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Names 〜Atonement Requiem〜

星三輪サナ

INDEX

  • あらすじ
  • 01 序章:決意の園
  • 02 第一章:望月の歌姫T
  • 03 第一章:望月の歌姫U
  • 04 第一章:望月の歌姫V
  • 05 第一章:望月の歌姫W
  • 06 第二章:与えられた存在T
  • 07 第二章:与えられた存在U
  • 08 第二章:与えられた存在V
  • 09 第二章:与えられた存在W
  • 10 第二章:与えられた存在X
  • 11 第二章:与えられた存在Y
  • 12 第二章:与えられた存在Z
  • 13 第二章:与えられた存在[
  • 14 オリキャラ設定
  • 15 第三章:旅立ちの序曲T(前編)
  • 16 第三章:旅立ちの序曲U(前編)
  • 17 第三章:旅立ちの序曲V(前編)
  • 18 第三章:旅立ちの序曲W(前編)
  • 19 第三章:旅立ちの序曲X(前編)
  • 20 第三章:旅立ちの序曲Y(前編)
  • 21 第四章:旅立ちの序曲T(後編)
  • 22 第四章:旅立ちの序曲U(後編)
  • 23 第四章:旅立ちの序曲V(後編)
  • 24 第四章:旅立ちの序曲W(後編)
  • 25 第四章:旅立ちの序曲X(後編)
  • 26 第四:旅立ちの序曲Y(後編)
  • 27 第四章:旅立ちの序曲Z(後編)
  • 28 第四章:旅立ちの序曲[(後編)
  • 29 第五章:再会T
  • 30 第五章:再会U
  • 31 第五章:再会V
  • 32 第五章:再会W
  • 33 第五章:再会X
  • 34 第五章:再会Y
  • 35 第五章:再会Z
  • 36 第五章:再会[
  • 37 第五章:再会\
  • 38 第六章:ようこそ、不思議の国へ(前編)T
  • 39 第六章:ようこそ、不思議の国へ(前編)U
  • 40 第六章:ようこそ、不思議の国へ(前編)V
  • 41 第六章:ようこそ、不思議の国へ(前編)W
  • 42 第六章:ようこそ、不思議の国へ(前編)X
  • 43 第六章:ようこそ、不思議の国へ(前編)Y
  • 44 第六章:ようこそ、不思議の国へ(前編)Z
  • 45 第六章:ようこそ、不思議の国へ(前編)[
  • 第四章:旅立ちの序曲W(後編)

    その夜。

    ソラとサクヤは、それぞれの自室で明日の準備を進めていた。
    リクやカイリに教わった通り、着替えや水着や遊び道具なんかを鞄に詰めた。

    ふと、外を見ると外は暗く、心なしか遠くで雷鳴が聞こえる。

    嵐はサクヤも初めてではない。
    ここデスティニーアイランドは、時折激しい嵐に見舞われることがあるのだ。
    よほど大きな嵐でない限り、被害はほとんどない。

    しかし、それは4人で作ったイカダにとっては脅威以外の何物でもなかった。

    「イカダが・・・危ない・・・」

    気が付けばサクヤの身体は、迷わず外へと向かっていた。
    向かう先は一つ。あの小島へだ。

    小さな小舟を必死でこぎながら、サクヤは上空を見上げた。

    得体のしれない黒い球体が浮かんでいるのが目に入る。

    先ほどから感じている不快な違和感をぬぐうように、サクヤは舟をこぐ手を速めた。

    やっとのことで桟橋につくと、すでに2隻の船がそこにあった。

    おそらく、リクとカイリだろう。二人もこの嵐でイカダが気になり様子を見に来たのだろう。

    サクヤは急いで桟橋から砂浜へ駈け出すが、突然地面から黒い影のような怪物が現れ彼女の行方を阻んだ。

    全身が墨のように真っ黒で、目はギラギラとした不気味な金色に光っている。

    「これは・・・ハートレス?」

    サクヤの口からその怪物と思わしき名前が飛び出すと、彼女は驚いて口をふさいだ。

    (わたし、知っている?この怪物の事を・・・)

    考える間もなく、怪物・・・ハートレスはサクヤに向かって飛びかかってきた。
    サクヤはその攻撃を寸前で避け、砂浜に転がる。

    だが、休む間もなくハートレスたちはサクヤに向かって鋭い爪を突き立てようとしてきた。

    戦うにも、今彼女は丸腰だ。

    どうすればいい――!?

    どうすれば――!?

    「あっ!!」

    油断していたせいか、一匹のハートレスがサクヤの死角からとびかかり、その右足をかすめた。
    突然のことに対処が遅れ、サクヤはその場所に倒れた。

    目の前には、大量のハートレスが好機と言わんばかりに群がり、サクヤに狙いを定める。

    そして、一斉に彼女に向かって飛びかかってきた。

    それとほぼ同時にサクヤの頭に、鋭い痛みが突然走った。
    そして、脳裏に浮かぶ奇妙な言葉。


    ――・・・%

    ――・・・動。――・・・始します・・・

    その瞬間。

    飛びかかってきたハートレスたちが、一瞬にして跡形もなく消え去った。

    15/01/04 22:14 星三輪サナ   

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