第六章:ようこそ、不思議の国へ(前編)V
不思議な出来事に首をかしげつつ、ソラ達はウサギが出て行った扉の前にしゃがみ込む。
どう頑張ってもソラはもちろん、体の小さいドナルドやサクヤでさえくぐることが不可能な大きさだ。
「どうしてあんなに小さくなったんだろう?」
ソラがじっと扉を覗き込みながらつぶやくと、突然ドアノブが動きだした。
「お前さんたちが大きいだけさ」
「しゃ、喋った!?」
皆驚いてのけ反るが、サクヤだけは不思議そうに首をかしげている。
「ドアノブが喋るのって、そんなに変なこと?」
サクヤが疑問を口にすると、ドナルドは呆れたように首を振った。
「そりゃあ変に決まってるよ!サクヤ、キミの家のドアノブは喋ったりするのかい?」
彼の問いかけにサクヤは目を閉じて考えるような動作をしたが、はっと思い出したように言った。
「喋ってなかった!」
「普通そうだよ!」
ソラがドナルドの代わりに思わず突っ込むと、グーフィーはドナルドに耳打ちした。
「ねえドナルド。サクヤって不思議な子だよね」
「君がそういうんだから、よっぽどなんだね」
そんな彼らのやり取りを、ドアノブはあくびをしながら面倒くさそうに言った。
「全く、折角寝ていたのに目が覚めちまったよ・・・」
「おはよう」
「よく眠れた?」
そんなドアノブに顔を近づけサクヤとグーフィーはのんきに挨拶をする。
「ああおはよう。そしてお休み。もう少し寝かしておくれ。私は眠いんだよ」
「ちょ、ちょっと待てよ。どうすれば小さくなれるんだ?俺たち、この先へ行きたいんだ」
目を閉じて眠りに入ろうとするドアノブを制止し、ソラは顔を近づけて言った。
「それなら簡単さ。薬を飲めばいい。そこにある瓶がそうさ」
「薬?そんなものどこに・・・」
ソラたちが振り返ると、先ほどまでは何もなかったはずの空間に、一対のテーブルとイスが出現していた。
その上には彼の言う通り、薬の瓶が4つ置いてあった。
「薬って、これ?」
サクヤが尋ねると、ドアノブはすでに夢の世界へと旅立った後であった。
ソラが呼びかけても、返事はない。
仕方がないので、ソラたちはテーブルの上の瓶を手に取ってみた。
薬の瓶には『私をお飲み』と、記されている。
「これを飲めばいいのかな?」
「毒、じゃないよね、これ」
ドナルドが瓶を眺めながら、不安げに口を開く。
「ドアノブは薬だって言ってた。それに飲んでって書いてある」
サクヤはそういうと、その一つを掴んで一気に飲みほした。
「お、おい!そんないきなり・・・!」
ソラが慌てて静止するも、すでに薬はサクヤののどを通りすぎていた。
「だ、大丈夫?」
「・・・うん。だけどこれ、知ってる味がする。島ウナ・・・」
サクヤが言い終わらないうちに、彼女の身体はみるみる小さくなり、やがて瓶とほぼ同じ大きさになった。
「おお・・・!」
目の前で起こった不思議な出来事に、ソラたちはただ目を丸くする。
どうやら、ドアノブの言ったことは嘘ではなかったようだ。
サクヤに続いてソラ、ドナルド、グーフィーも薬を飲み、彼女と同じ大きさになった。
あたりを見回すと、先ほどまで普通の大きさだったテーブルやいすが、とても巨大なものに見える。
普通ならば絶対に体験できない出来事に、ソラの好奇心はもう爆発寸前であった。
だが、そんなわくわくした雰囲気を壊すように。
空中にハートレスの群れが出現した。
どう頑張ってもソラはもちろん、体の小さいドナルドやサクヤでさえくぐることが不可能な大きさだ。
「どうしてあんなに小さくなったんだろう?」
ソラがじっと扉を覗き込みながらつぶやくと、突然ドアノブが動きだした。
「お前さんたちが大きいだけさ」
「しゃ、喋った!?」
皆驚いてのけ反るが、サクヤだけは不思議そうに首をかしげている。
「ドアノブが喋るのって、そんなに変なこと?」
サクヤが疑問を口にすると、ドナルドは呆れたように首を振った。
「そりゃあ変に決まってるよ!サクヤ、キミの家のドアノブは喋ったりするのかい?」
彼の問いかけにサクヤは目を閉じて考えるような動作をしたが、はっと思い出したように言った。
「喋ってなかった!」
「普通そうだよ!」
ソラがドナルドの代わりに思わず突っ込むと、グーフィーはドナルドに耳打ちした。
「ねえドナルド。サクヤって不思議な子だよね」
「君がそういうんだから、よっぽどなんだね」
そんな彼らのやり取りを、ドアノブはあくびをしながら面倒くさそうに言った。
「全く、折角寝ていたのに目が覚めちまったよ・・・」
「おはよう」
「よく眠れた?」
そんなドアノブに顔を近づけサクヤとグーフィーはのんきに挨拶をする。
「ああおはよう。そしてお休み。もう少し寝かしておくれ。私は眠いんだよ」
「ちょ、ちょっと待てよ。どうすれば小さくなれるんだ?俺たち、この先へ行きたいんだ」
目を閉じて眠りに入ろうとするドアノブを制止し、ソラは顔を近づけて言った。
「それなら簡単さ。薬を飲めばいい。そこにある瓶がそうさ」
「薬?そんなものどこに・・・」
ソラたちが振り返ると、先ほどまでは何もなかったはずの空間に、一対のテーブルとイスが出現していた。
その上には彼の言う通り、薬の瓶が4つ置いてあった。
「薬って、これ?」
サクヤが尋ねると、ドアノブはすでに夢の世界へと旅立った後であった。
ソラが呼びかけても、返事はない。
仕方がないので、ソラたちはテーブルの上の瓶を手に取ってみた。
薬の瓶には『私をお飲み』と、記されている。
「これを飲めばいいのかな?」
「毒、じゃないよね、これ」
ドナルドが瓶を眺めながら、不安げに口を開く。
「ドアノブは薬だって言ってた。それに飲んでって書いてある」
サクヤはそういうと、その一つを掴んで一気に飲みほした。
「お、おい!そんないきなり・・・!」
ソラが慌てて静止するも、すでに薬はサクヤののどを通りすぎていた。
「だ、大丈夫?」
「・・・うん。だけどこれ、知ってる味がする。島ウナ・・・」
サクヤが言い終わらないうちに、彼女の身体はみるみる小さくなり、やがて瓶とほぼ同じ大きさになった。
「おお・・・!」
目の前で起こった不思議な出来事に、ソラたちはただ目を丸くする。
どうやら、ドアノブの言ったことは嘘ではなかったようだ。
サクヤに続いてソラ、ドナルド、グーフィーも薬を飲み、彼女と同じ大きさになった。
あたりを見回すと、先ほどまで普通の大きさだったテーブルやいすが、とても巨大なものに見える。
普通ならば絶対に体験できない出来事に、ソラの好奇心はもう爆発寸前であった。
だが、そんなわくわくした雰囲気を壊すように。
空中にハートレスの群れが出現した。