ゲーノベ :: ゲーム小説掲示板 > NANA > ダブルクロスThe 3rd Edition【It,s a Wonderful Hearts】

ダブルクロスThe 3rd Edition【It,s a Wonderful Hearts】

NANA

INDEX

  • あらすじ
  • 01 セッションの準備編
  • 02 ハンドアウト配布・シンドローム説明編
  • 03 PC紹介・前編
  • 04 PC紹介・後編
  • 05 オープニングフェイズ1&2
  • 06 オープニングフェイズ3
  • 07 ミドルフェイズ1
  • 08 閑話休題
  • 09 ミドルフェイズ2
  • 10 ミドルフェイズ3(前編)
  • 11 ミドルフェイズ3(中編)
  • 12 ミドルフェイズ3(後編)
  • 13 ミドルフェイズ4
  • 14 ミドルフェイズ5&6
  • 15 クライマックスフェイズ1
  • 16 クライマックスフェイズ2
  • 17 クライマックスフェイズ3
  • 18 クライマックスフェイズ4
  • 19 クライマックスフェイズ5
  • 20 クライマックスフェイズ6&バックトラック
  • 21 エンディングフェイズ
  • クライマックスフェイズ1


     クライマックスフェイズ シーン10〈人としての心、怪物としての心〉
     シーンプレイヤー 海命凍矢

    GM「さあ、いよいよクライマックスフェイズの時間だ! お前ら準備はいいかー?」
    SM「ここでは全員で登場して貰うわよ。シーンプレイヤーは主役の海命凍矢、ダイスを振って頂戴」
    クウ「ツバサ、大丈夫か?」
    ツバサ「Eロイス沢山くださーい!(浸食値は投げ捨てる物!!)」
    グラッセ「まだダイス振ってないのに本音と建前が…」
    ムーン「いいから振ろうぜ」

    《シーン登場》

     凍矢1D10→4 68%→72%
     月1D10→1 65%→66%
     空1D10→10 71%→81%
     翼1D10→2 92%→94%

    ツバサ「いやっったぁぁぁーーーーーー!!!」
    クウ「あー…まあ、80%超えたらダイスが更に追加になるからこんなものか」
    ムーン「安定の低さだな、俺。火力大丈夫か…?」
    グラッセ「でもその分《リザレクト》出来るだろ? 俺も100%超えるまでは何回かカバーリング出来そうだ」
    GM「さて、君達は再び合流して駅の外れに存在する志武谷川へとやってきた。中は様々な落書きで彩られており、かなり薄暗い。隠れ蓑にするにはピッタリな雰囲気だ」
    翼『情報に寄れば、ここに逃げ込んだ筈だよ。ここは奥が行き止まりになってるから見つけられると思うけど…』
    ムーン「なあ。ここでイージーエフェクト《獣の直感》を使いたいんだがいいか?」
    GM「うんまあいいだろう。では月、君は知覚を鋭くすると二つの気配を奥から感じ取る事が出来るよ」
    月『…気を付けろ、奥に人の気配がする』
    空『いよいよか。気を引き締めろよ』
    凍矢『ハ、ハイ!』
    ツバサ「じゃあ、僕達は新しい武器と防具を装備するとして…GM、ちょっとRP挟みたいけどいい?」
    GM「オフコース!」



     様々なグラフィックの落書きで彩られた薄暗い通路を歩く度に、足音が無機質に響く。奥に進むにつれて、水の流れる音も聞こえ出す。
     ある程度進むと、下水道が密集しているのか川が見えてくる。都会とは思えない程、水は比較的濁ってはおらず、向こう側に通じる橋がある。
     その橋を渡っていると、徐に翼が空に話しかけた。

    『ねえ、空さん』

    『何だよ?』

    『うちのリーダーの命令。遺産は破壊しろって』

    『回収じゃなくてか?』

    『危険な物を破壊して何か悪い?』

     正論とばかりにジトッと睨む翼。
     その顔を見て、空は頭を押さえて呆れたため息を吐く。

    『…ホント、場違いなセルに押し付けられたな』

    『でも、満更じゃないでしょ?』

    『居心地が悪い。こんな…こんなの、俺は望んじゃいねぇ…!』

    『…ボクは何も言えない。だけど、これだけは言わせて――ボク達が望んでいるのはこの町の日常。それを壊すのなら、空さん。あなたでも容赦しない。セルメンバー全力で潰しにかかる』

    『ざ…けんな! んな脅し――!』

     忠告する翼に怒りを感じ、空は血を操り大剣を作ろうとする。
     だが、それよりも早く無駄のない動きで拳銃の銃口が顔に向けられた。
     幼い見た目ながらも達人並みの銃の動きを見せられて固まる空。逆に翼は冷めた目をして睨み続けている。

    『本気だよ。それに、今ので数発は心臓貫いてるよ?』

    『お前…』

    『衝動のままに動いても強くはならない。ボクはそれを知っている…人じゃないからこそ、知っているんだ。一応リーダー命令だから、従って貰うよ?』

    『…分かったよ! 犯人も遺産とやらも纏めてぶっ壊せばいいんだろ!』

     完全にヤケクソになって答える空に、翼は満足して拳銃を仕舞う。勝手は真似をしないだろうと判断したからだ。
     そんな二人のやりとりは、月も凍矢も見ていた。

    『あっちはあっちで騒がしいな。凍矢、大丈夫か?』

    『は、はい。ただ、ちょっと緊張が…!』

    『その緊張を解せよ。戦いではちゃんとサポートしてただろ? 大丈夫、凍矢なら出来る』

    『そう、ですよね…これは化け物の力なんだから…』

     胸を押さえながら呟いた凍矢の言葉に、嫌な記憶でも思い出したのか月も思わず乾いた笑みを浮かべる。

    『化け物、か…確かに強ち間違ってはないさ』

    『ご、ごめんなさい…』

     気を悪くしたと分かり、凍矢は更に謝り縮こまる。
     そんな凍矢に月は目を閉じると、静かに問いかけた。

    『なあ、凍矢。一つ聞いていいか?』

    『何をですか?』

    『俺は、ジャームに見えるか? 怪物に見えるか?』

    『そ、そんな訳ないじゃないですか!! 月さんがジャームだなんて、そんな風に思った事ないですよ!!』

     これは顔色を窺った訳でも建前でもない、凍矢の本心だ。
     自分達は人と違う力を持っている。何時しか中身まで化け物になってしまうリスクだってついている。だが、月は人そのものだ。いや、月だけでない。空も翼も、支部の仲間もみんな人だと断言できる。
     その答えに、月は大きく笑った。

    『なら、俺も同じだ。俺もお前の事をジャームや化け物だなんて思っちゃいねーよ』

    『月さん…』

     月が言いたいことが十分に分かり、凍矢は知らない内に笑みを浮かべる。そこには先程の緊張や怯えは感じられない。
     もう大丈夫だと判断すると、月はもう一つだけ付け加えた。

    『それとさ。いい加減敬語は止めてくれないか? だって俺達…友達だろ?』

    『友達…こんな俺みたいな、化け物なんかと…!』

    『そう自分を卑下するな。何があったかは詳しく聞かないよ、だけど過去が何であろうと周りが何て言おうと、友達である事には変わらないだろ? 大体俺は、敵側にいる翼とも友達になってるんだぜ? そんな俺がお前を化け物って言った奴らと同じに見えるか?』

     尤もな事を言われ、凍矢も諦めたように頷いてしまう。しかし、その顔は少しだけ晴れ晴れとしていた。

    『…いえ。あ、いや。分かった! これからよろしく、月』

    『ムーンでもいいぜ。その代わり、俺もお前の事グラッセって呼んでいいか?』

    『もちろん!』

     そうして、二人はお互いに固い握手を交わした。



    GM「互いに交流を交わし、君達は志武谷川の一番奥へとやってくる。床、壁、天井…至る所に描かれた白いグラフィック。その中心にあの黒コートを着た二人が立っている。その背後には奪ったであろう遺産の入ったトランクが一つ置かれている」
    月『ようやく見つけたぞ!』
    翼『悪いけど、観念して貰うよ!』
    GM「では、その威勢のいい声にそれぞれが口を開くだろう」
    ?『やっぱり、逃げられなかったのね』
    ?「『だが、これもまた一興さ。大きな祭りを起こすんだ、前夜祭は必要だろう』そうして二人は黒いコートを脱ぎ捨てる」


    SM「目の前で露わになった女性は、金髪を後ろで二つに括った赤い瞳」


    GM「もう一人は、長い白髪に黒目の鈴の付いた巫女姿の少女」


    四人「「「「…え…?」」」」


    GM&SM「「そう。それが、あなた達の目の前にいる人物だ(よ)」」


    四人「「「「ハ…ハアアアアアァァ!!!??」」」」
    グラッセ「ちちょ、ちょっと待ってください!? 何ですか俺達が戦う相手って…ママママサカ…!?」
    クウ「あ…だから知り合い…! ああ、そう言う…じゃねええぇ!! スズノヨミはともかく何でよりによってお前なの!? クトゥルフで例えるなら魔術以外効かない神話生物と戦えって言ってるようなもんだぞ!? 初心者にそんな相手ぶつけるのかよ!?」
    ムーン「俺達…これ、勝てるのか…!?」
    ツバサ(名前が乙女座関連だったからかるーく予想はしてたけど、まさか当たるなんて…だ、大丈夫だよね? スピカさんもスズさんも鬼ではない筈…!)
    GM「うっさい、いいから続きいくぞ」

    ベル『UGNにFH…君らはどうして手を取り合う? 君らは思想が全く異なっている筈だろ?』
    月『確かにな、だがこうなったのかただの成り行きだ。よく言うだろ、敵の敵は味方ってよ?』
    翼『FHに与えられた任務はあなた達二人の処分。そして持つべき欲望はこの町で日常を過ごす事。だからボクは遂行しないといけない、ボクの欲望(ねがい)の為にもね』
    ベル『へぇ。実に模範的で何の捻りも無い答えだね。つまらないったらありゃしないよ』
    空『星華…何でこんな奴と一緒にいる?』
    星華『あの日…生きたいと願ったから』
    凍矢『生きたい、ですか? あの、それは一体?』
    星華『でも、何でそんな事願ったか分からない、思い出せない…もうどうでもよくなったの。だって、私――今こんなにも楽しいんですものっ!! 何でか分からないけど、あなたを見ると嬉しいの!! 力が抑え切れないの!! フフ、アハハハハ!!』
    クウ「(やべぇ、スピカの奴滅茶苦茶楽しんでる…!!)G、GM。念の為聞くが、俺と星華って仲間以外にどんな関係なんだ?」
    GM「昔の仲間って以外は特に決めてないよ。その辺は空が自由に決めていい」
    クウ「わ、分かった…なら――『てめぇがジャームになったのなら、俺は…俺が印籠渡してやる!! 最後の昔の好だ!!』」
    ベル『やれやれ、そちらもか。てっきり憎悪に任せて斬りかかると思ったのに、結局は情に流される…心に枷を嵌める生き方、惨めだと思わないかい? 海命凍矢くん?』
    凍矢『何が、言いたいんですか?』
    ベル『そのままの意味さ。この世界では僕達のような存在は決して表に出て来られない様にしているのさ。非日常に関しては人知れず情報操作を行い、始末して隠蔽の繰り返し――いい加減ダークヒーロー的な役割は飽きたよ。心の柵も枷もなくなれば、みんながみんな解放される。すばらしい世界になると思わないかい?』
    凍矢『心の枷、か…確かにこんな力を使えば、何の力も無い人間を服従出来るし、好きに暴れたりも出来るでしょうね』
    月『おい、グラッセ…!』
    凍矢『でも! それは俺を化け物と蔑んだ奴らと何も変わらない!! あんたも無力な人間を見下しているに過ぎない!! 俺は、もう人間じゃない…だけど、最後まで人でありたいんだ!!』
    ベル『…はっ。結局そっちを選ぶか。なら来るがいい、裏切り者(ダブルクロス)!!! 手始めにこの町全ての人間を解放する儀式を始めようじゃないか!!!』

    SM「ベルと星華から高濃度のレネゲイドが滲み出る。それはあなた達の中のレネゲイドを無意識に活発化させてしまう」
    GM「ここで、君達は衝動判定をして貰う。〈意思〉での判定で難易度は9。失敗すれば〈暴走〉のバッドステータスが負荷される。尚、成功失敗に関わらず2D分の浸食率を上げて貰うよ」
    ツバサ「来た、正念場が…!!」

     衝動判定:難易度9

     凍矢4D+1→25 成功
     月3D→9 成功
     空4D+1→10 成功
     翼5D+1→10 成功

    グラッセ「やった! 連続で10が出た!」
    GM「全員成功か…」

    《浸食率増加》
     凍矢2D→13 72%→85%
     月2D→2 66%→68%
     空2D→5 81%→86%
     翼2D→10 94%→104%

    ムーン「何でまた二個とも1だぁぁぁ!!? もっと出せやぁぁ!!」
    ツバサ「イエーイエフェクトレベルアガッタドー!! もう《リザレクト》出来ないー!!デモダイスボーナスゲットダゼー!! ジャーム化怖くてダブクロ出来るかー!!」(泣)
    クウ「あかん、こいつらダイス目の所為で暴走してるぞ…」
    SM「さあ、処理も終わった事で…ベル・シャーマンと天義星華との戦闘開始よっ!!」

    16/01/10 20:21 NANA   

    ■作者メッセージ
     補足:衝動判定について

     巨大な敵(ボス)やレネゲイドに関して活発化した時に行う判定で、レネゲイドが起こす衝動に耐えれるかどうかを決める。その為、成功しても失敗しても2D10分のダイスを振って浸食値を上げなくてはならない。運が良ければ(?)今回のムーンのように2で済むし、運が悪ければ(?)最大で20上がる事になる。
     尚、失敗した場合〈暴走〉のバッドステータスを受けるが、これは戦闘中ガードを含むリアクション、カバーリングが出来なくなる。分かりやすく説明するなら、無条件で敵から一方的に攻撃されてしまう。

    HOME
    Copyright NANA All Rights Reserved.
    CGI by まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.34c