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Names 〜Atonement Requiem〜

星三輪サナ

INDEX

  • あらすじ
  • 01 序章:決意の園
  • 02 第一章:望月の歌姫T
  • 03 第一章:望月の歌姫U
  • 04 第一章:望月の歌姫V
  • 05 第一章:望月の歌姫W
  • 06 第二章:与えられた存在T
  • 07 第二章:与えられた存在U
  • 08 第二章:与えられた存在V
  • 09 第二章:与えられた存在W
  • 10 第二章:与えられた存在X
  • 11 第二章:与えられた存在Y
  • 12 第二章:与えられた存在Z
  • 13 第二章:与えられた存在[
  • 14 オリキャラ設定
  • 15 第三章:旅立ちの序曲T(前編)
  • 16 第三章:旅立ちの序曲U(前編)
  • 17 第三章:旅立ちの序曲V(前編)
  • 18 第三章:旅立ちの序曲W(前編)
  • 19 第三章:旅立ちの序曲X(前編)
  • 20 第三章:旅立ちの序曲Y(前編)
  • 21 第四章:旅立ちの序曲T(後編)
  • 22 第四章:旅立ちの序曲U(後編)
  • 23 第四章:旅立ちの序曲V(後編)
  • 24 第四章:旅立ちの序曲W(後編)
  • 25 第四章:旅立ちの序曲X(後編)
  • 26 第四:旅立ちの序曲Y(後編)
  • 27 第四章:旅立ちの序曲Z(後編)
  • 28 第四章:旅立ちの序曲[(後編)
  • 29 第五章:再会T
  • 30 第五章:再会U
  • 31 第五章:再会V
  • 32 第五章:再会W
  • 33 第五章:再会X
  • 34 第五章:再会Y
  • 35 第五章:再会Z
  • 36 第五章:再会[
  • 37 第五章:再会\
  • 38 第六章:ようこそ、不思議の国へ(前編)T
  • 39 第六章:ようこそ、不思議の国へ(前編)U
  • 40 第六章:ようこそ、不思議の国へ(前編)V
  • 41 第六章:ようこそ、不思議の国へ(前編)W
  • 42 第六章:ようこそ、不思議の国へ(前編)X
  • 43 第六章:ようこそ、不思議の国へ(前編)Y
  • 44 第六章:ようこそ、不思議の国へ(前編)Z
  • 45 第六章:ようこそ、不思議の国へ(前編)[
  • 第六章:ようこそ、不思議の国へ(前編)X

    暗い穴を抜けるとそこには、ハート型に刈り込まれたアーチが4人を迎えた。

    その周りに立っているのは、赤と黒のトランプのような姿をしている者。

    そしてその奥には、少し太めの中年の女性がふんぞり返って座っていた。

    「あ、あれ!」

    グーフィーが指をさした方向には、先ほどのウサギが壇上に駆け上がりラッパを吹き鳴らした。

    「ただ今より、開廷する!」

    「え?裁判をするの?どうして?」

    ウサギの言葉に、真ん中の台に立っていた一人の少女が、驚いたように声を上げた。
    心なしか、少し怒っているようにも見える。

    「裁判?」

    その言葉を聞いたソラが、不思議そうに首をかしげた。

    「えっと、裁判っていうのは」
    「裁判。何か問題が起こった時に、その問題を速やかに解決するために行う討議。一般的には罪を犯したものを裁く者の方が多い」

    グーフィーの言葉を遮り、サクヤがまるで百科事典のように淡々とソラに説明した。
    そんな彼女に、ドナルドとグーフィーはぽかんとして見つめた。

    「そ、そうなんだ。よく知ってるな、そんな難しいこと」
    「前にリクが貸してくれた本に載ってた」
    「サクヤに何を読ませているんだよ・・・」

    ソラは少し呆れつつも、リクは本当にサクヤの面倒を見てくれていたな、と心の中で思った。
    自分が気づかないようなことを、何度も教えられた。

    今、どこにいるんだろう。

    そんなことを考えていると、突然あたりにだみ声が響いた。

    「この娘が犯人であることは間違いない!なぜなら?私が決めたのだから」
    「そんなのってないわ!!」

    女王の理不尽な物言いに、少女は抗議の声を上げる。

    「被告アリス。何か言いたいことはあるかね?」

    白ウサギが少女、アリスに問いかけた。

    「もちろんあります!私、悪いことなんてしていないもの!女王だか何だか知らないけれど、あなたみたいなワガママな人、今まで見たことがないわ」

    「お黙り!この私を怒らせる気かい!?」

    女王が声を張り上げると、アリスはびくりと肩を震わせた。

    「なんだか可哀想だな・・・助けてあげようよ」

    そんな様子を見ていたソラは、キーブレードを握りしめながらそう言った。

    「でもねぇ・・・」

    だが、ドナルドは渋い顔をしながら口を開いた。

    「僕らは他の世界に参上したらダメなんだよ」
    「干渉!」

    グーフィーの言い間違いを、ドナルドがすかさず訂正する。

    「干渉。他の事に介入すること」
    「そうそう。それはダメなんだよね。世界の近所を守るためには」
    「秩序だってば!!」

    再び訂正するドナルドが声を張り上げるが、慌てて口をふさいだ。

    「判決を言い渡す!!」

    その時、女王のだみ声が再び響いた。

    「被告アリスは有罪!!ハートの女王である私を襲い、ハートを奪おうとした罪である!」

    女王の言葉に、ソラたちははっとした表情になると互いの顔を見合わせた。

    「ハートって・・・もしかして」
    「犯人は、ハートレス?」
    「だとしたら、あの子は完全に無実じゃないか!」

    ハートレスが絡んでいる可能性があるのならば、見過ごすわけにはいかない。

    「この娘の首を撥ねよ!」
    「いやよ、助けて!!」

    女王が叫び、トランプの兵士たちが一斉にアリスに飛びかかろうとした瞬間。

    「ちょっと待ってよ!!」

    ソラはそう叫ぶと、前をふさいでいた兵士をはねのけ飛び出した。

    15/05/18 20:38 星三輪サナ   

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