ミドルフェイズ7(中編)
ツバサ「――で、師匠は一体何を確認したのかな? かな?」
クウ「そうすり寄らないでくれ…まだ答えがハッキリ出た訳じゃねーし、そもそも陸に対して頭に血が上ってるお前らに言っても無意味だろ?」
グラッセ「否定はしません…次は俺の番ですね。まずオートで《ワーディング》を貼ります。陸さんはどんな感じですか?」
GM「普通に動けるね。《AWF》の付いたアクセサリーを持っているから」
グラッセ「仕方ありません…マイナーで蒼空さんのエンゲージに移動します! そこから月に《戦乙女の導き1》でダイス1個、攻撃力+5アップさせます! 浸食率74%!」
ムーン「最後は俺の番だ!
マイナーで《完全獣化3》《破壊の爪3》《斥力跳躍1》で、腕を変形させながら陸のエンケージに入り込む!
メジャーは《コンセントレイト2:バロール》、《漆黒の拳2》。ダイス15、攻撃力18、達成値5、C値8、装甲無視攻撃、浸食率101%! 対象はもちろん陸じゃあああ!!!」
《命中判定》
15D+5(C値8)→36
SM「試しに回避…7で失敗です」
《ダメージ算出》
4D+18→40
ムーン「チッ、もう少し欲しかった…!」
SM「この攻撃で、陸は戦闘不能です」
ムーン「…ハ?」
SM「陸は 戦闘不能になった ですよ」
四人「「「「はやっ!? てかよわっ!!」」」」
SM「非オーヴァードですから」
ツバサ「さっきからSMのこの発言、なーんか引っかかるんだよなぁ…」
床を蹴ると共に高く跳躍し、変化させた獣の拳に暗黒の力を宿す。
そのまま落下と同時に陸の顔面目掛けて強烈なパンチを叩きこむ。普通の人間である彼には耐える事など出来ず、激しく壁にぶつかると動かなくなった。
月『どうだ、あんたが見下してる化け物の力って奴は…! 次でトドメを刺してやる…!』
月が一歩踏み出すと、背後で電撃の光線が走る。
振り向くと、襲おうとしていた護衛が翼の放った超電磁砲で足止めされていた。
翼『月、まだ油断しちゃ駄目!』
月『ああ…悪いな』
GM「それでは、クリンナッププロセス。処理は特にないから、次に行こう」
第二ラウンド
GM「再びセットアップ。宣言はあるかい?」
クウ「ここまで来たんだ。特に何もしなくていいだろ」
ツバサ「そうだね。月も宣言無しでいい?」
ムーン「ああ。構わないぜ」
GM「では、こちらも宣言は無し。順番やエンゲージはこのようになるよ」
(凍矢/月/蒼空/護衛B)――10m――(翼)
翼(14)
護衛B(13)
蒼空(10)
凍矢(9)
月(6)
GM「では、メインプロセス。翼の番だ」
グラッセ「翼。ここは俺達のエンケージに入ってくれ」
ツバサ「いいの?」
グラッセ「翼も浸食率100%超えたから《リザレクト》出来ないだろ? 俺は浸食率に余裕があるから、ガードして浸食率を上げたいんだ」
ツバサ「分かった。マイナーで戦闘移動、凍矢達のエンゲージに突入。念の為、拳銃で攻撃するよ。ダイス6個、攻撃力3、達成値は補正合わせて0だ」
《命中判定》
6D(C値10)→8
GM「では、こちらは回避で…補正合わせて21だ」
ツバサ「う〜…購入判定で質のいい拳銃買っておくかなぁ?」
GM「さあ、こちらの番だ。先程と同じコンボ。ダイス13個、攻撃力15、達成値3、C値8の射程・視界のガード不能攻撃! 対象は蒼空だ!」
《命中判定》
13D+3(C値8)→25
グラッセ「では、その攻撃を先程の《炎陣1》コンボでカバーリングです! これで浸食率82%だ!」
《ダメージ算出》
3D+15→25
《ガード》
3D+21−5→27
グラッセ「俺を倒したかったら、この3倍持ってこーい!!」
クウ「凍矢のガードが強力な件について」
ムーン「現実でこれだったら、メンタルどころか肉体も強いぞ…」
GM「次は空、いや蒼空の番だ」
クウ「エフェクトレベル上がったし、Dロイスの効果もある。無難にやりますか。
マイナー放棄。メジャーで《コンセントレイト3:ブラム=ストーカー》、《鮮血の一撃3》で大鎌使って攻撃だ! ダイス10個、攻撃力16、達成値3、C値7、浸食率106%!」
《命中判定》
10D+3(C値7)→24
GM「この達成値ならば回避…21、惜しい!」
クウ「何で19も出すんだよ!?」
《ダメージ算出》
3D+16→41
クウ「この攻撃後、HP5になるぜ」
GM「あ〜…うん、この一撃はもう倒れた」
ツバサ「やった、戦闘終了――」
SM「いいえ。ここで一つイベントが挟みます」
四人「「「「イベント?」」」」
蒼空『とりあえず、こいつで全部だな…!』
翼『蒼空さん、表に出ちゃってるけど大丈夫!?』
蒼空『後でレネゲイドを落ち着かせれば、どってことない。心配してくれてありがとな』
満身創痍の体で護衛全てを蹴散らした蒼空を心配する翼。だが、彼は平気そうに笑いかける。
一方、月は見向きもせずに壁に寄りかかっている陸に獣の腕を構えた。
月『さあて、覚悟はいいな――』
陸『くぅ…!』
蒼空『月!』
そんな月にとっさに蒼空は陸を庇うように割り込む。
月『邪魔するな、蒼空!』
蒼空『待て、月! こいつ、前の俺と同じだ!』
凍矢『同じ、って…』
蒼空『記憶を操作されて操られているんだよ…! 誰かさんによってな…!』
ツバサ「GM、これってどういう事?」
GM「…説明すると、Eロイス『歪んだ囁き』によって「全てのオーヴァード」に対する感情を(執着/○憎悪)に変更させているよ」
グラッセ「あれ? そのEロイスって前回空さんに使ったのと同じ?」
クウ「俺もそう思って、さっきSMに『前回の俺のように陸も洗脳されているのか、会話で判断出来るか?』って聞いてみた。最初の俺だけやった判定もそれが関連してるかと予想したからな。本当はまだ微妙だったが…このままだと月が殺しそうだからとっさに言ってしまった…」
SM「確定してないとはいえ、言ってしまったものは仕方ありません。実はこれ、誰か1人が彼が洗脳状態にあっている事に気づけばいいんです。そうすれば自動的にEロイスの効果が解除されます」
クウ「確定してないのに、解除出来たって事にしていいのか?」
SM「ええ。ヒントを与えたとはいえ、リアル知識で気づいたから条件は解除されます。もし気づかない場合、全員〈知覚〉か〈意思〉で判定させる予定でした」
陸『俺が、操られて…?』
蒼空の言葉に反応すると、急に彼の頭に酷い頭痛が走る。
陸『っ、うぐぁ!』
凍矢『陸さん!?』
陸『お、おれは…! おれは、なにを…!?』
???『――あーらら、あと少しだったんですけどねぇ』
そんな男の呟きと共に、月に向かって鋭く光るナイフが放たれる。
月が、他の人が反応するより前に、彼は横に突き飛ばされる。
そして、飛ばされたナイフは身代わりとなった陸の鳩尾部分に突き刺さった。
陸『がはぁ…!』
月『り、く…!』
翼『っ、陸さん!?』
陸『月…俺は、本当は…』
???『――息子を思う愛、親子の絆…なかなか面白い物を見させていただきましたよ』
声のした方へ、全員が一気に振り返る。
そこでは、あの黒コートを着たゼムナスが対峙するように立っていた。
ゼムナス『いやー、さすがはUGN。本当に滑稽でくだらない…ぶち壊したくなりますよ』
月『お前、ゼムナス…どういう事だ!?』
ゼムナス『こう言う事です』
明らかに先程と違う話し方をしながら、黒コートを脱ぎ捨てる。その一瞬で、大男の体格が細身へと、長い銀髪がショートの緑髪に、コートからスーツの服装へ――先程別れた筈の狭間へと姿を変えた。
狭間『どうも、皆さん。ま、この姿で会うのはさっきぶりですがね』
四人「「「「やっぱりこいつだったー!!?」」」」
SM(狭間)「改めて、私の自己紹介を。私のコードネームはいつもニコニコ、あなたの隣に這寄る混沌、ニャルラトホテプです。ニャルとお呼びください」
グラッセ「何かラスボス所か裏ボス並みのヤバい奴にパワーアップしてますよ!?」
クウ「誰だ輝く何とか使って邪神召喚しやがった奴は!?」
SM(狭間)「さて、ここにいる木偶人形を倒したご褒美です。お茶でも御馳走しましょうか?」
ツバサ「まさかとは思うけど、アトラク=ナ茶とか言わないよね?」
SM(狭間)「では、お嬢ちゃんにはジュースでも買って上げましょうか」
ツバサ「ナっちゃんとか言ったらクトゥグァ召喚出来る魔道書探すよ?」
SM(狭間)「やれやれ。世界を守る連中と言うのは冗談が効かない生き物ですねぇ」
クウ「こいつジャーム化通り越してSAN値ゼロだろ。狂信者だろ」
ツバサ「もうダブルクロスじゃなくてクトゥルフになってるよ…!」
蒼空『おい、狭間。この会社と手を結んでいたFHって、結局はお前の事だよな? だったら社長暗殺の依頼は破棄だ。代わりにてめえをぶっ倒す!!』
翼『あ、暗殺!? 蒼空さん達の目的もそれだったのぉ!?』
狭間『やれやれ。どいつもこいつも思い通りにはならないですねぇ…特に旦那様。非オーヴァードであるにも拘らず、散々手を焼かされましたよ――全く、この私が操り人形にして上げたと言うのに結局こうなる。ああ、忌々しいったらありゃしない』
ムーン「この人まで悪役楽しんでる…と言うか天職じゃねーのかこれ…?」
グラッセ「何で味方キャラなの? 何で悪役キャラじゃないの?」
クウ「こいつらマジ姉弟だわ。究極加虐生物(アルティメットサディスティッククリーチャー)だわ」
ツバサ「嫌でも(リアル)SAN値が減っていくんだけど…何コレ、無理矢理ボク達に衝動判定させてジャーム化狙ってるの?」
月『ごちゃごちゃと訳分からない事抜かしてるが、お前も敵って事だよな…だったら、親父と共に殺してやるだけだ!!』
狭間『ふむ。私としてはどうでもよろしいのですが…そこまで言うのでしたら、勝負します?』
ムーン「勝負?」
SM「早い話、私と月の対決判定です。命中判定で行い、勝ったら攻撃出来る――ノイマン制限エフェクト《カウンター》と同じ扱いです。その場合、シーンはまだ切ってないから《完全獣化》と《破壊の爪》の効果は持続します。ちなみに『アンチエフェクトシステム』の効果は本来はシーン中ですが、この対決時のみ効果を打ち消します」
ムーン「つまり、強化した状態で持ち込めるのか…なら乗った!!」
不敵な笑みを浮かべて、ナイフの切っ先を突きつける狭間。
それに対し、月もまた獣の腕を見せつけると獰猛な目で相手を睨みつけた。
月『ゼムナス、いや狭間! お前の案に乗った…俺の人生を滅茶苦茶にした事、後悔させてやるよ!!』
ムーン「それじゃ俺からだ!
マイナーは放棄、メジャーは《コンセントレイト3:バロール》、《漆黒の拳3》。ダイス18、攻撃力15、達成値5、C値7、装甲無視攻撃、浸食率106%!」
SM「では私の番。
私はマイナーで《毒の刃5》を使います。メジャーは《コンセントレイト3:エグザイル》、《貪欲なる拳4》、《インタラプト2》で相手のリアクションC値を+1上げます。ダイス16、攻撃力10、達成値4でナイフ攻撃です」
ムーン「何だ意外とエフェクト使ってない…ってちょい待てぇぇぇーーーー!!!?? 俺C値8!?」
SM「あなたのダイス運考えたら、これぐらい当然です」
GM「さあ、対決といくよ!!」
《対決判定》
月18D+5(C値8)→21
狭間16D+4(C値7)→50
ムーン「う、うわ、負けた…!」
SM「更にここで《マルチアタック3》を発動! 更に達成値を10上乗せする。よって、達成値は60です!」
ツバサ「ちょっと待って!! エグザイルピュアブリードのエフェクト使うなんておかしすぎるよ!? 《毒の刃》はソラリスだし、《インタラプト》もノイマンのピュア専用エフェクトでしょ!? なんかもう色々構成がおかしいよ!?」
SM「今回の私は一味違います、とだけ言っておきます。さあ、括目なさい!!」
《ダメージ算出》
7D+10→60
クウ「…オイ、7Dの平均って35だよな? コイツ50出したぞ…?」
GM「さっき7Dで48ダメージ叩き出した奴の言う台詞か?」
ムーン「俺戦闘不能になったぞ…! ロイスを切るしかないのかよ…!」
SM「ロイスは切らなくて大丈夫です。これはイベント戦ですから」
クウ「そうすり寄らないでくれ…まだ答えがハッキリ出た訳じゃねーし、そもそも陸に対して頭に血が上ってるお前らに言っても無意味だろ?」
グラッセ「否定はしません…次は俺の番ですね。まずオートで《ワーディング》を貼ります。陸さんはどんな感じですか?」
GM「普通に動けるね。《AWF》の付いたアクセサリーを持っているから」
グラッセ「仕方ありません…マイナーで蒼空さんのエンゲージに移動します! そこから月に《戦乙女の導き1》でダイス1個、攻撃力+5アップさせます! 浸食率74%!」
ムーン「最後は俺の番だ!
マイナーで《完全獣化3》《破壊の爪3》《斥力跳躍1》で、腕を変形させながら陸のエンケージに入り込む!
メジャーは《コンセントレイト2:バロール》、《漆黒の拳2》。ダイス15、攻撃力18、達成値5、C値8、装甲無視攻撃、浸食率101%! 対象はもちろん陸じゃあああ!!!」
《命中判定》
15D+5(C値8)→36
SM「試しに回避…7で失敗です」
《ダメージ算出》
4D+18→40
ムーン「チッ、もう少し欲しかった…!」
SM「この攻撃で、陸は戦闘不能です」
ムーン「…ハ?」
SM「陸は 戦闘不能になった ですよ」
四人「「「「はやっ!? てかよわっ!!」」」」
SM「非オーヴァードですから」
ツバサ「さっきからSMのこの発言、なーんか引っかかるんだよなぁ…」
床を蹴ると共に高く跳躍し、変化させた獣の拳に暗黒の力を宿す。
そのまま落下と同時に陸の顔面目掛けて強烈なパンチを叩きこむ。普通の人間である彼には耐える事など出来ず、激しく壁にぶつかると動かなくなった。
月『どうだ、あんたが見下してる化け物の力って奴は…! 次でトドメを刺してやる…!』
月が一歩踏み出すと、背後で電撃の光線が走る。
振り向くと、襲おうとしていた護衛が翼の放った超電磁砲で足止めされていた。
翼『月、まだ油断しちゃ駄目!』
月『ああ…悪いな』
GM「それでは、クリンナッププロセス。処理は特にないから、次に行こう」
第二ラウンド
GM「再びセットアップ。宣言はあるかい?」
クウ「ここまで来たんだ。特に何もしなくていいだろ」
ツバサ「そうだね。月も宣言無しでいい?」
ムーン「ああ。構わないぜ」
GM「では、こちらも宣言は無し。順番やエンゲージはこのようになるよ」
(凍矢/月/蒼空/護衛B)――10m――(翼)
翼(14)
護衛B(13)
蒼空(10)
凍矢(9)
月(6)
GM「では、メインプロセス。翼の番だ」
グラッセ「翼。ここは俺達のエンケージに入ってくれ」
ツバサ「いいの?」
グラッセ「翼も浸食率100%超えたから《リザレクト》出来ないだろ? 俺は浸食率に余裕があるから、ガードして浸食率を上げたいんだ」
ツバサ「分かった。マイナーで戦闘移動、凍矢達のエンゲージに突入。念の為、拳銃で攻撃するよ。ダイス6個、攻撃力3、達成値は補正合わせて0だ」
《命中判定》
6D(C値10)→8
GM「では、こちらは回避で…補正合わせて21だ」
ツバサ「う〜…購入判定で質のいい拳銃買っておくかなぁ?」
GM「さあ、こちらの番だ。先程と同じコンボ。ダイス13個、攻撃力15、達成値3、C値8の射程・視界のガード不能攻撃! 対象は蒼空だ!」
《命中判定》
13D+3(C値8)→25
グラッセ「では、その攻撃を先程の《炎陣1》コンボでカバーリングです! これで浸食率82%だ!」
《ダメージ算出》
3D+15→25
《ガード》
3D+21−5→27
グラッセ「俺を倒したかったら、この3倍持ってこーい!!」
クウ「凍矢のガードが強力な件について」
ムーン「現実でこれだったら、メンタルどころか肉体も強いぞ…」
GM「次は空、いや蒼空の番だ」
クウ「エフェクトレベル上がったし、Dロイスの効果もある。無難にやりますか。
マイナー放棄。メジャーで《コンセントレイト3:ブラム=ストーカー》、《鮮血の一撃3》で大鎌使って攻撃だ! ダイス10個、攻撃力16、達成値3、C値7、浸食率106%!」
《命中判定》
10D+3(C値7)→24
GM「この達成値ならば回避…21、惜しい!」
クウ「何で19も出すんだよ!?」
《ダメージ算出》
3D+16→41
クウ「この攻撃後、HP5になるぜ」
GM「あ〜…うん、この一撃はもう倒れた」
ツバサ「やった、戦闘終了――」
SM「いいえ。ここで一つイベントが挟みます」
四人「「「「イベント?」」」」
蒼空『とりあえず、こいつで全部だな…!』
翼『蒼空さん、表に出ちゃってるけど大丈夫!?』
蒼空『後でレネゲイドを落ち着かせれば、どってことない。心配してくれてありがとな』
満身創痍の体で護衛全てを蹴散らした蒼空を心配する翼。だが、彼は平気そうに笑いかける。
一方、月は見向きもせずに壁に寄りかかっている陸に獣の腕を構えた。
月『さあて、覚悟はいいな――』
陸『くぅ…!』
蒼空『月!』
そんな月にとっさに蒼空は陸を庇うように割り込む。
月『邪魔するな、蒼空!』
蒼空『待て、月! こいつ、前の俺と同じだ!』
凍矢『同じ、って…』
蒼空『記憶を操作されて操られているんだよ…! 誰かさんによってな…!』
ツバサ「GM、これってどういう事?」
GM「…説明すると、Eロイス『歪んだ囁き』によって「全てのオーヴァード」に対する感情を(執着/○憎悪)に変更させているよ」
グラッセ「あれ? そのEロイスって前回空さんに使ったのと同じ?」
クウ「俺もそう思って、さっきSMに『前回の俺のように陸も洗脳されているのか、会話で判断出来るか?』って聞いてみた。最初の俺だけやった判定もそれが関連してるかと予想したからな。本当はまだ微妙だったが…このままだと月が殺しそうだからとっさに言ってしまった…」
SM「確定してないとはいえ、言ってしまったものは仕方ありません。実はこれ、誰か1人が彼が洗脳状態にあっている事に気づけばいいんです。そうすれば自動的にEロイスの効果が解除されます」
クウ「確定してないのに、解除出来たって事にしていいのか?」
SM「ええ。ヒントを与えたとはいえ、リアル知識で気づいたから条件は解除されます。もし気づかない場合、全員〈知覚〉か〈意思〉で判定させる予定でした」
陸『俺が、操られて…?』
蒼空の言葉に反応すると、急に彼の頭に酷い頭痛が走る。
陸『っ、うぐぁ!』
凍矢『陸さん!?』
陸『お、おれは…! おれは、なにを…!?』
???『――あーらら、あと少しだったんですけどねぇ』
そんな男の呟きと共に、月に向かって鋭く光るナイフが放たれる。
月が、他の人が反応するより前に、彼は横に突き飛ばされる。
そして、飛ばされたナイフは身代わりとなった陸の鳩尾部分に突き刺さった。
陸『がはぁ…!』
月『り、く…!』
翼『っ、陸さん!?』
陸『月…俺は、本当は…』
???『――息子を思う愛、親子の絆…なかなか面白い物を見させていただきましたよ』
声のした方へ、全員が一気に振り返る。
そこでは、あの黒コートを着たゼムナスが対峙するように立っていた。
ゼムナス『いやー、さすがはUGN。本当に滑稽でくだらない…ぶち壊したくなりますよ』
月『お前、ゼムナス…どういう事だ!?』
ゼムナス『こう言う事です』
明らかに先程と違う話し方をしながら、黒コートを脱ぎ捨てる。その一瞬で、大男の体格が細身へと、長い銀髪がショートの緑髪に、コートからスーツの服装へ――先程別れた筈の狭間へと姿を変えた。
狭間『どうも、皆さん。ま、この姿で会うのはさっきぶりですがね』
四人「「「「やっぱりこいつだったー!!?」」」」
SM(狭間)「改めて、私の自己紹介を。私のコードネームはいつもニコニコ、あなたの隣に這寄る混沌、ニャルラトホテプです。ニャルとお呼びください」
グラッセ「何かラスボス所か裏ボス並みのヤバい奴にパワーアップしてますよ!?」
クウ「誰だ輝く何とか使って邪神召喚しやがった奴は!?」
SM(狭間)「さて、ここにいる木偶人形を倒したご褒美です。お茶でも御馳走しましょうか?」
ツバサ「まさかとは思うけど、アトラク=ナ茶とか言わないよね?」
SM(狭間)「では、お嬢ちゃんにはジュースでも買って上げましょうか」
ツバサ「ナっちゃんとか言ったらクトゥグァ召喚出来る魔道書探すよ?」
SM(狭間)「やれやれ。世界を守る連中と言うのは冗談が効かない生き物ですねぇ」
クウ「こいつジャーム化通り越してSAN値ゼロだろ。狂信者だろ」
ツバサ「もうダブルクロスじゃなくてクトゥルフになってるよ…!」
蒼空『おい、狭間。この会社と手を結んでいたFHって、結局はお前の事だよな? だったら社長暗殺の依頼は破棄だ。代わりにてめえをぶっ倒す!!』
翼『あ、暗殺!? 蒼空さん達の目的もそれだったのぉ!?』
狭間『やれやれ。どいつもこいつも思い通りにはならないですねぇ…特に旦那様。非オーヴァードであるにも拘らず、散々手を焼かされましたよ――全く、この私が操り人形にして上げたと言うのに結局こうなる。ああ、忌々しいったらありゃしない』
ムーン「この人まで悪役楽しんでる…と言うか天職じゃねーのかこれ…?」
グラッセ「何で味方キャラなの? 何で悪役キャラじゃないの?」
クウ「こいつらマジ姉弟だわ。究極加虐生物(アルティメットサディスティッククリーチャー)だわ」
ツバサ「嫌でも(リアル)SAN値が減っていくんだけど…何コレ、無理矢理ボク達に衝動判定させてジャーム化狙ってるの?」
月『ごちゃごちゃと訳分からない事抜かしてるが、お前も敵って事だよな…だったら、親父と共に殺してやるだけだ!!』
狭間『ふむ。私としてはどうでもよろしいのですが…そこまで言うのでしたら、勝負します?』
ムーン「勝負?」
SM「早い話、私と月の対決判定です。命中判定で行い、勝ったら攻撃出来る――ノイマン制限エフェクト《カウンター》と同じ扱いです。その場合、シーンはまだ切ってないから《完全獣化》と《破壊の爪》の効果は持続します。ちなみに『アンチエフェクトシステム』の効果は本来はシーン中ですが、この対決時のみ効果を打ち消します」
ムーン「つまり、強化した状態で持ち込めるのか…なら乗った!!」
不敵な笑みを浮かべて、ナイフの切っ先を突きつける狭間。
それに対し、月もまた獣の腕を見せつけると獰猛な目で相手を睨みつけた。
月『ゼムナス、いや狭間! お前の案に乗った…俺の人生を滅茶苦茶にした事、後悔させてやるよ!!』
ムーン「それじゃ俺からだ!
マイナーは放棄、メジャーは《コンセントレイト3:バロール》、《漆黒の拳3》。ダイス18、攻撃力15、達成値5、C値7、装甲無視攻撃、浸食率106%!」
SM「では私の番。
私はマイナーで《毒の刃5》を使います。メジャーは《コンセントレイト3:エグザイル》、《貪欲なる拳4》、《インタラプト2》で相手のリアクションC値を+1上げます。ダイス16、攻撃力10、達成値4でナイフ攻撃です」
ムーン「何だ意外とエフェクト使ってない…ってちょい待てぇぇぇーーーー!!!?? 俺C値8!?」
SM「あなたのダイス運考えたら、これぐらい当然です」
GM「さあ、対決といくよ!!」
《対決判定》
月18D+5(C値8)→21
狭間16D+4(C値7)→50
ムーン「う、うわ、負けた…!」
SM「更にここで《マルチアタック3》を発動! 更に達成値を10上乗せする。よって、達成値は60です!」
ツバサ「ちょっと待って!! エグザイルピュアブリードのエフェクト使うなんておかしすぎるよ!? 《毒の刃》はソラリスだし、《インタラプト》もノイマンのピュア専用エフェクトでしょ!? なんかもう色々構成がおかしいよ!?」
SM「今回の私は一味違います、とだけ言っておきます。さあ、括目なさい!!」
《ダメージ算出》
7D+10→60
クウ「…オイ、7Dの平均って35だよな? コイツ50出したぞ…?」
GM「さっき7Dで48ダメージ叩き出した奴の言う台詞か?」
ムーン「俺戦闘不能になったぞ…! ロイスを切るしかないのかよ…!」
SM「ロイスは切らなくて大丈夫です。これはイベント戦ですから」
■作者メッセージ
補足コーナー:《AWF》について
エネミーエフェクトの一つ。非オーヴァードでも《ワーディング》の効果を受けない要素(体質や装備など)を持っている事を表すエフェクト。このエフェクトはオーヴァードではないキャラも習得出来るので《ワーディング》を張られたとしても影響を受けずに行動する事が出来る。
今回陸にエフェクトを持たせたが、設定としては《AWF》の効果が常時発動するキーホルダーを常に持ち歩いている。
エネミーエフェクトの一つ。非オーヴァードでも《ワーディング》の効果を受けない要素(体質や装備など)を持っている事を表すエフェクト。このエフェクトはオーヴァードではないキャラも習得出来るので《ワーディング》を張られたとしても影響を受けずに行動する事が出来る。
今回陸にエフェクトを持たせたが、設定としては《AWF》の効果が常時発動するキーホルダーを常に持ち歩いている。