ミドルフェイズ2
ミドルフェイズ2 シーン7〈共闘再び〉
シーンプレイヤー 海命凍矢
GM「では、場所はUGN支部。月に連れられて凍矢が入ってきた辺りだ。翼はどうする?」
ツバサ「ボクもこのシーンで何らかの理由で訪れる事にするよ。上手く共闘出来るように頑張るね」
GM「じゃあ、三人分浸食率のダイス振ってくれ」
《シーンイン》
凍矢1D→10 32%→42%
月1D→2 43%→45%
翼1D→2 42%→44%
グラッセ「一気に上がった!?」
ムーン「俺は安定の低さ」
ツバサ「でもまあ、みんな40代で逆に安定してる感じだね」
時刻はもうすぐ20時を刺そうとしている。
こんな時間でも町を守るUGNに所属する子供達は帰らず、店の中で待機をしている。
支部でメンバーが思い思いに時間を潰していると、黒い空間が店の奥に出来る。その中から、月が凍矢を連れて現れた。
凍矢『うわぁ、一瞬で着いちゃった…』
月『これもバロールの力だからな。いやー、FHのやり方を見て覚えた甲斐があったぜ』
ヨシュア『凍矢、状況の確認をするけど君は報告を聞いてる?』
凍矢『はい、月から聞きました。でも…“マスターレイス”と言うのは何ですか?』
ライム『そうか。凍矢はまだ知らなかったね。説明するよ』
ネク『FHについては知っているよな? 俺達オーヴァードにはコードネームが与えられるが、FHの中には【マスター】を冠する称号を持っている奴が存在している。そいつは普通のオーヴァードと違い、重要な地位に付いていたりとんでもない力を持っているんだ』
ヨシュア『マスターレイスはそいつらよりも更に上で、FHでも特別視されている。彼らの特徴として分かっているのは、その多くがコードウェル博士の子供や部下だって事なんだ』
凍矢『こ、子供? 部下は分かりますが…その人、一体何者なんですか?』
ヨシュア『コードウェル博士は、レネゲイドウイルスとオーヴァードについて最初に論文を発表した人物であり、UGNを創設した人さ。
20年前に中東で起きた遺跡で見つかったレネゲイドウイルスを載せた輸送機爆発事故によって世界中にレネゲイドウイルスがバラまかれた。その事実を彼とその仲間達が発表し、各国に警告と協力を仰いだんだ。そして、凍矢も知っての通りUGNは人とオーヴァードの共存を目指す事になる。
けど、そんな創設者が数年前に研究所の事故で死んだ――誰もが、そう思った。あの冬の日までは』
ライム『君はオーヴァードになったばかりだから覚えてないだろうけど――世界中のテレビやラジオ、インターネット…ありとあらゆるメディアがジャックされる事件があったんだ。その主犯は、死んだと思われたコードウェル博士だったんだ。
彼は世界中の人々にレネゲイドやオーヴァードの存在、更にUGNとFHについて説き伏せた。そして…FHの一員としてUGNを破壊すると宣言したんだ。
まあ、即座にUGNや各国政府がそれらの情報を数週間もかけて隠蔽した。だけどその後もUGNじゃ混乱が起こったり、一部の人はFHに鞍替えしたりもして大変で…――っと、話が逸れちゃったね』
ヨシュア『コードウェル博士はこのように重要な人物だ。だからなのか、彼の部下に“マスターレイス”がいるのさ。その内の何人かは自ら「コードウェル博士の子」と宣言して、【コードウェル】を名乗っている。本当に彼自身の子供なのか、そうでないのか…真相は今の所不明だ。とは言え、中には外部からの勧誘もあったりするみたいだ。
ここが重要だが、彼ら一人一人、突出した戦闘能力を持っている。どれも一人でUGNの支部を襲撃、壊滅させる程にね…』
凍矢『マスターレイスや今の状況については分かりました。でも…そんな凄い人物が、どうしてこんな町に現れたんですか?』
ヨシュア『分からない。羽狛さんが戻るまで、情報を集めておく必要がありそうだね』
ツバサ「じゃあ、この辺でボク入るけど…ちょっとこんな描写したいけどいい?」
GM「ほぉ…面白そうだね、いいよ」
凍矢に一通りの説明を終えると、店の入り口から楽し気な少女の声が聞こえてくる。
エリー『あったあった! この前雑誌で紹介されてた喫茶店! ここのパンケーキが美味しいんだって、お客さんもいるし入ろう! すいませーん、二名なんですけど空いてますか?』
シキ『あのー、お店の看板見ました? 今日はこのお店休業しているんだけど』
エリー『え、そうなの? でも雑誌では平日のこの時間はまだ営業してるって…』
ネク『この店のマスターに急用が入って、しばらく臨時休業なんだ。悪いが、別の日に来て…』
月『おい…そこにいるの、翼か?』
凍矢『ええっ!?』
翼『と、凍矢…月ぃ…!!』
エリーの後ろで涙目になっている翼。
次の瞬間、翼はエリーを押しのけて二人に抱き着いた。
翼『うわあああああああん!!! 二人とも助けてぇぇぇ!!! 殺されちゃうぅぅぅ!!!』
月『ど、どうしたんだよ急に!?』
エリー『ちょ、翼? その二人って知り合い?』
ヨシュア『ふむ…何やら情緒不安定みたいだね。とりあえず、彼女は僕達が引き取るよ。年上の友達の方が何かと頼りになるだろうし』
ネク『おい、ヨシュア。いいのか? あいつFHだろ?』
ヨシュア『だからこそだよ。マスターレイスについて、何か情報を持っているかもしれない』
エリー『でも…翼、今日は帰ろう? 家まで送るよ?』
翼『エリー…心配してくれてありがと――ごめんね』
直後、翼を中心に辺りに騒ついた空気が店内に広がる。
すると、先程まで元気そうだったエリーは意識を失うようにその場に倒れ込んだ。
エリー『あ…ぅ…?』
ライム『《ワーディング》! 倒れてて気絶したって事はその子…!』
翼『一般人だよ、エリーは。これから危険な事に巻き込みたくないし、気絶させてた方が話が出来るでしょ?』
ビイト『どう言う事だ! まさかお前、俺達を狙って!?』
翼『そうじゃないんだよ…!! とにかく助けて!! 物凄くヤバイ奴がこの町にやってきたんだ!!』
凍矢『そのヤバイ奴、もしかしてマスターレイスの事?』
翼『うん…マスターレイス14、黒須左京。FHでも目を付けられたらヤバイって言われるほどの人物だよ…!!』
ネク『黒須左京!? ヤバイ所か、UGNにしてみればS級の危険人物だぞ!?』
凍矢『い、一体何者なんですか?』
翼『掻い摘んで説明すると、オーヴァード…取り分けUGNに激しい恨みを持っている人物なんだ。UGNを見つければ容赦なく襲い掛かるし、FHのオーヴァードも例外じゃないんだよ…ボクはレネゲイドビーイングだったお蔭で、命拾い出来たけど…』
シキ『そんな奴が、どうしてこの町に来たの?』
翼『分からない…あ、いや。確か空さんに会いに来たって言ってた。理由までは分からないけど』
ヨシュア『なるほど。つまり君達のメンバーを生贄に引き渡せば彼はこの町から去ってくれる。そう言う事だね!』
ネク『ヨシュア、お前…』
月『で、その空は?』
翼『他のセルの任務に駆り出されてるから、何処にいるかは狩谷さんに聞かないと……あ! そうだ! もう一つ頼まれ事されてたんだった!』
月『頼まれ事?』
翼『あー、うー…実はこの町で他のセルが活動しているようなんだ。ここを拠点にしてるボク達に内密で。それも調べなきゃならなくて…』
ライム『他のセルが!? ヨシュア!』
ヨシュア『そのセルがマスターレイスと関わっている可能性もある。調べる必要がありそうだね』
凍矢『それと関わるか分からないけど、俺空さんに聞きたい事があるんだ。連絡とか取ってくれるとありがたいんだけど』
翼『携帯壊されたからなぁ…まあ、やろうと思えば出来るけど』
ツバサ「GM、さっきみたいに《タッピング&オンエア》を使って…空さんは出来ないだろうから狩谷さんに連絡取りたいんだけど」
GM「許可は出す。その代わり、今度は演出でないから浸食値を上げる事になるよ」
ツバサ「構わないよ。それじゃあ、電波を出して脳内で会話をするよ。浸食値は45%」
翼は目を閉じて、電撃の能力を発動して電波を飛ばす。
だが、空の携帯に繋ごうとしてもスマホが機能してないのか接続出来なかった。
翼(繋がらない? おかしいな…狩谷さんはどうだろ?)
狩谷《――ツバサ、どうしタ?》
翼『良かった。狩谷さん、聞きたい事があるんだ。空さんの居場所って分かる?』
狩谷《空カ。あいつは無事に帰還したとの報告があっタ…――だが、どう言う訳か戻っていナイ》
翼『戻ってない? どうして?』
狩谷《さあナ。いつも通りふてくされているのか、途中でジャームになったのか、あるいは妙な事件に巻き込まれたカ…》
翼『空さんと連絡は?』
狩谷《いんや、さっきから携帯が繋がらナイ。空の事は何か分かれば連絡するから、翼は仕事に専念してクレ。何か起きたら臨機応変にダゾ》
翼『分かった、ありがとう』
狩谷と通信を切ると同時に、能力を切断して翼は目を開ける。
そのまま狩谷との会話を凍矢に教えると、神妙な顔つきになる。
凍矢『空さんが行方知れず…』
翼『――ねえ凍矢、月。またボクと手を組まない? UGNとFHとしてじゃなく、友達として。今の状況は1か月前と同じように異質だ。だからそれぞれで情報共有をしたいんだ』
ネク『二人の思惑はともかく、俺達はFHであるお前を信用していないぞ?』
翼『手を組むことにメリットはあるよ。この町では、ボクだけが黒須左京のターゲットから外れる存在だ。もちろん手を組んでるなんてしれたら終わりだけど、ボクを使えば少しは目を逸らす事は可能だ。それに、いざとなればある程度戦う事も出来るし支援も出来る』
ネク『…ヨシュア、どうする?』
ヨシュア『君の意見は分かった。なら、凍矢と月だけ彼女と共に行動してくれ。僕達はこの支部で調査だ』
ビイト『オイオイ、いいのかよ!?』
凍矢『大丈夫。翼は俺達を騙すような存在じゃないからさ』
月『そう言う事だ。じゃ、留守は頼んだぜ』
GM「さて、ここでシーンを切るが折角だから購入判定を入れようと思う。希望する人はいるかい?」
グラッセ「購入判定はありがたいです。二人もするよな?」
ムーン「ダイスの数は少ないが、特にデメリットもないしな」
ツバサ「それじゃあさ、何にするー?」(ルルブのページ漁り中)
グラッセ「ん〜……俺は『クリスタルシールド』に挑戦してみます。防具より盾です!」
ムーン「俺は翼に『自動巡回ソフト』を買ってみるぜ」
ツバサ「ボクは月に『UGNボディアーマー』かな。1個のダイスで10出さないと成功しないけど…」
GM「じゃ、ダイス振ってくれ」
《購入判定》
難易度25 凍矢4D+3→10 失敗
難易度5 月2D→9 成功
難易度12 翼1D+2→4 失敗
ツバサ「デスヨネー」
グラッセ「波に乗ってると思ったのに…クリティカルの壁は厳しいな」
ムーン「まあでも俺は成功したぜ。じゃ、購入したアイテムを翼に渡しておくぜ」
ツバサ「ありがと! ネットでの情報は任せといて!」
SM「なら、ここでシーンを切るよ」
■作者メッセージ
補足コーナー:今回のアイテムについて
【クリスタルシールド】:〈白兵〉命中−1、ガード値12。この武器を装備している間、他の武器は装備できない。
【自動巡回ソフト』:〈情報:ウェブ〉または〈情報:噂話〉による判定直前に使用。その判定のダイスを+1個する。
【UGNボディアーマー】:〈防具〉装甲値8。戦闘任務の多いエージェント用に開発されたスーツ。行動等に制限がない為、動きやすい使いやすい。