ミドルフェイズ8(後編)
第二ラウンド
GM「セットアップ。宣言は行動値のあるこちらがさせて貰う。《光の銃5》発動、攻撃力7の射撃武器を作り出すよ」
ムーン「ん? 何で新しい武器を作る必要があるんだ?」
GM「すぐに分かる。で、そちらの宣言は?」
グラッセ&ムーン&クウ「「「なしだ」」」
GM「OK。ではイニシアチブはエレクトロノイズだ。
マイナーで装備している『レールガン』を『光の銃』に変更する。次にメジャーで《コンセントレイト3:ブラックドック》《コントロールソート2》《アタックプログラム3》《天からの目3》《バリアクラッカー3》《MAXボルテージ3》だけ宣言する。
ダイスは14個、達成値16、攻撃力17、C値7、更にガード不能・装甲値無視の攻撃を翼に当てて“トドメを刺す”」
グラッセ「あれ? さっきの攻撃しないんですか?」
GM「それだが、実はもう翼の攻撃で回数分使ったから打ち止めとなった」
グラッセ「なるほど、さっきの俺の攻撃で一回分だったのか!」
ツバサ「そう言う事。だからボクも戦闘不能のままにしたんだよ」
グラッセ「よし、カバーリング出来るならする、このまま翼は死なせない!! 《炎陣2》発動でカバーリング! カバーリングならガードも有効だから《氷盾4》《氷雪の守護4》で更にガード!!」
《命中判定》
14D+16(C値7)→49
《ダメージ算出》
5D+17→35
1D→6
5D→20
35−29−6−20→0
『死にな、雷光!!』
先程より威力の低い銃で攻撃を仕掛けるエレクトロノイズ。瀕死となった翼の身体では、当たれば一撃で終わる。
そこを凍矢が割り込み、強化された氷の盾を作り出し――電撃の光線を無傷で耐えきった。
『ええっ!? 今までの報告では、この出力は防御しきれない筈じゃ…!!』
『確かに、前の俺ならそうだ。いつも肝心な所で防御不足になる』
防御の構えを解かず、凍矢は静かに呟く。
『だけど…“防御不足なら、補えばいい”。そう言ってテレーズさん俺に力をくれた』
罅の入った氷を解除しながら、見せつけるのは両手の指抜きグローブと人差し指に付けたシンプルな銀の指輪。
二つとも微弱ながらも、凍矢の守る力をより引き出す為に与えてくれた特別なアイテムだ。
グラッセ「ふはははは、無傷にしてやったぞー!! 浸蝕率114%!」
クウ「クライマックスでもそれを貫いてくれよ…俺の番だな。【戦闘用人格】も発揮したが…ひとつ、問題が」(目逸らし)
ムーン「何だよ、ここまで来て?」
クウ「俺のHPなんだが…もう1しか残ってない。おかげで《鮮血の一撃》のコストが支払えなくて《コンセントレイト》を組み合わせる攻撃が出来ない…」
グラッセ&ムーン&ツバサ「「「………あ、あああああ!!?」」」
クウ「つー訳で、一応何もせずに攻撃するが…月、お前の攻撃に任せる」
ムーン「何やってんだよ!! 回復しておけよお前ぇ!!」
クウ「《リザレクト》で回復してた結果がこれだ!!」
ムーン「ふざけんな! 俺だってもう浸蝕率がギリギリなんだよ!」
グラッセ「えーと…敵の行動はもう終わってるから、空さん、いや蒼空さんに待機して貰って次に俺が回復しようか? 回復する分の浸蝕率なら余裕があるし」
クウ「それが一番だな…俺は待機するわ」
グラッセ「では俺の番です。《癒しの水3》で蒼空さんを回復します、浸蝕率116%」
《回復》
3D+3→17
グラッセ「これで蒼空さんのHPは18になったな」
ムーン「俺の番だが、俺は待機しても意味ないからエフェクト使わず攻撃に移るぜ。ダイス18個、攻撃力12、達成値7だ」
《命中判定》
18D+7→31
ムーン「よし、回った!」
GM「うむむ…流石にこれは避けられないな。いいよ、来な」
《ダメージ算出》
4D+12→43
2D→9 43−9→34
GM「何でこういう時に限って殺意高めなんじゃーーーー!!?」
SM「貴様らのダイス運はどうなっておるのじゃ!?」
ムーン「よし、これで条件は達成されたな!」
GM「ああ…合計ダメージ100超えた所で戦闘終了だ」
月の拳がストレートに入り込み、小さな体が吹き飛ぶ。そのまま壁に叩きつけられ、手放した銃は光の粒子となって霧散する。
エレクトロノイズ『ぐっ…!』
月『終わりだ、エレクトロノイズ』
エレクトロノイズ『…いいよ、今日の所は引いてあげる。ボクの目的も見つけた以上、あんな女の手下になる必要もないしね』
空(あ? 何言ってるんだてめぇ?)
意味ありげな言葉を呟くエレクトロノイズ。思わず空が訊き返すが、相手は黙って指を鳴らす。
すると、周りのパソコンが一気に点滅したと思ったらそのまま機能を停止してしまった。
凍矢『何をした!?』
エレクトロノイズ『ボクを倒したご褒美だよ。通信ジャックも錯乱している非オーヴァードも解除してやったよ。空気中のレネゲイドもいずれは薄まって消えていく……ま、隔離したのはゼノの力だからあいつをどうにかしないといけないには変わりないけどね。君の大切な大切な幼馴染、あの女が狙ってるからね』
凍矢『ゼノが…!』
エレクトロノイズ『そうだ。最後に一つだけ、良い事教えてあげるよ』
月『良い事?』
エレクトロノイズ『――あんた達の中に“裏切り者(ダブルクロス)”がいる』
思いがけない言葉に、三人の表情が固まる。その隙をついて、エレクトロノイズはその場で《瞬間退場》を発動して姿を消した。
月『逃げたか…!』
蒼空『裏切り者、か…』
翼『………う、うう』
月『大丈夫か、翼』
翼『うん、どうにかね…!』
蒼空『とりあえず、一般人の暴走の解除は出来た。《ワーディング》もいずれは効くはずだ。一旦戻るか』
翼『………』
凍矢『翼?』
ツバサ「ど、どうしよう…!!」
ムーン「何が?」
ツバサ「いや。浸蝕率もマズいから、このミドル戦闘が終わったらRハンドアウト出そうと思ったけど、これ出しにくいよ…!」
SM「出せないのかー、それは困るのー」(優悦の笑み)
ツバサ「絶対分かっててあんな台詞吐いたでしょ!」
クウ「お前のRハンドアウト、必要な事か?」
ツバサ「うん、凄く必要」
クウ「…俺が助け舟出すが、正直無理だったらすまん」
ツバサ「いいよ、やれるだけやってみて」
空(にしても、俺達の中に裏切り者がいるだぁ? ハッタリもいい所だぜ)
蒼空『そうだな…俺から作られた星華だって《蘇った》なんて嘘吐いたし、一般人を暴走させたのも元はと言えばあいつらが仕組んでたしな』
月『分かってるよ、それくらい。あんな撹乱に騙される俺達じゃない』
凍矢『ああ。俺は皆を信じてますから』
翼『………』
ツバサ「う〜ん…ごめん、RPして貰ったのに言うのもなんだけど、やっぱりちょっと無理があるかな…。情報収集もあるだろうから、次のシーンで出すよ」
クウ「悪いな」
GM「では戦闘も終了した事だし、次のシーンに移ろうか」
■作者メッセージ
補足コーナー:死亡について
HPが0になると戦闘不能状態となる。そのキャラクターに対して攻撃する際、メジャーアクションを使って「とどめを刺す」と宣言する事が出来る。
その宣言と同時に、何らかの方法で1点でもそのキャラにダメージを与えたら死亡となり、アフタープレイでジャーム化したキャラ同様にそのキャラシートは使えなくなる。
このダブルクロスのルールでは戦闘不能となっても死んだ事にはならず、とどめを刺されて死亡となった場合にPCキャラは除外される。
…逆に言えば、戦闘不能になったとしても「とどめを刺す」宣言をしない状態の攻撃を喰らわなければ生き残る事が出来たりする。
HPが0になると戦闘不能状態となる。そのキャラクターに対して攻撃する際、メジャーアクションを使って「とどめを刺す」と宣言する事が出来る。
その宣言と同時に、何らかの方法で1点でもそのキャラにダメージを与えたら死亡となり、アフタープレイでジャーム化したキャラ同様にそのキャラシートは使えなくなる。
このダブルクロスのルールでは戦闘不能となっても死んだ事にはならず、とどめを刺されて死亡となった場合にPCキャラは除外される。
…逆に言えば、戦闘不能になったとしても「とどめを刺す」宣言をしない状態の攻撃を喰らわなければ生き残る事が出来たりする。