第五章:再会Y
「サクヤ・・・?」
ソラは目の前にいる彼女に向かって、震える声で名前を読んだ。
サクヤはゆっくりとソラの方を振り返る。
ソラの大きな瞳は揺れ、心なしかうるんでいるように見える。
「ソラ・・・」
サクヤも、目の前にいる少年の名を呼ぶと、ピクリと彼の肩が震えた。
「本物・・・だよな?本当に、お前なんだよな?夢じゃ、ないよな?」
ソラはその存在を確認するように、一言一言をかみしめるように言葉を紡ぐ。
サクヤはそんな彼の元にそっと近づくと、ゆっくりと頷いた。
「夢じゃないよ。わたしはサクヤ。あなたの家族。無事でよかっ・・・」
サクヤはその先の言葉を続けることができなかった。
不意に、ソラが彼女の身体を抱き締めたからだ。
思わぬことにサクヤは目を見開き、後ろの二人は大層驚き飛び上がった。
「よかった・・・本当に良かった・・・会えた・・・」
頭の上から聞こえるソラの声は、いつもの彼からは考えられないくらいに掠れ、震えていた。
サクヤが闇の中に消える瞬間、ソラの必死な顔が突如彼女の頭の中に浮かぶ。
そうだ・・・わたしは・・・
「ソラ」
サクヤのはっきりした声に、ソラはそっと身体を離すと彼女の瞳をじっと見た。
「わたし、わかった。わたしにとって大切なこと。今やっと、わかった」
「サクヤ?」
「あなたは、あの日約束してくれた。わたしの記憶を取り戻してくれるって。だから、わたしも約束する」
サクヤはそう言って自分の小指をソラの前に差し出すと、はっきりした声で言った。
「約束する。わたしは、ソラを守る。何があっても、この身に代えても。それが、わたしにとって、一番大切なことだから」
今までとは違うサクヤの気迫に、ソラはぽかんとしたまま見つめていたが、急に真剣な表情になりサクヤを見据えた。
「それは俺も同じだ。お前が闇の中に消えた時、どうしようもなく後悔した。リクもカイリもいなくなって、お前だけでもいなくならないでほしかった。だから、俺もサクヤを守るよ。約束する」
そう言ってソラは、出されていたサクヤの小指に自分の指をそっとからめた。
サクヤは一瞬目を見開いたが、ソラがにっこりと笑うと思わず口元が緩んだ。
「あーーー、オホン」
突如、後ろから咳ばらいが聞こえた。
二人が振り返ると、少し不機嫌そうな顔をしたアヒルの魔導師と、にこにこと笑っている犬の騎士。
そして、いつの間にそこにいたのか、レオンとユフィの姿までもがそこにあった。
「お取込み中のところ悪いんだけど、そろそろいいかな?いろいろと話したいこともあるしね」
ユフィのからかうような口調に、ソラの顔は一瞬で赤く染まり、サクヤは訳が分からず首をかしげるのであった。
ソラは目の前にいる彼女に向かって、震える声で名前を読んだ。
サクヤはゆっくりとソラの方を振り返る。
ソラの大きな瞳は揺れ、心なしかうるんでいるように見える。
「ソラ・・・」
サクヤも、目の前にいる少年の名を呼ぶと、ピクリと彼の肩が震えた。
「本物・・・だよな?本当に、お前なんだよな?夢じゃ、ないよな?」
ソラはその存在を確認するように、一言一言をかみしめるように言葉を紡ぐ。
サクヤはそんな彼の元にそっと近づくと、ゆっくりと頷いた。
「夢じゃないよ。わたしはサクヤ。あなたの家族。無事でよかっ・・・」
サクヤはその先の言葉を続けることができなかった。
不意に、ソラが彼女の身体を抱き締めたからだ。
思わぬことにサクヤは目を見開き、後ろの二人は大層驚き飛び上がった。
「よかった・・・本当に良かった・・・会えた・・・」
頭の上から聞こえるソラの声は、いつもの彼からは考えられないくらいに掠れ、震えていた。
サクヤが闇の中に消える瞬間、ソラの必死な顔が突如彼女の頭の中に浮かぶ。
そうだ・・・わたしは・・・
「ソラ」
サクヤのはっきりした声に、ソラはそっと身体を離すと彼女の瞳をじっと見た。
「わたし、わかった。わたしにとって大切なこと。今やっと、わかった」
「サクヤ?」
「あなたは、あの日約束してくれた。わたしの記憶を取り戻してくれるって。だから、わたしも約束する」
サクヤはそう言って自分の小指をソラの前に差し出すと、はっきりした声で言った。
「約束する。わたしは、ソラを守る。何があっても、この身に代えても。それが、わたしにとって、一番大切なことだから」
今までとは違うサクヤの気迫に、ソラはぽかんとしたまま見つめていたが、急に真剣な表情になりサクヤを見据えた。
「それは俺も同じだ。お前が闇の中に消えた時、どうしようもなく後悔した。リクもカイリもいなくなって、お前だけでもいなくならないでほしかった。だから、俺もサクヤを守るよ。約束する」
そう言ってソラは、出されていたサクヤの小指に自分の指をそっとからめた。
サクヤは一瞬目を見開いたが、ソラがにっこりと笑うと思わず口元が緩んだ。
「あーーー、オホン」
突如、後ろから咳ばらいが聞こえた。
二人が振り返ると、少し不機嫌そうな顔をしたアヒルの魔導師と、にこにこと笑っている犬の騎士。
そして、いつの間にそこにいたのか、レオンとユフィの姿までもがそこにあった。
「お取込み中のところ悪いんだけど、そろそろいいかな?いろいろと話したいこともあるしね」
ユフィのからかうような口調に、ソラの顔は一瞬で赤く染まり、サクヤは訳が分からず首をかしげるのであった。