ゲーノベ :: ゲーム小説掲示板 > NANA > ダブルクロスThe 3rd Edition【Promise in the Guilty】

ダブルクロスThe 3rd Edition【Promise in the Guilty】

NANA

INDEX

  • あらすじ
  • 01 人物紹介
  • 02 セッション準備編
  • 03 PC1紹介
  • 04 PC2紹介
  • 05 PC3紹介
  • 06 PC4紹介
  • 07 オープニングフェイズ1
  • 08 オープニングフェイズ2&3
  • 09 ミドルフェイズ1
  • 10 ミドルフェイズ2
  • 11 ミドルフェイズ3(前編)
  • 12 ミドルフェイズ3(後編)
  • 13 ミドルフェイズ4
  • 14 ミドルフェイズ4(FS判定・1)
  • 15 ミドルフェイズ4(FS判定・2)
  • 16 ミドルフェイズ4(FS判定・3)
  • 17 ミドルフェイズ5(前編)
  • 18 ミドルフェイズ5(ハンドアウトシーン)
  • 19 ミドルフェイズ5(後編)
  • 20 ミドルフェイズ6&7(前編)
  • 21 ミドルフェイズ7(ハンドアウトシーン&後編)
  • 22 ミドルフェイズ8(前編)
  • 23 ミドルフェイズ8(後編)
  • 24 ミドルフェイズ9(前編)
  • 25 ミドルフェイズ9(ハンドアウトシーン&後編)
  • 26 ミドルフェイズ10
  • 27 ミドルフェイズ11&12(前編)
  • 28 ミドルフェイズ12(ハンドアウトシーン&後編)
  • 29 ミドルフェイズ13
  • 30 クライマックスフェイズ1
  • 31 クライマックスフェイズ2
  • 32 クライマックスフェイズ3
  • 33 クライマックスフェイズ4
  • 34 クライマックスフェイズ5
  • 35 クライマックスフェイズ6
  • 36 クライマックスフェイズ7&バックトラック
  • 37 エンディングフェイズ1
  • 38 エンディングフェイズ2
  • ミドルフェイズ5(前編)


     ミドルフェイズ5 シーン9〈七雲空の【秘密】〉
     シーンプレイヤー 海命凍矢


    GM「では、ライムとにゃんタンの案内で即席の隠れ家に辿り着いた所だ。シーンプレイヤーは凍矢、ここもPC全員登場で頼むよ」

     《シーン登場》
     凍矢1D→9 66%→75%
     月1D→4 76%→80%
     空1D→10 77%→87%
     翼1D→5 84%→89%

    クウ「ちょっと俺今回ダメかもしれない」

    ツバサ「四人の中で一番高いボクの前でよく言えるね?」

    ムーン「俺もヤバイ部類に入ってる…」

    グラッセ「今の所、Eロイスは『悪意の伝染』『歪んだ囁き』『傲慢な理想』『さらなる絶望』で5個は確定ですが…」

    GM「作戦会議はそこまで。話を進めるぞ?」


     ロッカーの中は、細くも長い道のりが続いていた。
     先頭をライムとにゃんタンが進み、四人は身体を横にする形で後に続いて行く。
     狭い道を進んでようやく辿り着いたのは、高等部の準備室のロッカーだった。

    月『や、やっと出れた…!』

    翼『もう、ヘトヘトだよぉ…!』

    ヨシュア『まずはお疲れ様、と言っておこうかな』

     四人に声を掛けたのはヨシュアだ。その後ろにはネク達だけでなく、虚西・南師を除いたFHセルメンバーもいる。

    凍矢『ヨシュア、みんな!』

    翼『狩谷さん、卯月さん! バンドの皆もどうしてここに!?』

    卯月『あたし達は、いつも行ってるラーメン屋の店主がこの学園で出店をするって事でそれ目当てに来たのよ』

    狩谷『そうサ、この文化祭限定で出すカレーラーメン。一年に一度、この場所でしか食べれない幻のメニューなんダ』

    777『俺達はこの学園の卒業生でな。有名バンドの特別ゲストとして、夜の部で高等部のステージで出演させて貰う予定だったんだ』

    BG『その打ち合わせ中、妙な事態になってしまったんだ。流石にこれは俺達だけの手に負えない所で、UGNと鉢合わせしてな』

    ネク『こんな状態で敵対しても意味がないから、この危機を乗り越えるまでは共同戦線する事にしたんだ。お互い目的は一緒だしな』

    ヨシュア『そう言う訳で――今起こってる事を君らにも説明するよ』


    GM「と言う事で、ヨシュアが学園の情報を教えてくれるよ。
     現在の状況だが、『悪意の伝染』によって君らは学園内に隔離されている状態だ。その所為か通信は取れないため、購入判定も出来ないし、外の人間ともコンタクト取れないから〈コネ〉系のアイテムも使えないよ」

    グラッセ「コネアイテムまで使えないんですか!?」

    ムーン「それより、俺達この部屋にいてバレないのか?」

    GM「今は色んな力を組み合わせているおかげで、部屋を認識されない状態だ。具体的にはシキとライムの《不可視の領域》、狩谷とビィトの《ポケットディメンジョン》、ネクと777の《無音の空間》と、あらゆるイージーエフェクトを使ってこの部屋の存在を隠しているよ」

    クウ「なら、しばらくは大丈夫な訳か」

    ツバサ「あ、そう言えばエリーと羽粋はどうなってるの?」

    GM「今も気絶しているよ。こちらからアクションを取らない限り、起きる事はまずないだろう」

    ムーン「それなら安心だな――あ、俺はここで羽粋にロイス取っておく。Pは好意、Nは不安だな。表はPだ」

    ツバサ「ボクも羽粋にロイス取っておこう。Pは好奇心、Nは厭気。依頼の事があるから、表はNね。そうだGM、通信機器が使えないって状況だけどボクのイージーも使えなかったりするの?」

    GM「いいや。あくまでも携帯や通信機器が使えないだけだから、翼の《タッピング&オンエア》と《セキュリティカット》の二つは使えるよ」

    ツバサ「良かったー。なら、ボクを通せばコネアイテム使えるって事?」

    GM「そうだね。使うのを許可しよう。ただし、1シーンに1回だ」

    クウ「翼を介せば一回だけコネを使えるか。ここぞと言う時に使うようにしないとな」

    GM「さて、ここから情報収集が可能になる。今回の情報収集はこちらだ」


    ・学園の状態(知識:レネゲイドor情報:UGN・FH 5/10/15)
    ・乱入者について(UGN・FH6/9/(UGNのみ)13)


    グラッセ「情報が少ない!?」

    SM「貴様らは隔離されているのだ。情報もこうなって当然であろう?」

    グラッセ「どうにかしてこの状況を打破しないとマズいですね…とにかく皆で情報収集しよう! コネは使えないけど、今回集められる情報が少ないならすぐに終わるはずだ!」


    ムーン「う〜ん…」(Rハンに目をやる)

    クウ「あ〜…」(以下同文)

    ツバサ「む〜…」(以下略)


    グラッセ「ムーン、クウさん、ツバサ? 難しい顔してRハンドアウト見てるけどどうしたの?」

    ムーン「何て言うか…」

    クウ「そう言う事かって思って…」

    ツバサ「だけど、条件が…」

    グラッセ「な、何の話?」

    クウ「GM、質問。Rハンドアウトって、情報収集前に公開しないと駄目なのか?」

    GM「いや。ダブルハンドアウトの公開はOPフェイズ以外ならいつでも可能だ。情報収集を終えてからでもいいし、途中で出したりしてもいいよ」

    ムーン「そうか…悪いが、俺は後のシーンで公開する。ちょっと今は難しいからな」

    グラッセ「え?」

    クウ「なら俺も誰かが情報を調べた後で公開するか。今ある情報を調べてからでも遅くはないし」

    グラッセ「は?」

    ツバサ「ボクは…タイミング見計らって公開を狙うよ。今出してもどうにもならないから」

    グラッセ「何!? 一体三人は俺に内緒で何の話をしているの!?」

    ムーン「いや、内緒で話をしている訳じゃねーんだが」

    クウ「つーか、グラッセはRハンドアウト公開するタイミング決めなくていいのか?」

    ツバサ「そうだよ。隠していても良い事なんてないよ」

    グラッセ「こっちだって色々事情があるんだよ!!」

    クウ「とりあえずまずは学園側の情報を共有させてくれ。俺の方も話さないと分かってないだろ?」

    ツバサ「うん、分かった」


    空『…今の状況は分かった。それで、何でただの文化祭がこんな事になってるんだ?』

    翼『始まりは、ボク達が倒した筈の星華さんだよ。いきなりステージに上がって蘇ったとか言って凍矢に攻撃してオーヴァードの力を見せつけたんだ』

    蒼空(星華!?)

    月『信じられない事に一般人に《ワーディング》したのに効かなくてな。で、人々をおかしくさせて俺達を排除するように言いくるめたんだ。それで逃げてた』

    蒼空(…そうか、星華が…!)

    翼『蒼空さん? 何か変だよ?』

    空『…宿主は丁度腹の居所が悪くてな。次はこっちの番だな、俺はちょっとした依頼を受けていたんだがエスケープキラーに見つかってな。カーチェイスしていたらゼノスの奴に助けられて、ここまで飛ばされた』

    翼『ゼノスに!?』

    空『なんだ、急に驚いて?』

    翼『う、ううん。意外だっただけ、気にしないでよ』


    グラッセ「結構ざっくりですね」

    クウ「俺の方はまだ詳しく話す訳にも行かないしな。情報共有は終えたが…ここからどうする?」

    グラッセ「まずは今ある情報を判定しましょう。で、順番はどうする?」

    クウ「俺は最後でいい。お前らが先にやってくれ」

    ツバサ「珍しい。そんな態度取るなんて」

    ムーン「俺としては、学園の状態が気になるんだよな…一応先に調べるが、翼はどうする?」

    ツバサ「んー、ボクもどっちでも。と言うか、出来れば浸蝕率増やしたくない…」

    グラッセ「今回コネアイテムが使えないとなると、俺が情報の生命線だろうな…失敗した時用に備えておくよ」

    ムーン「よし、俺はUGN技能あるから《乱入者について》。翼は《学園の状態》を頼むぜ」

    ツバサ「了解。ボクは〈知識:レネゲイド〉で判定するよ」

    GM「よし、同時に振ってくれ」


     《情報収集》
     月3D+4→26 成功
     翼4D→8…10 二段階クリア(財産ポイント2点消費)


    ツバサ「最後に頼れるのはお金だね!」

    GM「では、情報を渡そう」


     【乱入者について】
     UGN6
     天義星華は元UGNエージェントで、【ダークカオス】のメンバーの一人。空と同じ時期にUGN本部エージェントになったばかりで、就任先のUGNの研究所で行われた違法実験によって密かにDロイス覚醒の実験体にされていた。
     カウンター主体の白兵型の戦闘員で、シンドロームはエンジェルハイロゥ・ハヌマーン・ノイマンのトライブリード。数か月前の志武谷の一件にて死亡が確認されている。
     遺体も回収されており、司法解剖した後に既に処分されている。蘇るなどありえるはずないが…。

     UGN9
     黒い獣の正体は、大晴響と言う高校三年A組の女子高生。シンドロームはキュマイラ・ハヌマーンのクロスブリード。バンドとして高等部のステージ出場していた。
     どうやら何らかの要因でオーヴァードとして覚醒している所為で、星華の演説による洗脳が効かなかったらしい。
     今は暴走していて殺戮の衝動に振り回されており、自我がない。しかし、見境なく暴れているのでなくオーヴァードを狙っている事を推測するに、何者かに操られている可能性が高い。

     UGN13
     狭川六介はUGN日本支部の歴戦エージェント。エンジェルハイロゥとモルフェウスのクリスブリード。本部エージェントと言う力量を持っていて、二刀流を扱った広範囲の戦いを主としている。今の凍矢達の実力では戦って勝てる力量ではない。
     羽粋とは理由があって一緒に住んでおらず、妻と日本支部で寝泊まりで暮らしている。日々FHに対抗するために戦闘員として日本全国を飛び回っていたが、約一ヵ月前にUGNから失踪している。
     何故彼がFHについたのかは現時点で不明である。


     【学園の状態】
     レネゲイド5
     現在、学園と外部は互いに隔離されている状況。《ワーディング内》にも関わらず一般人も暴徒化して、今もオーヴァードを排除しようと探し回っている。更に《ミッドナイトシネマ》も常時発動していて、闇に染まった上空から学園内のあちこちを映している。その映像を元に、自分達を探す者もいるようだ。
     それと通信機器も使えないため、連絡手段も取れない。

     レネゲイド10
     どうやら今の学園には《通信支配》と《組織崩壊》が働いているようだ。
     《通信支配》は内部だけでなく外部との通信も妨害され、《組織崩壊》によって『歪んだ囁き』を緩めることなく強固している。この二つをどうにかしない限り、一般人の暴走は収まらず連絡も出来ないままだ。
     それと、学園中のレネゲイド濃度が異常なまでに上昇している。一般人に対して《ワーディング》が効かないのもこのためだろう。このままでは一般人はオーヴァードに覚醒、酷い場合はジャーム化してしまう危険性がある。


    グラッセ「調べれば調べる程、とんでもない情報が来ましたね…」

    ツバサ「この《ワーディング》が効かない原因って、【ダブルクロス・リプレイ・メビウス】と同等の理由じゃん」

    GM「いい設定だったんで取り入れた。それだけさ」

    ムーン「…なあ、GM。この《ミッドナイトシネマ》って、監視カメラのような感じか?」

    GM「いいや。主に不定期不規則だ、いつどの場所を映し出されるか分からないよ。もしかしたら、シーンの途中で見られるかもしれないね」

    ムーン「そうかよ…だからか…!」

    SM「だからじゃ」

    ツバサ(……?)

    グラッセ「とにかく、最後の判定ですが…俺がやった方がいいかな?」

    クウ「いや――その前にRPを挟みたい。“開示条件は満たしてる”し、公開するタイミングもいい感じだからな」

    ツバサ「それって!」


    凍矢『どうして羽粋の父親が敵に回るんですか…!』

    月『学園の状態も良いとは言えないな…悪影響しか及ぼさないぞ』

    翼『にしても、不自然な点も出て来たね。星華さんが生き返ったトリックを掴むのも視野に入れておいた方が…』

    空『生き返る? ―−バカ言え、お前らが出会った星華は【偽物】だ』

    凍矢『空さん、何でそう断言出来るんですか?』

    蒼空(相棒…話すのかよ“アレ”を?)

    空『あの女の目的は最初からこいつらだった。なら隠していても仕方ないだろ、宿主』

    蒼空(ああ…もう、無関係じゃないもんな)

    月『あの女って誰だ? そして隠すって何をだ?』

    空『まずはお前らが出会ったって言う星華だが、それは偽物だ。何故なら、偽物の星華を生み出したのは――



     ――俺だ』

    17/06/16 22:47 NANA   

    ■作者メッセージ
     解説コーナー:【ダブルクロス・リプレイ・メビウス】シリーズについて


     学園を舞台にしたダブルクロスのリプレイ作品で、全部で第三巻ある。主人公以外が“秘密”を持っていると言う風変わりなギミックを使ったシナリオとなっている。

     【この学園に、裏切り者(ダブルクロス)がいる】。そのメッセージと共に失踪したUGNエージェント。
     事件を解決する為に刻ヶ峰学園に送り込まれたのは、UGNのトップエージェントでありスパイの『緋蜂紅』。UGN刻ヶ峰支部に所属するチルドレン『鳩宮アンゼリカ』。謎のコンビ(?)『墓守清正』と『ネズミ』。刻ヵ峰支部のUGNエージェント『篠月秋雨』。
     このPC四人が事件に立ち向かうが、PC1である紅以外はそれぞれ秘密を持っているので時に疑心暗鬼になったりすることも。(例外が一冊だけあります)

     どの巻も色んな意味で面白いのですが、特にお勧めするのが二巻です。GMに渡された秘密により墓守演じるPCさんの狼狽え・混乱っぷりは正直笑いしか出てきませんでした。
     富士見書房公式ホームページ・またはカクヨムにて【ダブルクロス・リプレイ・メビウス】のスピンオフが掲載されています。無料なので、興味のある方は是非とも読んで見ては?
    HOME
    Copyright NANA All Rights Reserved.
    CGI by まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.34c