第4章 復讐の闇 ]
「ウィンドカッター!!」
突然現れた風の刃が、敵の足元(?)を切り裂いた。刹那、怪腕樹はラミーを宙へと放り投げた。それをカイウスがぎりぎりのところで受け止める。
「やった!!」
ティマが肩で息をしながら歓喜した。
一か八かの判断であった。
なんとかして体勢を崩すことができれば、ラミーを助けられるかもしれない。そう考えたティマは咄嗟に詠唱をしたのであった。そしてその行動は、思わぬ展開を見せた。
ウィンドカッターを受けた敵の様子が何かおかしい。
ロインが真っ先にその事に気がつき、そして理解した。
「ティマ!こいつの弱点は風だ!!」
「わかった!!『あれ』行くよ!!」
ティマはそう叫ぶと、再び詠唱を始める。
詠唱を終えるまでの時間を稼ぐ必要がある。
ロインは再び敵に攻撃を仕掛けようとした。だが、彼の足元に弾丸が飛び、それは妨げられた。見ると、カイウスに支えられた状態のラミーが、左手に持った銃で発砲していた。
「囮なら、こっちに任せな!」
ラミーがニッと笑って見せると、カイウスは彼女を離し、二人して怪腕樹に向かっていった。そんな二人に、再びあの枝が襲い掛かろうとしていた。
「そう何度も食らってたまるか!」
そう叫ぶと同時に、ラミーはバク転をしてかわし、カイウスは空中へと飛び上がっていた。そしてそのままの勢いで剣を向けて敵に突っ込む。
「飛天翔駆!!」
「ピコハン!!」
二人の技は全て決まったが、効果は薄いらしく、すぐに反撃を受けてしまった。強い衝撃をうけ、顔を歪ませる二人。特にラミーは、あの締め付けのダメージが大きく、やっと立っている状態であった。
「二人とも頑張って!ナース!!」
その時、ルビアの中級治癒術が二人の傷を癒した。活力が溢れ出すのがわかる。さっきまでとは異なる軽い身体で、二人は再び敵を攻めようとした時だった。
「ロイン、いつでもいけるわよ!!」
ティマの叫び声が聞こえた。詠唱を終えたようだ。それを理解したカイウスが声をあげた。
「ティマ、ロイン、オレ達が隙を作る!」
ティマは「わかった!」と返事をし、ロインは黙って頷き、剣を構えた。行くぞ、とカイウスは号令をかけ、ラミーと挟み撃ちになるようにして怪腕樹に向かっていく。
「行くよ!ファングエッジ!!」
「弧月斬!!」
二人の同時攻撃に敵は動きを止めた。その隙に「今だ!」とカイウスの声がかかった。
「決まれ!ウィンドカッター!!」
「散葉塵!!」
二人の連携プレーに、苦しむように暴れる怪腕樹。
あと一撃あれば倒せそうだ。
ロインがそう考えた時、自身の剣が風をまとっているのに気がついた。
…いける!
そう思ったロインは、地面を強く蹴った。
「風迅剣!!」
風をまとった突きが決まった。怪腕樹は倒れ、そして二度と起き上がらなかった。
「はぁ…はぁ…終わった…か?」
「ロイン!!」
新技を使い疲労がたまっている身体にティマが飛び掛ってきた。驚き目を丸くするが、落ち着くヒマもなく、仲間達が駆け寄り、賞賛の言葉をかけた。
「ロイン、やったな。」
その中でカイウスが顔の高さまで手をあげて言った。だが、ロインは何も言わず背を向けてしまった。
「まだダメか…」
少しがっかりしたような表情で、カイウスは小さく呟いた。
「よし!ここを抜ければケノンは目と鼻の先さ。行くよ!!」
またも先陣を切ってラミーが駆け出した。その後を「待ってよ〜!」とティマが追う。
「…少しは反省しろ。」
呆れるロインに、まぁまぁとカイウスとルビアがなだめ、アインスが苦笑する。そんな4人に、ティマが「早く〜」と急かした。
間もなく、一行は日の光にあてられた。エルナの森を抜けたのだ。そしてラミーの言う通り、1時間もかからない距離に町が見えた。
突然現れた風の刃が、敵の足元(?)を切り裂いた。刹那、怪腕樹はラミーを宙へと放り投げた。それをカイウスがぎりぎりのところで受け止める。
「やった!!」
ティマが肩で息をしながら歓喜した。
一か八かの判断であった。
なんとかして体勢を崩すことができれば、ラミーを助けられるかもしれない。そう考えたティマは咄嗟に詠唱をしたのであった。そしてその行動は、思わぬ展開を見せた。
ウィンドカッターを受けた敵の様子が何かおかしい。
ロインが真っ先にその事に気がつき、そして理解した。
「ティマ!こいつの弱点は風だ!!」
「わかった!!『あれ』行くよ!!」
ティマはそう叫ぶと、再び詠唱を始める。
詠唱を終えるまでの時間を稼ぐ必要がある。
ロインは再び敵に攻撃を仕掛けようとした。だが、彼の足元に弾丸が飛び、それは妨げられた。見ると、カイウスに支えられた状態のラミーが、左手に持った銃で発砲していた。
「囮なら、こっちに任せな!」
ラミーがニッと笑って見せると、カイウスは彼女を離し、二人して怪腕樹に向かっていった。そんな二人に、再びあの枝が襲い掛かろうとしていた。
「そう何度も食らってたまるか!」
そう叫ぶと同時に、ラミーはバク転をしてかわし、カイウスは空中へと飛び上がっていた。そしてそのままの勢いで剣を向けて敵に突っ込む。
「飛天翔駆!!」
「ピコハン!!」
二人の技は全て決まったが、効果は薄いらしく、すぐに反撃を受けてしまった。強い衝撃をうけ、顔を歪ませる二人。特にラミーは、あの締め付けのダメージが大きく、やっと立っている状態であった。
「二人とも頑張って!ナース!!」
その時、ルビアの中級治癒術が二人の傷を癒した。活力が溢れ出すのがわかる。さっきまでとは異なる軽い身体で、二人は再び敵を攻めようとした時だった。
「ロイン、いつでもいけるわよ!!」
ティマの叫び声が聞こえた。詠唱を終えたようだ。それを理解したカイウスが声をあげた。
「ティマ、ロイン、オレ達が隙を作る!」
ティマは「わかった!」と返事をし、ロインは黙って頷き、剣を構えた。行くぞ、とカイウスは号令をかけ、ラミーと挟み撃ちになるようにして怪腕樹に向かっていく。
「行くよ!ファングエッジ!!」
「弧月斬!!」
二人の同時攻撃に敵は動きを止めた。その隙に「今だ!」とカイウスの声がかかった。
「決まれ!ウィンドカッター!!」
「散葉塵!!」
二人の連携プレーに、苦しむように暴れる怪腕樹。
あと一撃あれば倒せそうだ。
ロインがそう考えた時、自身の剣が風をまとっているのに気がついた。
…いける!
そう思ったロインは、地面を強く蹴った。
「風迅剣!!」
風をまとった突きが決まった。怪腕樹は倒れ、そして二度と起き上がらなかった。
「はぁ…はぁ…終わった…か?」
「ロイン!!」
新技を使い疲労がたまっている身体にティマが飛び掛ってきた。驚き目を丸くするが、落ち着くヒマもなく、仲間達が駆け寄り、賞賛の言葉をかけた。
「ロイン、やったな。」
その中でカイウスが顔の高さまで手をあげて言った。だが、ロインは何も言わず背を向けてしまった。
「まだダメか…」
少しがっかりしたような表情で、カイウスは小さく呟いた。
「よし!ここを抜ければケノンは目と鼻の先さ。行くよ!!」
またも先陣を切ってラミーが駆け出した。その後を「待ってよ〜!」とティマが追う。
「…少しは反省しろ。」
呆れるロインに、まぁまぁとカイウスとルビアがなだめ、アインスが苦笑する。そんな4人に、ティマが「早く〜」と急かした。
間もなく、一行は日の光にあてられた。エルナの森を抜けたのだ。そしてラミーの言う通り、1時間もかからない距離に町が見えた。