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Names 〜Atonement Requiem〜

星三輪サナ

INDEX

  • あらすじ
  • 01 序章:決意の園
  • 02 第一章:望月の歌姫T
  • 03 第一章:望月の歌姫U
  • 04 第一章:望月の歌姫V
  • 05 第一章:望月の歌姫W
  • 06 第二章:与えられた存在T
  • 07 第二章:与えられた存在U
  • 08 第二章:与えられた存在V
  • 09 第二章:与えられた存在W
  • 10 第二章:与えられた存在X
  • 11 第二章:与えられた存在Y
  • 12 第二章:与えられた存在Z
  • 13 第二章:与えられた存在[
  • 14 オリキャラ設定
  • 15 第三章:旅立ちの序曲T(前編)
  • 16 第三章:旅立ちの序曲U(前編)
  • 17 第三章:旅立ちの序曲V(前編)
  • 18 第三章:旅立ちの序曲W(前編)
  • 19 第三章:旅立ちの序曲X(前編)
  • 20 第三章:旅立ちの序曲Y(前編)
  • 21 第四章:旅立ちの序曲T(後編)
  • 22 第四章:旅立ちの序曲U(後編)
  • 23 第四章:旅立ちの序曲V(後編)
  • 24 第四章:旅立ちの序曲W(後編)
  • 25 第四章:旅立ちの序曲X(後編)
  • 26 第四:旅立ちの序曲Y(後編)
  • 27 第四章:旅立ちの序曲Z(後編)
  • 28 第四章:旅立ちの序曲[(後編)
  • 29 第五章:再会T
  • 30 第五章:再会U
  • 31 第五章:再会V
  • 32 第五章:再会W
  • 33 第五章:再会X
  • 34 第五章:再会Y
  • 35 第五章:再会Z
  • 36 第五章:再会[
  • 37 第五章:再会\
  • 38 第六章:ようこそ、不思議の国へ(前編)T
  • 39 第六章:ようこそ、不思議の国へ(前編)U
  • 40 第六章:ようこそ、不思議の国へ(前編)V
  • 41 第六章:ようこそ、不思議の国へ(前編)W
  • 42 第六章:ようこそ、不思議の国へ(前編)X
  • 43 第六章:ようこそ、不思議の国へ(前編)Y
  • 44 第六章:ようこそ、不思議の国へ(前編)Z
  • 45 第六章:ようこそ、不思議の国へ(前編)[
  • 第五章:再会Y

    「サクヤ・・・?」

    ソラは目の前にいる彼女に向かって、震える声で名前を読んだ。
    サクヤはゆっくりとソラの方を振り返る。

    ソラの大きな瞳は揺れ、心なしかうるんでいるように見える。

    「ソラ・・・」

    サクヤも、目の前にいる少年の名を呼ぶと、ピクリと彼の肩が震えた。

    「本物・・・だよな?本当に、お前なんだよな?夢じゃ、ないよな?」

    ソラはその存在を確認するように、一言一言をかみしめるように言葉を紡ぐ。

    サクヤはそんな彼の元にそっと近づくと、ゆっくりと頷いた。

    「夢じゃないよ。わたしはサクヤ。あなたの家族。無事でよかっ・・・」

    サクヤはその先の言葉を続けることができなかった。

    不意に、ソラが彼女の身体を抱き締めたからだ。

    思わぬことにサクヤは目を見開き、後ろの二人は大層驚き飛び上がった。

    「よかった・・・本当に良かった・・・会えた・・・」

    頭の上から聞こえるソラの声は、いつもの彼からは考えられないくらいに掠れ、震えていた。
    サクヤが闇の中に消える瞬間、ソラの必死な顔が突如彼女の頭の中に浮かぶ。

    そうだ・・・わたしは・・・

    「ソラ」

    サクヤのはっきりした声に、ソラはそっと身体を離すと彼女の瞳をじっと見た。

    「わたし、わかった。わたしにとって大切なこと。今やっと、わかった」
    「サクヤ?」
    「あなたは、あの日約束してくれた。わたしの記憶を取り戻してくれるって。だから、わたしも約束する」

    サクヤはそう言って自分の小指をソラの前に差し出すと、はっきりした声で言った。

    「約束する。わたしは、ソラを守る。何があっても、この身に代えても。それが、わたしにとって、一番大切なことだから」

    今までとは違うサクヤの気迫に、ソラはぽかんとしたまま見つめていたが、急に真剣な表情になりサクヤを見据えた。

    「それは俺も同じだ。お前が闇の中に消えた時、どうしようもなく後悔した。リクもカイリもいなくなって、お前だけでもいなくならないでほしかった。だから、俺もサクヤを守るよ。約束する」

    そう言ってソラは、出されていたサクヤの小指に自分の指をそっとからめた。

    サクヤは一瞬目を見開いたが、ソラがにっこりと笑うと思わず口元が緩んだ。

    「あーーー、オホン」

    突如、後ろから咳ばらいが聞こえた。

    二人が振り返ると、少し不機嫌そうな顔をしたアヒルの魔導師と、にこにこと笑っている犬の騎士。

    そして、いつの間にそこにいたのか、レオンとユフィの姿までもがそこにあった。

    「お取込み中のところ悪いんだけど、そろそろいいかな?いろいろと話したいこともあるしね」

    ユフィのからかうような口調に、ソラの顔は一瞬で赤く染まり、サクヤは訳が分からず首をかしげるのであった。

    15/02/05 19:07 星三輪サナ   

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