復刻ネロ祭・超高難易度3
第五演技「戦士たちの母」
「次はメイヴか…男性だと開幕魅了デバフされる。そして取り巻きを倒さないとロクなダメージを与えられない、と」
「後半に男性を置くのも、少々危うそうですね。メンバーは女性で固めた方が良いと思います、マスター」
「うん。サポートはジャックで決まり。同じく女性特攻持ちのカーミラと、全体宝具の鬼一師匠。アタッカーはこの三人として…残りをどう編成するか。キャスターは入れられないし、アサシンだけで固めるのも危険だし、男性でするといざって時動けないし…アサシンに関しては主戦力いないのが辛い…」
頭を押さえて編成に頭を悩ませるマスター。その背後から、ガシャリと音が。
「話は聞かせて貰ったわ!」
「お、お前は――!」
「ふーん。どんな奴が相手かと思って待ってたら。まさかスタメンに選んだのがポンコツロボなんてね」
「ポンコツではありません。メイガス・エイジス・エリザベート・チャンネル。略してメカエリチャンです」
「長い! メカだかロボだか知らないけど、こんなヘンテコ玩具で私を倒せるとは思わない事ね!」
キィーと癇癪を起こし、メイヴはスタメンの1人――メカエリチャンを睨みつける。
見た目は確かにヘンテコだが、彼女(ロボ?)はカルデア内で唯一存在するアルターエゴクラス。間違いなく、このメイヴ戦における主戦力の1人だ。
「かんらからから! いつぞやの騒動を共にしたと言うのに、僕を無視するとは随分と余裕があるなぁ! 六韜三略・魔王尊大羽扇(りくとうさんりゃく・まおうそんだいうせん)!!」
「メカエリ! 厳しいだろうけど、まずは取り巻きから倒すんだ!」
「あーら、そんな暇あると思って!」
メカエリチャンに指示を出すマスターだが、メイヴがそれを許さない。
「先輩、取り巻きが出てくるたびにメイヴさんが強化しています!」
「くそっ、相手も回復してくる! 僕の宝具さえ連続で打てれば!」
最初は着々と取り巻きを減らすが、その度にメイヴの攻撃力は上がる。その上、倒しきれなければ削った分を回復してくるのだ。
前線にはマシュも入れているが、相手は即座にチャージが溜まるので防御が間に合わなくなる。
「…仕方ありません! 少々賭けになりますがここで使います! 鋼鉄天空魔嬢(ブレストゼロ・エリジェーベト)!」
1人でも多くの取り巻きを減らす為、メイヴ用に使うはずだった宝具をぶつける。
後方の取り巻きは倒し、残っているライダーのHPを鬼一が削る。
「こいつで…駄目だ、倒しきれない!」
「さあ、やっちゃいなさい!」
メイヴの命令に、生き残った取り巻きは雄たけびを上げてメカエリチャンへと猛攻を繰り出す。
「メカリチャーン!!」
「…もう、5度目でしょう。いい加減、慣れなさい」
ここでHP0になったが、礼装ガッツのおかげで復活を果たす。
だが、今度はメイヴのチャージが溜まっている。次のターンで宝具を打たれてしまえば、男性でないにせよ大ダメージは確実だ。
「先輩、ここは私に任せて下さい!」
「よし、マシュ! メイヴの宝具耐えて!」
マシュのタゲ集中と無敵スキルにより、メイヴの猛攻を耐えるマシュ。どうにか無傷で済んだが、状況は芳しくない。
「ここからどうするか…! 結構厳しいぞ…!」
ここでキャスターの取り巻きが現れた事で、戦局がメイヴの方に流れ出す。
キャスター対策として組み込まれたメカエリチャンは、何を思ったか顔を俯かせる。
「……そうですね。ここで耐えれば良かったのですが」
「メカエリ?」
「少々厳しい戦いになるでしょうが…後は頼みますよ! マシュ、私の魔力を使って防御宝具展開を!」
「は、はい! いまは遥か理想の城(ロード・キャメロット)!!」
再度、メカエリチャンの宝具が飛び交う。相手はメイヴではなく、取り巻きのキャスターに対してだ。
そのあとすぐに、マシュの宝具が展開される。自分を含めた三人に防御力が付与される。
「キャスターの取り巻き、撃破…――っ!」
そんなメカエリチャンに、上から影が差す。
「自分の身を挺して相手を倒す! その度胸は褒めてやるわ、ポンコツロボット!」
そう叫びながら、メイヴの力強い蹴りが繰り出される。
マシュの守りがあっても耐え切れず、メカエリチャンはここで退場となった。
「メカエリー!!」
「さて、残るはアサシン部隊と言った所かしら。キャスターの取り巻きはもう一人いるわ、あなた達に倒せるかしら?」
メカエリチャンの代わりにカーミラが前に出る様子に、不敵な笑みを浮かべるメイヴ。
思わず怯んでいると、鬼一も倒れる。
「ぐ、ぐぬぬぬ…まだまだ…!」
ガッツで復活を果たす間に、カーミラがキャスターやメイヴに攻撃をする。だが、キャスターはともかくメイヴも防御スキルが一つ残っている影響で、上手くダメージが入らない。
「…駄目ね、攻撃が通らない。それでいて、組み合わせの相性が悪すぎる…!」
「くそう…もう一人アルターエゴが入れば…!」
ないモノねだりをするが、それで戦局が変わる訳じゃない。
今ある全てを捻り出し、戦局を隅々まで見渡す。一つでも、逆転出来る要素を掴むために。
「…師匠!」
そして、マスターはオシリスの塵(無敵)とメジェドの眼(チャージスキル回復)を鬼一に捧げる。
「な! 貴重なマスタースキルを二つも!? 何を考えてんだ、弟子!」
「ここは師匠に賭ける! 師匠が生き延びる可能性が一番高いから!」
「嬉しい事言ってくれるね…やってやろうじゃないか!」
「こんの…!」
未だに諦めを見せないマスター達の姿に、メイヴは悔しそうな表情を浮かべながら攻撃を続けた。
「「「はぁ…はぁ…!」」」
(マシュもカーミラも師匠も限界…! 寧ろよく耐えた方…!)
あれから未だに最後の取り巻きもメイヴも倒せずにいたが、こちらも最後の最後まで粘っている。
しかし、三人のもう体力も僅かしか残っていない。この拮抗しつつも自軍が削られている状況に、マスターはマシュを見る。
(最後の最後で回復した、マシュの無敵…誰に付けるかで戦況が変わる…!)
確実に味方1人を守れるスキルを誰に付けるか。考えに考え抜いた結果、答えを出す。
「…マシュ、師匠を! そして宝具!」
「はい! ロード・キャメロット!」
鬼一に無敵を付けたあと、再度展開されるマシュの全体防御。
この行動に、メイヴは鼻で笑う。
「全員虫の息なのにここで宝具なんて、私も舐められたものね! その防御ごと全員へし折って」
「永遠の美、久遠の宴――老醜は時の果てに!」
直後、全てが闇に包まれる。そしてメイヴの背後にアイアンメイデンが口を開きながら現れる。
迫りくる攻撃に、メイヴは瞬時に先程のマシュに対する指示の意味を理解する。
(ぬかった! マシュの宝具は防御の為じゃない――カーミラの宝具強化(オーバーチャージ)!)
「幻想の鉄処女(ファントム・メイデン)!」
マシュが繋げた魔力、更にロード・キャメロットによる攻撃力強化も組み合わさり、メイヴに大ダメージを与える。
カーミラが繰り出した起死回生の一撃。これにより、メイヴは地に倒れ伏した。
「う、ぐうぅ…!!」
「残るは取り巻き…一人だ、我が弟子…!」
「後は任せるわよ――聖女様!」
全ての力を使ったカーミラは、背後を振り返る。
力尽きたマシュに代わって現れたのは、白きドレスに身を包んだルーラー。
鉄壁の防御を誇る、ジャンヌ・ダルクだった。
「はい、お任せを! やあああああ!!」
アサシンに代わり、ジャンヌは殴る、殴る、とにかく殴る。
途中で鬼一が退場しジャックと交代したが、攻撃の手を緩める事無く、最後の取り巻きを倒したのだった。
「か…勝ったぁぁぁーーーー!! ギリギリ勝利だー!!」
ここで第三者が入れば「ルーラーとは?」と言いたくなるような戦法だったが、どうにか勝利をもぎ取った。
第六演技「最古の英雄」
「次はギルガメッシュ。ここではギルガメッシュのHPが150万以上、開幕NP減少と宝具威力ダウン。しかも、毎ターン攻撃力上げて、強化解除したら即宝具を放つ…ナニコレ鬼畜?」
対戦相手のギルガメッシュのギミック情報を見て、遠い目をするマスター。そんなマスターに、マシュは攻略情報を見せる。
「攻略では、エルキドゥやスカサハを使うといいと言う事ですが…」
「こう言う時こそ後輩のエルキドゥの出番だってのに、なんでサポートカルナにしてんだよ!! しかも特攻礼装でも何でもねぇ!! 宝具3のエルキドゥ設定しろやぁ!! イベントでも特攻礼装でもいいから、ちゃんとキャストリア以外にもつけろやぁ!!」
「先輩、また呪われますよ…」
後輩ぐだ子に文句をぶつけるが、それでガチャの呪いに侵されたらたまらない。
後輩の力を借りずに自力でやるしかないと言う状況に、頭を押さえながらもメンバー編成を考える。
「とにかく対策だ…! 神性特攻のカルナはこの前来たばっかりで、強化はまだ中途半端だから採用できない。火力伸ばしとなると、単体クイックが多いのを考えるとスカディ…いや、ランサーのスカサハを持ってきた方がよさそうだな。後はメンツか…うーーーん…!」
いざ、ギルガメッシュとの戦闘が始まったのだが――
「くそ、早々にスカサハがやられた…!」
「マスター、マシュもやられました! きゃああ!!」
「ああ、今度はキャストリアまでー!!」
「駄目です、ギルガメッシュの攻撃が強すぎて私の宝具が間に合いません! あああああ!!」
「ふはははは!! こんなものか、雑種!? これまで勝ち上がってきたと言うマスターとしての力量はこんなものだったとはなぁ!!」
スカサハ、マシュ、キャストリア、ジャンヌが次々と退場し、高笑いしながら見下す英雄王。
気づけば残っているメンバーは、後2人となっている。
「くそっ! 忌々しいわね!!」
「残ったのが、まさか俺とお前とはな…虞美人さんよ」
スタメンながらも生き残っているクーフーリンは、隣にいる水着虞美人に声をかける。
今は水着の影響か、目の前の英雄王にヘイトが溜まっているからか、喧嘩腰にはならず辛そうに一瞥する。
「あんたもよくこんな猛攻耐えてるわね…! くそ、もう少しだってのに…!」
仲間は倒されたが、ギルガメッシュのHPも30万以下にまで削っている。こちらももう少し粘れば、倒せる辺りまで来ている。
「でも…ここまで来たら、こっちのものよ! 後輩!」
「はい、パイセン! オシリスの塵!」
マスターは虞美人に無敵スキルを付与する。これで、次のギルガメッシュの宝具攻撃は防げる。
更に、虞美人はスキルで自分のNPとタゲ集中効果をつける。クーフーリンは彼女が何をしたいのか分かり、目を見開く。
「おい、まさか宝具放つ気か!? 今の状態で放っても、大したダメージは!」
「うっさい、黙って見てなさい!」
そうして、ギルガメッシュが宝具を放つ。
しかし、無敵と回避効果により大技は無効化。虞美人に集中攻撃するが、これも無効化。
全ての準備が整い、虞美人は魔力を解放し飛び上がる。
「夏魔必滅槍舞(アンチフリング・ロンド)!!」
これが水着虞美人の特性、貴重な男性特攻持ちの宝具。
普段より威力は削れているものの、ギルガメッシュの残りHPを半分は削った。
「ふん…なかなかやるな、仙女よ。だが、俺はまだ倒れt「まだまだぁ!! 項羽様から貸し与えられた槍を持つ私に――勝てると思うなぁ!!」」
項羽による執念か、意地か、はたまた愛か。クイックチェインで繋げた攻撃は、全てクリティカル。
虞美人の猛攻に、マスターとクーフーリンは思わず固唾を呑んで見守った結果――。
「ふぅ…後輩、勝ってやったわよ」
ギルガメッシュを地に叩き伏せ、槍を担ぐように自軍に戻ってくる虞美人。この勇ましい姿に、マスターは思わず歓声を上げた。
「パイセーーーーン!! 一生ついて行きます!!」
「そこまでしなくていい! 寧ろあんたの幸運EXで項羽様お呼びしなさい!」
「はい! パイセンの頼みとあらば!」
指を差しながら命令する虞美人に、ビシッと敬礼するマスター。
そんな二人のやりとりを見て、クーフーリンは遠い目を浮かべた。
「おい、爆死するフラグ立てたぞあの仙女」
「次はメイヴか…男性だと開幕魅了デバフされる。そして取り巻きを倒さないとロクなダメージを与えられない、と」
「後半に男性を置くのも、少々危うそうですね。メンバーは女性で固めた方が良いと思います、マスター」
「うん。サポートはジャックで決まり。同じく女性特攻持ちのカーミラと、全体宝具の鬼一師匠。アタッカーはこの三人として…残りをどう編成するか。キャスターは入れられないし、アサシンだけで固めるのも危険だし、男性でするといざって時動けないし…アサシンに関しては主戦力いないのが辛い…」
頭を押さえて編成に頭を悩ませるマスター。その背後から、ガシャリと音が。
「話は聞かせて貰ったわ!」
「お、お前は――!」
「ふーん。どんな奴が相手かと思って待ってたら。まさかスタメンに選んだのがポンコツロボなんてね」
「ポンコツではありません。メイガス・エイジス・エリザベート・チャンネル。略してメカエリチャンです」
「長い! メカだかロボだか知らないけど、こんなヘンテコ玩具で私を倒せるとは思わない事ね!」
キィーと癇癪を起こし、メイヴはスタメンの1人――メカエリチャンを睨みつける。
見た目は確かにヘンテコだが、彼女(ロボ?)はカルデア内で唯一存在するアルターエゴクラス。間違いなく、このメイヴ戦における主戦力の1人だ。
「かんらからから! いつぞやの騒動を共にしたと言うのに、僕を無視するとは随分と余裕があるなぁ! 六韜三略・魔王尊大羽扇(りくとうさんりゃく・まおうそんだいうせん)!!」
「メカエリ! 厳しいだろうけど、まずは取り巻きから倒すんだ!」
「あーら、そんな暇あると思って!」
メカエリチャンに指示を出すマスターだが、メイヴがそれを許さない。
「先輩、取り巻きが出てくるたびにメイヴさんが強化しています!」
「くそっ、相手も回復してくる! 僕の宝具さえ連続で打てれば!」
最初は着々と取り巻きを減らすが、その度にメイヴの攻撃力は上がる。その上、倒しきれなければ削った分を回復してくるのだ。
前線にはマシュも入れているが、相手は即座にチャージが溜まるので防御が間に合わなくなる。
「…仕方ありません! 少々賭けになりますがここで使います! 鋼鉄天空魔嬢(ブレストゼロ・エリジェーベト)!」
1人でも多くの取り巻きを減らす為、メイヴ用に使うはずだった宝具をぶつける。
後方の取り巻きは倒し、残っているライダーのHPを鬼一が削る。
「こいつで…駄目だ、倒しきれない!」
「さあ、やっちゃいなさい!」
メイヴの命令に、生き残った取り巻きは雄たけびを上げてメカエリチャンへと猛攻を繰り出す。
「メカリチャーン!!」
「…もう、5度目でしょう。いい加減、慣れなさい」
ここでHP0になったが、礼装ガッツのおかげで復活を果たす。
だが、今度はメイヴのチャージが溜まっている。次のターンで宝具を打たれてしまえば、男性でないにせよ大ダメージは確実だ。
「先輩、ここは私に任せて下さい!」
「よし、マシュ! メイヴの宝具耐えて!」
マシュのタゲ集中と無敵スキルにより、メイヴの猛攻を耐えるマシュ。どうにか無傷で済んだが、状況は芳しくない。
「ここからどうするか…! 結構厳しいぞ…!」
ここでキャスターの取り巻きが現れた事で、戦局がメイヴの方に流れ出す。
キャスター対策として組み込まれたメカエリチャンは、何を思ったか顔を俯かせる。
「……そうですね。ここで耐えれば良かったのですが」
「メカエリ?」
「少々厳しい戦いになるでしょうが…後は頼みますよ! マシュ、私の魔力を使って防御宝具展開を!」
「は、はい! いまは遥か理想の城(ロード・キャメロット)!!」
再度、メカエリチャンの宝具が飛び交う。相手はメイヴではなく、取り巻きのキャスターに対してだ。
そのあとすぐに、マシュの宝具が展開される。自分を含めた三人に防御力が付与される。
「キャスターの取り巻き、撃破…――っ!」
そんなメカエリチャンに、上から影が差す。
「自分の身を挺して相手を倒す! その度胸は褒めてやるわ、ポンコツロボット!」
そう叫びながら、メイヴの力強い蹴りが繰り出される。
マシュの守りがあっても耐え切れず、メカエリチャンはここで退場となった。
「メカエリー!!」
「さて、残るはアサシン部隊と言った所かしら。キャスターの取り巻きはもう一人いるわ、あなた達に倒せるかしら?」
メカエリチャンの代わりにカーミラが前に出る様子に、不敵な笑みを浮かべるメイヴ。
思わず怯んでいると、鬼一も倒れる。
「ぐ、ぐぬぬぬ…まだまだ…!」
ガッツで復活を果たす間に、カーミラがキャスターやメイヴに攻撃をする。だが、キャスターはともかくメイヴも防御スキルが一つ残っている影響で、上手くダメージが入らない。
「…駄目ね、攻撃が通らない。それでいて、組み合わせの相性が悪すぎる…!」
「くそう…もう一人アルターエゴが入れば…!」
ないモノねだりをするが、それで戦局が変わる訳じゃない。
今ある全てを捻り出し、戦局を隅々まで見渡す。一つでも、逆転出来る要素を掴むために。
「…師匠!」
そして、マスターはオシリスの塵(無敵)とメジェドの眼(チャージスキル回復)を鬼一に捧げる。
「な! 貴重なマスタースキルを二つも!? 何を考えてんだ、弟子!」
「ここは師匠に賭ける! 師匠が生き延びる可能性が一番高いから!」
「嬉しい事言ってくれるね…やってやろうじゃないか!」
「こんの…!」
未だに諦めを見せないマスター達の姿に、メイヴは悔しそうな表情を浮かべながら攻撃を続けた。
「「「はぁ…はぁ…!」」」
(マシュもカーミラも師匠も限界…! 寧ろよく耐えた方…!)
あれから未だに最後の取り巻きもメイヴも倒せずにいたが、こちらも最後の最後まで粘っている。
しかし、三人のもう体力も僅かしか残っていない。この拮抗しつつも自軍が削られている状況に、マスターはマシュを見る。
(最後の最後で回復した、マシュの無敵…誰に付けるかで戦況が変わる…!)
確実に味方1人を守れるスキルを誰に付けるか。考えに考え抜いた結果、答えを出す。
「…マシュ、師匠を! そして宝具!」
「はい! ロード・キャメロット!」
鬼一に無敵を付けたあと、再度展開されるマシュの全体防御。
この行動に、メイヴは鼻で笑う。
「全員虫の息なのにここで宝具なんて、私も舐められたものね! その防御ごと全員へし折って」
「永遠の美、久遠の宴――老醜は時の果てに!」
直後、全てが闇に包まれる。そしてメイヴの背後にアイアンメイデンが口を開きながら現れる。
迫りくる攻撃に、メイヴは瞬時に先程のマシュに対する指示の意味を理解する。
(ぬかった! マシュの宝具は防御の為じゃない――カーミラの宝具強化(オーバーチャージ)!)
「幻想の鉄処女(ファントム・メイデン)!」
マシュが繋げた魔力、更にロード・キャメロットによる攻撃力強化も組み合わさり、メイヴに大ダメージを与える。
カーミラが繰り出した起死回生の一撃。これにより、メイヴは地に倒れ伏した。
「う、ぐうぅ…!!」
「残るは取り巻き…一人だ、我が弟子…!」
「後は任せるわよ――聖女様!」
全ての力を使ったカーミラは、背後を振り返る。
力尽きたマシュに代わって現れたのは、白きドレスに身を包んだルーラー。
鉄壁の防御を誇る、ジャンヌ・ダルクだった。
「はい、お任せを! やあああああ!!」
アサシンに代わり、ジャンヌは殴る、殴る、とにかく殴る。
途中で鬼一が退場しジャックと交代したが、攻撃の手を緩める事無く、最後の取り巻きを倒したのだった。
「か…勝ったぁぁぁーーーー!! ギリギリ勝利だー!!」
ここで第三者が入れば「ルーラーとは?」と言いたくなるような戦法だったが、どうにか勝利をもぎ取った。
第六演技「最古の英雄」
「次はギルガメッシュ。ここではギルガメッシュのHPが150万以上、開幕NP減少と宝具威力ダウン。しかも、毎ターン攻撃力上げて、強化解除したら即宝具を放つ…ナニコレ鬼畜?」
対戦相手のギルガメッシュのギミック情報を見て、遠い目をするマスター。そんなマスターに、マシュは攻略情報を見せる。
「攻略では、エルキドゥやスカサハを使うといいと言う事ですが…」
「こう言う時こそ後輩のエルキドゥの出番だってのに、なんでサポートカルナにしてんだよ!! しかも特攻礼装でも何でもねぇ!! 宝具3のエルキドゥ設定しろやぁ!! イベントでも特攻礼装でもいいから、ちゃんとキャストリア以外にもつけろやぁ!!」
「先輩、また呪われますよ…」
後輩ぐだ子に文句をぶつけるが、それでガチャの呪いに侵されたらたまらない。
後輩の力を借りずに自力でやるしかないと言う状況に、頭を押さえながらもメンバー編成を考える。
「とにかく対策だ…! 神性特攻のカルナはこの前来たばっかりで、強化はまだ中途半端だから採用できない。火力伸ばしとなると、単体クイックが多いのを考えるとスカディ…いや、ランサーのスカサハを持ってきた方がよさそうだな。後はメンツか…うーーーん…!」
いざ、ギルガメッシュとの戦闘が始まったのだが――
「くそ、早々にスカサハがやられた…!」
「マスター、マシュもやられました! きゃああ!!」
「ああ、今度はキャストリアまでー!!」
「駄目です、ギルガメッシュの攻撃が強すぎて私の宝具が間に合いません! あああああ!!」
「ふはははは!! こんなものか、雑種!? これまで勝ち上がってきたと言うマスターとしての力量はこんなものだったとはなぁ!!」
スカサハ、マシュ、キャストリア、ジャンヌが次々と退場し、高笑いしながら見下す英雄王。
気づけば残っているメンバーは、後2人となっている。
「くそっ! 忌々しいわね!!」
「残ったのが、まさか俺とお前とはな…虞美人さんよ」
スタメンながらも生き残っているクーフーリンは、隣にいる水着虞美人に声をかける。
今は水着の影響か、目の前の英雄王にヘイトが溜まっているからか、喧嘩腰にはならず辛そうに一瞥する。
「あんたもよくこんな猛攻耐えてるわね…! くそ、もう少しだってのに…!」
仲間は倒されたが、ギルガメッシュのHPも30万以下にまで削っている。こちらももう少し粘れば、倒せる辺りまで来ている。
「でも…ここまで来たら、こっちのものよ! 後輩!」
「はい、パイセン! オシリスの塵!」
マスターは虞美人に無敵スキルを付与する。これで、次のギルガメッシュの宝具攻撃は防げる。
更に、虞美人はスキルで自分のNPとタゲ集中効果をつける。クーフーリンは彼女が何をしたいのか分かり、目を見開く。
「おい、まさか宝具放つ気か!? 今の状態で放っても、大したダメージは!」
「うっさい、黙って見てなさい!」
そうして、ギルガメッシュが宝具を放つ。
しかし、無敵と回避効果により大技は無効化。虞美人に集中攻撃するが、これも無効化。
全ての準備が整い、虞美人は魔力を解放し飛び上がる。
「夏魔必滅槍舞(アンチフリング・ロンド)!!」
これが水着虞美人の特性、貴重な男性特攻持ちの宝具。
普段より威力は削れているものの、ギルガメッシュの残りHPを半分は削った。
「ふん…なかなかやるな、仙女よ。だが、俺はまだ倒れt「まだまだぁ!! 項羽様から貸し与えられた槍を持つ私に――勝てると思うなぁ!!」」
項羽による執念か、意地か、はたまた愛か。クイックチェインで繋げた攻撃は、全てクリティカル。
虞美人の猛攻に、マスターとクーフーリンは思わず固唾を呑んで見守った結果――。
「ふぅ…後輩、勝ってやったわよ」
ギルガメッシュを地に叩き伏せ、槍を担ぐように自軍に戻ってくる虞美人。この勇ましい姿に、マスターは思わず歓声を上げた。
「パイセーーーーン!! 一生ついて行きます!!」
「そこまでしなくていい! 寧ろあんたの幸運EXで項羽様お呼びしなさい!」
「はい! パイセンの頼みとあらば!」
指を差しながら命令する虞美人に、ビシッと敬礼するマスター。
そんな二人のやりとりを見て、クーフーリンは遠い目を浮かべた。
「おい、爆死するフラグ立てたぞあの仙女」
■作者メッセージ
まじでこの戦いは熾烈を極めた戦いでした。よく勝てたよ自分。
ちなみに、メイヴ戦のジャンヌはキャスター対策と防御対策のために入れていたのですが、なんやかんやで前半部分だけ行っていた印象が。いや、一回は宝具使って無敵と回復したけどね。
そして私はパイセンのために、通常パイセンと項羽のPU挑戦しようかなと思いました。パイセン本当にありがとう。
第五演技
マシュ・メカエリチャン・鬼一・カーミラ・ジャンヌ・ジャック(フレ)
第六演技
マシュ・クーフーリン(槍)・スカサハ(フレ)・キャストリア・虞美人(水着)・ジャンヌ
ちなみに、メイヴ戦のジャンヌはキャスター対策と防御対策のために入れていたのですが、なんやかんやで前半部分だけ行っていた印象が。いや、一回は宝具使って無敵と回復したけどね。
そして私はパイセンのために、通常パイセンと項羽のPU挑戦しようかなと思いました。パイセン本当にありがとう。
第五演技
マシュ・メカエリチャン・鬼一・カーミラ・ジャンヌ・ジャック(フレ)
第六演技
マシュ・クーフーリン(槍)・スカサハ(フレ)・キャストリア・虞美人(水着)・ジャンヌ