ミドルフェイズ8（前編）
ミドルフェイズ8 シーン13〈エレクトロノイズ〉
シーンプレイヤー 御坂翼
GM「前回はエレクトロノイズの元に向かうと宣言したので、イベントチャートはなし。ここでは全員登場して貰おうか。シーンプレイヤーは翼だ」
ツバサ「もう、浸蝕率ダイス振りたくない…」
ムーン「同じく…」
グラッセ「FS判定でのエフェクト使用よりも《リザレクト》の回復量が多かったしな…ミドル戦闘で100％超えるとか危険域ですよね？」
クウ「ホント今回どうなってるんだよ…本格的に凍矢が主役だからか？」
ムーン「ありえそう」
ツバサ「そっか、全員を巻き込む形なんだね」
グラッセ「全員真顔で言うな！ ほら、もうみんな仲良くダイス振りますよ！」
《シーン登場》
凍矢1D→3 93％→96％
月1D→6 100％→106％
空1D→7 87％→94％
翼1D→5 116％→121％
ツバサ「もうボク出たくないよ…！！」
グラッセ「どうにか一回はカバーリングしても大丈夫そうだな」
クウ「俺なんて全力の攻撃したら『戦闘用人格』発動するわ」
ムーン「凍矢、ほんっと後は頼む！」
月の情報のおかげで見つけた一つの打開策。学園を隔離しているもう一人の敵を倒しに、四人は高等部のコンピューター室へと足を踏み入れた。
翼『コンピューター室ってこじんまりな印象だけど、そこそこ広いんだねー』
月『っ、いたぞ！』
暗い視界に目を凝らすと、闇と同化している形で黒コートが佇んでいた。自分達を見て、驚いているのか僅かに顔を上げる。
？？？『……！』
空『まさか、本当に見つかるなんてな』
凍矢『黒コート…お前がエレクトロノイズか』
？？？『…………』
空『答えないのか？ まあいい、痛い目に遭いたくなかったらさっさとお前の能力解除してくんねえか？』
？？？『…………』
凍矢『さっきから黙ってますね…』
翼『どっちみち、敵って事には変わらないよ。さっさとやっちゃおう』
？？？『…ふ、ふふ…』
今まで黙っていた子供が、笑い声を上げる。その声はソプラノ調で高く、少女のようだ。
？？？『そんな事言うんだ…やっと“出会えた”って言うのにさぁ…！』
そう言いながら、翼に向けてフード越しから意味ありげな視線を送る。
翼『へ…？』
？？？『なるほど、ボクの監視を阻害出来た訳だ。毎回毎回ゼノのサポートで正直うんざりしていたんだけど…今回ばかりは感謝しないといけないよね…！』
月『な、なんだ？』
？？？『裏方以外するなって釘を刺されているんだけど、あんたを前にして表に出ないなんて出来ない！！！ 雷光（ライトニング）、お前の力試させて貰うよ！！』
蒼空（つ、翼？ お前、あいつと知り合いか？）
翼『え、え？ し、知らない筈だけど！？』
ツバサ「ちょっと！ GM、これどういう事！？」
GM「さあ、ミドル戦闘の開始だ！」
ツバサ「無視！？」
GM「ミドル戦闘を開始する。PCは全員固まっている。場所は室内なので、5m先にエレクトロノイズが一人離れた場所にいる形になる。図に表すとこうだ」
（PC4人）―――5m―――（エレクトロノイズ）
SM「戦闘終了条件は【エレクトロノイズに合計100ダメージ与える】だ。そう言う事で精々頑張るがいい、バ火力二人組」
クウ「俺達をそんな風に呼ぶなよ！」
グラッセ「まあまあ。100ダメージなら高火力の二人がいるし、上手く行けば1ターンで終わりそうですね」
ツバサ「そうだね。ボクも少な目で攻撃しようかな」
GM「セットアッププロセス。翼、宣言ある？」
ツバサ「…宣言無し。《戦術》なんて使ったらクライマックス持たない」
GM「ではこちらの番だが、宣言はないよ」
ムーン「俺は…翼に比べたら、まだ余裕はあるか？ だが、この後も情報収集が残ってるし翼も攻撃に移るしな。宣言は無しだ」
SM「順番はこうだな」
翼（14）
エレクトロノイズ（12）
空（10）
凍矢（9）
月（8）
GM「それではイニシアチブからのメインプロセス。まずは翼だ」
翼「クライマックスもあるけど、ここは1ターンで終わらせる！ マイナーで《オリジン：ヒューマン4》《雷の加護2》。メジャーは《コンセントレイト3：ブラックドック》《光の手2》《雷の槍5》だ！
ダイス11個、達成値9、攻撃力14、C値7の攻撃だ！」
《命中判定》
11D＋9（C値7）→74
GM＆SM「「( ﾟДﾟ)」」
クウ「GMとSMが白目向いて放心してるぞ！？」
ロクサス「流石はクウの弟子だな。ゼノにあんな顔をさせるとは」
ツバサ「そりゃあとっくに100％超えてるもんね。少なくとも、避けるなんて出来ないよね？」
SM「ま、まだじゃ！！ エレクトロノイズは《電磁反応装甲2》を二回分発動！！ HPダメージを−20の二回分、40ダメージ軽減じゃ！ リアクションは放棄！」
ツバサ「くっ…けど、切り札切れたなら好都合！ その障壁、ぶち抜くぅ！」
《ダメージ算出》
8D＋14→61
61−40→21
GM「まだ終わらない！ ここでDロイス【屍人（リヴィングデット）】の効果発動。ダメージを更に2D減少させて貰う！」
ムーン「屍人！？」
グラッセ「そのDロイスって、一度死んでいるって設定もつくんですよね…って事は、この子ゾンビ？」
ツバサ「それ言うならオーヴァード全員がゾンビだよ…」
クウ「致死量の攻撃でも、平気な顔して生き返るもんな俺ら…」
《ダメージ算出》
2D→10 21−10→11
SM「うむ。大分減らせたの」
ツバサ「うう、浸蝕率131％だよ…！」
敵が仕掛ける前に、翼は先手必勝とすぐさまコインを弾き、指先から超電磁砲を放つ。だが、エレクトロノイズが手を翳すと前方に電磁障壁が広がる。
出力は翼の方が勝っていたおかげで、敵の障壁をぶち抜く事には成功した。だが、威力は大分削られてしまった為に相手は平然と立っている。
翼『くっ…！』
エレクトロノイズ『それがお得意のレールガン？ アハハ、どんなものかと身構えたけど期待外れだったねぇ』
翼『効いてない…？』
エレクトロノイズ『こんな攻撃…『あの時』に比べたら…』
何やらボソリと呟くが、その言葉は聞き取る事は出来なかった。
エレクトロノイズ『それより今度はボクの番だ――本当の超電磁砲を見せてやるよ、雷光っ！！！』
GM「次のイニシアチブはエレクトロノイズだ。マイナーで《陽炎の衣2》を使い、隠密状態になる」
グラッセ「隠密状態？」
ツバサ「隠密状態は姿を隠す事で視認されないから、攻撃の対象にならないんだ。流石に範囲攻撃やシーン攻撃では対象に含まれるけど」
GM「そしてメジャーで《コンセントレイト3：ブラックドック》《コントロールソート2》《アタックプログラム3》《天からの目3》《バリアクラッカー3》《MAXボルテージ3》《フラッシュエンド2》だ！
ダイスは14個、達成値12、攻撃力30、C値7、更にガード不能・装甲値無視・リアクション＆カバーリング不可の攻撃を翼にぶつける！！」
ツバサ「もうそれ当たるも同然じゃん！！」
ムーン「ちょっと待て…リアクションもカバーリングも出来ない攻撃って、確か最初に凍矢を《リザレクト》させた攻撃もそれだったよな？」
クウ「それに、隠密状態って通常では認識されないって話だったな？」
グラッセ「まさか、ステージで俺に攻撃したのは星華さんじゃなくてこの子ぉ！？」
GM「ふ、察しが良いなお前達。さあ翼、覚悟しろ！！」
《命中判定》
14D＋12（C値7）→48
《ダメージ算出》
5D＋30→58
エレクトロノイズが何処からか銃口がやたらと長い銃を取り出すと、翼に構える。
凍矢『翼！』
エレクトロノイズ『あんたの守りは、致命的な弱点がある』
凍矢が動くより早く、エレクトロノイズが引き金を引く。一瞬の内に一筋の光線が翼の胸を貫く。
エレクトロノイズ『どんなに完璧でも――追いつかなければ、意味がない！！』
ツバサ「流石に無理…！」
クウ「タイタス昇華するか？」
ツバサ「……いや、このまま戦闘不能になっておくよ」
グラッセ「いいのか！？」
ツバサ「ルルブを読んだ限り、戦闘不能のPCに《カバーリング》が出来ない訳じゃないみたいだし、切り札は切ったから凍矢の援護があれば二人ならいけるよ…ボクはみんなを信じてるから！」
クウ「…ああ、やってやるよ」
レネゲイドが許容範囲を超えている為再生が出来ず、翼は倒れたまま虫の息となる。
そんな彼女にエレクトロノイズは見下したように鼻を鳴らす。
エレクトロノイズ『ふん、たわいもないね』
ムーン『今の攻撃…ステージでグラッセを狙ったのはお前か！』
エレクトロノイズ『今頃気づいたの？ ま、それがボクのお仕事――裏方が目立っちゃ全部仕込んだタネがバレるからね。ゼノがどこからか仕入れたあの従者を隠れ蓑に使わせて貰ったよ』
蒼空（人から奪った者を好き勝手に使いやがって…！！）
エレクトロノイズ『そうだ。あんたの知りたい事、1つだけ教えてあげようか紅の刃？』
空『あ？』
エレクトロノイズ『エスケープキラーに情報を流したのはボクさ。本来ならそこの光の守護者の両親諸共始末してくれる予定だったんだけど…まさかカーチェイスしたり、ここに来たりする事が出来るなんてね。完全に早計外だったよ』
空『それ以上言うなクソガキ――殺すぞ？』
エレクトロノイズ『ついでに月食の獣。君の情報も面白おかしく弄らせて貰ったよ。君がメイド服着ながら配膳するって情報流したら、一部のマニアだけじゃなく君の父親やUGN日本支部長も喰いついてね。見てていい暇つぶしになったよー』
月『ブチコロスクソガキィ！！！』
クウ「もう容赦しねぇ！ 翼が繋いでくれたんだ、全力でぶっ倒す！
マイナーで《赫き剣3》《スーパーランナー1》でHP6点消費して攻撃力14の大剣を作り出す！ メジャー《コンセントレイト2：ブラム＝ストーカー》《鮮血の一撃2》…《生命吸収》はまだ使わない。ダイス10個、攻撃力14、達成値5、C値8で攻撃だ」
《命中判定》
10D＋5（C値8）→26
クウ「くそ、凍矢の支援を貰うべきだったか！」
ムーン「ダメージが幾つになるかがカギだな…！」
GM「では、こちらは【屍人】を発動しようか」
《ダメージ算出》
3D＋14→28
2D→15 28−15→13
GM「合計ダメージ24だね。あと76点必要だ」
クウ「《生命吸収》も付けておくべきだった…！ 浸蝕率106％、残りHP1…【戦闘用人格】発動だ」
グラッセ「次は俺の番ですね。マイナーはなし。月に《戦乙女の導き1》と《狂戦士2》を発動させます！ ダイス5個に攻撃力5、C値−1追加です！ 浸蝕率103％！」
ムーン「最後、俺の番だ。《フルパワーアタック》してないから厳しいが、このムカつくガキをどうにか落とすぜ！！
マイナーで《完全獣化4》《破壊の爪4》《斥力跳躍2》で跳躍しながら変形する！ メジャーで《コンセントレイト3：バロール》《漆黒の拳3》だ！ エンブレム『コンバットフォーカス』も合わせてダイス23個、攻撃力20、達成値7、C値6、装甲無視の攻撃だ！」
ツバサ「お願い…！」
《命中判定》
23D＋7（C値6）→52
ムーン「く…！」
グラッセ「いや、まだだ！ 《力の霊水3》発動してダメージダイス3D追加です！ 浸蝕率107％！」
ムーン「悪い、グラッセ！ 頼む！」
《ダメージ算出》
9D＋20→62
2D→9 62−9→53
GM「これで合計ダメージ77…あと23点足りなかったね」
ムーン「くっそ、こんな時に限って全然出ない！！ 浸蝕率は121％！」
クウ「翼ので全部運を持っていかれたか…？」
エレクトロノイズ『ぐっ…！』
月『ち、まだ終わらないか…！』
蒼空『――こりゃヤバイな…！』
見た目は子供と油断していたからか、翼が倒されたからか。予想以上にタフな相手に月だけでなく、人格が入れ替わった蒼空も苦々しく吐き捨てる。
エレクトロノイズ『他の奴らと一緒にされたら困るけどね…さあ、そこをどいてよ』
SM「全員の行動が終わったのでクリンナップ。処理は特にないから次に進むぞ」
シーンプレイヤー 御坂翼
GM「前回はエレクトロノイズの元に向かうと宣言したので、イベントチャートはなし。ここでは全員登場して貰おうか。シーンプレイヤーは翼だ」
ツバサ「もう、浸蝕率ダイス振りたくない…」
ムーン「同じく…」
グラッセ「FS判定でのエフェクト使用よりも《リザレクト》の回復量が多かったしな…ミドル戦闘で100％超えるとか危険域ですよね？」
クウ「ホント今回どうなってるんだよ…本格的に凍矢が主役だからか？」
ムーン「ありえそう」
ツバサ「そっか、全員を巻き込む形なんだね」
グラッセ「全員真顔で言うな！ ほら、もうみんな仲良くダイス振りますよ！」
《シーン登場》
凍矢1D→3 93％→96％
月1D→6 100％→106％
空1D→7 87％→94％
翼1D→5 116％→121％
ツバサ「もうボク出たくないよ…！！」
グラッセ「どうにか一回はカバーリングしても大丈夫そうだな」
クウ「俺なんて全力の攻撃したら『戦闘用人格』発動するわ」
ムーン「凍矢、ほんっと後は頼む！」
月の情報のおかげで見つけた一つの打開策。学園を隔離しているもう一人の敵を倒しに、四人は高等部のコンピューター室へと足を踏み入れた。
翼『コンピューター室ってこじんまりな印象だけど、そこそこ広いんだねー』
月『っ、いたぞ！』
暗い視界に目を凝らすと、闇と同化している形で黒コートが佇んでいた。自分達を見て、驚いているのか僅かに顔を上げる。
？？？『……！』
空『まさか、本当に見つかるなんてな』
凍矢『黒コート…お前がエレクトロノイズか』
？？？『…………』
空『答えないのか？ まあいい、痛い目に遭いたくなかったらさっさとお前の能力解除してくんねえか？』
？？？『…………』
凍矢『さっきから黙ってますね…』
翼『どっちみち、敵って事には変わらないよ。さっさとやっちゃおう』
？？？『…ふ、ふふ…』
今まで黙っていた子供が、笑い声を上げる。その声はソプラノ調で高く、少女のようだ。
？？？『そんな事言うんだ…やっと“出会えた”って言うのにさぁ…！』
そう言いながら、翼に向けてフード越しから意味ありげな視線を送る。
翼『へ…？』
？？？『なるほど、ボクの監視を阻害出来た訳だ。毎回毎回ゼノのサポートで正直うんざりしていたんだけど…今回ばかりは感謝しないといけないよね…！』
月『な、なんだ？』
？？？『裏方以外するなって釘を刺されているんだけど、あんたを前にして表に出ないなんて出来ない！！！ 雷光（ライトニング）、お前の力試させて貰うよ！！』
蒼空（つ、翼？ お前、あいつと知り合いか？）
翼『え、え？ し、知らない筈だけど！？』
ツバサ「ちょっと！ GM、これどういう事！？」
GM「さあ、ミドル戦闘の開始だ！」
ツバサ「無視！？」
GM「ミドル戦闘を開始する。PCは全員固まっている。場所は室内なので、5m先にエレクトロノイズが一人離れた場所にいる形になる。図に表すとこうだ」
（PC4人）―――5m―――（エレクトロノイズ）
SM「戦闘終了条件は【エレクトロノイズに合計100ダメージ与える】だ。そう言う事で精々頑張るがいい、バ火力二人組」
クウ「俺達をそんな風に呼ぶなよ！」
グラッセ「まあまあ。100ダメージなら高火力の二人がいるし、上手く行けば1ターンで終わりそうですね」
ツバサ「そうだね。ボクも少な目で攻撃しようかな」
GM「セットアッププロセス。翼、宣言ある？」
ツバサ「…宣言無し。《戦術》なんて使ったらクライマックス持たない」
GM「ではこちらの番だが、宣言はないよ」
ムーン「俺は…翼に比べたら、まだ余裕はあるか？ だが、この後も情報収集が残ってるし翼も攻撃に移るしな。宣言は無しだ」
SM「順番はこうだな」
翼（14）
エレクトロノイズ（12）
空（10）
凍矢（9）
月（8）
GM「それではイニシアチブからのメインプロセス。まずは翼だ」
翼「クライマックスもあるけど、ここは1ターンで終わらせる！ マイナーで《オリジン：ヒューマン4》《雷の加護2》。メジャーは《コンセントレイト3：ブラックドック》《光の手2》《雷の槍5》だ！
ダイス11個、達成値9、攻撃力14、C値7の攻撃だ！」
《命中判定》
11D＋9（C値7）→74
GM＆SM「「( ﾟДﾟ)」」
クウ「GMとSMが白目向いて放心してるぞ！？」
ロクサス「流石はクウの弟子だな。ゼノにあんな顔をさせるとは」
ツバサ「そりゃあとっくに100％超えてるもんね。少なくとも、避けるなんて出来ないよね？」
SM「ま、まだじゃ！！ エレクトロノイズは《電磁反応装甲2》を二回分発動！！ HPダメージを−20の二回分、40ダメージ軽減じゃ！ リアクションは放棄！」
ツバサ「くっ…けど、切り札切れたなら好都合！ その障壁、ぶち抜くぅ！」
《ダメージ算出》
8D＋14→61
61−40→21
GM「まだ終わらない！ ここでDロイス【屍人（リヴィングデット）】の効果発動。ダメージを更に2D減少させて貰う！」
ムーン「屍人！？」
グラッセ「そのDロイスって、一度死んでいるって設定もつくんですよね…って事は、この子ゾンビ？」
ツバサ「それ言うならオーヴァード全員がゾンビだよ…」
クウ「致死量の攻撃でも、平気な顔して生き返るもんな俺ら…」
《ダメージ算出》
2D→10 21−10→11
SM「うむ。大分減らせたの」
ツバサ「うう、浸蝕率131％だよ…！」
敵が仕掛ける前に、翼は先手必勝とすぐさまコインを弾き、指先から超電磁砲を放つ。だが、エレクトロノイズが手を翳すと前方に電磁障壁が広がる。
出力は翼の方が勝っていたおかげで、敵の障壁をぶち抜く事には成功した。だが、威力は大分削られてしまった為に相手は平然と立っている。
翼『くっ…！』
エレクトロノイズ『それがお得意のレールガン？ アハハ、どんなものかと身構えたけど期待外れだったねぇ』
翼『効いてない…？』
エレクトロノイズ『こんな攻撃…『あの時』に比べたら…』
何やらボソリと呟くが、その言葉は聞き取る事は出来なかった。
エレクトロノイズ『それより今度はボクの番だ――本当の超電磁砲を見せてやるよ、雷光っ！！！』
GM「次のイニシアチブはエレクトロノイズだ。マイナーで《陽炎の衣2》を使い、隠密状態になる」
グラッセ「隠密状態？」
ツバサ「隠密状態は姿を隠す事で視認されないから、攻撃の対象にならないんだ。流石に範囲攻撃やシーン攻撃では対象に含まれるけど」
GM「そしてメジャーで《コンセントレイト3：ブラックドック》《コントロールソート2》《アタックプログラム3》《天からの目3》《バリアクラッカー3》《MAXボルテージ3》《フラッシュエンド2》だ！
ダイスは14個、達成値12、攻撃力30、C値7、更にガード不能・装甲値無視・リアクション＆カバーリング不可の攻撃を翼にぶつける！！」
ツバサ「もうそれ当たるも同然じゃん！！」
ムーン「ちょっと待て…リアクションもカバーリングも出来ない攻撃って、確か最初に凍矢を《リザレクト》させた攻撃もそれだったよな？」
クウ「それに、隠密状態って通常では認識されないって話だったな？」
グラッセ「まさか、ステージで俺に攻撃したのは星華さんじゃなくてこの子ぉ！？」
GM「ふ、察しが良いなお前達。さあ翼、覚悟しろ！！」
《命中判定》
14D＋12（C値7）→48
《ダメージ算出》
5D＋30→58
エレクトロノイズが何処からか銃口がやたらと長い銃を取り出すと、翼に構える。
凍矢『翼！』
エレクトロノイズ『あんたの守りは、致命的な弱点がある』
凍矢が動くより早く、エレクトロノイズが引き金を引く。一瞬の内に一筋の光線が翼の胸を貫く。
エレクトロノイズ『どんなに完璧でも――追いつかなければ、意味がない！！』
ツバサ「流石に無理…！」
クウ「タイタス昇華するか？」
ツバサ「……いや、このまま戦闘不能になっておくよ」
グラッセ「いいのか！？」
ツバサ「ルルブを読んだ限り、戦闘不能のPCに《カバーリング》が出来ない訳じゃないみたいだし、切り札は切ったから凍矢の援護があれば二人ならいけるよ…ボクはみんなを信じてるから！」
クウ「…ああ、やってやるよ」
レネゲイドが許容範囲を超えている為再生が出来ず、翼は倒れたまま虫の息となる。
そんな彼女にエレクトロノイズは見下したように鼻を鳴らす。
エレクトロノイズ『ふん、たわいもないね』
ムーン『今の攻撃…ステージでグラッセを狙ったのはお前か！』
エレクトロノイズ『今頃気づいたの？ ま、それがボクのお仕事――裏方が目立っちゃ全部仕込んだタネがバレるからね。ゼノがどこからか仕入れたあの従者を隠れ蓑に使わせて貰ったよ』
蒼空（人から奪った者を好き勝手に使いやがって…！！）
エレクトロノイズ『そうだ。あんたの知りたい事、1つだけ教えてあげようか紅の刃？』
空『あ？』
エレクトロノイズ『エスケープキラーに情報を流したのはボクさ。本来ならそこの光の守護者の両親諸共始末してくれる予定だったんだけど…まさかカーチェイスしたり、ここに来たりする事が出来るなんてね。完全に早計外だったよ』
空『それ以上言うなクソガキ――殺すぞ？』
エレクトロノイズ『ついでに月食の獣。君の情報も面白おかしく弄らせて貰ったよ。君がメイド服着ながら配膳するって情報流したら、一部のマニアだけじゃなく君の父親やUGN日本支部長も喰いついてね。見てていい暇つぶしになったよー』
月『ブチコロスクソガキィ！！！』
クウ「もう容赦しねぇ！ 翼が繋いでくれたんだ、全力でぶっ倒す！
マイナーで《赫き剣3》《スーパーランナー1》でHP6点消費して攻撃力14の大剣を作り出す！ メジャー《コンセントレイト2：ブラム＝ストーカー》《鮮血の一撃2》…《生命吸収》はまだ使わない。ダイス10個、攻撃力14、達成値5、C値8で攻撃だ」
《命中判定》
10D＋5（C値8）→26
クウ「くそ、凍矢の支援を貰うべきだったか！」
ムーン「ダメージが幾つになるかがカギだな…！」
GM「では、こちらは【屍人】を発動しようか」
《ダメージ算出》
3D＋14→28
2D→15 28−15→13
GM「合計ダメージ24だね。あと76点必要だ」
クウ「《生命吸収》も付けておくべきだった…！ 浸蝕率106％、残りHP1…【戦闘用人格】発動だ」
グラッセ「次は俺の番ですね。マイナーはなし。月に《戦乙女の導き1》と《狂戦士2》を発動させます！ ダイス5個に攻撃力5、C値−1追加です！ 浸蝕率103％！」
ムーン「最後、俺の番だ。《フルパワーアタック》してないから厳しいが、このムカつくガキをどうにか落とすぜ！！
マイナーで《完全獣化4》《破壊の爪4》《斥力跳躍2》で跳躍しながら変形する！ メジャーで《コンセントレイト3：バロール》《漆黒の拳3》だ！ エンブレム『コンバットフォーカス』も合わせてダイス23個、攻撃力20、達成値7、C値6、装甲無視の攻撃だ！」
ツバサ「お願い…！」
《命中判定》
23D＋7（C値6）→52
ムーン「く…！」
グラッセ「いや、まだだ！ 《力の霊水3》発動してダメージダイス3D追加です！ 浸蝕率107％！」
ムーン「悪い、グラッセ！ 頼む！」
《ダメージ算出》
9D＋20→62
2D→9 62−9→53
GM「これで合計ダメージ77…あと23点足りなかったね」
ムーン「くっそ、こんな時に限って全然出ない！！ 浸蝕率は121％！」
クウ「翼ので全部運を持っていかれたか…？」
エレクトロノイズ『ぐっ…！』
月『ち、まだ終わらないか…！』
蒼空『――こりゃヤバイな…！』
見た目は子供と油断していたからか、翼が倒されたからか。予想以上にタフな相手に月だけでなく、人格が入れ替わった蒼空も苦々しく吐き捨てる。
エレクトロノイズ『他の奴らと一緒にされたら困るけどね…さあ、そこをどいてよ』
SM「全員の行動が終わったのでクリンナップ。処理は特にないから次に進むぞ」
■作者メッセージ
補足コーナー：Dロイス『屍人』について
かつて死に、蘇った事を表すDロイス。死を体験した事で、肉体は妙に死ににくい体質になってしまっている。
オーヴァードであるから致死量を受けても《リザレクト》を使って回復したり、ロイスを切っての復活は出来る。しかし、あくまで『再生』するのであって『蘇る』と言う事ではない。
尚、死と言っても肉体的な死以外にも、精神的な死、社会的な死といろいろ存在する。どのような『死』を体験したかはGMと相談して決めると言い。
このDロイスの効果は、自分が受けるHPダメージを常に2D点軽減できる。その時の演出も自由に決めていい。
ただし、バックトラックでダイスを振った際、一番高い出目ひとつを1であったものとして計算して浸蝕率の引き下げを行わないといけない。（例：4個で振った際に、5・10・3・4だった場合、10の出目を1に変えなければいけない。計算して13となる）2倍振りでもこの効果は適応されるが、バックトラックの追加振りには適応されない。
かつて死に、蘇った事を表すDロイス。死を体験した事で、肉体は妙に死ににくい体質になってしまっている。
オーヴァードであるから致死量を受けても《リザレクト》を使って回復したり、ロイスを切っての復活は出来る。しかし、あくまで『再生』するのであって『蘇る』と言う事ではない。
尚、死と言っても肉体的な死以外にも、精神的な死、社会的な死といろいろ存在する。どのような『死』を体験したかはGMと相談して決めると言い。
このDロイスの効果は、自分が受けるHPダメージを常に2D点軽減できる。その時の演出も自由に決めていい。
ただし、バックトラックでダイスを振った際、一番高い出目ひとつを1であったものとして計算して浸蝕率の引き下げを行わないといけない。（例：4個で振った際に、5・10・3・4だった場合、10の出目を1に変えなければいけない。計算して13となる）2倍振りでもこの効果は適応されるが、バックトラックの追加振りには適応されない。