ミドルフェイズ1
ミドルフェイズ1 シーン4〈事件の始まり〉
シーンプレイヤー 海命凍矢
GM「このシーンは全員が登場するよ。と言っても一気に登場する訳ではないけど。まずは全員ダイス振ってくれ」
《シーン登場》
凍矢1D10→8 34%→42%
月1D10→3 38%→41%
空1D10→4 37%→41%
翼1D10→10 45%→55%
ツバサ「あはは…もう50%超えちゃった…!」
GM「さすがはノイマンにレネビ持ち。浸食率がマッハだね」
グラッセ「俺も高い方だけど、逆に丁度いい感じですね」
SM「それでは、続けましょう。時刻は夕暮れ。凍矢が店の中で羽狛と作業をしていると次々と来訪者が来るわ」
羽狛『お、ヘッドフォンにビイト。学校帰りだが買い物ご苦労さん』
ネク『あの、羽狛さん。俺の名前はネクって…はぁ、もういいや』
ビイト『羽狛さん、頼まれてた食材買って来たぜ。ライムも飲み物買ってこっちに向かってるってよ』
羽狛『急な買い物だが助かった。おっと、先に紹介して置く。ほれグラッセ! 挨拶しろ!』
凍矢『は、はい! えっと、俺は海命凍矢と言います…あの、よろしくお願いします…』
ネク『俺は桜庭音操。お前と同じオーヴァードだ、よろしく』
ビィト『俺はビイトって呼んでくれ。よろしくな、凍矢!』
GM「君達がそうして自己紹介していると、今度は小さな女の子が両手に大量のジュースが入ったビニール袋をやって来るよ」
ライム『羽狛さん、ジュース買って来たよー…あれ? 見ない顔だけど君が新しく支部に入ってきた人? ボクは尾藤来夢、ライムって呼んでよ』
凍矢『あ、はい。よろしくお願いします、ライムさん』
ムーン「なあGM、そろそろ俺も入っていいか?」
GM「いいよ」
月「じゃ、俺は食材の荷物を抱えて店に入るぜ。『羽狛ー、頼まれてた食材買って来たぜー』」
羽狛『おお、ご苦労さん。さーて、残りの料理の準備に取り掛かるか。ムーン手伝ってくれ!』
月『ああ…お、お前がこの支部に配属された奴だな。俺は闇代月だ、ここではムーンって呼ばれてるんだ。羽狛が付けてくれたあだ名だけどな』
凍矢『そうなんですか。俺は海命凍矢です、よろしくお願いしますムーンさん』
月『お前、“さん”なんてつけるなよ。見た所同じ歳だろ、呼び捨てで構わねーよ』
凍矢『す、すみませんムーンさん…いえ、ムーン』
月「『はぁ…まあいいや。ネクとビイト、飾り付けは任せたぞ!』そう言って厨房に入りつつ、聞こえない声で呟く。『ありゃ相当怖がってるな…よっぽど酷い目にあったんだな』」
GM「いいRPをありがとう。じゃ、FH組に移ろう。狩谷は空を連れて人並みの喧騒に紛れ路地を歩く。やがて大通りの外れに辿り着くと足を止めるよ」
狩谷『お、皆集まってるネー。空、あそこにいる黒い服の連中が俺達〈ブラックスカル団〉の仲間サ』
?『ゼタ遅ぇんだよ! このヘクトパスカルがぁ!』
?『全くです。自分から待ち合わせ場所を指定したにも関わらず一番最後に到着するとは…リーダーとして思考が欠けています』
?『おー、狩谷さん。遅かったじゃないか。言いつけ通り、ライブメンバー全員で来たぜ』
空(か、帰りたい…!)
GM「はい無謀な考えをRPで表さない!」
ツバサ「んー、この中にボクいるの? 後から登場してもいい?」
GM「いいよ、君そういうの得意そうだし」
狩谷『空、紹介しておくゼ。こいつらは順に南師、虚西、777(スリーセブン)、BJ、テンホーダ。本当はあと二人いるんダガ、一人は他のセルの任務中で…』
翼「『わー、ごめーん! 遅れちゃったー!』と叫びながら登場するよ」
狩谷『お、来たナ。こいつは翼だ、見た目は幼いがレネゲイトビーイングと言う種族サ。油断していたら痛い目見るから気を付けナ』
空『…七雲空だ。慣れ合う気はないからな』
南師『ハッ! それはこっちのセリフだ、このヘクトパスカルが!』
777『いやー、これまた濃いメンツが揃っちまったな。このセルは今後どうなる事か』
翼『あ、あはは…その濃いメンツ、ボクも混じってる?』
BJ『ああ、自覚はあったのか。安心したぞ』
翼『酷い!!』
虚西『狩谷、そろそろ向かいましょう。ここで更に時間を浪費していては予定時刻を過ぎてしまいます』
狩谷『それじゃあ行きますカネ。行きつけのお店の【らあめんどん】に』
翼『あ、狩谷さん。ボクさっきお金使っちゃって…今日だけお金貸して?』
狩谷『ンー、しょうがないネエ。なら次はツバサがラーメン奢るって事で手を打とうカ』
翼『わーい、ありがと!』
空(何だよ、この感じ…FHなのに、テロ組織だからこっちに付いたのに――ムカつく)
GM「では、君達は数分歩いた所で喫茶店の隣にあるラーメン屋の前に辿り着くよ」
ツバサ「…? GM、今なんて言ったの?」
GM「え、喫茶店の隣にあるラーメン屋に」
グラッセ「ちょ、ちょっと待った! その喫茶店って、まさか羽狛さんの?」
GM「うんそうだよ♪」
四人『笑顔で言い切った!?』
SM「さて、続きと行くわよ」
喫茶店ではUGN総出で、グラッセ達の歓迎会の準備に追われていた。
そして同じ頃、ラーメン屋の前では集まったセルメンバー達が辿り着いた。
二つの組織が交わると同時に――夕暮れの景色が、人々の喧騒が、志武谷の空気が、塗り潰される様に一瞬で変わり出す。
オーヴァードである君達はすぐに理解する。ここ一帯に《ワーディング》が張られたのだと。
グラッセ「俺達は急いで外に飛び出します!」
クウ「俺達は辺りを見回すが、何かないか!?」
GM「では、その辺も兼ねて少しRPしようか」
月『こんな時に来るとは、FHも状況考えろっての!』
ネク『グラッセは下がってろ! まずは俺達が…って、人がいる!』
虚西『ワーディング内で動ける…彼らはオーヴァードのようですね。しかも唯のイリーガルではない』
翼『うそ…君、月!? 何でここに!』
ライム『月、あの子と知り合い?』
月『あ、あぁ…少し前にな。だがお前、一体…』
空『それよりてめぇら、ワーディング内で動けるって事は…UGNか? さっき始末したばっかりだってのに、次から次に暇な事で』
ビイト『まさかお前らFHか!! このワーディングもお前らの仕業か!』
テンホー『狩谷さん…何だか話が噛みあいませんよ?』
狩谷『ンー。話から察するに彼らはUGNで間違いナイ。けど、俺達を狙ってワーディングを展開した訳じゃないようダネ』
羽狛『一応はそうだ。と言う事とは…』
南師『答えは1つ。このワーディングは、ここにいない奴が展開したって事だろぉ!!』
その南師の答えと共に、上空で爆発音が響いた。
GM「さて、ここからは爆発の発信源を見つける為に全員〈知覚〉で判定して貰おうか。難易度は4で行こう」
グラッセ「それなら皆成功出来そうだ。行くぞ!」
爆発の発信源:〈知覚〉難易度4
凍矢 3D+1(C値10)+1→(9, 6, 1)10 成功
月 2D(C値10)→(1, 9)9 成功
空 4D+1(C値10)+1→(7, 2, 8, 8)9 成功
翼 5D+1(C値10)+1→(8, 7, 5, 2, 8)9 成功
ツバサ「やった、全員成功だね!」
GM「では君達は爆発音を頼りに少し離れたビルに目を向ける。その屋上付近では、炎が燃え盛っていた。炎に呑まれた屋上を見ていた君達は、一つの黒い影が飛び降りるのを目撃する。だが、人影はあろう事か垂直のビルの壁に足を付けた」
ムーン「ヘ?」
SM「イージーエフェクト《軽功》の効果よ。更にエネミーエフェクト《ワールウィンド1》を使って超高速のスピードでビル下に駆け降りたと思ったらあなた達の元へと向かうわ」
グラッセ「と、止める事って出来ますか!?」
SM「出来ないわ。UGNとFHの間を黒コートがすり抜けた影響で激しい風が巻き起こる。あまりの暴風に誰もが身を竦ませる中――空だけには女性の声が微かに聞こえる」
?『七雲空、どうしてここに…?』
空『エ――?』
GM「ようやく暴風が収まって君達は顔を上げるだろう。しかし、黒コートの姿は何処を探しても見当たらなかった」
羽狛『消えた? いや、逃げたのか? それより全員あのビルに至急向かって――!』
GM「その時、羽狛の端末に着信が入る。同時に狩谷にも端末が鳴り響くよ」
羽狛『日本支部から! こちら羽狛だ!』
狩谷『マスターからとは珍しいネ。ハイ、こちらFHエージェントの狩谷ダヨ』
GM「誰もが混乱する状況の中、端末を通じて話をする二人。すると、段々と顔つきが険しくなるよ」
羽狛『なに…! じゃあ、今の爆発は…!』
狩谷『ヘェ…これはまた物騒な命令な事デ。分かりましたヨ』
凍矢『あ、あの? 羽狛さん?』
空『おい、リーダー。一体何がどうなってるんだ?』
羽狛『全員、あのビルへ行って救助活動を行ってくれ。UGNがFHとの交戦中にやられたみたいだ』
ネク『な、なんだって!? やっぱりお前らの仕業か!』
狩谷『アー、その事何だがこっちで上から命令が来てサ……その交戦中にUGNでもFHでもない第三者が介入したソウダ。で――まずは負傷したFHを救助しろとの命令を仰せつかったのサ』
翼『えーと…とにかく、皆の救援に向かえばいいんだよね! そこはお互い命令が一致してるんだし、急いで向かおうよ!』
ビイト『はぁ!? どっちにしろお前らは敵だろ!! FHはみんな俺がやっつけてやる!!』
空「『へぇ、FHは世界の敵だからやっつけるって訳か? いいな、その傲慢で偽善者のような考え……殺し甲斐があるってもんだ!!』ってな訳でOPのように演出で《赫い剣》を使って大剣を作り上げて対峙していいか?」
GM「OK!」
グラッセ「ああ…善良の部類に入るクウさんが段々とウラノスさんに染まってる…」
ムーン「なら、俺も戦闘態勢に入るな。『血を使うって事は、ブラム=ストーカーか。ビイト、援護するぜ!』と叫んで《完全獣化》で腕を獣に変形させるぞ!」
ツバサ「あれ? なんか収拾が…ミドル1でもうPvP?」
GM「今にも戦いが始まろうとする雰囲気に包まれる中、水を差すように鋭い少年の声が飛んでくるよ」
?『止めなよ、僕等はここで争っている場合じゃない!』
羽狛『ヨシュア!』
凍矢『え? 誰?』
ネク『桐生義弥。俺達はヨシュアって呼んでる。あいつも支部のメンバーだ』
ヨシュア『とにかくまずはビルにいるエージェント達の救助。その後、二つの組織を襲った第三者についての調査だ。で、そこのFHの何人かはバロール持ちだよね? 《ディメイションゲート》とか使えるとありがたいんだけど』
狩谷『フム…君、なかなか頭が良いネ。ノイマン持ちカ?』
ヨシュア『へえ、そちらも分かってるじゃないか』
狩谷『まあこちらもFHのセルである以上、上の命令には逆らえない主義だカラネ。ここは一時協力と行こうじゃないカ。使える人は頼むヨ』
GM「そう言うと、狩谷、777、BJ、テンホーは《ディメイションゲート》を発動して空間の裂け目に入り込む。そしてその裂け目は具現化したままだよ」
ツバサ「さすがは重力版どこでもドア。じゃあ、ボクは月の手を掴んで入り込むよ!『早くいこ! 大丈夫、狩谷さんの事だから罠なんてないよ!』」
ムーン「『お、おい翼!?』狼狽えながらもゲートに入るが、本当に何もないよな?」
GM「うん、何もない。強いて言うなら、ゲートの先はあちこち燃え盛っているビルの屋上だね。そこにスーツを着たUGNエージェント達が血だまりになって倒れている。その中にはFHのエージェント達も混じっているよ」
SM「さて、どうする? 結構長くなったから全員が救助活動を行うって所でシーンを終わらせようと思うのだけれど」
クウ「だな。俺もFHにいる以上命令に従わないといけねーし」
グラッセ「俺は回復持ちだから皆の傷を治しますね。あ、入ったばっかりで誰がUGNかFHか分からないから、誰構わず回復してると思う。浸食率は上がりますか?」
GM「なら、演出って事で浸食率は上がらない事にしよう。あ、ちゃんと回復はするから安心してくれ。よし、ここでシーンを切ろう」
■作者メッセージ
補足:エフェクト&用語説明
《軽功》:ハヌマーンが習得出来るイージーエフェクトの一つ。自身の身体をすさまじく身軽にし、垂直のビルや壁面に水面であろうと走り抜ける事が出来るエフェクト。これを使えば、ビルの壁も水面も平地と何ら変わりない。
《ワールウィンド》:ハヌマーンが習得出来るエネミーエフェクト(敵しか習得出来ない)。超高速移動により、任意の場所に移動する。使用する事でシーン内の任意の場所に移動でき、シーンから退場してもよい。尚、このエフェクトは1シナリオ中Lv分しか使用できない。
《ディメンションゲート》:バロールが習得出来るイージーエフェクトの一つ。空間を捻じ曲げて遠く離れた自分が知っている場所に繋がるゲートを作り出す。KHで例えると闇の回廊。ゲートの形は任意で決めてよい。ただし、緊迫の状態や戦闘中には使えない。このエフェクトを使用すると、浸食値が3%上昇する。
『PvP』
プレイヤーvsプレイヤーの略称。TPRGのシナリオやプレイヤーの思想によっては、PC同士で戦ったり対決する事になるのだ。
とうとう三日連続で出してしまった…だが、後悔はしない。
今後の投稿ですが、ちょっとこちらのダブクロを重点的に当てたいと思っています。他のも暇が出来れば少しずつ書いては行く予定です。
理由は…ようやくサプリメントである上級ルールブックを購入できたんです! 基本ルルブ二冊とも900円に対して、こちらは3000円くらいかかったが…ゲームソフトを買うと思えば安い物だった! 思い込み大事!(コラ
とはいえ、長くはかかりません。既にダイスは全部振り終えて、話としては完成している状態です。一日一話ずつ投稿すれば…一月以内には完結まで出せます。何かない限りは…。