復刻ネロ祭・超高難易度5
第一演技「超回復マッスル」
「ここからは後半戦! 同一サーヴァント禁止ルールがつくけど、こっちも全勝利を目指すぞー!!」
「はい、先輩! まずは、スパルタクスさんとの戦いですね!」
後半戦へ挑戦する為、控室で闘志を高めるマスターとマシュ。早速、対戦相手のギミックを確認する。
「バーサーカーな上にHPが多めで回復ギミックが大変。王特性のキャラがいたら重点的に狙われる。しかも特殊耐性も付くと。そうだな、ここは…」
取り巻きを倒し終え、スパルタクスとの戦いが始まる。
バーサーカーと言う高火力に加えて、毎ターン10万ほどの回復がとてつもなくめんどくさいが…。
「おお…エウリュの宝具がめっちゃ刺さってる…! 一発でブレイクした…!」
先鋒のアタッカーとして選んだエウリュアレ。彼女の男性特攻の宝具により、30万超えのダメージを叩き出した。
「とはいえ、相手の回復スピードが異常だ…半分以上削っても、すぐに回復される」
ブレイクしたものの、サポートでやってきたマーリンが苦渋を見せる。
自前のキャストリアと共に回復と守りを担っており、そこにエウリュアレの魅了スキルで妨害も効果がある為、防衛には成功している。しかし、回復を上回るだけの火力が出せないのが今のメンバーの弱点だ。
「とにかく、キャストリアと私のアーツ強化スキルを使って高火力で攻めるわよ! マスター、例のアレは取っておきなさい!」
「ああ、分かった!」
出来る限り戦力を維持しつつ、全力を出せるタイミングを見計らう。
そして、2人のアーツ強化により、ようやく宝具で40万超えのダメージを叩き出せた。
「よし、ブレイク二つ目削った! あと一つ!」
「…少々不安だけど、この辺で行くわよマスター!」
「ああ! ハワイ礼装のスキルで!」
ここが攻め時と、トロピカルサマーの魔術礼装でアーツと宝具のダブル強化をエウリュアレに継ぎ足した。
「女神の視線(アイ・オブ・ザ・エウリュアレ)!!」
限界にまで強化された愛の矢が、スパルタクスに突き刺さる。
だが、ダメージは50万までは届かず、あと僅かだけ体力が残ってしまった。
「あー、惜しい! 若干残った!!」
「まずい、どんどん回復するぞ!」
マーリンの言う通り、削った分をどんどんスパルタクスが回復していく。
どうにかエウリュアレで阻止しようとするがなかなか削れず、2ターンで12万近いHPとなってしまう。
「しかも相手のチャージが溜まった、ここはマーリンの無敵張って、それから宝具の回復を」
「その必要はないわ、マスター! ここで私が仕留める!! やあああ!!」
戦略を考えるマスターを制し、エウリュアレはアーツを主軸に組み上げたチェイン攻撃を仕掛ける。
その結果、本当にこのターンでスパルタクスのHPを削り切ったのだった。
「か、勝った! エウリュ強い!」
「ふふん、こんなものよ」
目を輝かせるマスターに、エウリュアレは得意げに髪を靡かせたのだった。
第二演技「大嶽丸呪い行」
「次は鈴鹿御前。ギミックはブレイクごとに変化して、最初はカード属性一つだけの耐性、二つ目はクラスの変更。三つめは善・悪・中による特殊耐性。最初と最後はいいけど、二つ目が厄介すぎる」
「アーチャーで攻めるとランサーに変更となるから、弱点を攻められてしまいます…キャストリアでのサポートも、途中でライダーに変化してしまったら倒される確率が高いでしょう」
このギミックの脅威点は、弱点を的確に攻められない事。カード・クラス・属性。それらを考えずに編成すると、後々自分の首を絞める事に繋がりかねない。
「ギミック大変だけど、やるしかないな。ん? クラスが変わってもセイバーだから、セイバー特攻が効く……セイバー特攻……そうだ、いるじゃん! クラスが変わってもセイバーなら対応が効くメンバーが! なら、フレをこの人に任せれば…!」
何かを思いついたようで、早速マスターはメンバーを編成していった。
鈴鹿御前との試合が始まる。場に出ているのは、キャストリア・フレンドのスカディ・ヒロインXXだ。
だが、タゲ集中によりヒロインXXに攻撃が襲い掛かり、早速ガッツが剥がれてしまった。
「XXパイセンーーー!! ガッツで耐えたーーー!!」
「初手でこれは厳しいですが…! やるしかありません! スカディ、共に魔力を!」
「任せよ! 行け!」
キャスター二人により、共に魔力をヒロインXXに与える。
更にキャストリアのアーツ強化と無敵も貰い、ヒロインXXの武器が光り輝く。
「セイバー死すべし!! ダブル・エクス・ダイナミーック!!」
ヒロインXXのセイバー特攻の宝具が、鈴鹿御前に突き刺さる。
更に特攻礼装も付けているので、フォーリナーではあるが一気にブレイクまで持ち込んだ。
「やった、一気にブレイク!」
「まだまだ!」
ガッツポーズするマスターに、鈴鹿御前の余裕は消えない。
ここから二つ目のギミック、クラス変化が始まる。まずはアーチャーだが、どうにか耐える。
「どうにか耐えきったけど、ライダークラスに変化……仕方ない」
スッと片腕を上げる。
「ガント!」
カルデア戦闘服の効果を使い、鈴鹿の動きを封じにかかった。
「くっ…! このタイミングで!?」
「このタイミングだからだ! オーダーチェンジ、オルタX!」
更に、ヒロインXXからオルタXへと交換する。
こちらも宝具にセイバー特攻を持ち、しかもフォーリナー以外に対応したバーサーカー。しかし、なぜ寄りによってチャージも溜まっていないこのタイミングで動きを封じたのか。
それは、すぐに答えが出た。
「スキル、回復しました!」
「こちらもだ! 魔力を回すぞ!」
「え、ちょ…」
「オルトリアクター、臨界突破!」
ようやくスタンが切れた所で、キャストリアとスカディがNPをオルタXにつぎ込む。
更にクイック強化の恩恵も受け、オルタXは鈴鹿御前に猛攻をぶつける。
結果、こちらも二つ目のブレイクにまで持ち込む事に成功した。
「ま、まだまだよ! こうなった私は強いんだから!」
最後のギミック、特殊耐性が発動する。これは中庸・善・悪の特定のサーヴァントの指定された攻撃により、剥がれる効果を持っている。最初は中庸で、それは誰もこの場にはいない。
一回目は見送り、次のターンで指定が善となる。
「確かに耐性はきついけど…やってみるか」
「は?」
「全体強化。やれ、キャストリア」
「はい!」
マスターが全体強化をかけるとキャストリアが攻撃をして、耐性ダウンを付与する。
そこでオルタXの宝具を再びぶつける――が、先ほどよりも威力が大幅に軽減されていた。
「駄目です、一回剥しただけでは宝具の攻撃が通りません!」
「だから言ったじゃん、強いんだって!」
焦るキャストリアに鈴鹿御前はタゲ集中を行い、猛攻撃をかけて退場させる。
「キャストリア!」
「次ぃ!」
今度はオルタXに狙いを定める。
バーサーカーと言う事で受けるダメージは増加、一気に0になったが、ガッツでどうにか持ちこたえた。
「く、うう…ガッツがなければ即死でした…!」
「えっちゃん!」
キャストリアの代わりに、控えにいたヒロインXXが出てくる。
「仕方ない、私の宝具を受け取れ!」
「ほらほら、まだまだ行くし!」
丁度ここで相手のチャージが溜まっている。次は全体攻撃の宝具だ。
「XXパイセン、無敵スキルを!」
「はい!」
2人とも、回避はまだ残っている。ヒロインXXには残しておいた無敵スキルを発動。
どうにか防御を固めて、鈴鹿御前の宝具をやり過ごす事には成功。しかし、次のタゲ集中はスカディ。
結果的に、スカディもやられてしまった。
「スカディが落ちたけど、2人は生き残った…!」
「先輩…!」
次のメンバーとしてやってきたマシュ。じわじわと追い詰められた現状に、マスター共々険しい表情だ。
一方、ヒロインXXはと言うと……苦しさを滲ませつつも、オルタXに笑いかけていた。
「…いやー、こうしてまたえっちゃんと肩を並べて戦えて良かったです、はい」
「……何を考えているんですか、あなたは?」
「やだなぁ、別に私は何も――あなたが思っているような事はしませんよ」
睨み交じりのジト目を送るオルタXに、ヒロインXXはにへらと笑いかける。
「私はただ、繋げるだけです。えっちゃんに」
そして、ヒロインXXは前に出る。おあつらえ向きに、今の鈴鹿御前は善攻撃で特殊耐性を下げる状態だ。
ロンゴミニアドを構えるヒロインXXに、マシュは急いで盾を構える。
「ま、待ってください。今タゲ集中を行います。これで少しは被弾を」
「マシュ、ありがとうございます。まあ、いざって時は…お願いしますよ!!」
それだけ言うと、鈴鹿御前へと攻撃を仕掛ける。
「まずは一発! そして――行くぞ、ツインミニアド・ディザスター!!」
特殊耐性を下げつつ、もう一度ロンゴミニアドの光が鈴鹿御前を貫く。
しかし、そこそこ大きいダメージではあるが、10万以上もHPが残る状態だった。
「ふ…どうにか、耐えてやったわ」
「いいえ、まだです!」
ヒロインXXの叫びと共に、赤い閃光が鈴鹿御前を吹き飛ばす。
彼女の繋げた魔力と共に、オルタXは駆け抜ける。
「はああああ!! 黒竜双剋勝利剣(クロス・カリバー)!!」
Xの光が鈴鹿御前を切り裂き、爆発する。
彼女は地に叩き伏せられ――消滅をした。
直後、勝利のファンファーレが会場に鳴り響いたのだった。
「うおおおおおおナニコレねえダブルXが見えたよナニコレ凄いよ何か感動したぁぁぁ!!」
2人の協力技とも言える光景に、マスターの興奮も臨界突破となる。
無事に戦い抜いたオルタX。疲れからかその場に座り込んでいると、ドンと肩を叩かれる。
振り返ると、輝かしい笑顔のヒロインXXが一面に広がっていた。
「やりましたね、えっちゃん! これはもう、友情パワーって奴ですね!」
「友情とか止めて下さい。一歩間違えれば自滅行為そのものでした」
呆れかえったと言わんばかりの視線を送り返し、よっこいせと立ち上がるオルタX。
何時のも事とは言え、少しだけしょんぼりした顔をするヒロインXX。背を向けて会場から立ち去る際、オルタXは小さく口を開く。
「でも…――」
「ん? えっちゃん、何か言いました?」
「いいえ、何も」
再度否定するオルタXだが、口元はほんの少しだけ緩んでいた。
■作者メッセージ
ここから後半戦です。本当はイベント内に出したかったけど、できませんでした。ごめんなさい。
ネロ祭は終了。復刻高難易度戦は、プロトも含めて全て突破しました! いやー、2017年プロトが一番大変だった…。
第一演技
キャストリア・マーリン(フレ)・エウリュアレ・オリオン・マシュ・ヒロインXX
第二演技
キャストリア・スカディ(フレ)・ヒロインXX・オルタX・マシュ・アストライア
ネロ祭は終了。復刻高難易度戦は、プロトも含めて全て突破しました! いやー、2017年プロトが一番大変だった…。
第一演技
キャストリア・マーリン(フレ)・エウリュアレ・オリオン・マシュ・ヒロインXX
第二演技
キャストリア・スカディ(フレ)・ヒロインXX・オルタX・マシュ・アストライア