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ダブルクロスThe 3rd Edition【Promise in the Guilty】

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INDEX

  • あらすじ
  • 01 人物紹介
  • 02 セッション準備編
  • 03 PC1紹介
  • 04 PC2紹介
  • 05 PC3紹介
  • 06 PC4紹介
  • 07 オープニングフェイズ1
  • 08 オープニングフェイズ2&3
  • 09 ミドルフェイズ1
  • 10 ミドルフェイズ2
  • 11 ミドルフェイズ3(前編)
  • 12 ミドルフェイズ3(後編)
  • 13 ミドルフェイズ4
  • 14 ミドルフェイズ4(FS判定・1)
  • 15 ミドルフェイズ4(FS判定・2)
  • 16 ミドルフェイズ4(FS判定・3)
  • 17 ミドルフェイズ5(前編)
  • 18 ミドルフェイズ5(ハンドアウトシーン)
  • 19 ミドルフェイズ5(後編)
  • 20 ミドルフェイズ6&7(前編)
  • 21 ミドルフェイズ7(ハンドアウトシーン&後編)
  • 22 ミドルフェイズ8(前編)
  • 23 ミドルフェイズ8(後編)
  • 24 ミドルフェイズ9(前編)
  • 25 ミドルフェイズ9(ハンドアウトシーン&後編)
  • 26 ミドルフェイズ10
  • 27 ミドルフェイズ11&12(前編)
  • 28 ミドルフェイズ12(ハンドアウトシーン&後編)
  • 29 ミドルフェイズ13
  • 30 クライマックスフェイズ1
  • 31 クライマックスフェイズ2
  • 32 クライマックスフェイズ3
  • 33 クライマックスフェイズ4
  • 34 クライマックスフェイズ5
  • 35 クライマックスフェイズ6
  • 36 クライマックスフェイズ7&バックトラック
  • 37 エンディングフェイズ1
  • 38 エンディングフェイズ2
  • ミドルフェイズ10


    ムーン「で、これからなんだが。とりあえず響と六介をどうにかしないといけないよな?」

    クウ「六介の方は誰でもクリア出来る感じか?」

    GM「うん、六介の所に行くと宣言して、波音の声を聞かせれば終わりだね。代わりに1シーン必要になるけど」

    ツバサ「響さんの方だけどボクはもう駄目だから、精神が高いグラッセに二つの判定を頑張ってもらうしかないね…」

    クウ(……ん? このエネミーエフェクトの説明…)

    ムーン「俺の支援も使えばどうにかなる…かな? だが、浸食率が…」(ペラペラ…)

    グラッセ「月は無理しなくていいよ。精神も〈RC〉も俺が高いし、どうにかなるって」(パラパラ)

    ツバサ「ちなみに、失敗したらどうなるの?」(ピラッ)

    SM「もれなく9D+9のダメージが襲い掛かるぞ」(パララッ)

    ムーン「失敗できない奴じゃねーかオイ!」(パタン)

    ツバサ「――って、師匠はさっきからEA(エフェクトアーカイブ)読んでるけどどうしたの?」

    クウ「……なあ、SM。1つ質問があるんだが」

    SM「なんじゃ?」

    クウ「《鮮血の牙》ってさ、対象の体内に血を入れ込んで操っているんだよな?」

    SM「む…? そうじゃな、洗脳よりはそっちの方がやりやすい。その方向で行っておるが?」

    クウ「ならさ――


     俺の《生命吸収》と《ブラッドリーディング》を使って、その血だけを選別して吸い取る事って出来るか?」


    GM「…は?」

    ツバサ「え? ちょ、師匠!?」

    GM「そ、その方法だと、体内に操ってる元凶の血を取り入れる事になるんだけど…」

    クウ「なら、その穢れた血を《瀉血》で出す。理論としては行けると思うんだが?」

    SM「…何が言いたい?」

    クウ「血を吸収するって方法で洗脳を解除する判定を〈白兵〉で試みたい。出来るか?」

    ツバサ「でもそれ、相手が一番有利な土俵に立つ事になるよ?」

    クウ「だが、それは俺も一緒だ。【戦闘用人格】分もあるから、どうにかなるはずだ。あと、あいつは攻撃となるとダイス運が酷いからな。そこを考えれば、勝機は十分にある」

    オパール「喧嘩売ってるなら買うわよ黒羽蒼空!」

    GM「…僕としては構わない。ちなみにSMは」

    SM「ふむ――別にいいわ」

    ツバサ「え? いいの?」

    SM「ただし《鮮血の牙》を自ら取り込む形になる。〈白兵〉の対決判定に成功しても〈意思〉判定10に失敗した場合、代わりに妾の従者となって貰う。それで良いか?」

    クウ「…上等。精神7なめるなよ?」

    ムーン「なら、響はお前に任せる。六介はグラッセが…」

    グラッセ「いや、月が行ってくれないか? 俺、ちょっとやりたい事を思い付いたんだ」

    ムーン「やりたい事?」

    グラッセ「うん…Rハンドアウト、公開したいんだ。出来れば、羽粋と二人っきりでさ!」


    GM(エ…!)(ピシリ!)


    SM「ほう…羽粋と二人っきりで、か?」

    グラッセ「ああ。…もしかして、誰かPCがいないと公開出来ないのか?」

    GM「いや、そんな事はない…そんな事は、ないんだが…――確認のために訊くよ、凍矢はそれでいい?」

    グラッセ「もちろん! 話的に盛り上がると思うからさ! 演出は大事だって言ってるじゃないですか!」

    GM「…分かった。では、その他の処理から始めよう」



     ミドルフェイズ10 シーン15〈その拳を振るう意味〉
     シーンプレイヤー 七雲空


    GM「ではまずは、響の処理から入ろうか。登場するのは空…蒼空だけでいいの?」

    クウ「ああ。もう誰も無理はさせられないからな、俺だけ登場する」

    GM「なら、シーンプレイヤーは蒼空。チャート表は振らなくてもいいよ」

    ツバサ「蒼空さん、頑張って!」

     《シーン登場》
     蒼空1D→4 106%→110%

    クウ「ふう…やっと落ち着いてきたか。あ、響の居場所だが《かぐわしき鮮血》で探すぜ」

    GM「許可しよう。探す場合は判定も要らないよ。では、運命の判定に入ろうか」


     一般人の避難もあらかた済ませた蒼空は1人、かつて敵に追われた廊下を戻っていた。
     ライムによって逃げ道を繋いだロッカー、六介と対峙した場所…派手にぶち破られた窓ガラスの所で足を止める。そこはあの黒い獣…響と戦った場所。
     蒼空は僅かに残った血痕に顔を近づけ、血の臭いを嗅ぐ。それだけで、彼女が何処にいるか。見えない臭いの痕が見える…血が教えてくれる。

    蒼空『…あっちか』

    空(にしても、一人で止めようとするなんてな。どう言う風の吹き回しだ、宿主?)

    蒼空『…ちょっと、な』

     階段を降りながら空と会話する蒼空。その表情は、どこかぼんやりとしている。
     一階まで降りきり、少し歩く。そこに、目当ての人物…黒い獣がいた。

    響『グウウウ…!!』

    空(一歩間違えればお前が敵になる。覚悟出来てるだろうな?)

    蒼空『ああ…やってやるさ!』


    GM「それでは〈白兵〉の判定に入る。今回は響がアクション側、蒼空がリアクション側とする。その為、同点では蒼空が勝つことになるよ」

    SM「響は先程と同じくイニシアチブで《死神の疾風2》発動! マイナーは《完全獣化2》《エアロドライブ4》《バトルビート3》! メジャーは《コンセントレイト3:ハヌマーン》《一閃2》《音速攻撃2》《電光石火2》《神獣撃4》!
     ダイスは22個、攻撃力9+9D、達成値3、C値7の攻撃じゃ!」

    クウ「マイナーは無しだ。倒す為に来たわけじゃないからな。メジャーで《コンセントレイト3:ブラム=ストーカー》《鮮血の一撃3》《始祖の決闘4》《生命吸収2》だ!
     俺のダイスは25個、達成値5、C値7、《生命吸収》の効果でHPと一緒に血を吸い上げる!」


     《対決判定》
     響22D+3(C値7)→29
     蒼空25D+5(C値7)→49


    ツバサ「やった!」

    クウ「おし! 浸蝕率は合計122%、回復してHP19だ。そのまま《ブラッドリーディング》を使って《鮮血の牙》の血を吸い上げるぜ!」

    GM「なら、《鮮血の牙》を吸い上げる事には成功するよ」

    グラッセ「ちなみに、どうやって吸うんですか?」

    クウ「ん〜…軽く傷をつけて、そこから血液を吸い取る感じかな」

    ツバサ「えー!! 吸血鬼みたいに首筋に噛んで吸わないのー!? そっちの方が絵面的に絶対カッコいいのにー!!」

    クウ「…ツバサ。お前最近何かアニメを見たか?」

    ツバサ「うん! 吸血鬼ラブコメのスト○イク・ザ・ブラッド!! あと漫画で月○!!」

    クウ「目を輝かせながら答えるな! しかも後者はお前の歳で見れる漫画じゃないだろ!!」(*理由はR指定ではないですが、グロ描写とエロ描写が半端ないからです)

    スピカ「でもいいわねー、私も蒼空に血を吸われてみたいわー」

    グラッセ「いやあなた吸う側ですよね!? 衝動:吸血ですよね!?」


     二人は一気に距離を縮めると、即座に拳と拳のラッシュが繰り出される。
     一方は黒い爪、もう一方は血に濡れた拳。相手は力自慢のキュマイラ。だが、負けじと空も限界まで血流を高めて、身体能力を大幅に強化して響と渡り合う。
     防ぎ、当て、避け、反撃し、傷つけあう…だが、その応酬も数分を過ぎた所で決着がつく。

    蒼空『バカ野郎…!!』

     響が伸ばした腕を避けたと思えば、手首を掴み上げる。
     彼女はすぐに振りほどこうとするが、蒼空の方が行動が早い。

    蒼空『お前の拳は――誰かを傷つける為に振るう力じゃねーだろぉ!!!』

     そんな想いを込めるように拳を握り込み、空いた手で腹部を殴りつける。
     殴った衝撃で響の動きが止まったのを見計らい、すかさず彼女の腕に傷を作ると血液を吸収する。
     他人の血を吸い取る事で自身の傷を癒す――その行為の中に異物が入り込み、蒼空の神経が掻き乱される。

    蒼空『つ、ぐ…!』

    空(相、棒…!)

    蒼空『分かってる…!』


    SM「ここからが本番じゃな。難易度10の〈意思〉判定を行うがいい」

    クウ「失敗出来ない、成功させる!」


     《意思判定》
     10D+1→13 成功


    クウ「良かった、クリティカル出て…」

    GM「では、響の効果は無事に解除したよ」


    蒼空『――ッ、らぁ!!』

     嘲笑うように自我を塗り潰そうとする悪意を振り払い、腕を振るってその場に血をぶちまける。
     体内から出した血は心なしか黒くも見えるが、それ以上は何も起きず普通の血液同様固まり、色も徐々に変質を始めた。

    蒼空『はぁ、はぁ…!』

    空(結構ギリギリだったじゃねーか…!)

    蒼空『でも、助けられた…!』

     血を床にぶちまけたまま、蒼空はそのまま座り込む。その腕の中には、黒い獣から女子高生の制服を着た少女が気絶している。

    響『ん…』

     少しして、少女が――響が身じろぎする。
     ゆっくりと瞼を開き、顔を覗き込む蒼空を見上げた。

    響『あれ…あたし…』

    蒼空『えーと…その、大丈夫か?』

    響『…助けて、くれたの?』

    蒼空『ああ』

    響『そっか…“また”、助けられたね…』

     洗脳から解き放たれた反動か、響は再び気を失った。

    空(…また?)

    蒼空『…気にする事ないと思う。さて、どこか安全な場所に寝かせておくか。良くも悪くも今回の件でオーヴァードに覚醒しているんだ、一般人と一緒に保護は出来ないからな…』

     蒼空は優しく響を抱えて立ち上がり、隠れられそうな場所を探しに行った。
     けれど、彼はまだ気づいていない。
     自らが放った、本来ならば知る筈のない“情報”が言葉になっていた事に。

    17/08/28 00:25 NANA   

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