クライマックスフェイズ3
第2ラウンド・セットアッププロセス短縮化
翼→《戦術4》(凍矢&月&空)122%
星華→《光の剣4》&《戦局判断2》(ベル)
ベル→《力場の形成3》(星華)
クウ「ツバサ、大丈夫か? 次攻撃したら130%超えるぞ?」
ツバサ「どうせ『生還者』でバックトラックのダイス3個分は振れるし、いざとなれば二倍振りして戻れば何とかなるよ。もう経験値は捨てる!」
SM「では、イニシアチブプロセス。私は再び《加速する刻2》を発動して割り込みを行うわ。マイナーで《主の恩恵2》。メジャーは《コンセントレイト3:エンジェルハイロゥ》、《主の右腕3》、《コンバットシステム1》。更に《獅子奮迅2》と《光速の剣2》で、最後のガード不能の全体攻撃を行うわ。合計ダイスは11個、達成値無し、攻撃力は20」
ムーン「俺はまたリアクション放棄で《復讐の刃2》だ! 浸食率94%!」
グラッセ「再度翼に《炎陣1》を発動! 浸食率99%! ガードは行いません! ギリギリで《リザレクト》狙いです!」
クウ「俺は…やるだけ回避狙うか」
SM「行動は決まったわね。なら…三人とも死になさい!!」
四人『殺す気満々!?』
命中判定
11D+5(C値7)→67
全員『はあああああああああああ!!?』
GM「な、なに今の!? 途中で振れるダイス1個だけになって「あ、終わった」と思ったら10、9、9、10って連続でクリティカル出た!?」(嘘のようですが、実話です…by作者)
ムーン「何この人? 俺と同じ不幸体質じゃなかったの?」
ツバサ「あ…悪運だ…! やっぱり姉弟だ…!」
SM「さあ、回避出来るものならやってみなさい」
クウ「出来るかぁ!? ええい、もうやけくそだぁ!!」
回避
11D+2−3→14
クウ「だよなー!?」
星華『さっきの痛み、何倍にも返してあげる!! みんな死んで!!』
攻撃判定
7D+20→54
カウンター
月 15D+5(C値8)→22
3D−5→16(6, 10, 5)
ムーン「よーし、命中は全然だが攻撃は平均以上が出たぜ!!」
GM「先程よりも激しい斬撃が四人の中心で襲い掛かる。これにより翼以外の三人はHPが0となり地に倒れてしまう」
グラッセ&ムーン&クウ「「「《リザレクト》だ!!」」」
《リザレクト》
凍矢1D→8 99%→107%
月1D→1 94%→95%
空1D→5 95%→100%
ムーン「何で毎回毎回1が出るんだよ!? HPが1回復ってもうこの状況いいのか悪いのか分からないんだけど!?」
ツバサ「浸食率100%になったら使えなくなるから、あと一回《リザレクト》出来るか出来ないかだね…」
クウ「俺はきっかりで100%になったな。だが、回復したHPも5…正直攻撃が厳しい…!」
グラッセ「大丈夫です。俺、次で回復しますから」
GM「で、クウ。君Dロイス発動するんだけど…どうするの? 今現在が戦闘用人格並みのヤバイ性格だろ?」
クウ「あ〜…それなんだけどさ。こう言うの、ダメか? 星華との繋がり関連で思い付いた設定なんだが――」
先程よりも眩い…否、鋭い閃光が走る。
一瞬。そう、本当に一瞬だった。
炎が揺らめく、瞬きするだけの時間で、炎による陽炎で守られていた翼を除いた三人が全身血だらけで倒れていた。
『み、みんな…!?』
『何だい、ちゃんとやれば出来るじゃないか。ん…?』
一人顔を青ざめる翼に、ベルが星華に声をかける。
しかし、傷だらけの状態にも関わらず凍矢と月が歯を食い縛って起き上がった。
『まだ…ですよ…!』
『俺たち、オーヴァードだぞ…!? これぐらいじゃ、まだ…死なねーよ…!』
『よ、良かった…!』
二人の全身の傷が治癒能力で塞がり出しているのを見て、翼は涙目ながらも安堵の息を吐く。
だが、オルクスであるベルの目は誤魔化せない。人として限界に達しているのを。
『その割に、そこの赤髪君の精神はマズそうだね? そこのレネゲイドビーイング程でもなさそうだけど。どうだい、これを機にジャームになるのも悪くないよ?』
『お断りだ!! 俺はあんた達とは違う!!』
『簡単にジャームにはならないよ…! ボク達はあんた達には無い力を持っているんだからね…!』
『やれやれ、強がりを言うだけの口は残ってるか。で、そこで血塗れのまま寝てる大の大人は何をしているんだい? トドメを刺されたいなら、遠慮なく刺してあげるが?』
そんなベルの問いかけに、空は答えない。
違う。俯いたまま、ブツブツと呟いている。
『…んで…』
『おい、どうした?』
『お前は、消えた…俺が消した…! 止めろぉ! てめぇが出てきた所で何、が――』
急に叫んだと思ったら、頭を押さえて床に突っ伏しる空。
突然の事に仲間の三人が困惑する中、ベルだけは目を細めていた。
『何だ…レネゲイドの質が変わった?』
『――せい、か…?』
『え?』
優しく呼びかけられ、星華が反応する。
名前を呼んだ空の瞳は、血のように赤く染まっている。
『本当に、星華なんだよな…? 俺、俺…会えるとは、思ってなかった…!』
『な、何で今更そう言う事を!? と言うか空さん性格が変わってますよ!?』
『もしかして、空さん…戦闘用人格持ち?』
『それって確か、二重人格とかそう言うのか!? でも俺が聞いた話だと、大抵は戦闘狂になったりする奴だぞ!?』
『ボクだって詳しくは分からないよ!? 戦闘用人格についてもそうだけど、空さんに関しての情報も少なすぎるし…!!』
天才と呼ばれる頭脳でも分からない事はある。翼が月に答えていると、ようやく星華が反応を示した。
『思い出話なら要らないわ。私が欲しいのは私の中にある渇きを潤せるものだけ。もうあなたが与えてくれる感情なんて、必要ない…邪魔なだけよ!!』
『っ…さっきから聞いてれば酷い事ばっかり…! あんたはボクがやっつける!! 全力全霊で黒焦げにしてやる!!』
怒鳴りながらポケットからコインを取り出して指に挟み、体中の電気を弾かせる。まるで自身の怒りを表しているようだ。
今にもコインを弾こうとする翼の方に、悲しそうに空は手を置いた。
『いいんだ、翼。ジャームになったんじゃ、人としての感情が分からなくなっても仕方ない。仕方ないんだ…』
『あの、空さん。俺達の事、分かって…?』
どうやら、空の人格は入れ替わっても記憶は共有しているようだ。便利と言えば便利だが。
そうこうしていると、空は星華と真っ直ぐに向かい合って胸に手を当てる。
『こんな形だが、会えて嬉しいのは本当だ。戸惑いはある。迷いもある。だが、“もう一人の俺”が言っていた事を取り消さない。それが…お前と恋人である俺が出来る事だ』
『お前…』
『なるほど。戦闘用人格――この場合は元の人格との入れ替わりか? さては君、“逃げた”ね?』
まるで全てを悟ったようなベルの含んだ笑みに、空は赤い瞳で睨みつけた。
『……お前が星華に何をしたか、何故一緒にいるか。洗い浚い吐いて貰うぞ!!』
ツバサ「なるほどね。表に出てる方を戦闘用人格。普段隠れている方を元の人格にしたんだ」
クウ「いやだってあんな性格で星華と付き合うなんて難しいだろ。で、とっさに思い付いたのがこの設定だ。二重人格用のDロイス選んで正解だった…」
SM「さあ、そのままイニシアチブプロセスは私の番。先程同様に待機を宣言するわよ」
GM「次は僕の番だね。僕はマイナーで《ハンドレットガンズ4》、《黒曜の鎧2》で琴のような武器と全身を覆う鎧を作り出す。メジャーで《コンセントレイト3:モルフェウス》、《カスタマイズ3》、《形なき剣2》、更に《要の陣形4》で糸を辺りに巡らせて…対象を凍矢、空、翼の三人に変更だ! ダイスは12個、達成値無し、攻撃力は8。ついでに君らのドッジダイスは2個減るぞ」
グラッセ「はいぃ!?」
クウ「なんだそれ!? お前支援系じゃなかったのか!?」
ツバサ「モルフェウスとのクロスブリードなんて聞いてないよ!?」
ムーン「俺何で攻撃免除されたんだ?」
GM「僕がオルクスだけだと勝手に勘違いした君らが悪い。あとムーン。君攻撃しても《リザレクト》出来るだろ? わざわざ攻撃する気にはならないよ――と言う訳で三人とも、タイタスする準備は出来たか?」
ツバサ「グラッセ、お願い! もう一回だけ守って! このままじゃボクの計画が失敗に終わっちゃう!」
グラッセ「わ、分かった! もう一度《炎陣》を発動、炎で翼を守ります! 後は駄目元で《氷雪の守護3》もつけます、浸食率は112%!」
クウ「ガードなんて意味がない…回避!」
ベル『受けるがいい、万象の理を…殲琴・ダウルダブラ!!』
命中判定
12D+〈射撃5〉(C値7)→39
回避
空 14D+2−3→9
ダメージ判定
4D+8→34
ガード
凍矢 3D+4→8(1, 2, 1)
グラッセ「はぐぉ!?」
三人「「「凍矢ーーーーー!!?」」」
GM「もはや計算するまでもないな――琴を奏でると共に、ベルを中心に魔法陣が描かれて様々な属性の弾丸が飛んでくる。その威力にボロボロの二人の身体は耐え切れずに地面に倒れるだろう」
グラッセ「仕方ありません…海命ゼノのロイスをタイタス昇華して戦闘不能から復活します! HPは12。『こんな、攻撃…ゼノの嫌がらせに比べたら、全然耐えられる!!』」
クウ「俺も宝条セフィロスのロイスをタイタスして復活だ! HPは15。『あいつを…俺達の全てを変えた、あいつを見つけるまで…倒れちゃいけないんだ!!』」
SM「うふふ。ようやくスリルが出てきたわね」
ツバサ「次はボクの番だ。ボクはマイナーで《オリジン:ヒューマン3》、《雷の加護2》を使う。メジャーで《コンセントレイト2:ブラックドック》、《光の手1》、《雷の槍2》だ。浸食率は132%でダイス10個、達成値+3、攻撃力は12。更にエリーのロイスをタイタス昇華してC値を1下げる! 対象はベル、あなただ!」
GM「くっ、一気に攻めてきたね…いいよ、来るがいい!! あえてのガードだ!」
命中判定
10D+3(C値6)→36
ツバサ「何でロイス犠牲にまでしたのにこんなに低いの!?」
GM「さー、ダメージ判定して貰おうか?」
クウ「GMがめちゃくちゃ余裕の笑顔だ…」
ダメージ判定
4D+12→29
ツバサ「あれ、おかしいな? ボクの運が低くなっているんだけど?」
GM「うん…《黒曜の鎧2》の装甲で15点のダメージだね」
ツバサ「……みんな、あとよろしく」
グラッセ「あ、諦めるなツバサ!? 俺の番ですね。俺は――GM、メインに入る前に質問があるんですが」
GM「何?」
グラッセ「エンゲージから離脱して他のエンゲージに入る場合、どうすればいいんですか?」
GM「エンゲージから離脱する場合、まずメジャーで《離脱》を宣言するんだ。だけど、その移動のまま別エンゲージに入る事は出来ないから、次のメインプロセスでそのエンゲージに入る必要がある」
グラッセ「そうですか…」
ツバサ「グラッセ?」
グラッセ「――俺はここでDロイス『触媒』を発動!! 俺の前に月のイニシアチブを割り込ませる!!」
ムーン「グラッセ!?」
GM「な、何をする気!?」
グラッセ「メジャーで《離脱》を宣言すればいいって事は、マイナーは普通に使えるんですよね? つまり…このターンでムーンをベルの所に持っていけば、かなりのダメージを与えることができる!!」
ムーン「そういう事か! よし、俺はマイナーの《完全獣化2》、《破壊の爪2》発動! 浸食率は104%! 100%超えたからエフェクトレベルも上げるぞ! そのままエンゲージを離脱してベルの手前まで来るぜ! 次でエンゲージ入って攻撃当てるぞ!」
GM「まさかこんな形をとられるとは…!」
クウ「グラッセ。攻撃するなら俺の方がいいんじゃないのか? どうして月を行かせたんだ?」
グラッセ「確かに空さんの方が攻撃力は高いです。ですが、相手は14点の装甲持ち。なら、防御を無視できる月の方が効率よくダメージを稼げる筈でしょう? それに、空さんとしては星華さんと決着つけたいでしょうし」
クウ「そういう事か…お前もいろいろ考えているんだな」
翼→《戦術4》(凍矢&月&空)122%
星華→《光の剣4》&《戦局判断2》(ベル)
ベル→《力場の形成3》(星華)
クウ「ツバサ、大丈夫か? 次攻撃したら130%超えるぞ?」
ツバサ「どうせ『生還者』でバックトラックのダイス3個分は振れるし、いざとなれば二倍振りして戻れば何とかなるよ。もう経験値は捨てる!」
SM「では、イニシアチブプロセス。私は再び《加速する刻2》を発動して割り込みを行うわ。マイナーで《主の恩恵2》。メジャーは《コンセントレイト3:エンジェルハイロゥ》、《主の右腕3》、《コンバットシステム1》。更に《獅子奮迅2》と《光速の剣2》で、最後のガード不能の全体攻撃を行うわ。合計ダイスは11個、達成値無し、攻撃力は20」
ムーン「俺はまたリアクション放棄で《復讐の刃2》だ! 浸食率94%!」
グラッセ「再度翼に《炎陣1》を発動! 浸食率99%! ガードは行いません! ギリギリで《リザレクト》狙いです!」
クウ「俺は…やるだけ回避狙うか」
SM「行動は決まったわね。なら…三人とも死になさい!!」
四人『殺す気満々!?』
命中判定
11D+5(C値7)→67
全員『はあああああああああああ!!?』
GM「な、なに今の!? 途中で振れるダイス1個だけになって「あ、終わった」と思ったら10、9、9、10って連続でクリティカル出た!?」(嘘のようですが、実話です…by作者)
ムーン「何この人? 俺と同じ不幸体質じゃなかったの?」
ツバサ「あ…悪運だ…! やっぱり姉弟だ…!」
SM「さあ、回避出来るものならやってみなさい」
クウ「出来るかぁ!? ええい、もうやけくそだぁ!!」
回避
11D+2−3→14
クウ「だよなー!?」
星華『さっきの痛み、何倍にも返してあげる!! みんな死んで!!』
攻撃判定
7D+20→54
カウンター
月 15D+5(C値8)→22
3D−5→16(6, 10, 5)
ムーン「よーし、命中は全然だが攻撃は平均以上が出たぜ!!」
GM「先程よりも激しい斬撃が四人の中心で襲い掛かる。これにより翼以外の三人はHPが0となり地に倒れてしまう」
グラッセ&ムーン&クウ「「「《リザレクト》だ!!」」」
《リザレクト》
凍矢1D→8 99%→107%
月1D→1 94%→95%
空1D→5 95%→100%
ムーン「何で毎回毎回1が出るんだよ!? HPが1回復ってもうこの状況いいのか悪いのか分からないんだけど!?」
ツバサ「浸食率100%になったら使えなくなるから、あと一回《リザレクト》出来るか出来ないかだね…」
クウ「俺はきっかりで100%になったな。だが、回復したHPも5…正直攻撃が厳しい…!」
グラッセ「大丈夫です。俺、次で回復しますから」
GM「で、クウ。君Dロイス発動するんだけど…どうするの? 今現在が戦闘用人格並みのヤバイ性格だろ?」
クウ「あ〜…それなんだけどさ。こう言うの、ダメか? 星華との繋がり関連で思い付いた設定なんだが――」
先程よりも眩い…否、鋭い閃光が走る。
一瞬。そう、本当に一瞬だった。
炎が揺らめく、瞬きするだけの時間で、炎による陽炎で守られていた翼を除いた三人が全身血だらけで倒れていた。
『み、みんな…!?』
『何だい、ちゃんとやれば出来るじゃないか。ん…?』
一人顔を青ざめる翼に、ベルが星華に声をかける。
しかし、傷だらけの状態にも関わらず凍矢と月が歯を食い縛って起き上がった。
『まだ…ですよ…!』
『俺たち、オーヴァードだぞ…!? これぐらいじゃ、まだ…死なねーよ…!』
『よ、良かった…!』
二人の全身の傷が治癒能力で塞がり出しているのを見て、翼は涙目ながらも安堵の息を吐く。
だが、オルクスであるベルの目は誤魔化せない。人として限界に達しているのを。
『その割に、そこの赤髪君の精神はマズそうだね? そこのレネゲイドビーイング程でもなさそうだけど。どうだい、これを機にジャームになるのも悪くないよ?』
『お断りだ!! 俺はあんた達とは違う!!』
『簡単にジャームにはならないよ…! ボク達はあんた達には無い力を持っているんだからね…!』
『やれやれ、強がりを言うだけの口は残ってるか。で、そこで血塗れのまま寝てる大の大人は何をしているんだい? トドメを刺されたいなら、遠慮なく刺してあげるが?』
そんなベルの問いかけに、空は答えない。
違う。俯いたまま、ブツブツと呟いている。
『…んで…』
『おい、どうした?』
『お前は、消えた…俺が消した…! 止めろぉ! てめぇが出てきた所で何、が――』
急に叫んだと思ったら、頭を押さえて床に突っ伏しる空。
突然の事に仲間の三人が困惑する中、ベルだけは目を細めていた。
『何だ…レネゲイドの質が変わった?』
『――せい、か…?』
『え?』
優しく呼びかけられ、星華が反応する。
名前を呼んだ空の瞳は、血のように赤く染まっている。
『本当に、星華なんだよな…? 俺、俺…会えるとは、思ってなかった…!』
『な、何で今更そう言う事を!? と言うか空さん性格が変わってますよ!?』
『もしかして、空さん…戦闘用人格持ち?』
『それって確か、二重人格とかそう言うのか!? でも俺が聞いた話だと、大抵は戦闘狂になったりする奴だぞ!?』
『ボクだって詳しくは分からないよ!? 戦闘用人格についてもそうだけど、空さんに関しての情報も少なすぎるし…!!』
天才と呼ばれる頭脳でも分からない事はある。翼が月に答えていると、ようやく星華が反応を示した。
『思い出話なら要らないわ。私が欲しいのは私の中にある渇きを潤せるものだけ。もうあなたが与えてくれる感情なんて、必要ない…邪魔なだけよ!!』
『っ…さっきから聞いてれば酷い事ばっかり…! あんたはボクがやっつける!! 全力全霊で黒焦げにしてやる!!』
怒鳴りながらポケットからコインを取り出して指に挟み、体中の電気を弾かせる。まるで自身の怒りを表しているようだ。
今にもコインを弾こうとする翼の方に、悲しそうに空は手を置いた。
『いいんだ、翼。ジャームになったんじゃ、人としての感情が分からなくなっても仕方ない。仕方ないんだ…』
『あの、空さん。俺達の事、分かって…?』
どうやら、空の人格は入れ替わっても記憶は共有しているようだ。便利と言えば便利だが。
そうこうしていると、空は星華と真っ直ぐに向かい合って胸に手を当てる。
『こんな形だが、会えて嬉しいのは本当だ。戸惑いはある。迷いもある。だが、“もう一人の俺”が言っていた事を取り消さない。それが…お前と恋人である俺が出来る事だ』
『お前…』
『なるほど。戦闘用人格――この場合は元の人格との入れ替わりか? さては君、“逃げた”ね?』
まるで全てを悟ったようなベルの含んだ笑みに、空は赤い瞳で睨みつけた。
『……お前が星華に何をしたか、何故一緒にいるか。洗い浚い吐いて貰うぞ!!』
ツバサ「なるほどね。表に出てる方を戦闘用人格。普段隠れている方を元の人格にしたんだ」
クウ「いやだってあんな性格で星華と付き合うなんて難しいだろ。で、とっさに思い付いたのがこの設定だ。二重人格用のDロイス選んで正解だった…」
SM「さあ、そのままイニシアチブプロセスは私の番。先程同様に待機を宣言するわよ」
GM「次は僕の番だね。僕はマイナーで《ハンドレットガンズ4》、《黒曜の鎧2》で琴のような武器と全身を覆う鎧を作り出す。メジャーで《コンセントレイト3:モルフェウス》、《カスタマイズ3》、《形なき剣2》、更に《要の陣形4》で糸を辺りに巡らせて…対象を凍矢、空、翼の三人に変更だ! ダイスは12個、達成値無し、攻撃力は8。ついでに君らのドッジダイスは2個減るぞ」
グラッセ「はいぃ!?」
クウ「なんだそれ!? お前支援系じゃなかったのか!?」
ツバサ「モルフェウスとのクロスブリードなんて聞いてないよ!?」
ムーン「俺何で攻撃免除されたんだ?」
GM「僕がオルクスだけだと勝手に勘違いした君らが悪い。あとムーン。君攻撃しても《リザレクト》出来るだろ? わざわざ攻撃する気にはならないよ――と言う訳で三人とも、タイタスする準備は出来たか?」
ツバサ「グラッセ、お願い! もう一回だけ守って! このままじゃボクの計画が失敗に終わっちゃう!」
グラッセ「わ、分かった! もう一度《炎陣》を発動、炎で翼を守ります! 後は駄目元で《氷雪の守護3》もつけます、浸食率は112%!」
クウ「ガードなんて意味がない…回避!」
ベル『受けるがいい、万象の理を…殲琴・ダウルダブラ!!』
命中判定
12D+〈射撃5〉(C値7)→39
回避
空 14D+2−3→9
ダメージ判定
4D+8→34
ガード
凍矢 3D+4→8(1, 2, 1)
グラッセ「はぐぉ!?」
三人「「「凍矢ーーーーー!!?」」」
GM「もはや計算するまでもないな――琴を奏でると共に、ベルを中心に魔法陣が描かれて様々な属性の弾丸が飛んでくる。その威力にボロボロの二人の身体は耐え切れずに地面に倒れるだろう」
グラッセ「仕方ありません…海命ゼノのロイスをタイタス昇華して戦闘不能から復活します! HPは12。『こんな、攻撃…ゼノの嫌がらせに比べたら、全然耐えられる!!』」
クウ「俺も宝条セフィロスのロイスをタイタスして復活だ! HPは15。『あいつを…俺達の全てを変えた、あいつを見つけるまで…倒れちゃいけないんだ!!』」
SM「うふふ。ようやくスリルが出てきたわね」
ツバサ「次はボクの番だ。ボクはマイナーで《オリジン:ヒューマン3》、《雷の加護2》を使う。メジャーで《コンセントレイト2:ブラックドック》、《光の手1》、《雷の槍2》だ。浸食率は132%でダイス10個、達成値+3、攻撃力は12。更にエリーのロイスをタイタス昇華してC値を1下げる! 対象はベル、あなただ!」
GM「くっ、一気に攻めてきたね…いいよ、来るがいい!! あえてのガードだ!」
命中判定
10D+3(C値6)→36
ツバサ「何でロイス犠牲にまでしたのにこんなに低いの!?」
GM「さー、ダメージ判定して貰おうか?」
クウ「GMがめちゃくちゃ余裕の笑顔だ…」
ダメージ判定
4D+12→29
ツバサ「あれ、おかしいな? ボクの運が低くなっているんだけど?」
GM「うん…《黒曜の鎧2》の装甲で15点のダメージだね」
ツバサ「……みんな、あとよろしく」
グラッセ「あ、諦めるなツバサ!? 俺の番ですね。俺は――GM、メインに入る前に質問があるんですが」
GM「何?」
グラッセ「エンゲージから離脱して他のエンゲージに入る場合、どうすればいいんですか?」
GM「エンゲージから離脱する場合、まずメジャーで《離脱》を宣言するんだ。だけど、その移動のまま別エンゲージに入る事は出来ないから、次のメインプロセスでそのエンゲージに入る必要がある」
グラッセ「そうですか…」
ツバサ「グラッセ?」
グラッセ「――俺はここでDロイス『触媒』を発動!! 俺の前に月のイニシアチブを割り込ませる!!」
ムーン「グラッセ!?」
GM「な、何をする気!?」
グラッセ「メジャーで《離脱》を宣言すればいいって事は、マイナーは普通に使えるんですよね? つまり…このターンでムーンをベルの所に持っていけば、かなりのダメージを与えることができる!!」
ムーン「そういう事か! よし、俺はマイナーの《完全獣化2》、《破壊の爪2》発動! 浸食率は104%! 100%超えたからエフェクトレベルも上げるぞ! そのままエンゲージを離脱してベルの手前まで来るぜ! 次でエンゲージ入って攻撃当てるぞ!」
GM「まさかこんな形をとられるとは…!」
クウ「グラッセ。攻撃するなら俺の方がいいんじゃないのか? どうして月を行かせたんだ?」
グラッセ「確かに空さんの方が攻撃力は高いです。ですが、相手は14点の装甲持ち。なら、防御を無視できる月の方が効率よくダメージを稼げる筈でしょう? それに、空さんとしては星華さんと決着つけたいでしょうし」
クウ「そういう事か…お前もいろいろ考えているんだな」
■作者メッセージ
訂正部分:凍矢の《氷雪の守護》のレベルを1つ上げるのを忘れていました。