全ての始まり&第一試合(セイバー)
とある作品に、リズと言う少女がいました。
彼女は自分の世界では主要人物であり最強。その秘められた力は、外伝となると全面的に出して無双してきました。
それは自分の世界だけでなく、別の世界でも変わりません。特別コラボしてテ〇ルズ、刀剣〇舞、まどマ〇…どれだけのキャラが犠牲になったか分かりません。
それでも彼女は止まりません。自分の力に満足する事無く、驕る事無く、更なる強者を求め続けます…。
「と言う訳で、やってきましたー! 人理…何とかかんとかのカルデアに!」
「人理継続保証機関、な!? てか、そんなバカげた理由でFGO(フェイト/グランドオーダー)の世界に来るんじゃないよ!!」
カルデアと言う施設の無機質の白い廊下に降り立ったリズ。そんな彼女にツッコミを決めるのはスズノヨミだ。
ちなみに、ここにやってきたのは一人ではない。彼女の幼なじみのグラッセとムーンも一緒である。
「いいじゃねーか別に。人理焼却とか言う事件は終わっているんだろ?」
「確かに終わってはいるが…まだ続いているからなこれ? 一章終わっても、伏線とか回収されてないって話だからなムーン? てか、グラッセはこの馬鹿二人を止めろ!!」
「俺に止められると思います?」
律義にムーンに答えつつ、ストッパー役であるグラッセに怒鳴りつける。しかし、彼は虚ろな目で返答を返すだけである。
流石のスズノヨミも頭を押さえつけると、頭痛の元となるリズは無茶な要求をしだす。
「とにかく、サーヴァントとやらと戦わせない! 出来れば、衛宮って男子と一緒に毎回ご飯食べてたセイバーって少女と!!」
「『衛宮さんちの今日のごはん』は料理番組だから!! それとうちのカルデアに青セイバーがいると思うな!! あいつ星5サーヴァントなんだぞ、簡単にガチャで登場出来るような確率じゃねーからなぁ!?」
このゲームでは、キャラのレア度は星で表しており1〜5の数字が存在します。数字が大きいほどレアと言う事です。
そして、星5のサーヴァントの排出率は驚異の1%! まさにレア中のレアなのです!
「以上、BBちゃんのワンポイントアドバイスでしたー。え? いきなり地の文に乱入したお前は誰だって? 私こそ、先輩の頼れる系小悪魔後輩にしてFate/CCCのヒ…あ、ちょっと! まだ私の紹介が(ブツン)」
「仕方ないわね。じゃあギルガメッシュって奴と戦わせろ、あいつ外道なんだろ? 事前情報でそんな話があったわ」
「ギル様は期間限定のガチャでしか入手出来ない超レアキャラだぞ!? こいつがピックアップされる度にどれだけのマスターが課金してると思ってんじゃー!!」
ギルガメッシュをはじめ、一部のサーヴァントは常時のガチャでなく限定のピックアップでしか排出されません。例えば、福袋と言う課金ガチャ、何らかのイベントでそのサーヴァントが主要となった時…その時になると、殆どのマスターはこぞってガチャにチャレンジするのだ。
「そう言う訳だから。この私、ジャンヌ・オルタがピックアップ召喚されたら超レアと思いなさい。滅多に手に入らないキャラだと理解してガチャ引くのよ! なに? ジャンヌ・オルタはバーサーカーだからこんな際どい服を着ているのか…? 私は水着仕様のジャンヌ・オルタよ!!」
「あ? 何言ってんだ、アルトリアもギルガメッシュもいるだろ。ほらそこに」
「あれはランサーのアルトリア・オルタとキャスターのギルガメッシュ!! あいつら星4でクラスも違うだろ!! 同じようだけど別の存在だから!! てか喧嘩売ってるなら買うぞ? ああん?」
実はこのゲーム。同じキャラでも、ifの存在や敢えて自分のクラスやレア度を変えた存在も仲間に出来る。キャラの違う側面はもちろん、もしこうだったら…と言うのも楽しめるのだ。
「つまり、アルトリアが沢山いる光景を作る事だって出来るのよ…はぁ、色んな着せ替えを一斉に見れる…幸せな光景に違いないわ(某冬木の魔女奥様)」「桜も今は二種類存在します。劇場版ヘヴンズフィールも現在二章ありますので是非ご覧に(某冬木のライダーさん)」
「だー、何か外野がうるさーい!! よく分からないけど英霊でもサーヴァントでもマスターでもいいから戦わせないよー!! 自己記録更新じゃー!!」
「カルデア滅ぼす気かおのれはぁぁぁーーーーー!!!」
今にも破壊神となって施設を壊そうとするリズに、スズノヨミの叫びが響き渡った。
「…そんな訳でー。クラス別英霊対決開幕いたしましたー。実況はスズノヨミ」
「解説はカルデアのマスター。藤丸立香」
「先輩の頼れる後輩系デミサーヴァント。マシュ・キリエライトがお送りいたします」
カルデア内に存在するシュミレータールーム。普段は戦闘訓練に使う部屋は、コロシアムのような闘技場と化している。
闘技場を一望できる場所に、スズノヨミ、FGOの男主人公と後輩であり彼のサーヴァントであるマシュ三人が虚ろな目で座っていた。
「今回のルールは至ってシンプル。あの野蛮z…リズ・グラッセ・ムーンの三人が、我がカルデアに存在するサーヴァントをどれだけ倒せるかです」
「戦って貰うサーヴァントですが……まず、サーヴァントには「クラス」と言うジャンルが存在します。その基本である、セイバー・アーチャー・ランサー・ライダー・キャスター・アサシン・バーサーカーの計7種から。その中でも一番強い1体を先輩に召喚して貰います。三人には、合計7回戦って貰います。本来はエクストラと言う特殊なクラスも我がカルデアにいるのですが…今回は使用致しません」
スズノヨミとマシュの説明が終了すると、ぬっと後ろから誰かが現れる。
「えー! せんぱーい、頼れる小悪魔系後輩である星5水着BBちゃんを使わないんですかー? あんなチート系の人達、虚数空間どころか宇宙の果てまでぽーいってしてきますよー?」
「おいおい、最弱サーヴァントの俺の出番はなしってか! そりゃあんまりだと思うんだけどなマスターさんよう!」
「水着BBちゃんもアンリマユも今回は模擬戦のようなものだから引っ込んでようね」
観戦席の後ろで騒ぐ水着BBとアンリマユに、マスターの彼は余計に虚ろな目となって二人を追い返す。
何だかんだで巻き込まれた三人を差し置いて、当の元凶はと言うとスクワットしながら勝負の時間を待っている。
「ふふん。盛り上がってきたわねー!」
「しかし、英霊の存在か…どんな奴らなんだろう?」
やる気を見せるリズとは対照的に、グラッセの顔が暗くなる。
それも当然だ。ここで戦う人達は全員が歴史に名を遺した英雄達。物語に登場する人物。偉業や伝説を持った人達の戦いなど、ある意味初めての事なのだ。
常識を持つグラッセに、白い手が差し伸べられる。
「そう固くならないでください。宜しければ、こちらのおしぼりをどうぞ。冷たく冷えてますので、熱も収まるはずです」
「ああ、ありがとう……って、どなた様?」
おしぼりを受け取った所で、気遣ってくれた人物に顔を向ける。
グラッセに優しくしてくれたのは、白いワンピースを着た金髪の少女だ。少なくとも、自分達の知る存在ではないはずだ。
リズも少女に気づくと、首を傾げる。
「ん? なんか私が見たセイバーに似ているような?」
「あ、申し遅れました。私はアルトリア・ペンドラゴン・リリィと申します。修行中の身なので代表は辞退しましたが、少しでもお互い本気で戦えるように気づかいをさせて頂きました」
ニコリと可憐な花のように笑う少女に、リズ達は目を輝かせる。
「か、可愛いー! セイバーの小さい頃ってこんななんだー!」
「これが将来、あんな感じに…」
「どうしてあんな堅物に育ったんだろうな?」
子供の頃の青セイバーに驚く三人。すると、彼女の両側に屈強な金髪の騎士と銀髪の細めの体をした騎士が現れる。
「そんな言い方しないで頂きたい! 王は我々を導く為に成長なされたからこそ、あのような厳格で気品を持ち合わせたのです!」
「ええ。今は可憐に見えますが、彼女は間違いなく王としての素質を持ち合わせています…驚かれるもの、無理はないでしょうが」
「更に騎士っぽい奴が増えた!?」
突然現れた騎士二人にツッコミを入れるグラッセ。
一方観戦席でもその光景は見られていた。
「アルトリア・リリィは本当に気遣いが出来るいい子だねー」
「そうだろう。ガヴェインとベディヴィエールがブリテンの騎士として世話焼きするのもまたいいよね」
カルデアにいるブリテンの騎士二人の王への忠誠心に、ほっこりするスズノヨミと藤丸。本当はもっといるのだが、あいにく自分のカルデアにはこの2騎しか存在しない。
「それより、セイバーの代表ってあんたらのどっちかか?」
「いいえ、私です」
リズの問いに答えたのは、水色と白の羽織に白い着物と黒のマフラーと言う出で立ちの女性だ。
彼女は抜き身の刀をリズに見せつけ、宣言する。
「桜セイバーこと沖田総司――カルデア1のエースの私がお相手仕る!!」
日本人ならば、誰もが耳にした事がある新選組。その一番隊長である沖田総司は、セイバー枠の星5と言う強力なサーヴァントだ。よくこれを初の星5として当てたなと自分でも思う。
「沖田さん! カヤの本丸にいる加州と安定の前の主って奴よね!? へー、女性だったんだー!! あ、あなたについてはあの二人から話を聞いてるわ! 強くてかっこいい剣士なんでしょ!?」
「ハイ? かしゅう? やすさだ? どなたですかそれ?」
「リズ、余計な事は言わないでくれ」
急に身に覚えのない事をリズに言われて、目を白黒させる沖田。それを見たスズノヨミはすかさず注意した。
「よーし、ここは私が相手になるわ! 剣を使う者同士、どっからでもかかってきなさい!」
早速強者と出会えた事にテンションが極限に高まったのだろう。リズは己の武器であるキーブレードを取り出す。
やる気になる相手に、沖田もまた柔和な笑みを消して鋭い眼差しを作って刀を抜き取る。
「いいでしょう。このカルデアで一番となるセイバーの実力、マスターの威信の為にもその身に刻んでやりますとも!!」
「うん、戦いはこうでなくちゃ! 分かってるじゃない、桜セイバーって奴!」
闘技場の中央に立ち、それぞれ武器を構えてお互いに睨み合う。
その空気は、凛と張り詰め、どこか熱を帯びている。
数秒が経ち、沖田が目を見開く事でその空気は打ち破られる。
「新選組、沖田総司――いざ、まい…コフッ!?」
決め台詞の最後で、急に血を吐きだした沖田。なんと彼女はその場でぶっ倒れてしまった。
「ぎゃー!? 急に血を吐いたと思ったら倒れたー!?」
「リズ!? お前始まる前にトドメ刺してんじゃねーぞ!?」
「いやいや!? 私まだ何にもしてないけど!?」
最強の相手が倒れるものだから、グラッセは慌てて回復魔法を。ムーンに至ってはリズを責める羽目に。
何が何だか分からずに混乱する三人だが、観戦席の彼らは非常に落ち着いていた。
「うんまあ予想はしていた」
「病弱スキルを第一特異点からずっと見てきた私達にとっては、もはや日常的ですが…」
藤丸とマシュは心配などせずにそんな感想を漏らすだけ。
実は沖田総司。知っている方は知っているだろうが、生前は肺炎…当時は直らない病を発症させていた為、病弱として扱われていた。その史実をサーヴァントとなっても引き継いでいる為、何かあればよく血を吐いて倒れるのだ。
ワーワーと騒ぐ三人に、藤丸はすっと手を挙げた。
「はい、沖田さんは棄権で。君達の勝利だー」
「マ、マスター…私は、まだやれ、ゴフッ…!」
刀を杖にしてよろよろと起き上がる沖田だが、再び血を吐くので強制退場となったのだった。
■作者メッセージ
なぜなにFGOコーナー
藤丸「マスターと!」
マシュ「後輩の!」
藤丸&マシュ「「なぜなにFGO〜!」」
藤丸「どうも皆さん。カルデアに所属する人類最後のマスター、男主人公にしてぐだ男と呼ばれる藤丸立香と」
マシュ「眼鏡が似合う後輩系にして、先輩の盾となるデミサーヴァント。マシュ・キリエライトがお送りします」
リズ「ゲストでやってきたリラの作品に登場する主人公、リズよ! よろしく!」
藤丸「このコーナーでは、初心者マスターの質問を、先輩マスターである俺達が答えてきます。自分の主観だけど、ぐだぐだな気持ちで読んでくれるとありがたいかな」
マシュ「それでは、リズさん。質問お願いします」
リズ「はいはーい! 私と言うかうちの作者、Fateの原作そんなに知らないの。『衛宮さんちの今日のごはん』で初めてFate作品を知った感じ。そんなのでもFGOって出来るの?」
マシュ「大丈夫です。原作を知らなくても、FGOは楽しめるゲームですよ」
リズ「そうなの、どうして?」
マシュ「そ、それはですね…ストーリーとか、キャラクターであるサーヴァントが魅力的で…」
リズ「なんか、ありきたりな答えね。どこのソシャゲでもそう言うのよく聞くわ」
マシュ「え、えっと…」
藤丸「マシュ、その言い方じゃダメだ。いいか、逆に考えるんだ」
リズ「逆に?」
藤丸「原作を知らなくてもいいんだ! FGOをやって、原作に手を伸ばせばいいんだから!」
マシュ「な、なるほど!」
藤丸「確かにFGOは所々原作を思わせる話が出たりする。けれど、詳しく知らなくても話は進むし、何よりそこから興味を持って調べたら『ああ、このキャラはそういう意味で言っていたのか!』と納得する事間違いなし!!」
マシュ&リズ「「おお!」」
藤丸「何せ俺がそうだった!! 原作を知らない状態でサーヴァントを仲間にして、興味を持って調べたら『こいつこの作品で登場していたのか!?』とか『別の作品ではこういう立ち位置だったのか!』とか分かるだろう! そう、事前情報なんてなくてもいい…後から興味を持った者が調べれば済む話なんだ!」
リズ「す、凄いわ…そんな逆の発想、思いつきもしなかったわ」
マシュ「流石です、先輩!」
藤丸「経験談だからな」
事前情報なんて必要ない、後から知る事だって面白いぞ!
藤丸「マスターと!」
マシュ「後輩の!」
藤丸&マシュ「「なぜなにFGO〜!」」
藤丸「どうも皆さん。カルデアに所属する人類最後のマスター、男主人公にしてぐだ男と呼ばれる藤丸立香と」
マシュ「眼鏡が似合う後輩系にして、先輩の盾となるデミサーヴァント。マシュ・キリエライトがお送りします」
リズ「ゲストでやってきたリラの作品に登場する主人公、リズよ! よろしく!」
藤丸「このコーナーでは、初心者マスターの質問を、先輩マスターである俺達が答えてきます。自分の主観だけど、ぐだぐだな気持ちで読んでくれるとありがたいかな」
マシュ「それでは、リズさん。質問お願いします」
リズ「はいはーい! 私と言うかうちの作者、Fateの原作そんなに知らないの。『衛宮さんちの今日のごはん』で初めてFate作品を知った感じ。そんなのでもFGOって出来るの?」
マシュ「大丈夫です。原作を知らなくても、FGOは楽しめるゲームですよ」
リズ「そうなの、どうして?」
マシュ「そ、それはですね…ストーリーとか、キャラクターであるサーヴァントが魅力的で…」
リズ「なんか、ありきたりな答えね。どこのソシャゲでもそう言うのよく聞くわ」
マシュ「え、えっと…」
藤丸「マシュ、その言い方じゃダメだ。いいか、逆に考えるんだ」
リズ「逆に?」
藤丸「原作を知らなくてもいいんだ! FGOをやって、原作に手を伸ばせばいいんだから!」
マシュ「な、なるほど!」
藤丸「確かにFGOは所々原作を思わせる話が出たりする。けれど、詳しく知らなくても話は進むし、何よりそこから興味を持って調べたら『ああ、このキャラはそういう意味で言っていたのか!』と納得する事間違いなし!!」
マシュ&リズ「「おお!」」
藤丸「何せ俺がそうだった!! 原作を知らない状態でサーヴァントを仲間にして、興味を持って調べたら『こいつこの作品で登場していたのか!?』とか『別の作品ではこういう立ち位置だったのか!』とか分かるだろう! そう、事前情報なんてなくてもいい…後から興味を持った者が調べれば済む話なんだ!」
リズ「す、凄いわ…そんな逆の発想、思いつきもしなかったわ」
マシュ「流石です、先輩!」
藤丸「経験談だからな」
事前情報なんて必要ない、後から知る事だって面白いぞ!