エンディングフェイズ2
エンディングフェイズ2〈勝利の代償〉
シーンプレイヤー 闇代月
結界も完全に解け、外に待機していたUGNスタッフが続々と学園に入ってきた。
今や校庭では屋台の代わりに沢山の医療テントが接地され、体育館内では保護した人の記憶操作が行われている。校舎はUGNスタッフが戦闘を起こして壊れた建物の修繕をして駆け回っている。
そんな後始末を見て回る、凍矢と月。そんな二人に、前方からネクとヨシュアがやってきた。
「凍矢くん、月くん、お疲れ」
「ヨシュア、ネク。ああ、どうにかな」
月も言葉を返すと、ネクが訊く。
「もしかしてお前ら、手伝いに来てくれたのか?」
「ああ。これだけUGNのスタッフが働いているんだ。流石にじっとしてられなくて」
「ああ。俺も回復は使えるから手伝うよ」
そんな二人の申し出に対し、ヨシュアとネクは首を横に振った。
「ううん。君達は休んでていいよ、一番大変だったのは君達なんだから」
「ヨシュアの言う通りだ。後の事は俺達でやっておく。お前らの戦いに参加出来なかったんだ、これぐらいさせてくれ」
「…なら、お言葉に甘えるとするよ。サンキュ、二人とも」
自分達の事を思って休ませようとしてくれる二人に、月も優しさを受け入れてお礼を言う。
そうして二人と別れ、さてどこに行こうと凍矢と共に医療テントを見回っていると、一人の女性が困ったように辺りを見回していた。
「あなたは?」
「えーと、あなたはUGNの人? 救護班のテントって、どこにあるか知らない? 私の娘…羽粋がそこにいるの」
「娘!? あ、まさかあんた、羽粋の母親!?」
「その声…! もしかして、六介に連絡を繋いでくれた子! あの時はありがとう!」
「あ、いえ…」
「それに、凍矢くんだよね。久しぶり、こんなに大きくなったのね」
「あ、はい…お久しぶりです」
まさかの羽粋の母親――波音の登場に、月だけでなく凍矢も恐縮してしまう。
それでも、彼女を羽粋がいる医療テントへと連れていく。テントの中に入ると、入り口の近くに六介がいた。
一瞬だけ、凍矢と月を鋭く睨む。が、その後ろに波音が立っているのを見て、目の色を変えて駆け寄った。
「波音!」
「あなた!」
愛する者同士の再会に、二人は抱き合う。
凍矢と月は邪魔をしないよう、そっとテントを出ていく。それでも二人の事が気になるので、入り口近くで立ち聞きする。
「良かった…無事で…!」
「うん、ごめんね…! ゼノスの人が助けてくれただけじゃなく、ここまで送ってくれたの…!」
「ゼノス…」
「…翼の野郎…!」
波音の口から出た単語に、二人は思わず反応してしまう。
空や波音を助けて、密かに自分達に有利になるよう手助けしてくれた。だが、それはダークカオスも狙っていた闇と光を奪う為だったのだろう。
翼もまた、所属しているFHだけでなく自分達を騙してきたのだろう。全ては、ゼノスの為に。
「それで、羽粋は?」
「あの子は無事だ。ただ…」
ここで、六介は言い淀む。
「今回の事件で“光”って遺産の影響力が強くて、オーヴァードに覚醒したそうだ。これから先は、普通の日常を過ごす事は簡単に出来ないだろう…」
「そんな…!」
「今はあっちで軽い説明を受けている最中だ。だが、こんな恐ろしい事件に巻き込まれた上に、いきなり裏側を説明しないといけないんだ…」
「羽粋はまだ14歳と幼いのに…!」
よほどショックだったのか、波音の鳴き声が聞こえて来る。
二人もまた、羽粋に起きてしまった身体の異変に悔しい思いを募らせていた。
「…俺達は、あいつの事を守れなかったんだな…!」
「ごめん、月…」
命は助かっても、日常までは守れなかった。
これから羽粋は、自分達と同じ裏側の世界を生きなければならない。今でこそ二人はこうして任務と通常の生活を両立させているが、最初から出来た訳ではない。
これからの未来に二人して黙り込んでしまう。
「凍矢!!」
その時、誰かに呼ばれる。
振り返ると、そこには血相を変えて走ってくる凍矢の両親――海命天と海命海里がいた。
「父さん!? 母さん!? どうしてここに!?」
今では離れて暮らしている両親との再会に凍矢が驚いていると、海里はお構いなしに抱き着いた。
「誰かよく分からないけど、ここまで送ってくれたの!! それより大丈夫!? この学園が外国のテロに巻き込まれたんでしょ!?」
「いやー! 二泊三日の高級ホテルのチケットが当たって海里と泊っていたら、警察が来て凍矢が事件に巻き込まれたって!! まるで映画のような出来事だったぞ!!」
どうやら何らかの記憶操作がされているようで、旅行に行っていた所で凍矢が事件に巻き込まれて駆けつけた。と言う事になっているらしい。
騒がしい形での両親の再会に、凍矢は困りつつも笑顔を浮かべていた。
「二人とも、相変わらずなんだから…」
守れなかったものは、確かにある。けれど、それだけが全てではない。
今は、休もう。それからどうするかを決めればいい。
時間は、まだあるのだから。
エンディングフェイズ3〈絆は思い出に〉
シーンプレイヤー 七雲空
「…はぁ」
学園中で沢山のUGNが仕事をしている。空は溜息をつきながら、隠れ場所を探して彷徨っていた。
この事件を解決した貢献者だが、自分はFH。見つかってしまえばどうなるか分かったものではない。
出来るだけ校庭にいる人達に見つからないよう移動し、修繕作業しているUGNを避け、辿り着いたのは準備室。被害にあってないそこに隠れようと扉を開けると、そこには先客がいた。
「お前も来たか」
「陸。何でここにいんだよ?」
「一応、監視付きで行動を制限されているからな。今は霧谷の特例があっても、余計な混乱を招かないように隠れているのさ。で、そっちは?」
「似たような理由だ。やっと宿主から支配権を交換した時には、UGNは学園内で救援作業していた。狩谷達はとっくに退散していなくて、俺は逃げ出すタイミング逃した」
「そうか」
お互い似た者同士で、とりあえず隠れる為に適当に床に座る。
外はまだ騒がしく、事件の収拾はもうしばらくかかるだろう。何も言わず黙って時間が過ぎるのを待っていたが、ふいに陸が口を開く。
「…翼の事だが、お前は知っていたか?」
「知る訳ないだろ。まさか、あいつがゼノスのスパイだって思わなかった」
「そうだな。闇だけでなく、光もゼノスの手中に収まってしまった。ゼノスの目的はレネゲイドに関する事以外は全く持って不明だ、正直何をしでかすか分からない」
「取り戻そうにも、あいつが何処にいるか分からないしな…」
「まさに、ゼノスの掌で踊らされていたと言うべきだな…」
「だな…」
(…俺はそう思わない)
二人して結論告げていると、蒼空から反論が上がった。
「あ? 見事に裏切られただろ?」
(翼はあの時、何も言わなかった。肯定も、否定もしていない。きっと心の何処かで迷っている筈だ。なら、連れ戻せる)
最後に振り返った時の翼は、何かを押し殺しているようにも見えた。
ゼノスのスパイだったのは本当だし、闇と光を狙っていたのも本当だろう。だけど、何もかもが嘘ではない筈だ。
蒼空は可能性に賭けるが、空は逆に希望を切り捨てる。
「あのな宿主。お前お人よしにも程があるぞ。仮に、連れ戻してどうするんだよ? FHに引き込むのかよ?」
(それは…)
「結局考えなしじゃねーか。あいつは敵だ、認めろよ宿主。どんなに縋っても、絆ってのは相手の意志次第で簡単に切れるもんだ」
(でも…俺は…!)
「…待て。誰か近づいてくるぞ」
「なに?」
陸の言葉に、空は扉の方を見る。すると、遠くからバタバタと走ってくる足音が響く。
学園の関係者か、UGNか。身を潜ませつつ、いざという時には気絶させようと身構える。
やがて足音は準備室のすぐ傍で止まり、
「――やっと見つけたー!」
そんな声と共に扉が開かれ、ゼノと一緒に戦った女子高生――響が中に入ってきた。
「お前…」
「もう、急にいなくなって心配したんだから!」
気絶させるために身構えていた空は呆気にとられる。だが、響はお構いなしにズカズカと二人に迫る。
まるで相手の事を知っていて気遣うような近い関係。この雰囲気を作る彼女に、陸も戸惑いを浮かべてしまう。
「君とは、初対面だと思うんだが…?」
「うん。初対面だよ…でもね、繋ぎたいって思ったんだ」
そう言って響は、陸と空の手をそれぞれの手で握る。
突然手を取り合う行動に困惑の表情を響を見ると、彼女は穏やかな笑顔を浮かべて握った手を見つめていた。
「あたしのこの拳は、誰かを傷つけるだけ。それでも――こうやって繋ぐ事が出来る。冷たい鎖なんかじゃない、温もりのある手で」
二人と出会ったのは今日が初めてだ。
けれど、どうしてか心はそう感じない。
『初めまして』――ではなく、『また会えた』。そう感じたのだ。
だから。
「“今度は”絶対に、放さないんだからっ!」
満面の笑顔で宣言し、二人を引っ張る。
そんな響に引っ張られながら、意識の内側で蒼空はどこか満足気だった。
響がこうする理由も、本当に初対面なのかはどうでも良い。今はただ、こうして手を取り合っていたい。
そう考えていると、もう片方の空いた手に一つの温もりを感じた気がした。
(忘れないよ…想いは消えたとしても、記憶は忘れやしない。そうだろ、星華)
心の中で呟くと、記憶の中の星華が笑った――気がした。
エンディングフェイズ4〈放物線が描く運命〉
シーンプレイヤー 御坂翼
凍矢達の元を去ってから、丸一日が経った。
翼はプランナー直々に呼び出された。場所はいつものカフェテリアではなく、志武谷の路地裏だ。
夕暮れの中、翼は路地裏で待っていた都築京香に光を手渡す。だが、その表情は何処か暗い。
「ご苦労様です、翼さん」
「うん…」
「元気がありませんね。そんなに嫌でしたか、彼らを裏切った事が」
「…そんな事、ないよ」
「そうですか。それならいいです」
翼の答えに、都築京香はコクリと頷く。
そのまま翼に向かって、手を差し伸べる。
「あなたの任務も今回で終了です。人間観察も十分ですし、FHに存在がバレてしまいましたからね。さあ、我々の所に戻りましょう」
「うん…」
そう。翼はもうこの町にはいられない。
FHを裏切り、UGNを裏切り、友人を、仲間を裏切った。
未練はない訳じゃない。けれど、もう自分は元の場所に帰るしかない。
だから、翼は伸ばされた手を握る為に腕を伸ばした。
「――勝手に連れて帰らないでくれないかな?」
あと少しで都築京香の手を掴む所で、横やりが入る。
声のした方へ振り向くと、そこには黒コートの子供――エレクトロノイズがいた。
「あんたは…!」
「…やはり来ましたか」
「ふーん、予想していたんだ?」
「ええ。このまま終わるとは思っていませんでしたから」
「プランナー? あいつ、知ってるの?」
「こういう事さ」
徐にフードに手をかけて脱ぐ。
そうして露わになったのは――翼と瓜二つの顔だった。
「ボクと、同じ顔…!?」
敵が見せた正体に、信じられないと驚愕を露わにする翼。
一方、エレクトロノイズは翼の顔で歪んだ笑いを浮かべて、宣告する。
「どういう事か知りたいなら、教えてあげるよ――《もう一人のボク》」
シーンプレイヤー 闇代月
結界も完全に解け、外に待機していたUGNスタッフが続々と学園に入ってきた。
今や校庭では屋台の代わりに沢山の医療テントが接地され、体育館内では保護した人の記憶操作が行われている。校舎はUGNスタッフが戦闘を起こして壊れた建物の修繕をして駆け回っている。
そんな後始末を見て回る、凍矢と月。そんな二人に、前方からネクとヨシュアがやってきた。
「凍矢くん、月くん、お疲れ」
「ヨシュア、ネク。ああ、どうにかな」
月も言葉を返すと、ネクが訊く。
「もしかしてお前ら、手伝いに来てくれたのか?」
「ああ。これだけUGNのスタッフが働いているんだ。流石にじっとしてられなくて」
「ああ。俺も回復は使えるから手伝うよ」
そんな二人の申し出に対し、ヨシュアとネクは首を横に振った。
「ううん。君達は休んでていいよ、一番大変だったのは君達なんだから」
「ヨシュアの言う通りだ。後の事は俺達でやっておく。お前らの戦いに参加出来なかったんだ、これぐらいさせてくれ」
「…なら、お言葉に甘えるとするよ。サンキュ、二人とも」
自分達の事を思って休ませようとしてくれる二人に、月も優しさを受け入れてお礼を言う。
そうして二人と別れ、さてどこに行こうと凍矢と共に医療テントを見回っていると、一人の女性が困ったように辺りを見回していた。
「あなたは?」
「えーと、あなたはUGNの人? 救護班のテントって、どこにあるか知らない? 私の娘…羽粋がそこにいるの」
「娘!? あ、まさかあんた、羽粋の母親!?」
「その声…! もしかして、六介に連絡を繋いでくれた子! あの時はありがとう!」
「あ、いえ…」
「それに、凍矢くんだよね。久しぶり、こんなに大きくなったのね」
「あ、はい…お久しぶりです」
まさかの羽粋の母親――波音の登場に、月だけでなく凍矢も恐縮してしまう。
それでも、彼女を羽粋がいる医療テントへと連れていく。テントの中に入ると、入り口の近くに六介がいた。
一瞬だけ、凍矢と月を鋭く睨む。が、その後ろに波音が立っているのを見て、目の色を変えて駆け寄った。
「波音!」
「あなた!」
愛する者同士の再会に、二人は抱き合う。
凍矢と月は邪魔をしないよう、そっとテントを出ていく。それでも二人の事が気になるので、入り口近くで立ち聞きする。
「良かった…無事で…!」
「うん、ごめんね…! ゼノスの人が助けてくれただけじゃなく、ここまで送ってくれたの…!」
「ゼノス…」
「…翼の野郎…!」
波音の口から出た単語に、二人は思わず反応してしまう。
空や波音を助けて、密かに自分達に有利になるよう手助けしてくれた。だが、それはダークカオスも狙っていた闇と光を奪う為だったのだろう。
翼もまた、所属しているFHだけでなく自分達を騙してきたのだろう。全ては、ゼノスの為に。
「それで、羽粋は?」
「あの子は無事だ。ただ…」
ここで、六介は言い淀む。
「今回の事件で“光”って遺産の影響力が強くて、オーヴァードに覚醒したそうだ。これから先は、普通の日常を過ごす事は簡単に出来ないだろう…」
「そんな…!」
「今はあっちで軽い説明を受けている最中だ。だが、こんな恐ろしい事件に巻き込まれた上に、いきなり裏側を説明しないといけないんだ…」
「羽粋はまだ14歳と幼いのに…!」
よほどショックだったのか、波音の鳴き声が聞こえて来る。
二人もまた、羽粋に起きてしまった身体の異変に悔しい思いを募らせていた。
「…俺達は、あいつの事を守れなかったんだな…!」
「ごめん、月…」
命は助かっても、日常までは守れなかった。
これから羽粋は、自分達と同じ裏側の世界を生きなければならない。今でこそ二人はこうして任務と通常の生活を両立させているが、最初から出来た訳ではない。
これからの未来に二人して黙り込んでしまう。
「凍矢!!」
その時、誰かに呼ばれる。
振り返ると、そこには血相を変えて走ってくる凍矢の両親――海命天と海命海里がいた。
「父さん!? 母さん!? どうしてここに!?」
今では離れて暮らしている両親との再会に凍矢が驚いていると、海里はお構いなしに抱き着いた。
「誰かよく分からないけど、ここまで送ってくれたの!! それより大丈夫!? この学園が外国のテロに巻き込まれたんでしょ!?」
「いやー! 二泊三日の高級ホテルのチケットが当たって海里と泊っていたら、警察が来て凍矢が事件に巻き込まれたって!! まるで映画のような出来事だったぞ!!」
どうやら何らかの記憶操作がされているようで、旅行に行っていた所で凍矢が事件に巻き込まれて駆けつけた。と言う事になっているらしい。
騒がしい形での両親の再会に、凍矢は困りつつも笑顔を浮かべていた。
「二人とも、相変わらずなんだから…」
守れなかったものは、確かにある。けれど、それだけが全てではない。
今は、休もう。それからどうするかを決めればいい。
時間は、まだあるのだから。
エンディングフェイズ3〈絆は思い出に〉
シーンプレイヤー 七雲空
「…はぁ」
学園中で沢山のUGNが仕事をしている。空は溜息をつきながら、隠れ場所を探して彷徨っていた。
この事件を解決した貢献者だが、自分はFH。見つかってしまえばどうなるか分かったものではない。
出来るだけ校庭にいる人達に見つからないよう移動し、修繕作業しているUGNを避け、辿り着いたのは準備室。被害にあってないそこに隠れようと扉を開けると、そこには先客がいた。
「お前も来たか」
「陸。何でここにいんだよ?」
「一応、監視付きで行動を制限されているからな。今は霧谷の特例があっても、余計な混乱を招かないように隠れているのさ。で、そっちは?」
「似たような理由だ。やっと宿主から支配権を交換した時には、UGNは学園内で救援作業していた。狩谷達はとっくに退散していなくて、俺は逃げ出すタイミング逃した」
「そうか」
お互い似た者同士で、とりあえず隠れる為に適当に床に座る。
外はまだ騒がしく、事件の収拾はもうしばらくかかるだろう。何も言わず黙って時間が過ぎるのを待っていたが、ふいに陸が口を開く。
「…翼の事だが、お前は知っていたか?」
「知る訳ないだろ。まさか、あいつがゼノスのスパイだって思わなかった」
「そうだな。闇だけでなく、光もゼノスの手中に収まってしまった。ゼノスの目的はレネゲイドに関する事以外は全く持って不明だ、正直何をしでかすか分からない」
「取り戻そうにも、あいつが何処にいるか分からないしな…」
「まさに、ゼノスの掌で踊らされていたと言うべきだな…」
「だな…」
(…俺はそう思わない)
二人して結論告げていると、蒼空から反論が上がった。
「あ? 見事に裏切られただろ?」
(翼はあの時、何も言わなかった。肯定も、否定もしていない。きっと心の何処かで迷っている筈だ。なら、連れ戻せる)
最後に振り返った時の翼は、何かを押し殺しているようにも見えた。
ゼノスのスパイだったのは本当だし、闇と光を狙っていたのも本当だろう。だけど、何もかもが嘘ではない筈だ。
蒼空は可能性に賭けるが、空は逆に希望を切り捨てる。
「あのな宿主。お前お人よしにも程があるぞ。仮に、連れ戻してどうするんだよ? FHに引き込むのかよ?」
(それは…)
「結局考えなしじゃねーか。あいつは敵だ、認めろよ宿主。どんなに縋っても、絆ってのは相手の意志次第で簡単に切れるもんだ」
(でも…俺は…!)
「…待て。誰か近づいてくるぞ」
「なに?」
陸の言葉に、空は扉の方を見る。すると、遠くからバタバタと走ってくる足音が響く。
学園の関係者か、UGNか。身を潜ませつつ、いざという時には気絶させようと身構える。
やがて足音は準備室のすぐ傍で止まり、
「――やっと見つけたー!」
そんな声と共に扉が開かれ、ゼノと一緒に戦った女子高生――響が中に入ってきた。
「お前…」
「もう、急にいなくなって心配したんだから!」
気絶させるために身構えていた空は呆気にとられる。だが、響はお構いなしにズカズカと二人に迫る。
まるで相手の事を知っていて気遣うような近い関係。この雰囲気を作る彼女に、陸も戸惑いを浮かべてしまう。
「君とは、初対面だと思うんだが…?」
「うん。初対面だよ…でもね、繋ぎたいって思ったんだ」
そう言って響は、陸と空の手をそれぞれの手で握る。
突然手を取り合う行動に困惑の表情を響を見ると、彼女は穏やかな笑顔を浮かべて握った手を見つめていた。
「あたしのこの拳は、誰かを傷つけるだけ。それでも――こうやって繋ぐ事が出来る。冷たい鎖なんかじゃない、温もりのある手で」
二人と出会ったのは今日が初めてだ。
けれど、どうしてか心はそう感じない。
『初めまして』――ではなく、『また会えた』。そう感じたのだ。
だから。
「“今度は”絶対に、放さないんだからっ!」
満面の笑顔で宣言し、二人を引っ張る。
そんな響に引っ張られながら、意識の内側で蒼空はどこか満足気だった。
響がこうする理由も、本当に初対面なのかはどうでも良い。今はただ、こうして手を取り合っていたい。
そう考えていると、もう片方の空いた手に一つの温もりを感じた気がした。
(忘れないよ…想いは消えたとしても、記憶は忘れやしない。そうだろ、星華)
心の中で呟くと、記憶の中の星華が笑った――気がした。
エンディングフェイズ4〈放物線が描く運命〉
シーンプレイヤー 御坂翼
凍矢達の元を去ってから、丸一日が経った。
翼はプランナー直々に呼び出された。場所はいつものカフェテリアではなく、志武谷の路地裏だ。
夕暮れの中、翼は路地裏で待っていた都築京香に光を手渡す。だが、その表情は何処か暗い。
「ご苦労様です、翼さん」
「うん…」
「元気がありませんね。そんなに嫌でしたか、彼らを裏切った事が」
「…そんな事、ないよ」
「そうですか。それならいいです」
翼の答えに、都築京香はコクリと頷く。
そのまま翼に向かって、手を差し伸べる。
「あなたの任務も今回で終了です。人間観察も十分ですし、FHに存在がバレてしまいましたからね。さあ、我々の所に戻りましょう」
「うん…」
そう。翼はもうこの町にはいられない。
FHを裏切り、UGNを裏切り、友人を、仲間を裏切った。
未練はない訳じゃない。けれど、もう自分は元の場所に帰るしかない。
だから、翼は伸ばされた手を握る為に腕を伸ばした。
「――勝手に連れて帰らないでくれないかな?」
あと少しで都築京香の手を掴む所で、横やりが入る。
声のした方へ振り向くと、そこには黒コートの子供――エレクトロノイズがいた。
「あんたは…!」
「…やはり来ましたか」
「ふーん、予想していたんだ?」
「ええ。このまま終わるとは思っていませんでしたから」
「プランナー? あいつ、知ってるの?」
「こういう事さ」
徐にフードに手をかけて脱ぐ。
そうして露わになったのは――翼と瓜二つの顔だった。
「ボクと、同じ顔…!?」
敵が見せた正体に、信じられないと驚愕を露わにする翼。
一方、エレクトロノイズは翼の顔で歪んだ笑いを浮かべて、宣告する。
「どういう事か知りたいなら、教えてあげるよ――《もう一人のボク》」
■作者メッセージ
ツバサ:なんかラストでそっくりさんキター!! 最後の最後でこれー!?
クウ:まあ、フラグはそこそこ経ってたけどな。
GM:…これにて、今回のセッションは終了だ。みんな、お疲れ様…。
グラッセ:俺、今すぐトワイライトタウンの時計台から落ちる。(スクッ)
リズ:ちょ!何つう事しようとしてんだ!!!?
グラッセ:死にたい、今すぐ貴方の娘を傷付けた俺を殺してくださいロクサスさん。(真顔)
ロクサス:いや、幾ら俺でも子供相手に殺人は起こさないからな!?ましてや君はリズの親友だろう!!?
グラッセ:いいえ、俺は生きている価値の無いうぬぼれ男です。(真顔)
ロクサス:しっかりしろグラッセぇ!!!
SM:あやつ、妾との対応と差があり過ぎんか…?
ウラノス:そりゃお前の普段の行いの結果だろ、俺も性悪相手に優しくはできねぇ。
SM:上等よ、表出なさい!!!!
ツバサ:カ、カオスだ…! いや確かにエンディングは少し後味悪い感じだったけど…!
GM:てか、ここまで荒れたのゼノの所為だよ…本当に大変だったぁ。
クウ:…お疲れ様だ、GM。
GM:ありがとう…改変して良かったよぉ…!
ツバサ:ちなみに、改変してない場合はどうなってたの?
GM:学園はバイオハザードと化して、実験動物はもちろん死人は続々と出ていた。(真顔)
クウ:お前なんてシナリオぶつけようとしたんだぁぁぁ!! 殺意高めのクトゥルフシナリオさせる気だったのかよ!!!
ムーン:本当に感謝してもしきれなかったって訳かよ…。
ツバサ:GM本当にお疲れ。もう休んでていいよ…。
GM:そうする…お休み…(zzz…)
SM:なんじゃ、反省会もあるのにもう寝おって。
クウ:お前の所為だよ!
ムーン:取りあえず俺は労いの料理を作るべきか?好きな物を教えろ、何でも作ってやる。(エプロン装備)
リズ:出たよ、主夫…。
ムーンま、今からゼノの処刑に入るだろうし俺は料理してくるわ。リズ手伝ってくれー。(退散)
リズ:えー…面倒、じゃないです、やるからおたま構えないで。(退散)
クウ&ツバサ:…………処刑?
ロクサス:さーて、ゼノ、覚悟は で き て い る な?
SM:!!?(真っ青)
ロクサス:よくも俺たち一家を弄んでくれたな?てめぇだけは子供だろうが殺す、跡形もなく消す。(拳ボキボキ)
グラッセ:ぜ、全員退散っ!!じゃないとゼノみたいに酷い目あうぞ!!?
ツバサ:弄ぶって言っても、仮想だよね?(ヒソヒソ)
クウ:馬鹿言うな、リズのキャラに噛みついて血を吸った時のロクサス忘れたか!(ヒソヒソ&滝汗)
ロクサス:そこ聞こえてるから?後でお前ら2人もしめる。
クウ&ツバサ:ひいぃ!!?
ナミネ:これに関しては私も止める気ないので頑張ってね〜。(退散)
ツバサ:何で!? ボク何にもしてないよ!! したのはむしろ蒼空さんだよぉ!! 羽粋とのフラグ立てたよ!?
クウ:てめえ、師匠を見捨てる気かぁ!?
ナミネ:あら、あなたはあなたでみんなを裏切ったでしょ? 夫に隠れているけど私も結構親バカなのよ?娘を苦しめる奴は皆倒しちゃうわよ?^^
ロクサス:さあ…全 員 地 獄 を 味 わ え!!!
クウ&ツバサ&SM:う…うああああああああああああぁぁぁ!!?
GM:Zzz…(爆睡)
グラッセ:死なせてくれぇぇ!!! 俺にはヒロイン救えないんだぁぁ!!!(総出で抑えている)
ムーン:それじゃ、後は頼むぜー。ほら来いリズ!
リズ:はぁ〜い…。
シャオ:…え、なにこれ!? 卓囲んでいたメンバー全員話すどころじゃないんだけど!? このまま反省会なしで終わるの!?
【全員いなくなったので、代理を呼びました】(作者カンペ)
シャオ:代理?
冷牙:どうも。「小説家になろう」サイトで、作者・月天下の旅人が掲載するリプレイ作品『breakableArcadia』にて、PC3で登場した祐嗣狭間こと、風切冷牙です。
シャオ:ウィドさん!?
冷牙:ウィドではない。今の私は冷牙と呼べ。
シャオ:いやいやいや!! 何今更キャラ作ってるの!?
聖也:同じく、リプレイ作品『On the boundary line』にてPC1として登場する木龍聖也だ。
シャオ:あんた誰!?
紅羽:ピクシブにて公開中のRWステージのリプレイ作品『真実の翼』。PC2で登場した七雲紅羽よ。宣伝と一緒にバカ兄貴の代理で来たわ。
シャオ:兄貴!? それより『七雲』って、まさか師匠の妹キャラ!?
冷牙:と言う訳で、リプレイの宣伝も兼ねてこの三人で反省会を行います。あ、シャオ。貴方の出番もうないのでここでお別れです。さようならー。
シャオ:なにその軽いノリ! いきなり新キャラ二人現れて、逆に不安なんだけど!?
聖也:その辺は問題ない。俺はノイマンだからな。
紅羽:あと、直々に解説等のメモも持ってるわよ。ボケが出たとしても、あたしがツッコミ決めるから。寧ろ決められるから。
冷牙:そう言う事なので、さっさと始めてしまいましょう。
シャオ:(ちょっとほんとにボクの出番これで終わりー!?)(*終わりです)
冷牙:まずは、このシナリオ内における間違いです。例の例によって発生してしまいました。解説は聖也にお願いしましょう。
聖也:間違いが起こったのは戦闘での処理だ。クライマックスで蒼空は戦闘用人格分で追加された攻撃力を途中で付け忘れ、第3ラウンドでの凍矢の判定も支援分…C値やダイス数を加えるのを忘れていた。
また、クライマックス後半辺りで160%超えていたにも関わらず、凍矢のエフェクトレベルを上げていなかった。
更に、ミドル戦闘中に蒼空は余分に浸蝕率を4%上げていた事が発覚した。帰っては来たが、最終的な浸蝕率は86%と言う事になる。
これで、以上だな。
紅羽:意外と少なかったわね?
冷牙:本当はあちこちで起こっていたんですが、気づいてから矛盾が起きない程度に直したそうです。なので、今確認出来る間違いはこれだけだそうです。
紅羽:なるほどね。それにしても、さすがノイマン。律儀で正確ね。
聖也:ああ。よく言われるよ。
冷牙:次は、シナリオの解説です。
このシナリオは、学生が主役なので学園祭を舞台にしています。そんな非日常をぶち壊すと言うコンセプトで作られています。
その上で、PC全員にRハンドアウト――“秘密”を渡してあります。主役である凍矢以外には、真実に近づく為や、自分のメリットに必要な情報を渡してありますが、凍矢だけはトラップとして渡していました。作者的には、本編では最初に秘密を仲間にしか打ち明けていないし、リラ様の野生の勘はCoCでも十分すぎる程発揮しているので引っかからないだろう……そう思っていたんですが、聞いて見たらまさかの展開で、バッドルートの分岐点に進む事となりました。
紅羽:ちょっと待ちなさい。もう一人の作者の野生の勘って…。
冷牙:聞いた話では、危険なトラップがある所は踏み込もうとしない。ここぞと言う時に回避するダイス運が凄い。戦闘向きの探索者じゃないのに、クリ1出す。と言う生き残った伝説が数々ありまして…。
紅羽:凄いわね、あっちの作者!? どうなってるのよ!?
冷牙:ちなみに、トラップに引っかからなかった場合。羽粋がゼノに攫われる展開は一緒ですが、マスターシーンで攫うのでロイスはタイタスにはなりません。判定も甘かったですし、エンディングではオーヴァードに覚醒せず一般人のまま。六介に拒絶される事もありませんでした。
紅羽:……凍矢が憐れに思えてきたわ。
冷牙:さて。今回様々なダブルクロスキャラも登場させました。次回は翼が主役なので、このシナリオで伏線を作りつつ、ゼノスと言う組織にどんな人物がいるかを紹介したかったからです。あと、アッシュは個人的に出したかったそうです。
聖也:アッシュは今回見てくれたら分かるかと思うが、UGNの方針に関して強引な所があるし、裏であくどい事をしているのも否めない。だが、決して敵役でなく悪役である事を分かって欲しい。
紅羽:UGNも1枚岩ではない。FHも全部が悪ではない。ゼノスは敵とも味方ともつかない存在…このシナリオでそれが伝わってくれるとありがたいわ。
冷牙:次に、ボスステータスについてもお話しします。これは、聖也にお願いしましょう。
聖也:ああ。まずは、大ボスであるゼノだな。彼女は従者使い&バステ使いと言う構成でビルドを組んだそうだ。とにかく部下を使い捨てる、じわじわと痛めつける加虐。この二つを再現したかったそうだ。Dロイスも従者使いにとって役に立つ『黄昏の支配者』を選びました。従者は本来行動済みで登場させますが、セットアップで一体だけ未行動で登場する。これは中々脅威ですからね。
なので、従者はゼノのサポートしつつ範囲とシーン攻撃である爆発攻撃。通常の攻撃はこれでもかとバステを乗せての弱体化。バステでの処理が大変だったそうだが、中々緊迫あるバトルに出来たかとは思う。
紅羽:まあ、それをPCキャラで構成したら確実にジャーム化なるけどね。従者って便利だけど、エフェクト使って上がる浸蝕率は作成者が肩代わりするようなものだから…。
聖也:そうだな。ゼノが扱った従者は専用強化エフェクトであそこまで強かったが、それに使う経験点が本当に多かった。様々な面で余裕を持たない限りは、ビルド構成は見送った方がいいだろう。
次は星華だが、説明があったように《エフェクトアーカイブ》にてエンハイ白兵は隠密状態にならないと繰り出せない構成になってしまったんだ。それで仕方なく、『エンドライン』からエフェクトを持ってきたり一部新規で取ったりしたそうだ。これはこれで『エンドライン』編と繋がっていると言う形に出来たため、怪我の功名になったそうだ。
紅羽:『エンドライン』の話と繋がるって事は…『レネゲイドウォー』も繋がったりしないわよね…?
聖也:さあな。そこまでは俺も分からない。
最後は羽粋だ。彼女は最初、エンジェルハイロゥとハヌマーンのクロスブリードで考えていた、んだが……色々そちらの作者と考察していて「キュマイラ混じってるよな?」と結論に至って、トライブリードにしたそうだ。で、彼女は凍矢のガード対策に単体攻撃かつ、攻撃力高めにビルドを組んだそうだ。今回、ノーマルエンドに入ったからオーヴァードに覚醒したが…攻撃力高めの戦闘特化になるかもしれないな。もちろん、Dロイスは『光使い』。闇一とは逆のDロイスに目覚めた、と言う形だな。
紅羽:……何て言うか、いつ出番を取られてもおかしくなさそうよね。
聖也:ちなみに、エレクトロノイズに関してだが…こちらはまだ秘密にしておきたいそうだ。とは言え、今までの情報やエンディングである程度推測出来ると思う。これで、敵キャラに関しての解説は終了だ。
冷牙:では、シナリオ解説も終わりましたので…ここからは軽く宣伝と参りましょうか。
紅羽:宣伝って、何をすればいいのよ?
冷牙:まあその辺は、ネタバレしない程度に適当にやれば大丈夫でしょう。まずは聖也から行きましょうか?
聖也:俺か…こう言うのは苦手なんだが。
俺はごく平凡の高校生だった。いや、平凡ってほど平凡ではないか。俺はオーヴァードに目覚める前は高校生プロ棋士だったんだ。
紅羽:プロ棋士って、将棋でしょ? 凄いわね、あんた…。
聖也:そんな事ないさ。幼馴染みのヒロインを中心に、PC2の友達・気の弱い女子生徒・ラノベ・不良と色んなクラスメイトがいたよ。けれど、幼馴染みに誘われて夜の学校にまつわる怪談話に付き合わされて、怖い目に遭いながらも逃げて来た…そこから事件は始まったんだ。
その次の日に、何者かの力によって俺を目の敵にする不良がオーヴァードに目覚めてな。皆が見ている前で、俺はそいつに殺された――そして、オーヴァードに覚醒したんだ。
その後、霧谷さん…UGNに保護されて裏側を説明された。その話し合い中に、幼馴染みが事件の犯人に狙われている事を知り、俺は彼らに協力する事を決めたんだ。事件にはお馴染み春日恭二、PC4の上司であるプランナーも出てくる。俺もそれなりに絡んでいるから、主人公らしい事が出来ていると思う。事件の結末は、是非とも読んで確かめてみてくれ。
冷牙:ふむ、王道の主人公キャラなんですね。流石はPC1です。
聖也:ちなみに、俺はノイマンとモルフェウスのクロスブリードだ。精神型で基本戦術は二丁拳銃で戦い、ちょっとした援護も飛ばせる感じだ。それと【天才】と言うノイマン専用のDロイスを持っている。実はPC4と将棋対決もしたんだが…残念ながら、その部分は載っていない。でも、俺が勝ったのは本当だからここで言っておくよ。
紅羽:PC4って、ゼノスの兵器ロボ……スーパーコンピューターvs天才ノイマン…。何この勝負?
冷牙:これは面白い対決をしたものですねー。
聖也:あとは、見どころだな。そうだな…俺としては、二回目の情報収集だな。プランナーと1対1での会話をしているんだが…どんな会話を繰り広げたかは、実際に見て欲しい。これで俺の宣伝は終わりだな。
冷牙:では、次は私の番と行きましょう。
私の話は、FHでもゼノスでもない。全く新しい組織――ネオ・アルカディアに狙われているであろう人物をPC1が保護した所から始まります。ちなみに、私はUGNの命令で春日を追っていたんですが、ネオ・アルカディアの一人に声をかけられたことでこの町のUGN支部に赴く事になる…と言う流れです。
紅羽:いや……あんた、FHでしょ?
冷牙:ええ。ですが、私のDロイスは【工作員】ですからね。ちゃんと事前打ち合わせで卓のGMに許可を取って、UGNに偽装しています。これは裏話ですが、人数少な目でGMがPC2を兼用したんですが、そのPC2のDロイスが【古代種】だったんですよ。「PC2は冷牙の正体知っている感じになりますがよろしいですか?」と言われましたが、それはそれで面白そうなので返事1つで承諾しました。
聖也:…なんて人だ。
紅羽:ボスキャラとは言え、そんなDロイスの使い方するなんて…。
冷牙:ボスと言っても、ギミックや経験点が経験点だったのでかなり弱体化されてますけどね? 人数攻撃も範囲攻撃も出来ない、毒攻撃は出来ますが火力も低め。ピュアエグザイルですから、特化するものがないんですよ。防御を上げる『がらんどうの肉体』も、起死回生で取った『異世界の因子』も結局一回も使わず無駄エフェクトになりましたしね。
紅羽:弱いって割には、何気に素振りで回避成功させてたり、情報収集も一回で成功してるじゃないの…。
冷牙:回避に関しては振った本人(作者)も内心ビックリしてましたからね!?
個人的な見どころとしては、ミドル3ですね。私の正体、思想、そして月の事を少しですが話しています。まだ人としての心がある冷牙と言う存在を知って頂ければと思います。
一応、パラレルワールドと言う形になっていますが、短めのシナリオだからさくっと読めますので、読んでみて損はないかと。では、最後は紅羽ですね。紹介、お願いします。
紅羽:はいはい…。私はRWステージの卓で新米ヒーローのハンドアウトを貰って作られたキャラよ。黒羽蒼空の実の妹って立ち位置だけど、あくまでRWステージだけで、基本では存在しないキャラよ。
私の事件の始まりは、新米ヒーローとして活動していた所からね。学生時代の一人の友人と再会して、近況を伝えあう。その時に、彼が追っている事件を訊くの――『特定の人物の記憶が奪われる』って事件をね。
それから話はお開き。心配しつつも出来る事はない…そう、思っていたんだけど見事に私も巻き込まれてしまった…そんな感じよ。
聖也:ところで、どうして苗字は『七雲』になっているんだ? 『黒羽』ではないのか?
紅羽:あぁ? あんなバカ兄貴と同じ苗字なんて名乗れないわよ。うちの家族はある事件がキッカケでオーヴァードを憎んでいる。私は友人のおかげで憎しみを乗り越えたけど、家族はそうじゃない。だから卒業と共に出て行ってやったのよ、黒羽の名を捨てて別の苗字に変えてね。
冷牙:またまたぁ。本当は警察のキャリアであるお兄さんを困らせない為でもあるでしょうに。身内がヒーローだと、お兄さんの立場が危うくなりますもんねー?
紅羽:あんた血塗れにされたいかぁ!?(クワァ!!)
聖也:お、落ち着いてくれ。身内内で争ってる場合じゃないだろ?
紅羽:ぜぇぜぇぜぇ…!! これだから、FHは…!!
あー、私のシンドロームはピュアブラム。現代ステージのバカ兄貴と同じだけど、武器作成エフェクトは所持していないわ。代わりに制限のある高火力エフェクトと、支援エフェクトを1つ習得しているわ。Dロイスは【申し子】で、ピュアブリード専用なの。これを使って、メジャーで二回行動を行えるのよ。
このシナリオは、GMと他PCの話を下地にしているから色んな人に出会えたわ。身内ネタもあるけど、分からなくても話自体は進めるから。うちのバカ兄貴も登場させてもらったわ。
まあ、個人的には…PC1よりもPC3との掛け合いが多かったわね。うん、何なのかしら…黒羽って、ツッコミ要員の血でもあるのかしら…?
聖也:あ、あの…? 何で、目を遠くにやっているんだ…?
冷牙:話を読めば分かるのでしょう。
紅羽:最後に、私の見どころはクライマックス戦の最後ね。ちょっと重要な選択を迫られたんだけど、作者曰く「私はこの選択に後悔はない(`・ω・´)キリッ」だそうよ。
聖也:…ああ、これは。
冷牙:何て言うか…兄が兄なら、妹も妹ですね。
冷牙:では最後。経験点配布と行きましょうか。
紅羽:本人たちいない所で、これやる意味あるの?
冷牙:反省会も含めての、アフタープレイですからね。ここはノイマンの聖也に全部お願いしましょう。
聖也:ああ。まず『セッションに最後まで参加した』。これは全員1点獲得だ。
次に『シナリオの目的を達成した』。これはゼノを倒したから10点。もし、ハッピーエンドだったら更に5点加算されていた。
これに敵が使ったDロイス【黄昏の支配者】【光使い】【業師】、六介の【破壊者】、エレクトロノイズのDロイス5個と、シナリオで使ったEロイス16個。合計で20点獲得だ。
次は、『最終浸食値による経験点』。全員等倍で戻った事で全員5点獲得だ。
次に『Sロイスをタイタスせずに所持していたか』。これは空以外達成されてるから、三人に5点。それと、【Rハンドアウトを開く】に成功したからその分で5点獲得だ。『FS判定』にも成功しているので、全員5点獲得だ。
『よいロールプレイをした』、『他のプレイヤーを助けるような発言や行動を行った』、『セッションの進行を助けた』。こちらも全員1点ずつ。
最後の『場所の手配、提供、連絡や参加者のスケジュール調整を行った』。これも1点ずつ皆に獲得。
さて、配分される経験点の合計を計算すると――
凍矢 56点
月 56点
空 51点
翼 56点
GM&SM 73点
聖也:これで全部だな。
冷牙:ご苦労様です、聖也。
ムーン:――おーい、ご飯出来たぞー! 誰か取りに来てくれー!
冷牙:おや、丁度打ち上げの準備も出来たみたいですね。
紅羽:なら、私はそろそろ退散させて貰うわね。
聖也:俺も失礼するよ。
冷牙:もう帰るのですか? 折角ですから、食べてから帰ったらどうです?
聖也:俺はあくまでも他卓のPCだからな。もし誘うのなら、彼女がいいんじゃないか?
紅羽:は!? わ、私!? いいわよ別に…!
冷牙:仕方ないですね、なら最後は聖也に任せましょう。さあ紅羽、行きましょうか?
紅羽:ちょ、ちょっと! 背中押さないで…!(二人して退場)
聖也:全く、さり気に残りの仕事を押し付けたな…これにて、第四回アフタープレイも終了です。読んでくれた皆さん、ありがとうございます。残りもあと二回、ラストに向けて頑張ります。
クウ:まあ、フラグはそこそこ経ってたけどな。
GM:…これにて、今回のセッションは終了だ。みんな、お疲れ様…。
グラッセ:俺、今すぐトワイライトタウンの時計台から落ちる。(スクッ)
リズ:ちょ!何つう事しようとしてんだ!!!?
グラッセ:死にたい、今すぐ貴方の娘を傷付けた俺を殺してくださいロクサスさん。(真顔)
ロクサス:いや、幾ら俺でも子供相手に殺人は起こさないからな!?ましてや君はリズの親友だろう!!?
グラッセ:いいえ、俺は生きている価値の無いうぬぼれ男です。(真顔)
ロクサス:しっかりしろグラッセぇ!!!
SM:あやつ、妾との対応と差があり過ぎんか…?
ウラノス:そりゃお前の普段の行いの結果だろ、俺も性悪相手に優しくはできねぇ。
SM:上等よ、表出なさい!!!!
ツバサ:カ、カオスだ…! いや確かにエンディングは少し後味悪い感じだったけど…!
GM:てか、ここまで荒れたのゼノの所為だよ…本当に大変だったぁ。
クウ:…お疲れ様だ、GM。
GM:ありがとう…改変して良かったよぉ…!
ツバサ:ちなみに、改変してない場合はどうなってたの?
GM:学園はバイオハザードと化して、実験動物はもちろん死人は続々と出ていた。(真顔)
クウ:お前なんてシナリオぶつけようとしたんだぁぁぁ!! 殺意高めのクトゥルフシナリオさせる気だったのかよ!!!
ムーン:本当に感謝してもしきれなかったって訳かよ…。
ツバサ:GM本当にお疲れ。もう休んでていいよ…。
GM:そうする…お休み…(zzz…)
SM:なんじゃ、反省会もあるのにもう寝おって。
クウ:お前の所為だよ!
ムーン:取りあえず俺は労いの料理を作るべきか?好きな物を教えろ、何でも作ってやる。(エプロン装備)
リズ:出たよ、主夫…。
ムーンま、今からゼノの処刑に入るだろうし俺は料理してくるわ。リズ手伝ってくれー。(退散)
リズ:えー…面倒、じゃないです、やるからおたま構えないで。(退散)
クウ&ツバサ:…………処刑?
ロクサス:さーて、ゼノ、覚悟は で き て い る な?
SM:!!?(真っ青)
ロクサス:よくも俺たち一家を弄んでくれたな?てめぇだけは子供だろうが殺す、跡形もなく消す。(拳ボキボキ)
グラッセ:ぜ、全員退散っ!!じゃないとゼノみたいに酷い目あうぞ!!?
ツバサ:弄ぶって言っても、仮想だよね?(ヒソヒソ)
クウ:馬鹿言うな、リズのキャラに噛みついて血を吸った時のロクサス忘れたか!(ヒソヒソ&滝汗)
ロクサス:そこ聞こえてるから?後でお前ら2人もしめる。
クウ&ツバサ:ひいぃ!!?
ナミネ:これに関しては私も止める気ないので頑張ってね〜。(退散)
ツバサ:何で!? ボク何にもしてないよ!! したのはむしろ蒼空さんだよぉ!! 羽粋とのフラグ立てたよ!?
クウ:てめえ、師匠を見捨てる気かぁ!?
ナミネ:あら、あなたはあなたでみんなを裏切ったでしょ? 夫に隠れているけど私も結構親バカなのよ?娘を苦しめる奴は皆倒しちゃうわよ?^^
ロクサス:さあ…全 員 地 獄 を 味 わ え!!!
クウ&ツバサ&SM:う…うああああああああああああぁぁぁ!!?
GM:Zzz…(爆睡)
グラッセ:死なせてくれぇぇ!!! 俺にはヒロイン救えないんだぁぁ!!!(総出で抑えている)
ムーン:それじゃ、後は頼むぜー。ほら来いリズ!
リズ:はぁ〜い…。
シャオ:…え、なにこれ!? 卓囲んでいたメンバー全員話すどころじゃないんだけど!? このまま反省会なしで終わるの!?
【全員いなくなったので、代理を呼びました】(作者カンペ)
シャオ:代理?
冷牙:どうも。「小説家になろう」サイトで、作者・月天下の旅人が掲載するリプレイ作品『breakableArcadia』にて、PC3で登場した祐嗣狭間こと、風切冷牙です。
シャオ:ウィドさん!?
冷牙:ウィドではない。今の私は冷牙と呼べ。
シャオ:いやいやいや!! 何今更キャラ作ってるの!?
聖也:同じく、リプレイ作品『On the boundary line』にてPC1として登場する木龍聖也だ。
シャオ:あんた誰!?
紅羽:ピクシブにて公開中のRWステージのリプレイ作品『真実の翼』。PC2で登場した七雲紅羽よ。宣伝と一緒にバカ兄貴の代理で来たわ。
シャオ:兄貴!? それより『七雲』って、まさか師匠の妹キャラ!?
冷牙:と言う訳で、リプレイの宣伝も兼ねてこの三人で反省会を行います。あ、シャオ。貴方の出番もうないのでここでお別れです。さようならー。
シャオ:なにその軽いノリ! いきなり新キャラ二人現れて、逆に不安なんだけど!?
聖也:その辺は問題ない。俺はノイマンだからな。
紅羽:あと、直々に解説等のメモも持ってるわよ。ボケが出たとしても、あたしがツッコミ決めるから。寧ろ決められるから。
冷牙:そう言う事なので、さっさと始めてしまいましょう。
シャオ:(ちょっとほんとにボクの出番これで終わりー!?)(*終わりです)
冷牙:まずは、このシナリオ内における間違いです。例の例によって発生してしまいました。解説は聖也にお願いしましょう。
聖也:間違いが起こったのは戦闘での処理だ。クライマックスで蒼空は戦闘用人格分で追加された攻撃力を途中で付け忘れ、第3ラウンドでの凍矢の判定も支援分…C値やダイス数を加えるのを忘れていた。
また、クライマックス後半辺りで160%超えていたにも関わらず、凍矢のエフェクトレベルを上げていなかった。
更に、ミドル戦闘中に蒼空は余分に浸蝕率を4%上げていた事が発覚した。帰っては来たが、最終的な浸蝕率は86%と言う事になる。
これで、以上だな。
紅羽:意外と少なかったわね?
冷牙:本当はあちこちで起こっていたんですが、気づいてから矛盾が起きない程度に直したそうです。なので、今確認出来る間違いはこれだけだそうです。
紅羽:なるほどね。それにしても、さすがノイマン。律儀で正確ね。
聖也:ああ。よく言われるよ。
冷牙:次は、シナリオの解説です。
このシナリオは、学生が主役なので学園祭を舞台にしています。そんな非日常をぶち壊すと言うコンセプトで作られています。
その上で、PC全員にRハンドアウト――“秘密”を渡してあります。主役である凍矢以外には、真実に近づく為や、自分のメリットに必要な情報を渡してありますが、凍矢だけはトラップとして渡していました。作者的には、本編では最初に秘密を仲間にしか打ち明けていないし、リラ様の野生の勘はCoCでも十分すぎる程発揮しているので引っかからないだろう……そう思っていたんですが、聞いて見たらまさかの展開で、バッドルートの分岐点に進む事となりました。
紅羽:ちょっと待ちなさい。もう一人の作者の野生の勘って…。
冷牙:聞いた話では、危険なトラップがある所は踏み込もうとしない。ここぞと言う時に回避するダイス運が凄い。戦闘向きの探索者じゃないのに、クリ1出す。と言う生き残った伝説が数々ありまして…。
紅羽:凄いわね、あっちの作者!? どうなってるのよ!?
冷牙:ちなみに、トラップに引っかからなかった場合。羽粋がゼノに攫われる展開は一緒ですが、マスターシーンで攫うのでロイスはタイタスにはなりません。判定も甘かったですし、エンディングではオーヴァードに覚醒せず一般人のまま。六介に拒絶される事もありませんでした。
紅羽:……凍矢が憐れに思えてきたわ。
冷牙:さて。今回様々なダブルクロスキャラも登場させました。次回は翼が主役なので、このシナリオで伏線を作りつつ、ゼノスと言う組織にどんな人物がいるかを紹介したかったからです。あと、アッシュは個人的に出したかったそうです。
聖也:アッシュは今回見てくれたら分かるかと思うが、UGNの方針に関して強引な所があるし、裏であくどい事をしているのも否めない。だが、決して敵役でなく悪役である事を分かって欲しい。
紅羽:UGNも1枚岩ではない。FHも全部が悪ではない。ゼノスは敵とも味方ともつかない存在…このシナリオでそれが伝わってくれるとありがたいわ。
冷牙:次に、ボスステータスについてもお話しします。これは、聖也にお願いしましょう。
聖也:ああ。まずは、大ボスであるゼノだな。彼女は従者使い&バステ使いと言う構成でビルドを組んだそうだ。とにかく部下を使い捨てる、じわじわと痛めつける加虐。この二つを再現したかったそうだ。Dロイスも従者使いにとって役に立つ『黄昏の支配者』を選びました。従者は本来行動済みで登場させますが、セットアップで一体だけ未行動で登場する。これは中々脅威ですからね。
なので、従者はゼノのサポートしつつ範囲とシーン攻撃である爆発攻撃。通常の攻撃はこれでもかとバステを乗せての弱体化。バステでの処理が大変だったそうだが、中々緊迫あるバトルに出来たかとは思う。
紅羽:まあ、それをPCキャラで構成したら確実にジャーム化なるけどね。従者って便利だけど、エフェクト使って上がる浸蝕率は作成者が肩代わりするようなものだから…。
聖也:そうだな。ゼノが扱った従者は専用強化エフェクトであそこまで強かったが、それに使う経験点が本当に多かった。様々な面で余裕を持たない限りは、ビルド構成は見送った方がいいだろう。
次は星華だが、説明があったように《エフェクトアーカイブ》にてエンハイ白兵は隠密状態にならないと繰り出せない構成になってしまったんだ。それで仕方なく、『エンドライン』からエフェクトを持ってきたり一部新規で取ったりしたそうだ。これはこれで『エンドライン』編と繋がっていると言う形に出来たため、怪我の功名になったそうだ。
紅羽:『エンドライン』の話と繋がるって事は…『レネゲイドウォー』も繋がったりしないわよね…?
聖也:さあな。そこまでは俺も分からない。
最後は羽粋だ。彼女は最初、エンジェルハイロゥとハヌマーンのクロスブリードで考えていた、んだが……色々そちらの作者と考察していて「キュマイラ混じってるよな?」と結論に至って、トライブリードにしたそうだ。で、彼女は凍矢のガード対策に単体攻撃かつ、攻撃力高めにビルドを組んだそうだ。今回、ノーマルエンドに入ったからオーヴァードに覚醒したが…攻撃力高めの戦闘特化になるかもしれないな。もちろん、Dロイスは『光使い』。闇一とは逆のDロイスに目覚めた、と言う形だな。
紅羽:……何て言うか、いつ出番を取られてもおかしくなさそうよね。
聖也:ちなみに、エレクトロノイズに関してだが…こちらはまだ秘密にしておきたいそうだ。とは言え、今までの情報やエンディングである程度推測出来ると思う。これで、敵キャラに関しての解説は終了だ。
冷牙:では、シナリオ解説も終わりましたので…ここからは軽く宣伝と参りましょうか。
紅羽:宣伝って、何をすればいいのよ?
冷牙:まあその辺は、ネタバレしない程度に適当にやれば大丈夫でしょう。まずは聖也から行きましょうか?
聖也:俺か…こう言うのは苦手なんだが。
俺はごく平凡の高校生だった。いや、平凡ってほど平凡ではないか。俺はオーヴァードに目覚める前は高校生プロ棋士だったんだ。
紅羽:プロ棋士って、将棋でしょ? 凄いわね、あんた…。
聖也:そんな事ないさ。幼馴染みのヒロインを中心に、PC2の友達・気の弱い女子生徒・ラノベ・不良と色んなクラスメイトがいたよ。けれど、幼馴染みに誘われて夜の学校にまつわる怪談話に付き合わされて、怖い目に遭いながらも逃げて来た…そこから事件は始まったんだ。
その次の日に、何者かの力によって俺を目の敵にする不良がオーヴァードに目覚めてな。皆が見ている前で、俺はそいつに殺された――そして、オーヴァードに覚醒したんだ。
その後、霧谷さん…UGNに保護されて裏側を説明された。その話し合い中に、幼馴染みが事件の犯人に狙われている事を知り、俺は彼らに協力する事を決めたんだ。事件にはお馴染み春日恭二、PC4の上司であるプランナーも出てくる。俺もそれなりに絡んでいるから、主人公らしい事が出来ていると思う。事件の結末は、是非とも読んで確かめてみてくれ。
冷牙:ふむ、王道の主人公キャラなんですね。流石はPC1です。
聖也:ちなみに、俺はノイマンとモルフェウスのクロスブリードだ。精神型で基本戦術は二丁拳銃で戦い、ちょっとした援護も飛ばせる感じだ。それと【天才】と言うノイマン専用のDロイスを持っている。実はPC4と将棋対決もしたんだが…残念ながら、その部分は載っていない。でも、俺が勝ったのは本当だからここで言っておくよ。
紅羽:PC4って、ゼノスの兵器ロボ……スーパーコンピューターvs天才ノイマン…。何この勝負?
冷牙:これは面白い対決をしたものですねー。
聖也:あとは、見どころだな。そうだな…俺としては、二回目の情報収集だな。プランナーと1対1での会話をしているんだが…どんな会話を繰り広げたかは、実際に見て欲しい。これで俺の宣伝は終わりだな。
冷牙:では、次は私の番と行きましょう。
私の話は、FHでもゼノスでもない。全く新しい組織――ネオ・アルカディアに狙われているであろう人物をPC1が保護した所から始まります。ちなみに、私はUGNの命令で春日を追っていたんですが、ネオ・アルカディアの一人に声をかけられたことでこの町のUGN支部に赴く事になる…と言う流れです。
紅羽:いや……あんた、FHでしょ?
冷牙:ええ。ですが、私のDロイスは【工作員】ですからね。ちゃんと事前打ち合わせで卓のGMに許可を取って、UGNに偽装しています。これは裏話ですが、人数少な目でGMがPC2を兼用したんですが、そのPC2のDロイスが【古代種】だったんですよ。「PC2は冷牙の正体知っている感じになりますがよろしいですか?」と言われましたが、それはそれで面白そうなので返事1つで承諾しました。
聖也:…なんて人だ。
紅羽:ボスキャラとは言え、そんなDロイスの使い方するなんて…。
冷牙:ボスと言っても、ギミックや経験点が経験点だったのでかなり弱体化されてますけどね? 人数攻撃も範囲攻撃も出来ない、毒攻撃は出来ますが火力も低め。ピュアエグザイルですから、特化するものがないんですよ。防御を上げる『がらんどうの肉体』も、起死回生で取った『異世界の因子』も結局一回も使わず無駄エフェクトになりましたしね。
紅羽:弱いって割には、何気に素振りで回避成功させてたり、情報収集も一回で成功してるじゃないの…。
冷牙:回避に関しては振った本人(作者)も内心ビックリしてましたからね!?
個人的な見どころとしては、ミドル3ですね。私の正体、思想、そして月の事を少しですが話しています。まだ人としての心がある冷牙と言う存在を知って頂ければと思います。
一応、パラレルワールドと言う形になっていますが、短めのシナリオだからさくっと読めますので、読んでみて損はないかと。では、最後は紅羽ですね。紹介、お願いします。
紅羽:はいはい…。私はRWステージの卓で新米ヒーローのハンドアウトを貰って作られたキャラよ。黒羽蒼空の実の妹って立ち位置だけど、あくまでRWステージだけで、基本では存在しないキャラよ。
私の事件の始まりは、新米ヒーローとして活動していた所からね。学生時代の一人の友人と再会して、近況を伝えあう。その時に、彼が追っている事件を訊くの――『特定の人物の記憶が奪われる』って事件をね。
それから話はお開き。心配しつつも出来る事はない…そう、思っていたんだけど見事に私も巻き込まれてしまった…そんな感じよ。
聖也:ところで、どうして苗字は『七雲』になっているんだ? 『黒羽』ではないのか?
紅羽:あぁ? あんなバカ兄貴と同じ苗字なんて名乗れないわよ。うちの家族はある事件がキッカケでオーヴァードを憎んでいる。私は友人のおかげで憎しみを乗り越えたけど、家族はそうじゃない。だから卒業と共に出て行ってやったのよ、黒羽の名を捨てて別の苗字に変えてね。
冷牙:またまたぁ。本当は警察のキャリアであるお兄さんを困らせない為でもあるでしょうに。身内がヒーローだと、お兄さんの立場が危うくなりますもんねー?
紅羽:あんた血塗れにされたいかぁ!?(クワァ!!)
聖也:お、落ち着いてくれ。身内内で争ってる場合じゃないだろ?
紅羽:ぜぇぜぇぜぇ…!! これだから、FHは…!!
あー、私のシンドロームはピュアブラム。現代ステージのバカ兄貴と同じだけど、武器作成エフェクトは所持していないわ。代わりに制限のある高火力エフェクトと、支援エフェクトを1つ習得しているわ。Dロイスは【申し子】で、ピュアブリード専用なの。これを使って、メジャーで二回行動を行えるのよ。
このシナリオは、GMと他PCの話を下地にしているから色んな人に出会えたわ。身内ネタもあるけど、分からなくても話自体は進めるから。うちのバカ兄貴も登場させてもらったわ。
まあ、個人的には…PC1よりもPC3との掛け合いが多かったわね。うん、何なのかしら…黒羽って、ツッコミ要員の血でもあるのかしら…?
聖也:あ、あの…? 何で、目を遠くにやっているんだ…?
冷牙:話を読めば分かるのでしょう。
紅羽:最後に、私の見どころはクライマックス戦の最後ね。ちょっと重要な選択を迫られたんだけど、作者曰く「私はこの選択に後悔はない(`・ω・´)キリッ」だそうよ。
聖也:…ああ、これは。
冷牙:何て言うか…兄が兄なら、妹も妹ですね。
冷牙:では最後。経験点配布と行きましょうか。
紅羽:本人たちいない所で、これやる意味あるの?
冷牙:反省会も含めての、アフタープレイですからね。ここはノイマンの聖也に全部お願いしましょう。
聖也:ああ。まず『セッションに最後まで参加した』。これは全員1点獲得だ。
次に『シナリオの目的を達成した』。これはゼノを倒したから10点。もし、ハッピーエンドだったら更に5点加算されていた。
これに敵が使ったDロイス【黄昏の支配者】【光使い】【業師】、六介の【破壊者】、エレクトロノイズのDロイス5個と、シナリオで使ったEロイス16個。合計で20点獲得だ。
次は、『最終浸食値による経験点』。全員等倍で戻った事で全員5点獲得だ。
次に『Sロイスをタイタスせずに所持していたか』。これは空以外達成されてるから、三人に5点。それと、【Rハンドアウトを開く】に成功したからその分で5点獲得だ。『FS判定』にも成功しているので、全員5点獲得だ。
『よいロールプレイをした』、『他のプレイヤーを助けるような発言や行動を行った』、『セッションの進行を助けた』。こちらも全員1点ずつ。
最後の『場所の手配、提供、連絡や参加者のスケジュール調整を行った』。これも1点ずつ皆に獲得。
さて、配分される経験点の合計を計算すると――
凍矢 56点
月 56点
空 51点
翼 56点
GM&SM 73点
聖也:これで全部だな。
冷牙:ご苦労様です、聖也。
ムーン:――おーい、ご飯出来たぞー! 誰か取りに来てくれー!
冷牙:おや、丁度打ち上げの準備も出来たみたいですね。
紅羽:なら、私はそろそろ退散させて貰うわね。
聖也:俺も失礼するよ。
冷牙:もう帰るのですか? 折角ですから、食べてから帰ったらどうです?
聖也:俺はあくまでも他卓のPCだからな。もし誘うのなら、彼女がいいんじゃないか?
紅羽:は!? わ、私!? いいわよ別に…!
冷牙:仕方ないですね、なら最後は聖也に任せましょう。さあ紅羽、行きましょうか?
紅羽:ちょ、ちょっと! 背中押さないで…!(二人して退場)
聖也:全く、さり気に残りの仕事を押し付けたな…これにて、第四回アフタープレイも終了です。読んでくれた皆さん、ありがとうございます。残りもあと二回、ラストに向けて頑張ります。