第二章:与えられた存在V
「この子に名前を付ける?」
会ってすぐにソラの提案を聞かされたカイリが、思わず声を上げた。
「ああ。呼ぶときに困るって今朝父さんと母さんが言っててさ。名前を思い出すまで俺たちで呼ぶ名前を付けてあげようかと思って」
「なるほど。朝から電話をかけてきた理由はそれか」
リクは呆れたように言って、ソラの後ろでしゃがんでいる少女を見つめた。
よく見ると、彼女は地面を歩いている蟻の行列を物珍しそうに見ている。
「・・・なあ、ソラ。あいつ、昨日の夜からずっとあの調子なのか?」
「あの調子って?」
「なんというか・・・独特の世界に入っているような・・・」
ソラの問いかけに、リクは歯切れの悪い返事をした。
というのも、昨日の夜出会ってからというものの。少女の言動、行動すべてがまるで小さな子供のように思えた。
もっと的確に言うなら、彼女は何も知らないように思えたのだ。
「えっと・・・こっちの言っていることはわかっているみたいだし、知らないことは教えたらすぐ覚えるみたい。だけど、流石に今朝俺のベッドで寝てた時はびっくりしたな」
「な、なんだって!?」
「一緒に寝たの!?」
ソラの最後の言葉にリクとカイリは思わず大声を上げた。
驚くソラをしり目に、二人は数歩後ずさる。
「・・・ソラの家に預けたのは失敗だったか?」
「まさかソラがそんな趣味だったなんて・・・」
「ふ、二人とも。何か誤解してないか!?あれはあの子が勝手に・・・」
ありもしない誤解を解こうとソラが口を開こうとしたとき。
しゃがんでいた少女が突然立ち上がった。
何事かと思い振り返ると、そこには。
「ソラ、リク、カイリ。3人ともずるいっスよ!俺たちに内緒であんな面白そうなことをして!」
ふくれっ面で3人をにらむ少年、ティーダと。
「アホ!ティーダとワッカが宿題が終わらんからやで!」
独特な訛りで叱り飛ばす少女、セルフィと。
「しかたねーだろ。思ったより難しかったんだから」
困ったように弁解する少年、ワッカの3人だった。
会ってすぐにソラの提案を聞かされたカイリが、思わず声を上げた。
「ああ。呼ぶときに困るって今朝父さんと母さんが言っててさ。名前を思い出すまで俺たちで呼ぶ名前を付けてあげようかと思って」
「なるほど。朝から電話をかけてきた理由はそれか」
リクは呆れたように言って、ソラの後ろでしゃがんでいる少女を見つめた。
よく見ると、彼女は地面を歩いている蟻の行列を物珍しそうに見ている。
「・・・なあ、ソラ。あいつ、昨日の夜からずっとあの調子なのか?」
「あの調子って?」
「なんというか・・・独特の世界に入っているような・・・」
ソラの問いかけに、リクは歯切れの悪い返事をした。
というのも、昨日の夜出会ってからというものの。少女の言動、行動すべてがまるで小さな子供のように思えた。
もっと的確に言うなら、彼女は何も知らないように思えたのだ。
「えっと・・・こっちの言っていることはわかっているみたいだし、知らないことは教えたらすぐ覚えるみたい。だけど、流石に今朝俺のベッドで寝てた時はびっくりしたな」
「な、なんだって!?」
「一緒に寝たの!?」
ソラの最後の言葉にリクとカイリは思わず大声を上げた。
驚くソラをしり目に、二人は数歩後ずさる。
「・・・ソラの家に預けたのは失敗だったか?」
「まさかソラがそんな趣味だったなんて・・・」
「ふ、二人とも。何か誤解してないか!?あれはあの子が勝手に・・・」
ありもしない誤解を解こうとソラが口を開こうとしたとき。
しゃがんでいた少女が突然立ち上がった。
何事かと思い振り返ると、そこには。
「ソラ、リク、カイリ。3人ともずるいっスよ!俺たちに内緒であんな面白そうなことをして!」
ふくれっ面で3人をにらむ少年、ティーダと。
「アホ!ティーダとワッカが宿題が終わらんからやで!」
独特な訛りで叱り飛ばす少女、セルフィと。
「しかたねーだろ。思ったより難しかったんだから」
困ったように弁解する少年、ワッカの3人だった。