復古ギル祭・超高難易度戦1
【おむすびチェーン店・一号】
「よーし、とりあえずもうすぐ40箱まで溜まったし、高難易度全部やっちまうぞー!!」
これまで貯めに貯めたチケットの束を隅に追いやり、過去の高難易度戦に挑戦するマスター。
「最初は俵藤太さんですね。こちらはバスター攻撃を受けると色にあったカード封印がされますが、HPも上がりますので回復にはなります。更に別のカードで攻撃すれば攻撃のバフを貰える。バフを貰ってHPを削るかになりますね」
マシュもアシストとして攻略情報を伝えると、マスターは早速リストを見る。
「アタッカーはランサーで固めるのが一番か。とにかくHPが高いから礼装も全て特攻だ。アタッカーは愛する者属性特攻持ちのブリュンヒルデは確定、守りでキャストリアはフレから借りよう。クーちゃんも最後にアタッカーで入れてと……」
こうして始まった俵藤太とのバトル。早速お米を投げつけて、妨害をしつつHPを回復してくる。
「うーん、バスター基お米での攻撃でHPも上がるけど、攻撃が封印されるから戦いにくい…! キャストリアが狙われるなぁ……」
「マスター! いい感じに全員NP溜まったわ!」
ここでメンバーに入れていた卑弥呼が叫ぶ。前衛の卑弥呼はもちろん、キャストリアとブリュンヒルデも宝具を放てる準備が出来ている。
「よし、卑弥呼様、ブリュンヒルデ、キャストリアの順に宝具!」
「「「はい!」」」
卑弥呼によるバスターとオーバーチャージ増加を受け、ブリュンヒルデが巨大な槍を突き刺す。おにぎりによるバフがそこまで乗っていないが、普通ならボスが既に倒されているレベルの攻撃力でHPを削った。
更にキャストリアも2人分の魔力によって、強固な対粛清防御を張り巡らせる。
「よし、宝具を耐えつつ強化も行えてる! これならいける!」
「死が2人を分断つまで(ブリュンヒルデ・ロマンシア)!!」
ここでブリュンヒルデの宝具が突き刺さり、ようやく俵藤太の150万というHPを削り切る。
「ブレイク削れた! 誰も落ちずに関門はクリア! 流石はケルヌンノスに耐えただけの事はある!! よーし、これからは卑弥呼様とキャストリアの防衛戦を『ケルヌンノス作戦』と呼ぶぞっ!!」
「よりによってそんな作戦名か!?」
アヴァロン・ル・フェにてぐだ子含めた数多くのマスターを絶望に叩き伏せた名前に、当時殿でメンバーに加えたにも拘らず攻撃してもロクな傷も負わせられずに何度も叩き潰されていたクーフーリンが悲鳴じみたツッコミを入れる。
「宝具が来るが、流石に間に合わない! 魔術礼装も含めて全員無敵を!」
「熱を帯びなさい」
「きらきらきら〜」
卑弥呼とキャストリア、そしてアトラス院の礼装の無敵を使い、俵藤太の全体宝具をどうにか凌ぐ。
「よし、全員良い感じにNP溜まった! でも駄目だ、キャストリアが封印で使えない!」
丁度アーツ封印をされていたため、キャストリアの宝具が使えない。礼装スキルで弱体回復しようにも、先程使ってしまったのだ。ここは卑弥呼を先に使い、何時でも防御回数を増やせるようにオーバーチャージだけでも乗せる。
「どうにか耐えてるけど、キャストリアが封印されたまま。このままじゃ……よし、キャストリアギリギリ耐えた! さっきの卑弥呼様のオーバーチャージバフが残ってるしで次の宝具まで耐えられるはず!」
早速キャストリアで宝具を張り、再度防御を固める。しかし、防衛は出来ても回復が出来ない。ブリュンヒルデのスキルで出来るには出来るのだが、正直焼け石に水。俵藤太も攻撃力が上り、お米をぶつけてきてもじわじわと最大HPが削られている。そろそろ目を背ける事も出来なくなっている状況だ。
「今度は卑弥呼の宝具が封じられた……ブリュンヒルデで一気に宝具込で攻めて……よし、残りHP60万切った!」
「そぉーら!!」
ようやく終わりが見えた瞬間、とうとうキャストリアが耐え切れずに体力が0になってしまった。
「うわぁ、キャストリアが落ちた! マシュでどうにか…駄目だ、マシュも一発で落ちた!! あと少しなのに!」
すぐに登場したマシュだが、防御スキルを張っていたにも関わらずお米をぶつけた瞬間に退場となってしまう。
次にやってきたのは長尾景虎。だが、やってきたタイミングで相手のチャージが溜まっていた。
「相手の宝具が来ますよ、マスター!」
「礼装の無敵は回復してないし、メジェドの眼でのスキルチャージも意味がない……ブリュンヒルデがガッツで耐えてくれるのを祈るしかない!! 卑弥呼様、景虎さん、無敵回避を!」
「南無八幡大菩薩――願わくば、この矢を届け給え!!」
マスターの指示に、2人は即座に防御を張る。そして、俵藤太の放った龍が襲い掛かる。
ブリュンヒルデはガッツで耐えたが、追撃によって倒されてしまった。
「うわーーーやっぱりやられたーーー! クーちゃん達で耐えきれるか!?」
「ならば、クリティカル攻撃で!!」
「はあぁ!!」
長尾景虎と卑弥呼による攻撃が俵藤太に直撃する。
ランサーの長尾景虎はもちろん、クリ威力アップのスキルも合わさった卑弥呼の攻撃は良いダメージを突いて――どうにか俵藤太を倒しきった。
「か、勝ったぁぁぁ!! 卑弥呼様のクリティカルで勝ったーーー!! ルーラーのクリティカルはすげぇぇぇ!!」
「ふふふ。もっと褒めるのです」
まるで日輪の光を背にして微笑む卑弥呼に、マスターはこれでもかと平伏する。
そんな姿に、出番のなかったクーフーリンは呆れの目しか出なかった。
【フレイムゲート】
「次はレオニダスと300人の取り巻きが相手か。兵士を倒すたびにレオニダスの防御が減っていくから、防御貫通や全体宝具がオススメ。ただし、セイバーで攻めてるとしてもアーチャーの取り巻きが出てくるから…サポはバーサーカー入れるか。アタッカーはやっぱ村正かな。でキャストリアも入れて…沖田さんも入れたいけど、プリテンダーのオベロンも有利なんだよなぁ。うーーんでもマシュを入れてもコストが足りない。礼装、削るかなぁ」
今ある戦力を如何に収めるか。マスターは迷いながら主力の3人を決めつつ、後衛の選抜に頭を悩ませる。
「全員星5ですからね…攻略の情報では、取り巻きは即死が効くと書いてあります」
「即死…あ、だったらいるじゃん! サポートが出来る即死が! 相性はあまり関係ないけど、これでイケるかも!」
そうして始まった、レオニダス1世とのバトル。前衛は村正、キャストリア、フレンドのモルガンだ。
レオニダスに攻撃を当ててもダメージは入らないので、とにかく周りの部下を倒していく。
「うう、攻撃が結構強いなぁ…回復要因でフレンドはマーリンにしておけば良かったかもしれない…! これ耐えれるのかな…?」
「マスター! とにかく出し惜しみは無しだ! 儂とモルガンも使ってアルトリアの宝具を回しまくれ! こいつは防御が切れたら終わりだ!」
「分かった村正!」
村正のアドバイスを受け、マスターはキャストリアの宝具を中心に防御を固める作戦に出る。実際、これは持久戦でもある。レオニダスに攻撃が通らない限り、自分達に勝利はない。
「とか言ってる間に、アルトリアの防御効果が切れちまったか……儂は1回は耐えれるとは思うが…!」
「とにかく、やってみるしかない! モルガン様!」
「宝具を展開しましょう」
ここでモルガンが宝具を発動し、取り巻きと共にレオニダスに攻撃を喰らわせる。そこそこ部下は倒しているが、まだレオニダスへの攻撃は少ししか通らない。
そして、レオニダスは村正に攻撃を仕掛ける。
「ぐあぁ!」
「村正っ!」
思わずキャストリアが声をかけるが、村正は膝を折らなかった。
「安心しな、どうにかガッツ無しで耐えきった! モルガンから貰ったオーバーチャージもある、行くぜアルトリア!!」
「――ハイっ!」
村正の掛け声に、キャストリアは大きく頷いて剣を構える。
「無元の牽制(つむかりのむらまさ)!!」
「真円集う約束の星(ラウンド・オブ・アヴァロン)!!」
モルガンの援護を受けた村正の攻撃はアーチャーの敵も叩き切り、村正からの魔力も受け取ったキャストリアの防壁は一層強固となる。
これにより、レオニダスのゲージも削り取った。
「よし、ブレイク削れた!! 後はここからどうするか…キャストリアの無敵で村正の強化行いつつ守るか、一気に攻めるか…! 決めた、頼むキャストリア! 無敵を渡して!」
「はい!」
アーツでの強化を施しつつ村正を守る、この作戦は成功して村正に襲い掛かった敵の攻撃を封じ切った。
「よし、耐えきった! レオニダスもタゲやってる!」
「さっきと同じで行くぞ!」
「もちろん!」
宝具で纏めて倒すと同時に守りを固める。何度か繰り返して2人の息も合って来たようだ。
この光景に、モルガンも何を思ったのか前に出る。
「――防御が付いたのなら、私も行きましょう。はや辿り着けぬ理想郷(ロードレス・キャメロット)!!」
再びモルガンの宝具が部下を巻き添えにレオニダスに襲い掛かる。
部下は大分減り、レオニダスも攻撃が最初の頃よりは入る様になってきた。とはいえ、防衛戦はこちらが若干不利だし、部下の中には倒されるとデバフをかける奴が現れだした。
「キャストリアとモルガン様の防御が剥がれた…村正はかろうじて残ってるし、モルガンにはガッツがついているけど……取り巻きが厄介なバステ付与をしてくる…」
「なーに弱気な事言ってやがる。マスター、無敵をアルトリアに渡しな。儂とモルガンはガッツで耐えられる。守るべきはアルトリアだ」
「分かった」
村正の言う通り、キャストリアに礼装の無敵を渡す。
「そんじゃ…行くぜ!」
その瞬間、村正は魔力以外の全てのリソース(スキル)を開放する。
本気を出す村正に、キャストリアは驚きの声を上げる。
「村正、何を!?」
「下がってな。ここまで来たら、やる事は1つだろ」
村正は静かに2人の前に立ち、瞑想をする。
再び現れる、焔。鉄。刀。その全てを手の内に縮小し――己の限界で、一撃を放つ。
普段はキャストリア2人分の力で放つが、村正が放てる全力の一撃だ。しかし、レオニダスと部下がまだ、立っていた。
「ああ、くそ……やれると思ったが、攻撃デバフが思ったよりも……!」
「――いいえ」
凛とした声が、全員に届く。
「やらせはしないっ!! モルガン!! お願いです、私に魔力を!!」
「――みなまで言うな」
そう言って、モルガンはキャストリアに溜まっていた魔力を渡す。
「黄昏の時よ、再び!」
こうして間一髪で張った対粛清防御。これにより、村正は寸前の所で守られた。
「アルトリア……」
「何をしている、戦いは終わっていない!」
モルガンからの一喝が村正に放たれる。弾かれたように、村正は溜まった魔力で再度宝具を放つ。
「とどめぇ!!」
連続で放った地面を割るほどの一撃――今度こそ、レオニダスは地に伏せた。
「勝ったーーーー!! 誰も落ちずに勝ったぜーーーー!!」
二回戦の勝利に、ガッツポーズを上げるマスター。倒した村正も満更ではないように笑っている。
一方。キャストリアはレオニダスに近づく。既に彼の周りにいた300人の部下は姿を消しており、彼はよろよろと立ち上がりつつキャストリアに兜越しの笑顔を見せた。
「いやはや、お見事――私の守りを上回る強さ、見せて貰いました」
「いえ……あなたの様に身を挺してまで大勢を守るなど、私には出来る事ではありません。感服いたしました、レオニダス1世」
「だとしても。村正殿を心から守りたい、その想いは私にも伝わりました。モルガン殿もその想いに何か感じ取るものがあったからこそ、仲間としてではない何かであなたに力に貸したのでしょう――失礼、少々お喋りが過ぎましたかな?」
「いいえ――対戦、ありがとうございました」
深く頭を下げ、キャストリアはその場を後にする。
カルデアは“私達の物語”を知った。1年前、何も知らなかったあの時とは、心の在り方が違う。
ここにいる私達は、例外はあれど物語の私達とは違う。それでも――
「おおーい、アルトリア! いやー、良い所で守ってくれて助かったぜ!」
「そういうところですよ、村正ァ!」
「なんでだよ!?」
こういう時くらいは、と思うのです。
「よーし、とりあえずもうすぐ40箱まで溜まったし、高難易度全部やっちまうぞー!!」
これまで貯めに貯めたチケットの束を隅に追いやり、過去の高難易度戦に挑戦するマスター。
「最初は俵藤太さんですね。こちらはバスター攻撃を受けると色にあったカード封印がされますが、HPも上がりますので回復にはなります。更に別のカードで攻撃すれば攻撃のバフを貰える。バフを貰ってHPを削るかになりますね」
マシュもアシストとして攻略情報を伝えると、マスターは早速リストを見る。
「アタッカーはランサーで固めるのが一番か。とにかくHPが高いから礼装も全て特攻だ。アタッカーは愛する者属性特攻持ちのブリュンヒルデは確定、守りでキャストリアはフレから借りよう。クーちゃんも最後にアタッカーで入れてと……」
こうして始まった俵藤太とのバトル。早速お米を投げつけて、妨害をしつつHPを回復してくる。
「うーん、バスター基お米での攻撃でHPも上がるけど、攻撃が封印されるから戦いにくい…! キャストリアが狙われるなぁ……」
「マスター! いい感じに全員NP溜まったわ!」
ここでメンバーに入れていた卑弥呼が叫ぶ。前衛の卑弥呼はもちろん、キャストリアとブリュンヒルデも宝具を放てる準備が出来ている。
「よし、卑弥呼様、ブリュンヒルデ、キャストリアの順に宝具!」
「「「はい!」」」
卑弥呼によるバスターとオーバーチャージ増加を受け、ブリュンヒルデが巨大な槍を突き刺す。おにぎりによるバフがそこまで乗っていないが、普通ならボスが既に倒されているレベルの攻撃力でHPを削った。
更にキャストリアも2人分の魔力によって、強固な対粛清防御を張り巡らせる。
「よし、宝具を耐えつつ強化も行えてる! これならいける!」
「死が2人を分断つまで(ブリュンヒルデ・ロマンシア)!!」
ここでブリュンヒルデの宝具が突き刺さり、ようやく俵藤太の150万というHPを削り切る。
「ブレイク削れた! 誰も落ちずに関門はクリア! 流石はケルヌンノスに耐えただけの事はある!! よーし、これからは卑弥呼様とキャストリアの防衛戦を『ケルヌンノス作戦』と呼ぶぞっ!!」
「よりによってそんな作戦名か!?」
アヴァロン・ル・フェにてぐだ子含めた数多くのマスターを絶望に叩き伏せた名前に、当時殿でメンバーに加えたにも拘らず攻撃してもロクな傷も負わせられずに何度も叩き潰されていたクーフーリンが悲鳴じみたツッコミを入れる。
「宝具が来るが、流石に間に合わない! 魔術礼装も含めて全員無敵を!」
「熱を帯びなさい」
「きらきらきら〜」
卑弥呼とキャストリア、そしてアトラス院の礼装の無敵を使い、俵藤太の全体宝具をどうにか凌ぐ。
「よし、全員良い感じにNP溜まった! でも駄目だ、キャストリアが封印で使えない!」
丁度アーツ封印をされていたため、キャストリアの宝具が使えない。礼装スキルで弱体回復しようにも、先程使ってしまったのだ。ここは卑弥呼を先に使い、何時でも防御回数を増やせるようにオーバーチャージだけでも乗せる。
「どうにか耐えてるけど、キャストリアが封印されたまま。このままじゃ……よし、キャストリアギリギリ耐えた! さっきの卑弥呼様のオーバーチャージバフが残ってるしで次の宝具まで耐えられるはず!」
早速キャストリアで宝具を張り、再度防御を固める。しかし、防衛は出来ても回復が出来ない。ブリュンヒルデのスキルで出来るには出来るのだが、正直焼け石に水。俵藤太も攻撃力が上り、お米をぶつけてきてもじわじわと最大HPが削られている。そろそろ目を背ける事も出来なくなっている状況だ。
「今度は卑弥呼の宝具が封じられた……ブリュンヒルデで一気に宝具込で攻めて……よし、残りHP60万切った!」
「そぉーら!!」
ようやく終わりが見えた瞬間、とうとうキャストリアが耐え切れずに体力が0になってしまった。
「うわぁ、キャストリアが落ちた! マシュでどうにか…駄目だ、マシュも一発で落ちた!! あと少しなのに!」
すぐに登場したマシュだが、防御スキルを張っていたにも関わらずお米をぶつけた瞬間に退場となってしまう。
次にやってきたのは長尾景虎。だが、やってきたタイミングで相手のチャージが溜まっていた。
「相手の宝具が来ますよ、マスター!」
「礼装の無敵は回復してないし、メジェドの眼でのスキルチャージも意味がない……ブリュンヒルデがガッツで耐えてくれるのを祈るしかない!! 卑弥呼様、景虎さん、無敵回避を!」
「南無八幡大菩薩――願わくば、この矢を届け給え!!」
マスターの指示に、2人は即座に防御を張る。そして、俵藤太の放った龍が襲い掛かる。
ブリュンヒルデはガッツで耐えたが、追撃によって倒されてしまった。
「うわーーーやっぱりやられたーーー! クーちゃん達で耐えきれるか!?」
「ならば、クリティカル攻撃で!!」
「はあぁ!!」
長尾景虎と卑弥呼による攻撃が俵藤太に直撃する。
ランサーの長尾景虎はもちろん、クリ威力アップのスキルも合わさった卑弥呼の攻撃は良いダメージを突いて――どうにか俵藤太を倒しきった。
「か、勝ったぁぁぁ!! 卑弥呼様のクリティカルで勝ったーーー!! ルーラーのクリティカルはすげぇぇぇ!!」
「ふふふ。もっと褒めるのです」
まるで日輪の光を背にして微笑む卑弥呼に、マスターはこれでもかと平伏する。
そんな姿に、出番のなかったクーフーリンは呆れの目しか出なかった。
【フレイムゲート】
「次はレオニダスと300人の取り巻きが相手か。兵士を倒すたびにレオニダスの防御が減っていくから、防御貫通や全体宝具がオススメ。ただし、セイバーで攻めてるとしてもアーチャーの取り巻きが出てくるから…サポはバーサーカー入れるか。アタッカーはやっぱ村正かな。でキャストリアも入れて…沖田さんも入れたいけど、プリテンダーのオベロンも有利なんだよなぁ。うーーんでもマシュを入れてもコストが足りない。礼装、削るかなぁ」
今ある戦力を如何に収めるか。マスターは迷いながら主力の3人を決めつつ、後衛の選抜に頭を悩ませる。
「全員星5ですからね…攻略の情報では、取り巻きは即死が効くと書いてあります」
「即死…あ、だったらいるじゃん! サポートが出来る即死が! 相性はあまり関係ないけど、これでイケるかも!」
そうして始まった、レオニダス1世とのバトル。前衛は村正、キャストリア、フレンドのモルガンだ。
レオニダスに攻撃を当ててもダメージは入らないので、とにかく周りの部下を倒していく。
「うう、攻撃が結構強いなぁ…回復要因でフレンドはマーリンにしておけば良かったかもしれない…! これ耐えれるのかな…?」
「マスター! とにかく出し惜しみは無しだ! 儂とモルガンも使ってアルトリアの宝具を回しまくれ! こいつは防御が切れたら終わりだ!」
「分かった村正!」
村正のアドバイスを受け、マスターはキャストリアの宝具を中心に防御を固める作戦に出る。実際、これは持久戦でもある。レオニダスに攻撃が通らない限り、自分達に勝利はない。
「とか言ってる間に、アルトリアの防御効果が切れちまったか……儂は1回は耐えれるとは思うが…!」
「とにかく、やってみるしかない! モルガン様!」
「宝具を展開しましょう」
ここでモルガンが宝具を発動し、取り巻きと共にレオニダスに攻撃を喰らわせる。そこそこ部下は倒しているが、まだレオニダスへの攻撃は少ししか通らない。
そして、レオニダスは村正に攻撃を仕掛ける。
「ぐあぁ!」
「村正っ!」
思わずキャストリアが声をかけるが、村正は膝を折らなかった。
「安心しな、どうにかガッツ無しで耐えきった! モルガンから貰ったオーバーチャージもある、行くぜアルトリア!!」
「――ハイっ!」
村正の掛け声に、キャストリアは大きく頷いて剣を構える。
「無元の牽制(つむかりのむらまさ)!!」
「真円集う約束の星(ラウンド・オブ・アヴァロン)!!」
モルガンの援護を受けた村正の攻撃はアーチャーの敵も叩き切り、村正からの魔力も受け取ったキャストリアの防壁は一層強固となる。
これにより、レオニダスのゲージも削り取った。
「よし、ブレイク削れた!! 後はここからどうするか…キャストリアの無敵で村正の強化行いつつ守るか、一気に攻めるか…! 決めた、頼むキャストリア! 無敵を渡して!」
「はい!」
アーツでの強化を施しつつ村正を守る、この作戦は成功して村正に襲い掛かった敵の攻撃を封じ切った。
「よし、耐えきった! レオニダスもタゲやってる!」
「さっきと同じで行くぞ!」
「もちろん!」
宝具で纏めて倒すと同時に守りを固める。何度か繰り返して2人の息も合って来たようだ。
この光景に、モルガンも何を思ったのか前に出る。
「――防御が付いたのなら、私も行きましょう。はや辿り着けぬ理想郷(ロードレス・キャメロット)!!」
再びモルガンの宝具が部下を巻き添えにレオニダスに襲い掛かる。
部下は大分減り、レオニダスも攻撃が最初の頃よりは入る様になってきた。とはいえ、防衛戦はこちらが若干不利だし、部下の中には倒されるとデバフをかける奴が現れだした。
「キャストリアとモルガン様の防御が剥がれた…村正はかろうじて残ってるし、モルガンにはガッツがついているけど……取り巻きが厄介なバステ付与をしてくる…」
「なーに弱気な事言ってやがる。マスター、無敵をアルトリアに渡しな。儂とモルガンはガッツで耐えられる。守るべきはアルトリアだ」
「分かった」
村正の言う通り、キャストリアに礼装の無敵を渡す。
「そんじゃ…行くぜ!」
その瞬間、村正は魔力以外の全てのリソース(スキル)を開放する。
本気を出す村正に、キャストリアは驚きの声を上げる。
「村正、何を!?」
「下がってな。ここまで来たら、やる事は1つだろ」
村正は静かに2人の前に立ち、瞑想をする。
再び現れる、焔。鉄。刀。その全てを手の内に縮小し――己の限界で、一撃を放つ。
普段はキャストリア2人分の力で放つが、村正が放てる全力の一撃だ。しかし、レオニダスと部下がまだ、立っていた。
「ああ、くそ……やれると思ったが、攻撃デバフが思ったよりも……!」
「――いいえ」
凛とした声が、全員に届く。
「やらせはしないっ!! モルガン!! お願いです、私に魔力を!!」
「――みなまで言うな」
そう言って、モルガンはキャストリアに溜まっていた魔力を渡す。
「黄昏の時よ、再び!」
こうして間一髪で張った対粛清防御。これにより、村正は寸前の所で守られた。
「アルトリア……」
「何をしている、戦いは終わっていない!」
モルガンからの一喝が村正に放たれる。弾かれたように、村正は溜まった魔力で再度宝具を放つ。
「とどめぇ!!」
連続で放った地面を割るほどの一撃――今度こそ、レオニダスは地に伏せた。
「勝ったーーーー!! 誰も落ちずに勝ったぜーーーー!!」
二回戦の勝利に、ガッツポーズを上げるマスター。倒した村正も満更ではないように笑っている。
一方。キャストリアはレオニダスに近づく。既に彼の周りにいた300人の部下は姿を消しており、彼はよろよろと立ち上がりつつキャストリアに兜越しの笑顔を見せた。
「いやはや、お見事――私の守りを上回る強さ、見せて貰いました」
「いえ……あなたの様に身を挺してまで大勢を守るなど、私には出来る事ではありません。感服いたしました、レオニダス1世」
「だとしても。村正殿を心から守りたい、その想いは私にも伝わりました。モルガン殿もその想いに何か感じ取るものがあったからこそ、仲間としてではない何かであなたに力に貸したのでしょう――失礼、少々お喋りが過ぎましたかな?」
「いいえ――対戦、ありがとうございました」
深く頭を下げ、キャストリアはその場を後にする。
カルデアは“私達の物語”を知った。1年前、何も知らなかったあの時とは、心の在り方が違う。
ここにいる私達は、例外はあれど物語の私達とは違う。それでも――
「おおーい、アルトリア! いやー、良い所で守ってくれて助かったぜ!」
「そういうところですよ、村正ァ!」
「なんでだよ!?」
こういう時くらいは、と思うのです。
■作者メッセージ
というわけで、復刻ギル祭基、スペースでの高難易度開始です。いやー、まさか3月に箱イベ行うとか思わなかったわ。
今回は時期もそうだし量が多すぎて死にそうである。運営、高難易度4つは酷過ぎる。せめて去年みたいに2つにしてくれ。そう思うマスターである。
箱イベは40箱であきらめる形です。ついでに超絶難易度も諦めます。二日間かけて2018はクリアしているんです。このペーズじゃテスラカップ間に合わない確実に。なので、残り日数で高難易度クリア出来たらと思います……
ただ、今2019のゴルゴン三姉妹で詰んでます。みんな硬すぎるんだよ、性別不明うちはそこまでいないんだ。ぐだ子のオルジュナですら減らしきれないって相当だよ? マーリンに光闇コヤン必要だからしょうがないけどさ……こんな時に始皇帝ほしいとか思わなかったわ。リンボ手に入れてたらちょっとは違ったのに……くっそう、諦めるしかないかもしれない…。
最後に、クリアしたメンバーも書いておきます。
バトル・イン・ニューヨーク2018
「おむすびチェーン店・一号」
キャストリア(フレ)・卑弥呼・ブリュンヒルデ・マシュ・長尾景虎・クーフーリン
「フレイムゲート」
モルガン(フレ)・キャストリア・村正・マシュ・ニトクリス・沖田
今回は時期もそうだし量が多すぎて死にそうである。運営、高難易度4つは酷過ぎる。せめて去年みたいに2つにしてくれ。そう思うマスターである。
箱イベは40箱であきらめる形です。ついでに超絶難易度も諦めます。二日間かけて2018はクリアしているんです。このペーズじゃテスラカップ間に合わない確実に。なので、残り日数で高難易度クリア出来たらと思います……
ただ、今2019のゴルゴン三姉妹で詰んでます。みんな硬すぎるんだよ、性別不明うちはそこまでいないんだ。ぐだ子のオルジュナですら減らしきれないって相当だよ? マーリンに光闇コヤン必要だからしょうがないけどさ……こんな時に始皇帝ほしいとか思わなかったわ。リンボ手に入れてたらちょっとは違ったのに……くっそう、諦めるしかないかもしれない…。
最後に、クリアしたメンバーも書いておきます。
バトル・イン・ニューヨーク2018
「おむすびチェーン店・一号」
キャストリア(フレ)・卑弥呼・ブリュンヒルデ・マシュ・長尾景虎・クーフーリン
「フレイムゲート」
モルガン(フレ)・キャストリア・村正・マシュ・ニトクリス・沖田