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ダブルクロスThe 3rd Edition【It,s a Wonderful Hearts】

NANA

INDEX

  • あらすじ
  • 01 セッションの準備編
  • 02 ハンドアウト配布・シンドローム説明編
  • 03 PC紹介・前編
  • 04 PC紹介・後編
  • 05 オープニングフェイズ1&2
  • 06 オープニングフェイズ3
  • 07 ミドルフェイズ1
  • 08 閑話休題
  • 09 ミドルフェイズ2
  • 10 ミドルフェイズ3(前編)
  • 11 ミドルフェイズ3(中編)
  • 12 ミドルフェイズ3(後編)
  • 13 ミドルフェイズ4
  • 14 ミドルフェイズ5&6
  • 15 クライマックスフェイズ1
  • 16 クライマックスフェイズ2
  • 17 クライマックスフェイズ3
  • 18 クライマックスフェイズ4
  • 19 クライマックスフェイズ5
  • 20 クライマックスフェイズ6&バックトラック
  • 21 エンディングフェイズ
  • オープニングフェイズ1&2


    オープニングフェイズ1 シーン1〈新しい日常〉
    シーンプレイヤー 海命凍矢

    GM「それでは、最初はPC1。凍矢から登場だ。そうそうシーンに登場する際は、必ず浸食率を上げるんだ。そう言う訳で皆、GM側の指定や自ら希望してシーンインする時は1D10のダイスを振ってくれ」
    SM「今回はグラッセのシーンになるから、他の人は入らなくていいわ。さ、グラッセ振って頂戴」
    グラッセ「は、はい!」

    《シーン登場》
     海命凍矢
     1D10→5 29%→34%

    グラッセ「うーん、普通って感じかな? 出来ればもう少し少ない方が良かったけど」
    GM「まだ最初だから大丈夫だよ。浸食率もボス戦後にあるバックトラックで下げる事が出来るから。さて、それでは軽く君の描写をしよう」



     昼間だと言うのに、沢山の人混みで溢れかえっているこの町の名前は志武谷(しぶや)と呼ばれている。
     都会に位置するこの町にある大きな駅。そこに一台の電車が止まり、自動ドアが開くと同時に沢山の人達が雪崩のように一斉に降りる。その中に少年―――海命凍矢がいた。
     凍矢は大きめのスポーツバックを肩に抱え、人混みに紛れながら志武谷駅を出る。その手には一枚のメモ。内容は駅から目的地までの地図だ。
     地図を頼りに君の足は志武谷の街並みを歩く。慣れない人混み、人々や町が発するノイズのような雑音。そんな都会の洗礼を受けながら辿り着いたのは……一軒の喫茶店だった。



    GM「では、ここから練習がてらにRP等をやって貰おう。グラッセ――いや、凍矢。好きに演じてくれ」
    凍矢「あ、ああ!『地図の場所はここ、なんだよな…? UGNって言うから、ビルとか大きな建物とか想像してたけど…』そう言いながら、店の中に入ってみるよ」
    GM「では君が入ると、中は外見と同じ喫茶店そのものだ。そのカウンターで、マスターらしき人が作業の手を止めて声を掛けてきた」
    ???『らっしゃい! 見た所、ここは初めてのようだな。メニューはそこにあるぜ』
    凍矢『ち、違うんです! えっと、俺ここに来るように言われて…UGNって言う人達から』
    GM「その言葉を聞いた瞬間、マスターは顔付きを変えるよ」
    ???『なるほど…すると、お前さんが海命凍矢か? 俺はこの町のUGN支部長の羽狛早苗だ。まずは、ようこそ志武谷UGN支部へ。歓迎するぜ、グラッセ』
    凍矢「『は、はぁ…ってグラッセってなんですか? それに支部って本当にこの喫茶店が?』と言うかなんで【すばらしきこのせかい】の登場人物が出てるの!?」
    GM「いやー、シナリオ製作に当たってNPCをどうするか考えていたんだよ。で、この作品を組み合わせたら意外にもピッタリだったからねー」
    ツバサ「って事はFH側って…セルリーダーって…」
    クウ「俺UGNに戻りてぇ…」
    SM「登場前から弱気な発言しないで。いいから続けるわよ――コホン」
    羽狛『ハハハっ! まあ最初は支部が喫茶店なのを見たら驚くよな。だが、これもカモフラージュの一種だ。こんな店にいる連中がレネゲイドの力を操るオーヴァードだって誰も思わないだろ? まあ俺みたいに好きでこうする者、予算の問題、人員の大小…いろいろあるが、支部は全部が全部同じ建物じゃないんだ』
    凍矢『へ、へぇ…』
    羽狛『グラッセは確か、オーヴァードに覚醒したばっかりだったな。これからお前さんにとって大切な事をいろいろ教えてやる…と言いたいが、今日は支部の面子でグラッセの歓迎会を開く予定だ。この支部にはお前さんと同じ歳の子達が揃っている、きっと仲良くなれるはずだ』
    凍矢『あくまで名前…いえ、あだ名は変えないんですね。でも、仲良くなれるんでしょうか? 俺は化け物なのに…』
    羽狛『…お前さんに関しては、UGN中枢評議会の評議員、テレーズ・ブルムからある程度聞いている。まあ、なんだ。災難だったな』
    凍矢『いえ…いずれはこうなる運命だったんです。レネゲイドの力がなくても、俺は誰かを不幸にするしか出来ないんです…』
    羽狛『おいおいグラッセ! 今日の主役がそんな暗い顔をしていたら折角の歓迎会が台無しだ! 今を楽しめ、そして絆を持つんだ。その絆が――お前さんを人としての日常へと繋ぎ止めてくれるさ』
    凍矢『分かり、ました…あの、羽狛さん。何か手伝う事ありませんか? 料理とか得意なので手伝います』
    羽狛『そうか? なら、少しだけ手伝ってもらうとしよう。他の連中は学校の帰りに買い出しを頼んでいるから…まずは、ここの掃除を手伝ってくれ』
    凍矢『はい、お安いご用です!』
    GM「では、ここでシーンを切ろう。グラッセ、初めてのRPはどうだった?」
    グラッセ「緊張したけど、結構面白かったよ。主人公の凍矢も俺に似た境遇を作っていたから演じやすかったし」
    ムーン「話の内容だと、俺もここの支部の連中に入ってるんだよな。早く会ってみたいぜ」
    クウ「俺は逆に配属されたセルに行きたくねぇ…」
    GM「なら、次は空のシーンにしようか。逃がさないよぉ?」
    クウ「うげぇ…!」



    オープニングフェイズ2 シーン2〈ブラックスカル団〉
    シーンプレイヤー 七雲 空

    GM「それでは、空。次は君だけ登場してもらおう」
    クウ「よし、シーンインだ!」

     《シーン登場》
     七雲空
     1D10→4 33%→37%

    クウ「そこそこって所だな」
    GM「それでは、こちらも描写しよう」



     沢山の人々と発展した建物が並ぶ志武谷の町。だが、裏には建設途中や再建築等で薄暗い廃ビル群が存在する。表側の喧騒と違い、こちらは人が全くいない。そんな場所を、一人の男――七雲空が歩いていた。
     空の手には目的地までの地図が書かれた一枚のメモ。廃墟と化したビルの間をしばらく歩き、ようやく地図に書かれた場所に辿り着く。そこは一際高い廃墟のビルだった。
     さっそくその建物へと足を踏み込もうとしたその時、周りの空気が一瞬で変わる。更に、僅かに聞こえていた都会の人々の喧噪も聞こえなくなる。
     空にはそれが何か分かる。ここ一帯に《ワーディング》が張られたのだと。



    クウ「《ワーディング》?」
    SM「一種の人避け、要は結界みたいな感じね。有名な所では灼眼のシャナの封絶とか言えば分かるかしら?」
    ツバサ「ちなみに、オーヴァードなら誰でも使えるし感知する事も出来るんだよ。ほら、ボク達のキャラシートにも書かれてるし」
    グラッセ「あれ? じゃあ、俺や羽狛さん分かってるんじゃないの?」
    GM「今回は距離が離れているって事で感知出来ない事にする。さ、この辺でRPしてくれ」
    空『誰だ、真昼間からこんなの張った奴は?』
    GM「君がそう愚痴っていると、いつの間にか君の周りにスーツを着た数名の男達が取り囲んでいた。《ワーディング》内で活動しているから、君と同じオーヴァードだと分かるよ」
    男「『見つけたぞ、“ブラッドエッジ”。我々はUGNエージェンド、勝手にUGNを抜け出した挙句FHへと寝返った貴様をここで処罰させて貰う』そう言って、彼らはそれぞれ武器を構えるわ」
    クウ「え? 何コレ? 俺いきなり戦闘?」
    GM「いや、OPだから戦闘はしなくていい。エキストラだから好きに倒しちゃっていいよ。演出の場合はエフェクト使っても浸食率上がらないし、HPも減らないとする」
    クウ「なるほどなぁ。んー…あ、そうだ。スズ、耳貸せ」(相談中)
    ムーン「何をする気なんだ?」
    GM「――なるほど、いいよ。それじゃあ…エージェントの一人が腕を変形させ、襲い掛かる。その攻撃を、敢えて君は受け入れるように腕で防ぐ」
    空「そして、傷ついた腕から流れ落ちた血を操り、即座に大剣を作って隣接したエージェントをぶった切る!『馬鹿かてめぇ。俺のコードネーム知ってるなら、能力ぐらい把握して置きなぁ!!』そうして反撃の如く、周りの奴らも大剣で嫌ってほど痛めつけるぜ!」

    グラッセ「あれ…?」
    ムーン「これって…?」
    ツバサ「見覚えが…?」

    GM「では、君の怒涛の攻撃で男達は悲鳴を上げながら倒れこむよ」
    男『ぐ、貴様…! この裏切り者が』
    空『裏切り者で結構だ。俺はてめぇらUGNなんか信用しちゃいねーんだよ』
    GM「その言葉を最後に大剣で切り裂き、辺りに血飛沫が舞う。後に残ったのは血塗れになって事切れたエージェント達だった――こうして空は、追手であるエージェントを始末したよ」
    グラッセ「ちょ、ちょっと待ったー!!」
    ムーン「クウ、お前まさかとは思うがそれウラノスの真似か!?」
    クウ「お、良く分かったな。敵側ってなったからどう演じるか考えていた時に、こいつを思い出してさ。どうだ、敵っぽいか?」
    グラッセ「いやいやいや! それ本人に知られたら殺されますよ!?」
    ムーン「あかん…何かあかん…!」
    ツバサ「まだ浸食率100%超えてないのに戦闘用人格が表に出てるよ…!」
    GM「演じちゃったものはしょうがないから、ずっとこれで行こうか。さて、エージェント達を始末し終えた訳で《ワーディング》が解除されたよ。それと同時に、指定されたビルの中から別の男が現れる」
    ???『おー、追っ手のUGNを平気で倒しちゃうとは、君なかなか過激ダネ』
    空『あ? 誰だてめえ、こいつらの仲間か? さっさと消え失せろ』
    ???『いんや、俺は狩谷狗輝。この志武谷のFHで【ブラックスカル団】のセルリーダーをやってるんダ。まあよろしく頼ムヨ、七雲空…UGNの裏切り者(ダブルクロス)サン』
    空『ふん、まあいい。使える物は使う主義なんだ。で、俺は何でも屋としてあんたらのセルに派遣されたんだが何をすればいいんだ?』
    狩谷『何もする必要はナイサ。今の所はナ』
    空『あ? どう言う意味だ?』
    狩谷『そのままの意味だヨ。俺は…ここにいる奴らは皆この雑多な町が好きなのサ。だから他のFHの奴らのように人を襲ったりジャームにしたりテロ活動は行わないんダ。時たま上から命令が来る時はきちんと活動するケドナ』
    空『んだよそれ、お前らFHのクセに世界を守ろうって言うUGNと同じ偽善的な考えか?』
    狩谷『まあそう言うナ。レネゲイドの力を行使すればするほど、俺達は理性を持たない化け物になっちまウ。そうなったらこの志武谷を好きになる事も困難になるダロ? それが嫌だから極力は力を使わないのサ――ま、そんなセルにも例外がいるケドナ』
    空『何か言ったか?』
    狩谷『いいヤ。さて、今日は新しい仲間がやってきたんだからセルのメンバーで歓迎会を開くゼ。後で俺達行きつけのラーメン屋に連れて行ってやるから楽しみにシテヨ。あ、そこの死体の処理は俺達がやっておくから安心してクレ』
    空『チッ、FHに来たって言うのにUGNと変わらずお仲間ごっこかよ…胸糞悪ぃ』
    狩谷『おっと言い忘れテタ。遅刻は厳禁だ……じゃないと君の素行の悪さをマスターセルに報告する事にナルヨ?』
    空『ッ! わ、分かったよ! 行けばいいんだろ、行けば…!』
    GM「では、脅しもした事でここでシーンを切ろうか」
    クウ「いやー、悪役って楽しいもんだな!」
    グラッセ「クウさんが満足してるならそれでいいです…」
    ムーン「ウラノス演じるなら衝動表・加虐だろ…いや、憎悪も強ち間違ってないけどさ」
    ツバサ「そう言えば師匠とウラノスさんって正反対のようで似ているって、作者側が会話してたっけ…」
    SM「さて、次のシーンに移りましょう」

    15/12/19 23:37 NANA   

    ■作者メッセージ

     補足:Dロイス『戦闘用人格』について

     これは二重人格を表すDロイスで、これを取ったキャラは浸食率が100%以上になると別人格が現れて戦闘能力が上がるという設定。
     システムでは浸食率が100%超えた時点で、あらゆる判定にダイスが4個追加される。ただし、ボス戦後に浸食値を下げるバックトラックで振れるダイス1個分失ってしまうと言うデメリットがつく。例えるなら、大事な何かを犠牲にして力を手に入れる感じ。

     なお、もう一つの人格についての設定はPCの自由。人格の性格や思考はもちろん、普段は表に出ないが100%超えたら出てくる。中の自分と会話が可能か否か。戦闘以外でも人格の交替が出来るか出来ないかなど。ちなみに別の人格でなくとも、性格が豹変とかでもOK。
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