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ダブルクロスThe 3rd Edition【It,s a Wonderful Hearts】

NANA

INDEX

  • あらすじ
  • 01 セッションの準備編
  • 02 ハンドアウト配布・シンドローム説明編
  • 03 PC紹介・前編
  • 04 PC紹介・後編
  • 05 オープニングフェイズ1&2
  • 06 オープニングフェイズ3
  • 07 ミドルフェイズ1
  • 08 閑話休題
  • 09 ミドルフェイズ2
  • 10 ミドルフェイズ3(前編)
  • 11 ミドルフェイズ3(中編)
  • 12 ミドルフェイズ3(後編)
  • 13 ミドルフェイズ4
  • 14 ミドルフェイズ5&6
  • 15 クライマックスフェイズ1
  • 16 クライマックスフェイズ2
  • 17 クライマックスフェイズ3
  • 18 クライマックスフェイズ4
  • 19 クライマックスフェイズ5
  • 20 クライマックスフェイズ6&バックトラック
  • 21 エンディングフェイズ
  • セッションの準備編

     事の始まりは、突然だった。

    グラッセ「ふ、ふふふ……何時になったら俺にまともな出番が来るんだ…!! リズとはギシシャクなままだし、長い間精神崩壊だし、やっと出番が来たと思ったらトランスで暴走するし…!!」
    ラック「ねえ…いい加減、あれをなんとか出来ないのかい? グラッセ、ずーっと陰険な空気を放出する所為で、部屋に使う除湿剤買っても買ってもすぐゴミになっちまうよ…」
    リズ「そんな事言われても…グラッセがヒロインでヘタレなのは今に始まった事じゃないでしょ?」
    ムーン「ああ、グラッセは俺達に守られてなんぼだろ? それに、この場にテルスやウラノスがいないだけマシじゃないか」
    ラック「あんたら本当に親友かい!? その言い方ないだろ!?」
    ジェダイド「(ドアを開けて)――やっぱりここにいましたね。グラッセ君、ムーン君、お手紙ですよー」
    リズ「手紙? グラッセに?」
    ジェダイド「ええ。相手は、えーと…これは、なんて読むんでしょうか?」
    ラック「これは漢字の名前だね。ス、ズ……スズノヨミって名前か」
    リズ「スズノヨミって、確か…」
    ムーン「あー、俺らが修行してた時に茶々入れてきた女か…」
    ラック「何だ、あんたらの知り合いかい。ジェダイド、手紙にはなんて書いてあるんだい?」
    ジェダイド「はい――(ガサゴソ)――では、読みますね」



     拝啓 グラッセ&ムーンへ
     今回作者達の意向で、君達二人をTRPGのセッションに招待します。同封している地図に書いてある部屋に来てください。
     他にも人を呼んでいるので、楽しい時間になると思います。是非とも参加してください。

                                 敬具

     追伸・グラッセには特別に『主役』を用意しています。早く来ないとなくなっちゃうかも(笑)



    グラッセ「主役ぅ!!!」(ギンッ!!!)
    リズ「グ、グラッセ!? 目が凄く血走っているんだけど!?」
    グラッセ「行くぞ、ムーン!! 主役が俺を待っているぅぅぅ!!!」(ガシッ!!)
    ムーン「お、落ち着けグラッセぎゃああああ!!? 助けてぇぇぇ!!?」
    ジェダイド「…もの凄い勢いで出ていきましたよ、グラッセ君」
    ラック「ああ…一瞬の内に『ヘイズガ』使っていたからね…」
    リズ「大丈夫かな、二人とも…?」



     そうしてムーンを引き連れて(引っ張ってとも言う)たどり着いたのは、手紙に指定された一室だった。

    グラッセ「来たぞー!!! 主役はどこだー!!!」

     勢いよくグラッセが扉を開けると、そこには何枚もの紙と文庫本サイズの二冊の本。そしてお茶請け用のお菓子が用意されたテーブル。そして椅子に座っているのは、クウ、スピカ、スズ、腰まである長い銀髪の少女の四人だ。

    クウ「グ、グラッセ…?」
    スズ「やあ、来たね。待ってたよ」
    ムーン「うあぅ…! クウに、あの時の女、スピカさんに――誰だ、お前?」
    ?「え、えーと…ボクはツバサって言います。お兄ちゃん…シャオがお世話になってます」
    グラッセ「お兄ちゃん…? もしかして、シャオの妹なのか!? 初耳だな、シャオに妹がいるなんて!!」
    ツバサ「あ、あはは…その、いろいろ事情があって…!!」
    スピカ(ツバサ、あなた本当の事言わなくてもいいの?)(小声)
    ツバサ(い、いいの! まだみんなには知られたくないから…)(小声)
    クウ「(二人の会話を耳にしながら)…まあ、何だ。お前らもスズに呼ばれてゲームしに来たんだろ、まずは座れよ」
    グラッセ「はい! で、主役は!? 俺が主役なんだろ!?」
    スズ「お、おう――とりあえず、まずはゲームについて話をさせてくれ」



    スズ「それじゃあ、人数も揃った事で――今回やるTRPGゲームはこの【DX(ダブルクロス)3rd】だー!!」
    グラッセ&ムーン&クウ「「「ダブルクロス?」」」
    ツバサ「ダブルクロス!? ボク知ってると言うかみんなでよくやったよ! ねえサプリメントは何を使うの?」
    スズ「あー…ごめん。今回入手できたのは基本ルルブ1・2だけでサプリメントは持ってないんだよ」
    ツバサ「えー!! ウロボロスがボクに似たシンドロームだから入れたかったしフォーカス判定とかやったりFHキャラとか作りたかったのに。まあいいや今回はブラックドックのシンドローム組み込んでとある科学系でレールガン出来るキャラ作って攻めてみようかな。あ、ちょっと待って基本だけだとDロイスやEロイスが無いからその分バックトラックが難しい訳で……スズさんっ! 僕の知ってる分で言いからDロイスとかEロイスとか混ぜてやってもいい? じゃないとボス倒したのにジャーム化でゲームオーバーとかシャレにならないし」
    スズ「んー…まあ確かにその方が生還率も高まりそうだしね。Eロイスは僕も少しは知ってるから身内ルールと言う事で特別に許可を」
    クウ「オイマテ。二人にしか伝わらない言葉をペラペラ喋るの止めてくれ」
    グラッセ「そうですよ。まずそのゲームの説明をしてください」
    スピカ「そうね。じゃあ、ゲームマスター、略してGMを務めるスズ。そしてサブマスター、略してSMを務める私が【ダブルクロス】について説明するわね」
    スズ「【ダブルクロス】の世界観は主に近未来の現代社会の日本を舞台にしている。人々は平凡な社会や日常を暮らしているんだけど、実はその世界は変貌していた」
    スピカ「20年前に「背徳者(レネゲイド)」と呼ばれるウイルスが世界中にばら撒かれて、感染するとオーヴァードと言う超能力者になってしまうの。あなた達PC(プレイヤーキャラクター)は世界を裏から守るオーヴァードとして、レネゲイドに関するさまざまな事件を解決して人々の平和を守る、と言うゲームなの」
    ムーン「へー、要は超能力を駆使して敵と戦うって話なんだな?」
    ツバサ「そうだよ。だけど、能力を使いすぎるとレネゲイドウイルスに身も心も浸食されるから、オーヴァードは『ジャーム』って言う怪物になるんだ。『ジャーム』になってしまったら、身も心も怪物になって二度と人間に戻れなくなるんだ。まあ、ジャームになっても人間の姿や理性を保つ人もいるけど、日常を過ごすだけの思考は持ってないからNPCとして敵になってしまうんだ」
    クウ「あー、要は怪物にならないように事件を解決しろって事か? SAN値関連でクトゥルフ思い出すな」
    スズ「詳しいルールはその都度説明するよ。一言で要約すれば、絆と裏切りのTRPGさ!」
    ツバサ「別名、中二病ゲームっても言われるけどボク達の年齢なら言われても傷つかないよね!」
    クウ「ちょっと待て、それだと俺年齢的にアウトだよな?」
    スズ「見た目が許されればそれでいいんだよ」
    スピカ「あなたが言うと妙に説得力あるのよね…見た目は幼女なのに、私達より年上でしょ?」
    スズ「スピカー? 余計な事は話さないでよねー?」(黒笑)
    グラッセ「とにかく、話の内容は分かりました。早速ゲームを始めましょう!!」
    ツバサ「どうしてグラッセこんなにイキイキしてるの?」
    ムーン「ははは…俺達の所でいろいろあったんだよ…」



    スピカ「それでは、ダブルクロスを初めて行きましょう。今回使用するのは、基本ルルブ1・2よ。Dロイス&Eロイスの設定やルールは本来【上級ルールブック】が必要になるんだけど、今回は身内ルールと言う事で特別に一部のみ使用させていただくわ」
    スズ「よし、まずはトレーラーを発表しよう」
    三人「トレーラー?」
    ツバサ「トレーラーって言うのは、シナリオ…セッションで遊ぶ話の予告編だよ。シナリオの内容や雰囲気を参加するPCに事前に伝える事で、イメージを膨らませるんだ」
    スズ「説明ありがとね。それじゃ、トレーラースタートだ!」



     昨日と同じ今日。
     今日と同じ明日。
     世界は繰り返し時を刻み、変わらないように見えた。
     だが、人々の知らない所で。

     世界は、大きく変貌していた―――。

     非日常で活動していたオーヴァードを襲う、爆破事件。
     町に靡く、黒いコートの人物。
     交わる事のない、UGNとFHの思考。
     守るべき日常が、大切な居場所が、闇で覆われる時…繋ぐ筈の無い手を取り合うだろう。
     己の使命、己の欲望(ねがい)の為に。


     ダブルクロスThe 3rd Edition【It,s a Wonderful Hearts(すばらしきこのこころ)】


     ダブルクロス―――それは“裏切り”を意味する言葉。



    グラッセ「…あんの〜」
    ムーン「タイトル、思いっきり見た事あるような…?」
    クウ「しかもKHの要素混じってるような…?」
    スズ「意見は受け付けんぞ野郎共!! そもそもこのシナリオ作ったのうちの作者だからな!! 今回のセッションの為に、特別に! いろいろ混ぜこんで! 作ったんだからな!!」
    ツバサ「まあまあ…でも、雰囲気は何となく掴めたよ。UGNとFHが手を組むシナリオ、楽しみ〜♪」
    グラッセ「それって何ですか?」
    スピカ「UGNは『ユニバーサル・ガーディアンズ・ネットワーク』の略称よ。現代社会を守る世界的組織で、人間とオーヴァードの共存を目的にしているの。とはいえ、現段階でレネゲイドの事を世間に知られるとパニックを起こしかねないから、人々に知られないように事件解決や隠蔽工作をしているの」
    ツバサ「そしてFHは『ファルスハーツ』の略称だよ。オーヴァード達の国際テロ組織で、オーヴァードの能力を隠さずにテロや犯罪を起こしているんだ。目的はレネゲイドの存在を世間に知らしめてオーヴァードが優位だと言う世界を作る事だよ。更に補足すると、UGNはピラミッド型の組織。FHはのセル(細胞)と呼ばれる組織で、単位で構成しているんだ。過激派がいれば、別のセルでは温和派がいたりするんだ」
    クウ「なるほど、話を聞くとなかなか面白そうなゲームだな。俺達PCはUGNかFHのどちらか選べばいいって事か?」
    スズ「本当はそうしたい所なんだが、FHキャラを作るにはサプリメント【パブリックエネミー】と言うルルブが必要なんだ。だが、設定だけならFH側に所属する事も可能だから、ちょっと特殊なシナリオハンドアウトを作ってきたよ!」
    三人「シナリオハンドアウト?」
    スピカ「シナリオハンドアウトと言うのは、キャラクター作成の手引きなの。GMがシナリオを用意する際に、『こう言うキャラクターを作って欲しい』と言う要望をPCに渡すのよ。渡すシナリオハンドアウトは、キャラの事前情報、指定されるワークスとカヴァー、事前に習得しているロイスが書いてあるわ」
    ムーン「何か、いろいろ他の単語が飛び出したんだが?」
    ツバサ「それらはキャラ作成の際にボクが説明するよ。GM側から指定されてると言っても、大抵は職業とかシナリオに登場するNPCとの関係とかだからさ。それ以外は自分達で自由にキャラ付け出来るから!」
    グラッセ「早くハンドアウトを公開してください! 主役をください!」
    スズ「お、おう…と言いたいが、文字数が限界に近付いたからここで区切ろう。ハンドアウト公開は次で行うよ」
    グラッセ「何でいい所で!? せっかくの俺の出番がぁ!!」
    クウ「なあ、マジでグラッセに何があったんだよ?」
    ムーン「ハハハ…いろいろだよ、本当にな…!」

    15/12/11 18:09 NANA   

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