎるんだよ。10GB以上ってなに? 多すぎるんだよ……。
今回の話ですが、ザレイズでは他作品とコラボを行う際、元々主人公のイクス達がいる世界ではなく、アークと言う特別な世界が舞台となっております。基本的にはワイズマンと言う存在がそこにイクス達を転移させたり、祭りとは別の依頼のために呼び出したりしています。
本来はそこにゲストと言う形で他の作品のキャラを呼び出すのですが、クウ達はゲストとして呼び出した訳ではなく、運悪く巻き込まれたと言う設定で書いてみました。ルキル、レイア、スピカはテイルズキャラに憑依する形で登場してますが、たまにそんな感じのキャラも出ています。(衣装と魔鏡技だけキャラに合わせて実装する形)
長々と書きましたが、どうにかエイプリルフールに間に合ってよかった。詳しく書いたら時間ないので本当に即興ですけどね……。
それではこの辺で。