ミドルフェイズ1
ミドルフェイズ1 シーン4〈日常の中の非日常〉
シーンプレイヤー 海命凍矢
GM「では、ミドルフェイズに進もう。このシーンは文化祭当日でお祭り状態になっている所からだ。シーンプレイヤーは凍矢、登場できるのは空以外の三人だが、翼は出ても出なくてもいいよ」
ツバサ「うーん、お祭り状態なら出たいかな。ボクも出るよ」
GM「了解。ならダイスを振ってくれ」
《シーン登場》
凍矢1D→3 38%→41%
月1D→10 40%→50%
翼1D→4 38%→42%
ムーン「アハハハハハハ!!」(白目)
グラッセ「ムーン、しっかりしろー!」
SM「では、凍矢と月は文化祭の出し物でクラス喫茶をしており、一通り終わった辺りじゃ。特に判定も必要ないから、あとは好きにあちこち出歩くと言い」
ツバサ「いいの?」
SM「うむ、妾も鬼ではない。食べて騒いで大いに文化祭を見回って楽しむがよい」
ウラノス「オイ、ゼノの奴がおかしいぞ」
ムーン「明日槍が降ってくるな」
ロクサス「天変地異の前触れかもしれないぞ」
レイシャ「いや、世界が滅びるかも」
リズ「騙されるな、きっとこのゼノは偽物よ!!」
SM「何じゃとおおおぉぉぉ!!! こうして妾が優しくしていると言うのに、貴様らはなんて扱いをするのじゃあ!!!」
ツバサ(…むしろ最初に楽しませておいて、後で酷い事するパターンとか考えてないよね――この人なら普通に考えてそう…)
文化祭。本来は学生にとって休日であるこの日は、沢山の人で溢れ返っている。
学園全体がお祭りとなるこの日は、生徒も教師も地域に住む住人も自然と笑顔になる。
部室棟では文科系部活がこの日の為に用意した出し物を、理科室やコンピューター室など特別室では展示物を、体育館では生徒が出し物を持ち寄ったステージを、授業で大半を過ごす教室でも展示物だったりお化け屋敷などの遊び場だったり出店に変わっている。
普段は授業と部活とテストを送るだけの学園も、今では至る所で様々な催しが開かれている。だが、凍矢達は笑っている暇がない。
ガレット『凍矢! あっちの4番テーブルの注文取って来てー!』
凍矢『はい!』
イルト『月、レアチーズケーキ追加で!』
月『任せな!』
エイル『羽粋、コーヒーと紅茶2つずつー!』
羽粋『はーい!』
凍矢達の教室の出し物であるクラス喫茶は好評で、最初こそ興味本位で来た生徒しかいなかったが、あまりの美味しさに生徒を中心に口コミで至る所に伝達。今では外からの人も一緒になって教室のドアから階段まで大行列を作っている。
イルト達だけでなく凍矢達も次から次にやってくるお客に奔走する中、ようやく交代する生徒がやってきた。
イルト『ふー、やっと交代できる。三人とも、先に休憩行ってきていいぜ!』
凍矢『ありがと、イルト!』
月『次の交代までには戻るな』
羽粋『それじゃいこ、凍矢、月! 私初めてだからワクワクしちゃう!』
月『それは俺達も一緒なんだけどな』
接客用のエプロンを外し、教室から出た三人はパンフレットを見る。
この学園は主に中等部と高等部の二つに分かれている。建物としてはどちらも同じくらいの規模だが、高等部は個別で部室棟があるが一部改装工事中で立ち入りが許されない。中等部は体育館で、高等部は運動場に設営されたステージの出し物をしているが、中学生でも高校生でも一般参加枠として参加できる。
凍矢『まずはどこに行こうか? 何か食べ物買うか?』
月『そうだな…』
グラッセ「本当に自由に行動していいんですか?」
GM「ああ。強いて言うなら、羽粋はパンフレットを見ながら行きたい場所を言うよ」
グラッセ&ムーン「「行きたい場所?」」
三人がどうこう悩んでいると、高等部の運動場のステージから軽音楽が聞こえてくる。それに伴い、歌が聞こえてくる。
《渇いた心で駆け抜ける ごめんね何もできなくて》
《痛みを分かち合うことさえ あなたは許してくれない》
《無垢に生きるため振り向かず 背中向けて去ってしまう one the lonely rail》
サビに突入した所で、観客達が大いに盛り上がる叫びがこちら側まで聞こえる。
それに感化して、羽粋が興味ありげにステージに目を向ける。
羽粋『凄い盛り上がってるね…。ねえ、食べ物買った後にあっちのステージでやってるバンドを見に行ってみたいんだけど…だめ?』
月『いや、駄目じゃない。ちょうど近くで屋台もあるしな』
凍矢『何処に行くかまだ決まってないし、行きたい所から行こうか』
羽粋『ありがとう、二人とも!』
羽粋の提案で、三人は高等部のステージへ赴く。
ステージでは女子高生グループがバンドをしていて、金髪のボーカルの他に数名の女子がエレキギターやベーズ、ドラムを弾いている。そのステージの近くでは、バザーとして地域の出展者が食べ物を売っている。
《だから、私! ついて行くよ どんな辛い世界の闇の中でさえ きっとあなたは輝いて》
《超える未来の果て 弱さ故に魂壊されぬように》
《my way 重なるよ いまふたりに God bless…》
食べ物を買ってバンドを鑑賞する三人。そうして女子高生バンドの曲が終わると、観客から喝采が浴びせられた。
大盛況で幕を閉じると未だ興奮醒めない観客達に、司会者がステージに立つ。
司会者『えー、これにて生徒参加枠のバンドステージを終了します。次はカラオケ大会です!』
観客『『『わああああああぁ!!!』』』
羽粋『わー、カラオケ大会だって! 凍矢、もう少し見ていこう!』
凍矢『この学校にこんな出し物あるんだな』
月『俺はカラオケとか興味はないからなぁ…とは言え、人が多いな。今のバンドの所為か?』
凍矢『いや、たぶんカラオケ大会だからだろうな。こうして学校行事を楽しめるとさ、平和って感じがするよ…』
月『何年寄り臭い事言ってんだよ。ったく…』
司会者『まずは外部参加者の挑戦です! えーと』
翼『御坂翼、12歳でーす!』
エリー『無憶 恵理香(むおく えりか)12歳! よろしくぅ!』
凍矢&月『『ブフォォーーーーーーーーーーッ!!?』』(口の中の飲み物を噴き出す)
羽粋『凍矢、月? 急にどうしたの?』
司会者『それでは、二人が紡ぐデュエットをお聞きください! 曲名は――【ORBITAL BEAT】!!』
*ここからは、翼のカラオケをお楽しみください。
《幾千億の祈りも》《柔らかな光でさえも》
《全て飲み込む牢獄のような、闇の魔性…》
《カルマのように》《転がるように》
《投げ出してしまえなくて》
《今(私)らしく》《《駆け抜けてー!》》
《《届け届け 高鳴る (パルスに) 繋がれたこのBurning heart!》》
《《強く強く心の(シリウスをただ見つめーるー)…》》
《《この闇を超えてー!》》
凍矢&月『『何やってんだあいつーーーーーーーっ!!!??』』
カーン
エリー『えー!? 何でここで終わるのー!! 二番目からが盛り上がるのにー!!』
翼『あ、いたいたー! 凍矢ー! 月ー! おーい!』
羽粋『あの子達、凍矢の友達?』
凍矢『あ、ああ。一応、ね…!』
こうして成り行き上翼と合流を果たした凍矢達は、一度中等部の校舎へと戻ってきた。
月『お前何しに来た?』
翼『開口一番がそれ!?』
月『お前は知らないだろうが、今こっちは厳重体制敷かれてる状態なんだよ。今回ばかりは友達って理由で近づいていい事にはならねぇ。さっさと帰れ』
翼『酷ーい、エリーと文化祭楽しむために来ただけなのに〜…』
エリー『そうよ。折角優勝目当てで参加したのに、鐘1つで終わるなんて…優勝すればあと一曲歌えたのに〜』
翼『うんうん。最後は盛り上がるように『太○曰く燃えよ○オス』か『恋は○沌の隷○』でも歌いたかったのにー』
凍矢&月『『お前はどさくさに紛れて何を召喚する気だ!?』』
エリー『あ、そう言えば紹介がまだでしたね。私は恵理香です、エリーって呼んでください。お兄さんたちは、あの喫茶店の人ですよね?』
凍矢『あ、ああ。バイトなんだ』
エリー『ふーん…? もしかして、お兄さん達も翼と同じ“オーヴァード”なんですか?』
凍矢『ぶふぉ!!?』
翼『エ、エリー!? ちょっとこっち来て!』(ガシッ、ズルズル…)
羽粋『おー…?』
翼『さ、最近読んだ【宇宙友愛協会】の小説で出た言葉なんだ! オタクの間で流行っているから気にしないでー!』
羽粋『え、えーと…?』
月『あいつらの事は気にするな。あいつらといたらお前もオタクって言うキモい奴の仲間入りになるからな。羽粋はそのままでいてくれ』
羽粋『そ、そう? 分かった…』
月(あいつがオタクキャラで良かった…)
凍矢(同感だ…)
翼『エリー、お願いだからボク以外にそう言う話しないで…』
エリー『でも、あの人達も翼の知り合いなんでしょ? 同じオー…人じゃないの?』
翼『前にも説明したよね? あの人達も同じだけど、取り締まってる側なんだ。下手に話したら、ボクとの記憶無くなっちゃうよ? いいの?』
エリー『そ、それは良くない!』
翼『うん。分かったら話さない事、いいね?』
月『…話は終わったか? ならそいつも連れてとっとと家に帰れ』
翼『月がいつも以上に陰湿だなぁ…何をそんなに警戒してるの?』
ムーン「ほぉう、それを聞くか――なら翼の腕掴んで、壁に叩きつける」
ツバサ「え!?」
ムーン「で、逃げられないよう顔の真横に手をつけてから耳元で囁くぞ」
オーヴァードやFH所属とは言え相手は少女。ある程度は手加減して壁に打ち付ける。
そうして怯んだ翼に、追い打ちをかける様に迫る月。
一見すると脅しをかけているように見えるが…月の口から放たれたのは脅迫の言葉ではなかった。
月『…友達のよしみとしての警告だ。危険な目に遭いたくなかったら早くそいつも連れて帰れ。何かあってからじゃおせーんだよ』
翼『月…――脅してるつもりだろうけど、やっているのは壁ドンだよ…?』
月『へ?』
翼の呟きに、周囲を見渡す。
羽粋とエリーは妙に目を輝かせているし、生徒だけでなく一般の方々も興味ありげにこちらを見てヒソヒソと話している。
羽粋(リズ)『凍矢、もしかして月とあの子付き合ってるの?』
エリー(レイア)『キャー! 壁ドンなんて初めて見たー!』
生徒(カイリ)『ちょっとー、誰かカメラー!』
生徒(テルス)『そこでキスして押し倒せー!』
生徒(シオン)『月くん、あんな幼い子が好みだったのね…!』
一般人(スピカ)『最近の中学生も恋愛が進んでいるのねー』
一般人(ラック)『TPOも弁えず堂々と…青春だね〜』
一般人(ラクシーヌ)『んまあ、奥様見ました?』
一般人(ゼクシオン)『あらあら、若いっていいわねぇ』
月『ご、誤解だぁぁぁーーーーーーーっ!!!!!』
GM「はい。キリが良いからここでシーンを終了しようか」
ムーン「ちょっと待て!? 最後色んな奴が混じって俺を冷やかしてたよな!?」
カイリ「こんな面白そうなイベントに混ざらなくて何時混ざるの!」
テルス「一般人で参加するのも悪くはないわね!」
ゼクシオン「いやー、NPCで参加も面白いものですねー」
ムーン「だー! この陰険策士がぁー!!」
ツバサ「一番の原因は誤解するような事を平然と行った月の所為だからね?」
リズ「ムーンってたまにああいう事普通にするからねー」
グラッセ「リズ、ブーメランって言葉を知っているか?」
■作者メッセージ
補足コーナー:【宇宙友愛協会】について
ダブルクロスの世界観に存在する組織の1つ。宇宙人やオカルトと言ったSFについて事について話し合ったり調べたりするオカルト団体のようなもの。
所属しているメンバーは主に集まって宇宙人やオカルトについて様々な妄想やフィクションを語る場である。一見すると関係ないように思えるが、彼らは『レネゲイド星人』と言う活動報告をネットに上げた。
内容は『十数年前、隕石に飛来してウイルス型生命体が地球にやってきた。その生命体は人間に憑りついて活動する。その宇宙人はレネゲイド星人と呼ばれるものだ』と言うもの。真実を知っているものからすれば遠からず当たっているようなもの。しかも、UGNやFHはある事件でキッカケは作ったものの全くこの組織に干渉していない。
とはいえ、あくまでも二次創作のオカルト方面で出しているので、出したとしても熱心なオカルトファン以外は信じておらず、レネゲイドによる真実にも今の所メンバーを含めて気づかれていない。
ちなみに『ユニバーサルガーディアン』にはこの組織用のエンブレムが載ってあります。
ダブルクロスの世界観に存在する組織の1つ。宇宙人やオカルトと言ったSFについて事について話し合ったり調べたりするオカルト団体のようなもの。
所属しているメンバーは主に集まって宇宙人やオカルトについて様々な妄想やフィクションを語る場である。一見すると関係ないように思えるが、彼らは『レネゲイド星人』と言う活動報告をネットに上げた。
内容は『十数年前、隕石に飛来してウイルス型生命体が地球にやってきた。その生命体は人間に憑りついて活動する。その宇宙人はレネゲイド星人と呼ばれるものだ』と言うもの。真実を知っているものからすれば遠からず当たっているようなもの。しかも、UGNやFHはある事件でキッカケは作ったものの全くこの組織に干渉していない。
とはいえ、あくまでも二次創作のオカルト方面で出しているので、出したとしても熱心なオカルトファン以外は信じておらず、レネゲイドによる真実にも今の所メンバーを含めて気づかれていない。
ちなみに『ユニバーサルガーディアン』にはこの組織用のエンブレムが載ってあります。