格〇けチェックパロ・4
訪れた運命の時間。Aの部屋で待機している4人――いや内3人は静かにその時を待つ。
やがて4人分の視線が集まるドアが開かれた。
「Aの人、正解おめでとー!!」
「うおっしゃあああああああ!! リズーーーーー!!」
よほど嬉しかったのだろう。コロンビアポーズした後にリズへと抱き着こうとするロクサス。ダイブにも近い動作だが、即座にリズが横に避けた事でそのまま壁にぶち当たるのだった。
「普通に年ごろなんでヤメロ」
「娘よぉ…!!」
真顔で注意され、ロクサスがプルプルと手を伸ばすが。
「娘なのは仕方ないから認めるがアンタの父親としての実績お父さん以下どころか何1つ無いが???」
「ごふっ!?」
「リズ、もうそのくらいにしてあげて……!!」
容赦ない毒舌でロクサスにトドメを刺す光景に、たまらずアクアが止めに掛かったのだった。
「全員正解、おめでとうございます。さて、格付けチェックもいよいよ最後となりました。最後のお題は食材となります――このお題は3択となります。正解は最高級の霜降り牛。不正解はスーパーで買った牛肉。絶対アカンはそこらの箱を叩いて手に入れた肉となります」
「どんなお肉なのそれ!?」
ウィドの絶対アカン枠の肉の説明に、思わずアクアが叫ぶ。
「気にしたらKH3で料理の材料になんて出来ませんよ。絶対アカン枠を選んだ場合、今度こそ問答無用で『映す価値無し』に転落するのでご注意を。このお題の代表者は、二流からテラ、シオン。三流からはソラ。一流チームはリク&ルキル様ペアで参加と言う形に致します」
「殿堂入り最後の壁は、最後のチェックもペアに任せると言う方式だな、分かった。さあ、ここまでノーミスでクリアして来たんだ。ここで間違えたら――分かるな?」
そう言って、セヴィルは代表として選ばれた2人に対して眼鏡越しに圧を掛ける。
ゴール目前だからだろう。最初の頃よりもより眼鏡が鋭く光っているような錯覚を見せつけられ、ルキルとリクは遠い目を浮かべた。
「俺……なんでこの人がスピカさんの師匠なのか嫌と言うほど分かったんだが」
「何が何でも正解するぞ、じゃないと俺達の命が無い……!!」
そうして代表者が会場を後にすると、ウィドはモニターを起動する前に全員を見回す。
「さて。最後の問題も、ここにいる全員に正解を見せたいと思います。リズ」
「はーい。このチェックの正解は――A。不正解はC、絶対アカンはBになりまーす」
リズがそれぞれ正解と不正解の答えが書かれてある紙を見せつける。実は答えが第3問と同じになっているが、果たしてこれに気付けるだろうか。
「大丈夫かな、シオン……!!」
「いや、シオンはもう絶望的だろ。俺も言えた立場じゃないけど……!」
「テラ、頑張って……!!」
「――――」
カイリとロクサスは既に終わった空気となり、アクアは両手を組んで祈る動作を。セヴィルは黙って足を組んで行く末を眺めていた。
最後の判定と言う事で、一組ずつチェック部屋にて目隠しをした状態で試食を行う形となる。最初にやってきたテラは、アンヴァースの目隠しをして3つの肉を試食する。
目隠しを外し、難しい顔をしながら上げた札は――。
「うーん……Aだ。3つの中で一番高級な味がした」
「やった! 流石だわテラ!!」
見事に正解を当て、喜ぶアクア。一気に肩の荷が下りているが、それを知らないテラは不安そうにAの部屋に入る。
次にやってきたのはシオン。彼女もノーバディの目隠しをして、同じように肉を試食して札を上げる。
「えーと……Bかな。なんかこっちの方が美味しい気がする!」
「シオン!? お願い、それだけは選ばないで!! ああ止めてー!! いやー!!」
「カイリ&シオンペア! まさかの映す価値無し決定です!」
「まあ、お母さんだもんね。正直こうなる予感はしてたわ」
絶望一色になるカイリと興奮するウィドを横目に、リズは母親の数々の殺人料理を思い出す。その目はどこか遠くを見ている。
「なるほど。ズボラな料理人では高級な味すらも分からないようですね。ま、こう言うのは細やかな味が分かる繊細な舌でないといけませんね。私みたいに」
『は?』
「何ですか皆さん、その反応は?」
全員がウィドを真顔で見ると、本人は不服とばかりに顔をしかめる。
そうこうしていると、モニターではソラがワンダニャンの目隠しを外して札を上げていた。
「んー……Cで!! こっちが高級だ!!」
「ソラ!! 絶対アカンじゃないが正解を選ばないと俺達消えて――行くんじゃない!! いやだぁぁぁ娘よぉぉぉ!!」
「とっとと消えろや。マジックアワー!!!」
手を伸ばして近づこうとするロクサスに対して、容赦なく光の柱を落としたリズだった。
こうして物理的に画面外から消えたロクサスだが、この場の注目は最後の人達に移る。
「さて。いよいよ一流が掛かった最後の挑戦者ですね。ある意味一番の見どころになりますが、はてさて……」
ウィドが解説していると、リクとルキルが席につく。それぞれコウモリバットとノーバディの目隠しをして、スタッフによって目の前に出された肉を口に含む。Bで頷いたり、Cで首を傾げたりがあったが、最後まで食べ終えて難しい顔で目隠しを取る2人。
絶対に間違えられない。そんなプレッシャーの中、頭を押さえながら出した答えは。
「「Bで」」
「よおおおおおおおおおおおしっ!!」
「お父さーーーーん!?」
「バカ舌か!!」
両手を上げてガッツポーズをするほどの雄たけびを上げるウィド。一方でまさかの絶対アカン枠を選んだ展開に悲鳴じみた叫びを上げるリズ。そして立ち上がって怒鳴り散らすセヴィルと三者三様の光景が出来上がってしまった。
「あの2人抱き合ってる!」
そんな中、カイリが指を差すモニターの先には、心が通じ合った喜びのあまりに同じ顔の2人が抱き合うと言う超レアな光景が。この様子なら、選択肢を変える事もないだろう。
さて。もうすぐ画面外から消えてしまう事にも知らない2人は、選んだ理由を語り出す。
「Bが圧倒的に美味しかった」
そう語るルキルの目は感動で一杯だ。スタジオで笑いが起きているとも知らずに。
「いつだったか、材料持ち寄りの焼肉の時にクウから差し入れで渡されてた高級肉を食べた事あるんだが。その時の味がBに」
「嘘言うな!! クウにはクロと一緒に選んだ高級肉を渡したのであって、拾った肉食わせてないが!?」
「ヒィー、ヒー……!」
完全に絶対アカンの肉を高級肉かのように語るリクに、全力のツッコミを入れるセヴィル。とうとうウィドは痙攣状態で腹を押さえながら机をバシバシ叩き出す。
「お父さんとルキル、お母さんとウィドの料理で味覚壊れたのかな……?」
「どちらかと言うと、若干中の人よりになってそうですね……あっはははは……!」
普段なら怒るリズの台詞も、当のウィドは爆笑の状態に陥った事で腹を抱えて笑う始末だ。
こうして自信満々で控室に進む2人を見送り、セヴィルは椅子に座ったまま天井を見上げたのだった。
「やってくれたな――最後の最後に本当にやってくれた」
そのまま絞り出した声は、驚くほど静かだったと言う。
「しゅーりょー!!」
結果発表を終えて、スタジオにリズの元気な声が響き渡る。
このスタジオ内ではウィドの他に、テラとアクアしかいない。残り3組が座っていた所は既に空白の状態になっており【映す価値なし】と言う張り紙が張られている。
「結果は、アクア&テラペアが二流でしたね。しかし、スタジオにはもう少し人がいたと思うんですが……一気に人がいなくなりましたねー」
「あの〜……俺達スタジオの外いるんだけど。そこでリクとルキルが正座させられてる……」
本来なら無視するスタジオ外からのソラの言葉に、一斉にそちらを見る。
ソラとロクサス、カイリとシオンが何とも言えない顔でパイプ椅子に座っているのに対し、セヴィルは足を組みつつ手を軽く組んで座っているパイプ椅子の背もたれに踏ん反り返っており、その視線の先にはリクとルキルが床に正座させられると言う絶対に見られないような光景が広がっていた。
「――最後、一流から一気に転落どころかスタジオから追い出されたが、言い分はあるか? 未来のキーブレードマスター?」
「「………」」
有無を言わさぬ覇気に2人とももはや何も言えないようで、黙って下を向いている。
「かの王なら笑って許すだろう。だが、俺は他のキーブレードマスターほど甘くないぞ? 俺は知識と経験と感性から今まで一流の答えを選んできたんだ。リズみたいに勘で全てやってきた訳じゃない事を理解してるか? 中身が未熟にもほどがある、お前達の良さは顔と声と筋肉の見た目だけか? ん?」
「一応分かる内容は勘じゃないけど黙っておこうおもしろ……ゴホン怖いし」
なんやかんやでこの状況を楽しんでいるようで、リズは余計な横やりは入れずに口を噤んだ。
「さて。格付けチェックこれにて終了」
「また次の企画でお会いしましょーう!」
最後にウィドとリズの掛け声で、この格付け企画は終わったのだった。
その後――
「お疲れさまでしたー」
企画が終了した所で、スタジオでは撮影係だったダスク達が慌ただしく動き出す。
ようやく撮影から解放されたソラ達はそそくさとその場から離れる。そんな中、料理を担当していたムーンが難しい顔でやってくる。
「セヴィルを騙せるように誰かに弟子入りしようか悩んでる」
「マジ辞めて」
「……せめてこういう場では、他の奴でも正解が分かるレベルに留めて置け」
真顔で止めるリズに、セヴィルもパイプ椅子から立ち上がりながら釘を刺す。
さっきまでの威圧が嘘のようにやれやれと肩を竦めているが、リクもルキルも怖さで顔を下げたまま立ち上がれない。そのまま2人を残してセヴィルがスタジオを出ようとした直前で、リズに声を掛けられた。
「ねえセヴィル、1ついい?」
「なんだ?」
「んー。これは私の感じた事なんだけど――助っ人って割に、やけにお父さん達に突っかかってるように見えたのよね。キーブレードマスターだからってだけじゃないような……もしかしてだけど、何かお父さんと因縁でも作った?」
「――――」
リズの質問に、僅かだがセヴィルの眉が動く。
それを目聡く見つけたリズは、にんまりと笑う。
「ふーん、やっぱり何かあるのね?」
「心でも読んだか? 別にお前の父親との因縁はない」
それだけ言って、セヴィルは去る。
リズは肩を竦める。去り際に呟いた言葉が聞こえていたから。
「因縁そのものが消えたようなもの、か……ちょっと気になるけど、消えたって事は今は何も関係がないって事だろうし、本人の為にも詮索は止めておきましょ」
やがて4人分の視線が集まるドアが開かれた。
「Aの人、正解おめでとー!!」
「うおっしゃあああああああ!! リズーーーーー!!」
よほど嬉しかったのだろう。コロンビアポーズした後にリズへと抱き着こうとするロクサス。ダイブにも近い動作だが、即座にリズが横に避けた事でそのまま壁にぶち当たるのだった。
「普通に年ごろなんでヤメロ」
「娘よぉ…!!」
真顔で注意され、ロクサスがプルプルと手を伸ばすが。
「娘なのは仕方ないから認めるがアンタの父親としての実績お父さん以下どころか何1つ無いが???」
「ごふっ!?」
「リズ、もうそのくらいにしてあげて……!!」
容赦ない毒舌でロクサスにトドメを刺す光景に、たまらずアクアが止めに掛かったのだった。
「全員正解、おめでとうございます。さて、格付けチェックもいよいよ最後となりました。最後のお題は食材となります――このお題は3択となります。正解は最高級の霜降り牛。不正解はスーパーで買った牛肉。絶対アカンはそこらの箱を叩いて手に入れた肉となります」
「どんなお肉なのそれ!?」
ウィドの絶対アカン枠の肉の説明に、思わずアクアが叫ぶ。
「気にしたらKH3で料理の材料になんて出来ませんよ。絶対アカン枠を選んだ場合、今度こそ問答無用で『映す価値無し』に転落するのでご注意を。このお題の代表者は、二流からテラ、シオン。三流からはソラ。一流チームはリク&ルキル様ペアで参加と言う形に致します」
「殿堂入り最後の壁は、最後のチェックもペアに任せると言う方式だな、分かった。さあ、ここまでノーミスでクリアして来たんだ。ここで間違えたら――分かるな?」
そう言って、セヴィルは代表として選ばれた2人に対して眼鏡越しに圧を掛ける。
ゴール目前だからだろう。最初の頃よりもより眼鏡が鋭く光っているような錯覚を見せつけられ、ルキルとリクは遠い目を浮かべた。
「俺……なんでこの人がスピカさんの師匠なのか嫌と言うほど分かったんだが」
「何が何でも正解するぞ、じゃないと俺達の命が無い……!!」
そうして代表者が会場を後にすると、ウィドはモニターを起動する前に全員を見回す。
「さて。最後の問題も、ここにいる全員に正解を見せたいと思います。リズ」
「はーい。このチェックの正解は――A。不正解はC、絶対アカンはBになりまーす」
リズがそれぞれ正解と不正解の答えが書かれてある紙を見せつける。実は答えが第3問と同じになっているが、果たしてこれに気付けるだろうか。
「大丈夫かな、シオン……!!」
「いや、シオンはもう絶望的だろ。俺も言えた立場じゃないけど……!」
「テラ、頑張って……!!」
「――――」
カイリとロクサスは既に終わった空気となり、アクアは両手を組んで祈る動作を。セヴィルは黙って足を組んで行く末を眺めていた。
最後の判定と言う事で、一組ずつチェック部屋にて目隠しをした状態で試食を行う形となる。最初にやってきたテラは、アンヴァースの目隠しをして3つの肉を試食する。
目隠しを外し、難しい顔をしながら上げた札は――。
「うーん……Aだ。3つの中で一番高級な味がした」
「やった! 流石だわテラ!!」
見事に正解を当て、喜ぶアクア。一気に肩の荷が下りているが、それを知らないテラは不安そうにAの部屋に入る。
次にやってきたのはシオン。彼女もノーバディの目隠しをして、同じように肉を試食して札を上げる。
「えーと……Bかな。なんかこっちの方が美味しい気がする!」
「シオン!? お願い、それだけは選ばないで!! ああ止めてー!! いやー!!」
「カイリ&シオンペア! まさかの映す価値無し決定です!」
「まあ、お母さんだもんね。正直こうなる予感はしてたわ」
絶望一色になるカイリと興奮するウィドを横目に、リズは母親の数々の殺人料理を思い出す。その目はどこか遠くを見ている。
「なるほど。ズボラな料理人では高級な味すらも分からないようですね。ま、こう言うのは細やかな味が分かる繊細な舌でないといけませんね。私みたいに」
『は?』
「何ですか皆さん、その反応は?」
全員がウィドを真顔で見ると、本人は不服とばかりに顔をしかめる。
そうこうしていると、モニターではソラがワンダニャンの目隠しを外して札を上げていた。
「んー……Cで!! こっちが高級だ!!」
「ソラ!! 絶対アカンじゃないが正解を選ばないと俺達消えて――行くんじゃない!! いやだぁぁぁ娘よぉぉぉ!!」
「とっとと消えろや。マジックアワー!!!」
手を伸ばして近づこうとするロクサスに対して、容赦なく光の柱を落としたリズだった。
こうして物理的に画面外から消えたロクサスだが、この場の注目は最後の人達に移る。
「さて。いよいよ一流が掛かった最後の挑戦者ですね。ある意味一番の見どころになりますが、はてさて……」
ウィドが解説していると、リクとルキルが席につく。それぞれコウモリバットとノーバディの目隠しをして、スタッフによって目の前に出された肉を口に含む。Bで頷いたり、Cで首を傾げたりがあったが、最後まで食べ終えて難しい顔で目隠しを取る2人。
絶対に間違えられない。そんなプレッシャーの中、頭を押さえながら出した答えは。
「「Bで」」
「よおおおおおおおおおおおしっ!!」
「お父さーーーーん!?」
「バカ舌か!!」
両手を上げてガッツポーズをするほどの雄たけびを上げるウィド。一方でまさかの絶対アカン枠を選んだ展開に悲鳴じみた叫びを上げるリズ。そして立ち上がって怒鳴り散らすセヴィルと三者三様の光景が出来上がってしまった。
「あの2人抱き合ってる!」
そんな中、カイリが指を差すモニターの先には、心が通じ合った喜びのあまりに同じ顔の2人が抱き合うと言う超レアな光景が。この様子なら、選択肢を変える事もないだろう。
さて。もうすぐ画面外から消えてしまう事にも知らない2人は、選んだ理由を語り出す。
「Bが圧倒的に美味しかった」
そう語るルキルの目は感動で一杯だ。スタジオで笑いが起きているとも知らずに。
「いつだったか、材料持ち寄りの焼肉の時にクウから差し入れで渡されてた高級肉を食べた事あるんだが。その時の味がBに」
「嘘言うな!! クウにはクロと一緒に選んだ高級肉を渡したのであって、拾った肉食わせてないが!?」
「ヒィー、ヒー……!」
完全に絶対アカンの肉を高級肉かのように語るリクに、全力のツッコミを入れるセヴィル。とうとうウィドは痙攣状態で腹を押さえながら机をバシバシ叩き出す。
「お父さんとルキル、お母さんとウィドの料理で味覚壊れたのかな……?」
「どちらかと言うと、若干中の人よりになってそうですね……あっはははは……!」
普段なら怒るリズの台詞も、当のウィドは爆笑の状態に陥った事で腹を抱えて笑う始末だ。
こうして自信満々で控室に進む2人を見送り、セヴィルは椅子に座ったまま天井を見上げたのだった。
「やってくれたな――最後の最後に本当にやってくれた」
そのまま絞り出した声は、驚くほど静かだったと言う。
「しゅーりょー!!」
結果発表を終えて、スタジオにリズの元気な声が響き渡る。
このスタジオ内ではウィドの他に、テラとアクアしかいない。残り3組が座っていた所は既に空白の状態になっており【映す価値なし】と言う張り紙が張られている。
「結果は、アクア&テラペアが二流でしたね。しかし、スタジオにはもう少し人がいたと思うんですが……一気に人がいなくなりましたねー」
「あの〜……俺達スタジオの外いるんだけど。そこでリクとルキルが正座させられてる……」
本来なら無視するスタジオ外からのソラの言葉に、一斉にそちらを見る。
ソラとロクサス、カイリとシオンが何とも言えない顔でパイプ椅子に座っているのに対し、セヴィルは足を組みつつ手を軽く組んで座っているパイプ椅子の背もたれに踏ん反り返っており、その視線の先にはリクとルキルが床に正座させられると言う絶対に見られないような光景が広がっていた。
「――最後、一流から一気に転落どころかスタジオから追い出されたが、言い分はあるか? 未来のキーブレードマスター?」
「「………」」
有無を言わさぬ覇気に2人とももはや何も言えないようで、黙って下を向いている。
「かの王なら笑って許すだろう。だが、俺は他のキーブレードマスターほど甘くないぞ? 俺は知識と経験と感性から今まで一流の答えを選んできたんだ。リズみたいに勘で全てやってきた訳じゃない事を理解してるか? 中身が未熟にもほどがある、お前達の良さは顔と声と筋肉の見た目だけか? ん?」
「一応分かる内容は勘じゃないけど黙っておこうおもしろ……ゴホン怖いし」
なんやかんやでこの状況を楽しんでいるようで、リズは余計な横やりは入れずに口を噤んだ。
「さて。格付けチェックこれにて終了」
「また次の企画でお会いしましょーう!」
最後にウィドとリズの掛け声で、この格付け企画は終わったのだった。
その後――
「お疲れさまでしたー」
企画が終了した所で、スタジオでは撮影係だったダスク達が慌ただしく動き出す。
ようやく撮影から解放されたソラ達はそそくさとその場から離れる。そんな中、料理を担当していたムーンが難しい顔でやってくる。
「セヴィルを騙せるように誰かに弟子入りしようか悩んでる」
「マジ辞めて」
「……せめてこういう場では、他の奴でも正解が分かるレベルに留めて置け」
真顔で止めるリズに、セヴィルもパイプ椅子から立ち上がりながら釘を刺す。
さっきまでの威圧が嘘のようにやれやれと肩を竦めているが、リクもルキルも怖さで顔を下げたまま立ち上がれない。そのまま2人を残してセヴィルがスタジオを出ようとした直前で、リズに声を掛けられた。
「ねえセヴィル、1ついい?」
「なんだ?」
「んー。これは私の感じた事なんだけど――助っ人って割に、やけにお父さん達に突っかかってるように見えたのよね。キーブレードマスターだからってだけじゃないような……もしかしてだけど、何かお父さんと因縁でも作った?」
「――――」
リズの質問に、僅かだがセヴィルの眉が動く。
それを目聡く見つけたリズは、にんまりと笑う。
「ふーん、やっぱり何かあるのね?」
「心でも読んだか? 別にお前の父親との因縁はない」
それだけ言って、セヴィルは去る。
リズは肩を竦める。去り際に呟いた言葉が聞こえていたから。
「因縁そのものが消えたようなもの、か……ちょっと気になるけど、消えたって事は今は何も関係がないって事だろうし、本人の為にも詮索は止めておきましょ」
■作者メッセージ
オマケ(その他のメンバー)
グラッセ「絶対ありえへんを選んだら俺がコイツを消します」
ウラノス「!?」運悪くペアになった最悪コンビ(グラッセは一流)
ラック「こっちの方がおいしかった!(絶対にアカン)」
ジェダイト「………(頭抱えるジェダイト)」
レイア「味の違いが分からないです…A?」(芸術関連は分かるが、味は分からない)
オパール「いいえBよ。こっちが高級の味がするわ」(貧乏ゆえに鍛えられた味覚)
スピカ「どうにか二流芸能人で済んでるわね」
クウ「頭が上がらない…!」(スピカだけ全問正解で、クウだけ不正解選び続ける)
からの
スピカ「最高級牛肉はこっちね。間違いないわ(絶対アカン、カエルの肉)」(ドヤ顔)
クウ「」(無言で両手で顔を覆っている)
リズ「3つ食って判断したがこれはカエルの肉だな、これを選んだ人は冗談抜きで味覚死んでるでしょ、馬鹿なの?(煽りも込めて評価)――残り2択だけどどちらも普通に美味しかったけど、特に美味しく感じたのは個人的に最後の肉、最初の肉は市販の味な気がする(もぐもぐ)」
リズ「と言うわけで正解はこの部屋よ!!(ガチで正解の部屋しか開けない)」
リズ「多分正解はこっちの部屋ね!(ガチャ)」
カヤ「よっしゃリズ来た!!こっちが正解だぁぁぁ!!!(勝利の雄たけび)」
ガイア「何でアタシが来た瞬間皆落ち込むんだ…?」
ムーン「お前が死神だからだよおおおお」
セヴィル「教養はそれなりにあるからな」
クロトスラル「最高を分かってこそ、魅力ある男ってもんだろ」(大人の余裕)
グラッセ「俺自力で判断してるんだぜ?結局リズの野生の勘の方が凄くて勝てないんだけどな…」(ガク〇ポジ)
グラッセ「一応腐っても光の勇者の子供なのでちゃんとマナー含め教育はされてます」
ムーン「俺も、普段面倒だからやらねぇけど」
グラッセ「少しはやって???」
ウラノス「基本小食なんで飯は基本草」
ガイア「アタシはちゃんと栄養考えてキノコとか食べてるよお兄ちゃん…」絶対アカン組
ジェダイト「ラックさんは絶対に自分が正しいと思った物以外を最終的に選んでくださいね」(地上波で言って全員凍り付く)
テルス「…何かの間違いかなと」
カヤ「あ゛?(足組みながら切れてる)」
ウラノス「(自分だけAを出す)」
テルス&カヤ「(正解のB)」
ウラノス「こ、この餃子いくらでもいけるなって味だったぞ」
カヤ「―――それで?(絶対零度の眼差し)」
ウラノス「(無言でBに変える)」
カヤ「俺も消えるがアイツらも消すわ(真顔)」
リズ「顔と音声怖ぇよ」
最終的な格付け
グラッセ・ウラノスペアがグラッセのお陰で3流
ラック・ジェダイトペアはジェダイトのフォローで2流
1流はカヤ&ムーンコンビ
移す価値なしはテルス・ガイアペア
(テルスは唯一3兄弟の中でマトモなご飯食べてるから味覚は普通だけど、いわゆる貧乏舌なので安い奴の方が好ましく思う&ガイアがことごとく不正解選ぶので移す価値なし)
リラさんと1月に格〇けパロのネタを話し合って、折角だからと頑張って書いてみた完全ギャグ作品です。ある意味でKHキャラメインで書いたのですが……ひっさびさに書いてみたけど、すごい時間かかってしまった……。
リラさんからは上に書いたリズ達のも貰っていたんですが、取り入れたらもの凄く長くなるだろうなと言う事で、オマケで出させて貰いました。
グラッセ「絶対ありえへんを選んだら俺がコイツを消します」
ウラノス「!?」運悪くペアになった最悪コンビ(グラッセは一流)
ラック「こっちの方がおいしかった!(絶対にアカン)」
ジェダイト「………(頭抱えるジェダイト)」
レイア「味の違いが分からないです…A?」(芸術関連は分かるが、味は分からない)
オパール「いいえBよ。こっちが高級の味がするわ」(貧乏ゆえに鍛えられた味覚)
スピカ「どうにか二流芸能人で済んでるわね」
クウ「頭が上がらない…!」(スピカだけ全問正解で、クウだけ不正解選び続ける)
からの
スピカ「最高級牛肉はこっちね。間違いないわ(絶対アカン、カエルの肉)」(ドヤ顔)
クウ「」(無言で両手で顔を覆っている)
リズ「3つ食って判断したがこれはカエルの肉だな、これを選んだ人は冗談抜きで味覚死んでるでしょ、馬鹿なの?(煽りも込めて評価)――残り2択だけどどちらも普通に美味しかったけど、特に美味しく感じたのは個人的に最後の肉、最初の肉は市販の味な気がする(もぐもぐ)」
リズ「と言うわけで正解はこの部屋よ!!(ガチで正解の部屋しか開けない)」
リズ「多分正解はこっちの部屋ね!(ガチャ)」
カヤ「よっしゃリズ来た!!こっちが正解だぁぁぁ!!!(勝利の雄たけび)」
ガイア「何でアタシが来た瞬間皆落ち込むんだ…?」
ムーン「お前が死神だからだよおおおお」
セヴィル「教養はそれなりにあるからな」
クロトスラル「最高を分かってこそ、魅力ある男ってもんだろ」(大人の余裕)
グラッセ「俺自力で判断してるんだぜ?結局リズの野生の勘の方が凄くて勝てないんだけどな…」(ガク〇ポジ)
グラッセ「一応腐っても光の勇者の子供なのでちゃんとマナー含め教育はされてます」
ムーン「俺も、普段面倒だからやらねぇけど」
グラッセ「少しはやって???」
ウラノス「基本小食なんで飯は基本草」
ガイア「アタシはちゃんと栄養考えてキノコとか食べてるよお兄ちゃん…」絶対アカン組
ジェダイト「ラックさんは絶対に自分が正しいと思った物以外を最終的に選んでくださいね」(地上波で言って全員凍り付く)
テルス「…何かの間違いかなと」
カヤ「あ゛?(足組みながら切れてる)」
ウラノス「(自分だけAを出す)」
テルス&カヤ「(正解のB)」
ウラノス「こ、この餃子いくらでもいけるなって味だったぞ」
カヤ「―――それで?(絶対零度の眼差し)」
ウラノス「(無言でBに変える)」
カヤ「俺も消えるがアイツらも消すわ(真顔)」
リズ「顔と音声怖ぇよ」
最終的な格付け
グラッセ・ウラノスペアがグラッセのお陰で3流
ラック・ジェダイトペアはジェダイトのフォローで2流
1流はカヤ&ムーンコンビ
移す価値なしはテルス・ガイアペア
(テルスは唯一3兄弟の中でマトモなご飯食べてるから味覚は普通だけど、いわゆる貧乏舌なので安い奴の方が好ましく思う&ガイアがことごとく不正解選ぶので移す価値なし)
リラさんと1月に格〇けパロのネタを話し合って、折角だからと頑張って書いてみた完全ギャグ作品です。ある意味でKHキャラメインで書いたのですが……ひっさびさに書いてみたけど、すごい時間かかってしまった……。
リラさんからは上に書いたリズ達のも貰っていたんですが、取り入れたらもの凄く長くなるだろうなと言う事で、オマケで出させて貰いました。