オープニングフェイズ2&3
オープニングフェイズ2 シーン2〈手がかり〉
シーンプレイヤー 七雲空
GM「シーンプレイヤーは空、他PCは登場不可だ。それじゃダイスを振ってくれ」
《シーン登場》
空1D→5 33%→38%
クウ「俺も凍矢と並んだな」
GM「それでは始めようか。文化祭当日の早朝だが、どこにいる?」
クウ「早朝だから…路地裏辺りかな。あ、そうだ。ちょっと演出したい事があるんだが」
GM「ふんふん…それなら…」
地に足が付いていない、ふわふわとした感覚。すぐに夢だと気づく。
だけど、今回の夢はいつもと違った。
阿鼻叫喚の中で響く、ノイズのような歌声。夢の筈なのに、嫌でも身体が騒めく。
酷い事が起こっている。理解するが周りの風景が見えない。ただ、暴走しかけて苦しむ女性だけが目に入っていた。
何とかしたい。その一心で声を掛けながらとっさに手を掴み、振り向かせる。
白い髪、赤い瞳。色は違うが、自分と同じ――
(――っ!)
そこで夢から意識が覚醒する。
まだほのかに薄暗いどこかの路地裏。もう少しで朝になるだろう。
起きたばかりなのに、自分の身体は停めているバイクに寄りかかって飲み物を飲んでいる。
空『起きたか、宿主』
蒼空(あ…あぁ)
空『また例の夢か?』
蒼空(…あぁ。でも、今度のは…)
普段は自分の意思では動かせない。だけど、夢の中で掴んだ手の感触は――紛れもなく本物で。
言いかけたところで、携帯が鳴る。ディスプレイを確認すると、仕事の依頼人――闇代陸からだった。
陸《――朝早くからすまないな、お前達》
空『そう言う社長様も、こんな時間に大丈夫なのか?』
陸《こんな時間だからだ。監視の目も掻い潜れる――それよりも情報だ。そちらは何か見つけたか?》
クウ「情報、ねぇ…」(Rハンドアウトを盗み見る)
グラッセ「どうしたんですか?」
クウ「いや、ちょっとな。この場合…こう答えるのが自然だな」
空『駄目だ。FHの奴らに聞いていたが、さっぱりだった。鴻央会でも御剣に頼んで情報を探ってみたが…』
陸《成果はなし、と言う事か…》
空『で、そっちは何か見つけたのか?』
陸《ああ。あの後、こちらで残っていた冷牙の資料やデータを細かく漁ってみた――どうやら冷牙が奴と定期的に連絡していたらしくてな、1つ手がかりを見つけた》
空『手がかり! 本当か!?』
陸《嘘を言ってどうする? 今からそちらにGPSを使って場所を送る、そこに向かってくれ》
空『ああ! サンキュな!』
陸《…空、それと蒼空》
空『ん?』
陸《…気を付けろ。もし敵がいたらお前1人で太刀打ち出来るか分からない》
空『――俺の心配するなら、自分の心配しろ。自分を蔑ろに人の事ばっかりだから、付け入られたんだろうが。同じ事を二度も繰り返す気かよお前は?』
陸《……意外と面倒見いいんだな》
空『悪いかよ!』
陸《悪くはない。ただ、FHにはもったいないと思った。UGNにいるべき人間だ、お前は》
空『……』
陸としては純粋に思っただけの事を言っただけ。だが、空は複雑な表情を浮かべていた。
陸《じゃあ、後は任せた。俺は一刻も早く仕事を終わらせたいんだ》
空『やけに焦ってるな。そんなに忙しいのか?』
陸《いや? 学園の文化祭にて披露される息子の晴れ舞台を見に行く為だ》
空&蒼空『(おいぃ!!!)』
陸《何でも、月はクラス喫茶でメイド服を着ながら料理を作って配膳するとかなんとか。父親として頑張ってる息子を写真に撮っておかなくてどうする?》
蒼空(止めろ!! 余計に息子に嫌われるぞ!!?)
ムーン「俺そんな服着ねーよ!!! FHに鞍替えしていいか霧谷も陸もマジぶっ殺す!!!」
SM「霧谷も陸も多忙だから、何やかんだで話が捻じ曲がってメガシンカしたのじゃ」
ムーン「Bボタン連打だ!!! 意地でも進化キャンセルさせてやる!!!」
ツバサ「メガシンカは進化キャンセルできないけど…」
ムーン「だったらZ技だ!!! その話を亡きものにしてやるぅ!!!」
リズ「だったら、タマゴ孵化に捕獲を乱発して廃人思考で手に入れたキュウコン(アローラ版)引っ張ってこようか?」
ツバサ「それ凡人トレーナーで挑んだら、何も出来ず一方的に打ちのめされるレベルだよね?」
GM「ポケモン談義になってるところ悪いが、話戻すぞ」
蒼空(陸、お前疲れすぎだ休めっ!!! てか今すぐ寝ろぉ!!!)
陸《そう言う訳で、俺は今日一日お前らに協力出来そうにない。月、今頃頑張って「お帰りなさい、ご主人様♪」なんて挨拶の練習しているだろうか? うーむ…心配だ》
蒼空(聞いてんのか子煩悩親馬鹿ァ!!?)
陸《世界の平和も大事だが、息子を見守り応援する方がもっと大事だからな。じゃ、後は任せたぞ(ブツリ)》
蒼空(勝手に切るな!! 俺の話を最後まで無視すんじゃねぇぇぇ!!!)
空『…無視も何も、非オーヴァードのあいつに宿主の声は聞こえねーだろ…』
SM「ふむ…」
クウ「何だよSM?」
SM「いや。折角大企業の社長と協力しておるのだ。お主が使うバイクを外見だけでも豪華にしてやっても良いと思うのじゃが…GM、構わんか?」
GM「あ、あ〜…空、好きにバイク選んでいいぞ。データは変わらんがな」
クウ「マジか? なら大型バイクでいいか? V-MAXって奴」
グラッセ「何ですか、そのバイク?」
クウ「結構値段の張る大型バイクでな、クラウドが使っているんだ。あと有名な所では仮面ライダークウガ、Fate/Zeroのセイバーも乗っているな」
ムーン「いいのか、そんな事して?」
SM「構わん。それでは、次のシーンに移るとするかの」
ツバサ(…なんか、やな予感がするんだけど。主にバイク関連で)
オープニングフェイズ3 シーン3〈スパイへの指令、そして――〉
シーンプレイヤー 御坂翼
GM「最後のOPフェイズ。シーンプレイヤーは翼、他PCは登場不可になるよ」
ツバサ「シーンイン、っと」
《シーン登場》
翼1D→1 37%→38%
ツバサ「いよーし、最低値! でも凍矢と一緒なんだよね…」
グラッセ「何でこうなった…?」
GM「では、始めようか。翼の場合、今から3週間前に起きた出来事の回想。三章のエンディングまで遡るよ」
“闇”を届けた直後に、上司から言い渡される新たな任務。
前と同じように、翼は喫茶店のテーブルで都築京香の言葉を待った。
都築『まずは、こちらの写真をご覧ください』
そう言って差し出される一枚の写真。
ここまでは前回の任務と一緒だが、写っていたのは透明な宝石のペンダントを下げた1人の少女だった。
翼『誰、この女の子?』
都築『この子は狭川羽粋、オーヴァードではなく普通の少女です。彼女が首にかけてあるペンダント、これがあなたが狙う“光”となります』
翼『ふーん、今度はこれを持ってくればいいの?』
都築『はい』
翼『でもさ、プランナー。彼女と海命家…凍矢と何か関わりがあるの?』
都築『代々、この光も海命家が受け継いで守護をしていました。なのに何故関わりのない彼女が現在光を所持しているのか、そこは分かりません。ですが、現物がある以上不要な情報でしょう。頼めますか、翼さん?』
翼『…頼むも何も、引き受けるしかないでしょ? 了解、プランナー』
都築『あなたならそう言うと思っていました。ですが、お気を付けください。彼女は過去にFHに命を狙われ、現在はこの町のUGNチルドレンが護衛をしています。FHにいるあなたは十分に警戒さえる上、下手に近付けば我々の刺客だと露見される可能性もあります。行動には十分な注意をするように』
翼『ご心配なく、この凄腕スパイにお任せを』
自信満々に胸を叩き、忠告を入れる上司に笑って見せる。
その時、こちらに近付く足音が聞こえてきた。
GM「翼が依頼を受けた所で、ある人物が現れるんだが――ここでシーンは途切れて現在に戻る」
グラッセ「ええっ!?」
ムーン「ある人物って誰だよ!?」
SM「知りたいなら、小娘のRハンドアウトを開く事じゃな」
クウ「なるほど…予想はしていたが、翼の秘密はゼノス関連って事か」
ツバサ「ぶっちゃけるとそうだよ。それじゃ、今は…こうしていようかな?」
翼『――なーんて自信たっぷりに言っちゃったけど、もう3週間かぁ…』
学校帰りの状態で、翼はファーストフード店の三階席から町を――正確には帰宅している羽粋と凍矢を観察していた。
本来なら距離が離れすぎて見えないが、今はエンジェルハイロウの力――《真昼の星》で視覚を極限にまで拡大している為、動きや表情が細部まで見えている。
翼『一人になった所で話し掛けるつもりだったのに、いっつも凍矢と月が一緒にいるから接触出来ない〜…ボクの任務を難航にするなんて、羽粋を狙ったってFHは一体どこの誰なのさ〜…!? ブラックスカル団に告げ口して潰しにかかってやろうか…!!』
エリー『つーばさっ』
物騒な思考が芽生えてブツブツ呟いていると、隣にいる友達――エリーが話しかけてくる。
翼『エリー、どうしたの?』
エリー『「どうしたの?」はこっちの台詞よ! 翼ったら、ずーっと外の景色ばっかり見て私の話聞こうとしてないでしょ!?』
翼『ご、ごめんごめんっ!』
エリー『も〜。明日の予定だけど、翼も一緒にこれに行かない?』
鞄をごそごそと漁ると、一枚のチラシをテーブルに置く。
書かれているのは、凍矢達が通う学園の文化祭の宣伝だ。
翼『文化祭?』
エリー『そ! 場所も近いし、今年はステージを作ってイベントもやるんだって! 一般参加もやってるそうだし、行こうよ!』
翼『そうだね…うん、悪くないかも』
ツバサ「ちなみに、一般参加のステージの出し物って何があるの?」
GM「え? あ〜、翼が潜入しやすいように作った設定だけで、特に中身は考えてないんだよね」
ツバサ「ならさ……(ゴニョゴニョ)……と言うのは駄目?」
GM「ああ。それなら構わないよ」
ツバサ「じゃ、エリーとそう言う話をしたって事で!」
エリー『きーまりっ! それじゃ、明日9時に校門前に集合ね!』
翼『うん、明日ねー』
明日の話も纏まり、翼は監視を止めてエリーと共に店を出る。
余程文化祭が楽しみなのか、嬉しそうに去っていくエリーの後姿を見ながら翼はポツリと罪悪感を漏らす。
翼『…ダシに使う形になっちゃってごめん。でも、エリーと遊びたいのは嘘じゃないからね?』
GM「では、ここで翼オープニングフェイズも終了しようか」
SM「さあて、次は楽しい楽しいミドルフェイズの時間じゃ…!」(黒笑)
四人((((SMの顔が邪悪に染まってる…))))