第13章 しらせ \
翌日、ティマ達の朝食が終わった頃、ロインは訪れた。
「準備はできたのか?」
そしてこれが、ティマ達にかけたロインのその日最初の言葉だった。それは相変わらずの淡々としたもので、気持ちがこもっているとはあまり考えられない、仲間にかけるものとは思えない口調だ。
「うん!」
「ああ。船ならいつでも出せるぜ!」
「そういうロインこそ、忘れ物とかないだろうな?」
「てめぇと一緒にすんな。」
「だってさ、カイウス。」
「ルビアには言われたくねぇよ!」
「ロインはよくて、どうしてあたしはダメなのよ!?」
「うるせぇ、置いてくぞ。」
だが、その一言で始まる仲間の会話は温かく、空気は和やかなものだった。イーバオを旅立つ前では、考えられなかった変化だ。
「…変わったわね。本当に。」
「姉貴?」
「クルーダ、信じられる?私達と出会って6年間、ずっと心を閉ざし続けていたあの子が、1年も満たない間にあんな風に仲間と会話するようになったなんて。」
マリワナはまるで独り言のように、隣に立ついつの間にか自分よりも背の高くなった弟にそう話した。まるで子の成長を喜ぶ母のような笑顔を浮かべながら。姉の気持ちを感じ取ったのか、ベディーも嬉しそうにくすっと微笑んだ。
「僕、今は『ベディー・モルレイ』で通ってるから、そっちで呼ばれても正直困るんだけど?」
「ごちゃごちゃ言ってるとぶっ飛ばすわよ、バカクー。」
「はいはい。わかりました、どうぞご自由に。」
そして、自分のそんな気持ちを誤魔化すようにそう言うと、彼の知るいつもの姉の態度が瞬時に現れた。その切り替わりの速さに苦笑しながら、ベディーは両腕を小さく上げ下げしてみせた。と、その時だった。
「ま…待って!」
家の奥、地下へと通じる扉から、声が飛び込んできた。その場にいた全員がそちらへと目を向けると、壁を伝いながらこちらに向かってくるフレアがいた。
「フレア、まだ全快したわけじゃないだろう。無茶はするな。」
そしてフレアを心配する声と共にフォレストが、その後からティルキスとアーリアが続いて現れた。フレアは3人に平気だと笑みを見せ、それからロイン達へ、これまでにないほど真剣な瞳を向けた。
「私も、一緒に連れて行ってください!」
そして彼女の口から出た言葉は、どこか切羽詰まったものだった。
「隊長がいない今、私がスディアナに行かなければ…行ってこのことを一刻も早く報告しなければならないの!お願い!」
そう言って、フレアはロインらに頭を下げた。ティマやマリワナは、彼女の身体の状態を知っているため、素直に首を縦に振ることはできなかった。カイウスらも、フレアの抱えている事情は理解できるが、ティマらと同様の理由で、どう答えるべきか迷っていた。
「好きにしろ。」
その場にいる皆が沈黙する中、淡々とした声が上がった。その声に驚き、全員が声の主を振りかえった。そこにいたロインは、どうでもいいという態度で、今にも外に出て行こうとしていた。
「首都に着くまで、どうせ船の上じゃすることはないんだ。なら、ここで休もうが船で休もうが変わらねぇだろ?さっさと行こうぜ。ここで突っ立ってる時間が勿体ねぇ。」
「だからって先に行こうとするな、よ!」
「ってぇ!!カイウス、だからって引っ張るんじゃねぇよ!」
カイウスがロインの上着の襟を思いっきりつかむと、まさにそのタイミングで外に出ようとしていた彼は、後ろへ強く引っ張られる体勢となってしまった。おかげで涙目になってしまったのだが、カイウスは謝ろうとする気配を見せない。そんな少年2人のやりとりに呆れながら溜息をついたルビアは、やや強引に2人の間に割って入った。
「もう、カイウス。つまらないことでケンカしないで。」
「なっ!つまんないってことはないだろ、ルビア!」
「どこがよ。ただのつまらないいがみ合いにしか見えなかったけど?」
「ほら、ルビアもそのへんにしとけよ。ごちゃごちゃ言ってると、お前らまとめて置いていくぞ。」
「って、置いていかないでよ!ラミー!」
いつものようにカイウスとルビアの間に火花が散り始めた時、突如遠くからラミーの声が聞こえてきた。その不自然な声の聞こえ方に思わず振り返ると、彼女はいつの間にか外へと出て、しかも港へと駆け出していた。慌ててティマ、そしてロインらがその後を追いかけていく。それに気がついて、カイウスとルビアもケンカを忘れ、急いで走っていった。
「おいおい、俺たちを置いていくなよ。」
残ったティルキスは、カイウスらの背にむかって苦笑をこぼしていた。
「フレア、僕達も行こうか。本当に置いて行かれないうちに。」
笑いながらそう言って手を伸ばしたベディーに、フレアも可笑しそうな笑みを浮かべ、その手をとった。
一番に港にむかって駆け出していったラミーだったが、早々に息切れを起こし、追いついたティマに背を撫でられていた。
「もう、大丈夫?」
「はぁ…はぁ…あ、ああ。」
呆れながらも心配して声をかけるティマに比べ、ロインはラミーを気遣う様子など全く見せずに歩いていた。すると、彼の目にどこか見覚えのある人物が映った。その人物もこちらに気がついたのか、何のためらいもなく走り抜けてきた。
「隊長!」
その表情がはっきりとわかるまでお互いの距離が縮まると、相手は甲高い声で呼びかけてきた。その声と姿の主を思い出すと、ラミーは目を見開き、そして息切れしていたことなど忘れて満面の笑みで返した。
「おまえ、チャークじゃないか!」
「へへっ!久しぶり!」
それは、ルーロからマウベロまでの道中を共にした、あの少年だった。
「お久しぶりです。」
「マリーさん!」
その後ろからは、息子を追いかけて現れたマリー、そしてカトルとノエルが、反対側からはロインらに追い付いたカイウス達がその場に集った。
「みなさん、元気そうで良かった。イーバオには仕事で?」
懐かしい再会に喜んでいる中、ふとティマがザレット一家に尋ねた。すると、途端にカトルとマリーの表情が曇った。
「それが、仕事の関係で首都に向かおうとしていたのですが、途中で騒ぎを聞いて進路変更を余儀なくされたのです。」
「騒ぎ?」
カトルがそう口にすると、ラミーは首を傾げた。以前ロイン達が首都に向かおうとした時は、海上に巨大な魔物が出現したせいで直接首都に船を泊めることはできなかった。だが、彼の口ぶりから、その時とはまた違う事情があったのだと察した。一体何があったのかと更に尋ねると、カトルは何故か口にすることを躊躇しているようだった。
「あたい達、これから首都に行くんだ。何があったか教えてくれないか?」
その理由はどうあれ、首都にむかう以上、そこで何が起きているか、彼らは知らなければならなかった。ラミーが真摯な態度で言うと、カトルは苦い顔をしながらも頷いた。すると、子供達には聞かせたくないのか、チャークとノエルはマリーに連れられてその場から離れていった。そしてカトルの言葉が届かないところに3人が消えると、彼は重い口を静かに開いた。
「…首都が、化物に襲われたそうです。」
「なんです…って!?」
カトルの言葉に、その場にいた全員が言葉を失った。あまりの衝撃で、フレアの顔は青ざめていた。
「化物って、どういうことですか?」
おそるおそるアーリアが尋ねるが、カトルは残念そうに首を振るだけだった。
「悪いが、私たちも詳しいことは聞かされていない。だが、そこらにいる魔物とは全然違う存在らしい。」
その言葉を聞き、ティマ達の心中では怖れと失望が渦巻いていた。誰もがその場から動けずにいる中、ふいにロインの足が動いた。
「ロイン…?」
そのまま船に向かって歩み続けるロインに、ティマは呆気にとられたような声を出した。その声に振り向いたロインの顔には、恐れも何も浮かんでいなかった。
「何してる。行くぞ。」
「けど、首都には化物が…。」
当然のようにかけられた言葉に、ティマはどこか呆然とした声で返すしかできない。それすらもどうでもいいと言うように、ロインは再び背を向けて歩き出した。
「関係ない。邪魔ならその化物を斬ればいいだけだ。」
そして振り返らずに放たれた言葉に、ティマははっとした表情になった。その次の瞬間には、彼女を含めた皆がふっきれた表情になっていた。
「ははっ!違いねぇ!」
ラミーはそう笑うと、カトルに対し不敵な笑みを浮かべて向き合った。
「そういうわけで、あたい達は行くよ。ありがとな!」
カトルは不安そうに彼女を見つめたが、その眩しい笑みに何を思ったのか、ふっと苦笑気味に笑みを浮かべたのだった。それを確認すると、ラミーはより高らかに声を上げたのだった。
「行こうぜ、スディアナに!」
「準備はできたのか?」
そしてこれが、ティマ達にかけたロインのその日最初の言葉だった。それは相変わらずの淡々としたもので、気持ちがこもっているとはあまり考えられない、仲間にかけるものとは思えない口調だ。
「うん!」
「ああ。船ならいつでも出せるぜ!」
「そういうロインこそ、忘れ物とかないだろうな?」
「てめぇと一緒にすんな。」
「だってさ、カイウス。」
「ルビアには言われたくねぇよ!」
「ロインはよくて、どうしてあたしはダメなのよ!?」
「うるせぇ、置いてくぞ。」
だが、その一言で始まる仲間の会話は温かく、空気は和やかなものだった。イーバオを旅立つ前では、考えられなかった変化だ。
「…変わったわね。本当に。」
「姉貴?」
「クルーダ、信じられる?私達と出会って6年間、ずっと心を閉ざし続けていたあの子が、1年も満たない間にあんな風に仲間と会話するようになったなんて。」
マリワナはまるで独り言のように、隣に立ついつの間にか自分よりも背の高くなった弟にそう話した。まるで子の成長を喜ぶ母のような笑顔を浮かべながら。姉の気持ちを感じ取ったのか、ベディーも嬉しそうにくすっと微笑んだ。
「僕、今は『ベディー・モルレイ』で通ってるから、そっちで呼ばれても正直困るんだけど?」
「ごちゃごちゃ言ってるとぶっ飛ばすわよ、バカクー。」
「はいはい。わかりました、どうぞご自由に。」
そして、自分のそんな気持ちを誤魔化すようにそう言うと、彼の知るいつもの姉の態度が瞬時に現れた。その切り替わりの速さに苦笑しながら、ベディーは両腕を小さく上げ下げしてみせた。と、その時だった。
「ま…待って!」
家の奥、地下へと通じる扉から、声が飛び込んできた。その場にいた全員がそちらへと目を向けると、壁を伝いながらこちらに向かってくるフレアがいた。
「フレア、まだ全快したわけじゃないだろう。無茶はするな。」
そしてフレアを心配する声と共にフォレストが、その後からティルキスとアーリアが続いて現れた。フレアは3人に平気だと笑みを見せ、それからロイン達へ、これまでにないほど真剣な瞳を向けた。
「私も、一緒に連れて行ってください!」
そして彼女の口から出た言葉は、どこか切羽詰まったものだった。
「隊長がいない今、私がスディアナに行かなければ…行ってこのことを一刻も早く報告しなければならないの!お願い!」
そう言って、フレアはロインらに頭を下げた。ティマやマリワナは、彼女の身体の状態を知っているため、素直に首を縦に振ることはできなかった。カイウスらも、フレアの抱えている事情は理解できるが、ティマらと同様の理由で、どう答えるべきか迷っていた。
「好きにしろ。」
その場にいる皆が沈黙する中、淡々とした声が上がった。その声に驚き、全員が声の主を振りかえった。そこにいたロインは、どうでもいいという態度で、今にも外に出て行こうとしていた。
「首都に着くまで、どうせ船の上じゃすることはないんだ。なら、ここで休もうが船で休もうが変わらねぇだろ?さっさと行こうぜ。ここで突っ立ってる時間が勿体ねぇ。」
「だからって先に行こうとするな、よ!」
「ってぇ!!カイウス、だからって引っ張るんじゃねぇよ!」
カイウスがロインの上着の襟を思いっきりつかむと、まさにそのタイミングで外に出ようとしていた彼は、後ろへ強く引っ張られる体勢となってしまった。おかげで涙目になってしまったのだが、カイウスは謝ろうとする気配を見せない。そんな少年2人のやりとりに呆れながら溜息をついたルビアは、やや強引に2人の間に割って入った。
「もう、カイウス。つまらないことでケンカしないで。」
「なっ!つまんないってことはないだろ、ルビア!」
「どこがよ。ただのつまらないいがみ合いにしか見えなかったけど?」
「ほら、ルビアもそのへんにしとけよ。ごちゃごちゃ言ってると、お前らまとめて置いていくぞ。」
「って、置いていかないでよ!ラミー!」
いつものようにカイウスとルビアの間に火花が散り始めた時、突如遠くからラミーの声が聞こえてきた。その不自然な声の聞こえ方に思わず振り返ると、彼女はいつの間にか外へと出て、しかも港へと駆け出していた。慌ててティマ、そしてロインらがその後を追いかけていく。それに気がついて、カイウスとルビアもケンカを忘れ、急いで走っていった。
「おいおい、俺たちを置いていくなよ。」
残ったティルキスは、カイウスらの背にむかって苦笑をこぼしていた。
「フレア、僕達も行こうか。本当に置いて行かれないうちに。」
笑いながらそう言って手を伸ばしたベディーに、フレアも可笑しそうな笑みを浮かべ、その手をとった。
一番に港にむかって駆け出していったラミーだったが、早々に息切れを起こし、追いついたティマに背を撫でられていた。
「もう、大丈夫?」
「はぁ…はぁ…あ、ああ。」
呆れながらも心配して声をかけるティマに比べ、ロインはラミーを気遣う様子など全く見せずに歩いていた。すると、彼の目にどこか見覚えのある人物が映った。その人物もこちらに気がついたのか、何のためらいもなく走り抜けてきた。
「隊長!」
その表情がはっきりとわかるまでお互いの距離が縮まると、相手は甲高い声で呼びかけてきた。その声と姿の主を思い出すと、ラミーは目を見開き、そして息切れしていたことなど忘れて満面の笑みで返した。
「おまえ、チャークじゃないか!」
「へへっ!久しぶり!」
それは、ルーロからマウベロまでの道中を共にした、あの少年だった。
「お久しぶりです。」
「マリーさん!」
その後ろからは、息子を追いかけて現れたマリー、そしてカトルとノエルが、反対側からはロインらに追い付いたカイウス達がその場に集った。
「みなさん、元気そうで良かった。イーバオには仕事で?」
懐かしい再会に喜んでいる中、ふとティマがザレット一家に尋ねた。すると、途端にカトルとマリーの表情が曇った。
「それが、仕事の関係で首都に向かおうとしていたのですが、途中で騒ぎを聞いて進路変更を余儀なくされたのです。」
「騒ぎ?」
カトルがそう口にすると、ラミーは首を傾げた。以前ロイン達が首都に向かおうとした時は、海上に巨大な魔物が出現したせいで直接首都に船を泊めることはできなかった。だが、彼の口ぶりから、その時とはまた違う事情があったのだと察した。一体何があったのかと更に尋ねると、カトルは何故か口にすることを躊躇しているようだった。
「あたい達、これから首都に行くんだ。何があったか教えてくれないか?」
その理由はどうあれ、首都にむかう以上、そこで何が起きているか、彼らは知らなければならなかった。ラミーが真摯な態度で言うと、カトルは苦い顔をしながらも頷いた。すると、子供達には聞かせたくないのか、チャークとノエルはマリーに連れられてその場から離れていった。そしてカトルの言葉が届かないところに3人が消えると、彼は重い口を静かに開いた。
「…首都が、化物に襲われたそうです。」
「なんです…って!?」
カトルの言葉に、その場にいた全員が言葉を失った。あまりの衝撃で、フレアの顔は青ざめていた。
「化物って、どういうことですか?」
おそるおそるアーリアが尋ねるが、カトルは残念そうに首を振るだけだった。
「悪いが、私たちも詳しいことは聞かされていない。だが、そこらにいる魔物とは全然違う存在らしい。」
その言葉を聞き、ティマ達の心中では怖れと失望が渦巻いていた。誰もがその場から動けずにいる中、ふいにロインの足が動いた。
「ロイン…?」
そのまま船に向かって歩み続けるロインに、ティマは呆気にとられたような声を出した。その声に振り向いたロインの顔には、恐れも何も浮かんでいなかった。
「何してる。行くぞ。」
「けど、首都には化物が…。」
当然のようにかけられた言葉に、ティマはどこか呆然とした声で返すしかできない。それすらもどうでもいいと言うように、ロインは再び背を向けて歩き出した。
「関係ない。邪魔ならその化物を斬ればいいだけだ。」
そして振り返らずに放たれた言葉に、ティマははっとした表情になった。その次の瞬間には、彼女を含めた皆がふっきれた表情になっていた。
「ははっ!違いねぇ!」
ラミーはそう笑うと、カトルに対し不敵な笑みを浮かべて向き合った。
「そういうわけで、あたい達は行くよ。ありがとな!」
カトルは不安そうに彼女を見つめたが、その眩しい笑みに何を思ったのか、ふっと苦笑気味に笑みを浮かべたのだった。それを確認すると、ラミーはより高らかに声を上げたのだった。
「行こうぜ、スディアナに!」
■作者メッセージ
おまけスキット
【フレアの実力】
ラミー「なぁ、アーリア。あのフレアってやつ、魔力を同調させるとか言ってたよな?そんなことできるのか?」
アーリア「そうね。簡単じゃないけれど、やろうと思えばできるわ。ただ、そのためのプリセプツを展開する必要があるけれどね。」
ティマ「プリセプツを展開するなら、術者の魔力がなかったら出来ないんじゃないの?」
アーリア「プリセプツ自体はそんなに魔力を必要としないから問題ないわ。それよりも、そのプリセプツを構築する方がとても難しいの。わたしでも上手くできるかどうか…。」
ラミー「そんな術を、フレアは土壇場で成功させたってのか!?」
ティマ「あの人、そんなにすごい術者だったのね…。」
【フレアの実力】
ラミー「なぁ、アーリア。あのフレアってやつ、魔力を同調させるとか言ってたよな?そんなことできるのか?」
アーリア「そうね。簡単じゃないけれど、やろうと思えばできるわ。ただ、そのためのプリセプツを展開する必要があるけれどね。」
ティマ「プリセプツを展開するなら、術者の魔力がなかったら出来ないんじゃないの?」
アーリア「プリセプツ自体はそんなに魔力を必要としないから問題ないわ。それよりも、そのプリセプツを構築する方がとても難しいの。わたしでも上手くできるかどうか…。」
ラミー「そんな術を、フレアは土壇場で成功させたってのか!?」
ティマ「あの人、そんなにすごい術者だったのね…。」