リラキャラ合同、番外プレゼン企画・2
ここはディスティニーアイランド。
ここでは、様々な住人が生活をしています。
何をやるのも自由。どこへ行くのも自由。
今日もまた1人、自由気ままな生活が始まります……。
「皆さん、幻の食材を探しに行きませんか?」
「「「幻の食材?」」」
「はい! この島の各地にある幻の食材を集めたら、美味しい料理が作れると思うんです!」
ジェダイトの提案で、本日は幻の食材を探す事にしたリズ達。今回はクウ達一行も混ざります。
食材の調達もこれまた多種多様です。
時に釣りをしたり。
「ぎゃーーーー!! サメだーーーー!!」
『グラッセーーーーー!!?』
虫を取ったり。
「巨大タランチュラだーーーーー!!」
『ウラノスーーーーー!!?』
植物採取を行ったり。
「肉食ラフレシアだーーーーーー!!」
「触手がーーーーーー!!」
『ラックーーーーー!!? シャオーーーーーー!!?』
時には空を見上げたり。
「キーブレード投げたらUFOが落ちてきたーーーーーー!!」
「俺を巻き込むんじゃねーーーーー!!」
『リズーーーーーー!!? クウーーーーーーー!!?』
果たして、今回の目的である幻の食材は見つかるのか!?
「み、見つけました……!! これが、幻の食材……!!」
《キングダムハーツ 〜おいでよ運命の島〜》
「と言う話です」
「どこがほのぼの系ですか!? サバイバルの間違いじゃないですかこれ!? 俺達の島を危険蔓延る無法地帯にしないで貰えませんかぁ!?」
プレゼンが終わった途端にツッコミを決めるグラッセ。こんな企画が通ったら、自分の故郷に危険生物が存在する事になるから当然だ。
必死なグラッセとは別に、何故かリズとムーンは笑顔で拳を上げる。
「よっしゃー! サバイバルなら任せろ!」
「ああ、親父に鍛えられたサバイバル力で生き延びてみせるぜ!!」
「そこの2人は生き生きするんじゃない!? 生き延びれるのはお前達だけだ!?」
先ほどのウラノスの案とは逆に乗り気になる2人の姿を、クウは遠い目で眺めてしまう。
「俺らのリク、鈍感だけで良かったな……」
「将来こんな親になるのかと思うと、義理の兄としてどうかと思いますが」
「おい、いつお前の弟になったよあいつ?」
心配するウィドに、尤もなツッコミを決めるクウ。
一方、度重なるツッコミで疲れ果てたのかグラッセが四つん這いに倒れこんだ。
「ダメだ……ジェダイドさんの案はマトモかと思ったけど、ウラノスさんの案とどっこいどっこいだ……!!」
「はぁー!? こいつに比べたら俺の案の方が何倍もいいだろうが!?」
「そうです、僕の方がリズさんやムーンくんには受けがいいですよ!」
「2人に絞るからそんな話になったんですねどうせなら俺の気持ちも考慮してください!!」
ウラノスに反論するように告げたジェダイドの案の原因に、思わず涙目になるグラッセ。
頼みの綱とばかりにクウとウィドに目を向けると、流石に同情したのか助け船を出す事に。
「まあ、流石にサバイバルはな……それにディスティニーアイランドはそんな土地じゃないだろ?」
「クウの言う通りです。まあ、遺跡が出るなら私も大賛成ですが「それだけは止めろマジで」」
これ以上ジェダイトの企画を混沌にさせまいと、クウはウィドの肩を掴んで言葉を止めさせる。
サバイバルだけでも大変なのに、トラップいっぱいの遺跡探検(全員強制参加)も加わったら命が足りない。
「と、とにかく他の人呼んでくださいっ! このままどっちの企画を通しても俺の命はありません!!」
「なら、アタイの出番だね!」
2人と同じく扉を開けて入ってきたのは、ラックだった。彼女の手にも企画書が握られている。
ジェダイトやカヤほどではないが、まだ常識のある人物の登場にグラッセは感謝した。
「良かった……! ラックさんならまだ俺も込みの企画を考えてくれてるはず……!」
「任せな、グラッセを死なせたり危険にするような企画は考えなかったよ! さて――アタイの企画だけど、作品が消えて長いからね。忘れている人も多いから、ここは本編に関係ない話を出しつつ、為になる話で知名度を上げていかないとと思ってね。と言う訳で、アタイの話はこうするよ!」
暗いステージに、スポットライトが点る。
現れたのは――スタジオのキッチン。そこにはエプロン姿のラックがいた。
「【ラックのワクワク?ドキドキ!クッキング♪】始まるよー!」
タイトルコールと共に、盛大な拍手が響き渡る。
「今日も美味しい料理を作るに当たって、ゲストを呼んでるよー!」
「スピカよ、よろしくね」
「そして本日の審査員はリズとグラッセとクウだよー!」
エプロン姿のスピカが出てから、審査員席を紹介。そこでは、最前列の特別な席にリズとグラッセとクウがスタンバイしていて2人の様子を眺めている。
「今日作る料理はカレーだよ! スピカ、準備はいいかい?」
「もちろんよ、ラック。始めましょう!」
「まずは野菜を切るよ! ブロッサムシャワー!」
「そして加熱ね。ファイガバースト!」
「次に水を入れて……この後は!」
「もう一度鍋ごと加熱してと――ライジングサン!」
技と魔法を駆使しながら調理を進め、あっという間にカレー(炭)が。
「さあ、どうだいこの完成品! あーあー、審査員がもう涎を垂らして待ってるよ!」
完成した2人の合作カレーに、審査員3人の目が待ちきれないとばかりに釘付けになっている。
ラックとスピカのカレー(炭)を目の前に差し出すと、さっそくグラッセ、クウ、リズの順番でスプーンを使って一口でパクリと。
「「さあ、お味は?」」
「いやー、流石ラックさん! 本日の料理も美味しいです!」
「ああ。お前らの料理は世界一だ!」
「とっても美味しいわ! あまりに美味しくてほっぺたが落ちちゃうくらい!!」
「死んでも言うかぁぁぁーーーーーーー!!!」
リズ渾身の雄たけびと共に、スクリーンに飛び蹴りを決める。ガシャーンと盛大な音を響かせながら、映像をぶっ壊した。
「あーーーーー!! まだ映像が途中なのに!?」
粉々になったスクリーンにラックが悲鳴を上げるが、それに負けない声量でグラッセが怒鳴りつけた。
「ラックさんまで何ありえない妄想垂れ流してんですか!? ウラノスさんと同等ですよこんなのッ!?」
「おい待てやぁ!! 俺の企画がこいつの殺人料理と同レベルは言いすぎだろ!?」
「それはこっちのセリフだよ!! 今の企画の何がいけないって言うんだい!?」
2人して反論すると、気持ちは一緒なのはムーンとクウも睨みつけながらラックの企画書を指して怒鳴りつける。
「こんな企画通ったら、俺達全員食中毒で全滅だよ!?」
「そもそも劇物に劇物なんて組み合わせてみろ、世界滅ぶわッ!!」
「クウ貴様ぁ!! 姉さんの料理の腕前をラックと同じ劇物扱いするとは死にたいか!?」
「わぁ、収拾がつかなくなりましたぁ……」
ただでさえやかましいのに、シスコンを発揮したウィドも剣を構えながら参戦してしまう。そんな場が混沌となってしまった光景に、ジェダイドは遠い目を浮かべて部屋の片隅に避難したのだった。