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ダブルクロスThe 3rd Edition【君に捧げる詩】

NANA

INDEX

  • あらすじ
  • 01 セッションの準備編
  • 02 PC1紹介
  • 03 PC2紹介
  • 04 PC3紹介
  • 05 PC4紹介
  • 06 オープニングフェイズ1&2
  • 07 オープニングフェイズ3&4
  • 08 ミドルフェイズ1(前編)
  • 09 ミドルフェイズ1(中編)
  • 10 ミドルフェイズ1(後編)
  • 11 ミドルフェイズ2(前編)
  • 12 ミドルフェイズ2(後編)
  • 13 ミドルフェイズ3
  • 14 ミドルフェイズ4
  • 15 ミドルフェイズ5&6
  • 16 ミドルフェイズ6(潜入編1)
  • 17 ミドルフェイズ6(潜入編2)
  • 18 ミドルフェイズ6(戦闘編)
  • 19 ミドルフェイズ6(調査編)
  • 20 ミドルフェイズ7(前編)
  • 21 ミドルフェイズ7(後編)
  • 22 クライマックスフェイズ1
  • 23 クライマックスフェイズ2
  • 24 クライマックスフェイズ3
  • 25 クライマックスフェイズ4
  • 26 クライマックスフェイズ5
  • 27 クライマックスフェイズ6
  • 28 クライマックスフェイズ7&バックトラック
  • 29 エンディングフェイズ1
  • 30 エンディングフェイズ2
  • クライマックスフェイズ1


     クライマックスフェイズ シーン13〈胸の歌を信じて〉
     シーンプレイヤー 大晴響


    GM「それではクライマックスフェイズ。シーンプレイヤーは響さん、全員登場ダイスを――」

    オパール「ねえ、GM。ちょっといい?」(黒笑)

    SM「あんたがそんな意味深な顔するの珍しいね…」

    オパール「リカって囚われているけど、ボス前には助けられる形なの?」

    GM「はい。救出の判定は特にありませんが…」

    オパール「ならさ…」(黒笑)

    クウ「俺達の好きなように…」(黒笑)

    スピカ「ド派手に演出してもいいか?」(黒笑)

    ルキル「……一体何をする気だよ」(半目)

    GM「…相談に寄りますね」

    オパール「あのね――(ゴニョゴニョ…)」

    SM「何だいそのハリウッドのような演出は…まあ、ボスにも端末にも被害が来ないみたいだしそれぐらいは許そう。アタイも逆の立場なら遠慮なく申し出ているしね」

    GM(ふむ…ラックさん、これって上手く言えば“アノ”設定加えられますかね?)

    SM(そうだね…本来は裏設定の予定だったんだが、三人が提案した茶番で出しても何の違和感もないと思う。丁度響の設定と相性がいいし、タイミング見つけて出してみるとしますかね)

    ルキル「なあ、もうダイス振っていいか?」

    SM「おっとすまない。じゃ、改めてダイス振ってくれ」


     《シーン登場》
     響1D→5 108%→113%
     蒼空1D→2 106%→108%
     星華1D→1 113%→114%
     リカ1D→3 85%→88%


     時刻は夕暮れ――歌を通して人々に闇が浸食した事により、町中は衝動による狂乱に満ちていた。
     絶え間ない暴動が起こり続け、影響を受けていない人ならざる者が止めようとする。その騒ぎの中を潜り抜けて、三人は元凶でもあるステージ会場付近に到着した。

    『随分と盛り上がっているようだな』

    『特別ライブ配信、か…学校中の皆も集まってる…!』

    『愛衣、どうだ?』

     影響が一番強いのか、元人であった化け物が見境なく暴れているる光景が広がっている。蒼空と響が感想を言い合っている横で、星華は愛衣に連絡を入れる。
     すると、彼女は辛そうな声で報告した。

    (――把握は出来ました…ステージ会場の近くに端末の一部を移動させており、マスター・ルピナスと配下、二人がいます…あと、ステージの下部分。警備が厳重な状況からして、適格者となったリカさんがそこに囚われているかと…)

    『愛衣…』

    (これ、ぐらいは…まだ、耐えられます…! 響さん、ご心配なく…!)

    『愛衣、無理はするな。極力は衝動を抑える事に徹しろ』

    (了解、です…天義さん、響さん、あとマスター・セデューサ。後は、頼みます…!)

     そう言うと、愛衣は一旦通信を切る。それから星華は二人に向いた。

    『さて――今後の作戦だが、問題が出て来たな』

    『問題?』

    『計画は始まってしまった。ステージの奴らを倒して端末を破壊すれば終わるが、そうなれば端末に繋がれたリカが無事である保証がない。だからと言って、リカを助け出していれば全人類がジャーム化してしまう恐れがある』

    『じゃ、どうするんだ?』

    『だから、二手に別れようと思う。一方でステージを襲撃し相手をかく乱する。その間に、リカを助け出す。彼さえ助け出せば端末の破壊は出来なくとも、機能もある程度落ちる筈だ。多少は時間稼ぎが出来る』

    『だったら、あたしがリカを助けだす!』

     間髪入れずに申し出る響に、星華は予想通りと言った顔で肩を竦めた。

    『ああ、言うと思ったよ。本来は1人で行かせるのは危険だが…それでも、君は行くのだろう?』

    『ったく、仕方ねーな…かく乱は出来るだけ派手にやっておく。俺達の方に敵を引き付けるんだから、途中であのガキ助け出させないとか泣き言言うなよ?』

    『ありがと、二人とも!』

    『君達のような子供をサポートするのが大人の役目だ、気にするな』

     方針を決めていると、どこからともなくワンダとバットが現れる。

    (響さん…ルートはこちらで分析しますので…媒体通りに動いて下さい。動物を通してなら、私もこのノイズの効果が薄れますので…!)

    『愛衣もありがとう! けど、無理はしないで?』

    (はい…無理しない、範囲ですから…)

    『作戦は決まった。行こう』

     星華の掛け声を合図に、響と愛衣(媒介)・星華と蒼空は二手に分かれた。



     少し前までステージ会場は、呪詛のようなノイズの歌と阿鼻叫喚の叫びで混沌に包まれていた。
     既にジャームとなった者は異形な姿へと変え、お互いを殺し合っている。あちこちにまだ衝動に耐えている人はいるが、暴走して戦っていたり、無残に殺されていたり、苦しそうに倒れている。
     だが、スタッフは誰も騒動や放送を止めようとはしない。寧ろ逃がそうともしない。当然だ――ここに配属されているのは全て『ワルプルギス』の配下。人間と言う種族を憎んでいる存在。止める所か、この光景を幸福のように眺めているのだ。
     ステージに立っている、ルピナス・ヒスイ・運切のように。

    『はは――あははははっ!!! これだ、俺が見たかったのは!! 醜い本性を現して互いに殺し合っている、排除している、俺達にやってきた事をそのままあいつらは同じ種族でやっている!!!』

    『これなら、明日には人間は全部死んでいるだろうね』

    『ええ。僕らの手を汚さずに簡単に掃除出来ました。いやー、愚かな種族として滅ぶのに相応しい末路――』


    『この放送を見ている、全世界の人達――突然の訪問で申し訳ない』


     突然取り付けられている内の一つのスピーカーから、男性の声が響く。
     次の瞬間、壁が木っ端微塵に破壊される。誰もが目を向けると、そこから二丁拳銃を握った星華が積もった瓦礫を踏みながら現れた。

    『俺はUGNエージェント。この世界改変のイベントにどうしても参加したかったが、なにせ国際テロリストだからな。こうしてアポなしで乗り込ませて貰った』

    『UGNエージェエント!!』

    『グオオオオオ!!』

     敵が現れた事で、『ワルプルギス』の配下だけでなくジャームも襲い掛かる。
     星華に向かって襲い掛かるが、その前に背後から赤い羽根が飛んできた。

    『ぐああああぁ!?』

    『ギギャアアアアアアア!!!』

    『…てめぇ、頭いいくせに意外と思い切った事するんだな』

     そう言いながら、観客に紛れるように潜んでいた蒼空が呆れの眼差しを送る。

    『思い切る事をするのも大事だ。今は、な』

    『ああ…否定はしない』

     お互い会話を終わらせると蒼空は周りの敵を睨み、星華は蒼空の元に跳躍して背中を預けるように拳銃を構える。
     この二人の姿に、周りの者達が騒めき始める。

    『マスターがUGNの味方だと!?』

    『コノ、裏切リ者ガァァァ!!』

    『ごちゃごちゃうるせぇんだよ…こっちは喧嘩売られたから買っただけだ、その為ならどんな手を使おうが…UGNと手を組む事も厭わない!! それだけだ!!』

    『素直じゃないな、蒼空。ここは組織の垣根を超えた愛の共同戦と言ってくれないか。ほら、全世界に俺達の婚約を見せつけるチャンスだぞ?』

    『誰がするかぁ!!! 俺はてめぇに惚れちゃいねーし、婚約なんて口約束すらしてねーよ!!!』

    《やれやれ…ですが、こちらの作戦は成功ですね》

     もはや夫婦漫才にもなってしまった会話にエンが別の意味で飽きれるが、すぐにステージを見る。
     ルピナスとヒスイの指示を受けて、配下が二人を討伐せんと集まってくる。それに加え、ジャームや暴走をした観客達も敵意を露わにこちらに注目している。
     やる気になるギャラリーに、蒼空はエンの力――《オリジン:レジェンド》の力を発動させる。

    『警備員はともかく、観客まで戦おうとはいい度胸だな…そんなにマスターの座が欲しいってか?』

    『小説や映画では、悪役はここで終わる定めだろう。だが、生憎と俺は普通の悪役ではないんだ』

     一見すれば絶対絶命のピンチ。だが、二人は笑う。

    『さあ、俺と彼女の首』『取れるものなら取ってみろぉ!!!』



    『キャン!』

    『キー!』

    (そのまま…ワンダとバットについて行ってください…!)

    『愛衣、無理しないで…!』

     ステージから轟音が鳴り渡る。自分の為に戦ってくれている人達を想いながら、響は二匹の後を追いかける。
     警備も二人の戦いで手薄になっており、その上彼女達の案内もあってようやくリカが囚われているカプセルの所に辿り着いた。

    『リカ、返事して! リカ!』

     響が駆け寄り、カプセルの表面に手を振れる。
     その瞬間、響の中に冷たい何かが入り込む。
     それは嫌悪――拒絶の意志。それを抑える事をせず、解き放っている。

    『これは…リカの、闇…?』

    〈響、どうした?〉

     流れ込んだ感情に困惑していると、星華から連絡が入った。戦っているからか、銃弾や破砕音が聞こえる。

    『星華さん! リカを見つけたんだけど、拒絶してるの…!』

    〈恐らくそれは鍵の所為だ…人の心を開く作用がリカを媒介に広まった。なら、彼も影響を受けて当然の筈だ〉

    『どうすれば…!』

    〈…愛衣、現在端末は鍵の持ち主であるリカとリンクしているんだよな?〉

    (はい…!)

    〈なら、流れる音波を利用すれば彼に直接呼びかける事が可能だろう――響〉

    『なに!?』

    〈歌え、ハヌマーンの能力を使って君の想いをリカにぶつけるんだ〉

    『あたしの、想い…?』

    〈そうだ、響。想いを込めたとびっきりの歌を聞かせて、目覚めさせてやれ〉

    『うん…分かった!!』

     大きく頷くと、響は自身の感情を音楽にしてカプセルに再度手を振れる。
     すると、今度は目の前が真っ暗になる。違う、歌を通してリカの中に入り込んだのだ。
     気を緩めば一気に飲まれそうな闇の中、響は離れた所で闇に囚われているリカを見つける。

    『リカ!』

     彼に向かって手を伸ばす響。が、伸ばす手から引き剥がすようにリカの姿は遠のいていく。

    『お願い、届いて…!』


    《そんなんじゃ届かないって》


     頑張っていると、呆れ気味な少女の声が返ってくる。いつの間にか、隣には金髪と栗毛の少女がいた。

    『誰…?』

    《あいつ、助けたいんでしょ? 私が手伝ってあげる。その代わりに――》

     何かを“お願い”すると、返答も聞かずにすぐに響の手を取ってリカの所まで一緒に飛んでいく。
     至近にまで差し掛かり、響はようやくリカの手を掴む。また、感情が入り込む。

    (…俺は、だれだ? …俺はだれから生まれた? …なぜ本物の記憶がある? …俺は――どうすれば、偽物じゃなくなる?)

     それは彼自身の負の感情。だが、先程と違い拒絶はしていない。このまま引っ張れば意識を連れ出す事は可能だろう。
     だが。

    (響さん、音源から位置がバレました…早くリカさんを…!)

     ワンダを通して、愛衣が語り掛ける。
     奥からバタバタと足音が聞こえる中、俯いていた響が口ずさむ。

    『―――』

    『いたぞ! 撃てぇ!』

     別部隊が追い付き、響達に向かって銃を構える。
     同時に、響の身体から閃光が放たれ――。

    『だぁああああああああああああぁ!!!』

     雄叫びと共に、リカを閉じ込めるカプセルを壁ごと拳で砕いた。

    17/04/11 00:14 NANA   

    ■作者メッセージ
     竹の間での繰り広げられる戦い(パラノイア)


    三人「ZAP!ZAP!ZAP!」

    ゼクシオン(UV)「はい、アクセル死にました。これにて、残りクローンは後1体ですね」

    アクセル「なんでお前ら結託して俺ばっかり揚げ足取ろうとしてんだよー!?」

    ロクサス「おんやぁ? おかしいなぁ、クローンは前の記憶なんて持っていない筈だよなぁ?」(黒笑)

    シオン「そうだねぇ、しかもコンピューター様の敵である反逆者を始末したあたし達を敵呼ばわりして…」(黒笑)

    サイクス「反逆者として処刑されてもおかしくないな」(極悪の笑み)

    アクセル「イエソンナコトアリマセンオレハゼンリョウナシミンデス!!! コンピューターサマバンザーイ!!! シミンコウフクダナァァァァ!!!」(滝汗)

    三人「「「よろしい」」」(黒笑)

    アクセル(…ロクサスから『面白いゲームがあるから、シオン達と一緒にやらないか?』なんて優しい言葉をかけてくれたから喜んでやってきたら…何だよこのゲーム!? UVも含めて俺を殺そうとあの手この手で仕掛けてくるじゃねーか!!? こんな殺伐としたTRPGがあるかぁぁぁ!!!)

    ロクサス(フフフフフ…こんな形でアクセルを何度も始末できるとは、面白いゲームを教えてくれたなぁ!!)

    サイクス(今までの苦労、過去に裏切られた恨み…このゲームで晴らしてくれる…!)

    シオン(リズやムーンの事もあるしねー。さっさとミュータント能力とかボロとか出さないかなー? 遠慮なくZAPじて上げるよ…)

    ゼクシオン(UV)(このゲーム、なんて楽しいんでしょうか…! 全員アクセルに恨みを持っているので優遇はさせてますが、彼を始末したら今度はあなた達の番ですからね…?)

    ロクサス(おうやってみろや、お前の策なんて切り抜けてやるさ)

    サイクス(長年ゼムナスの参謀として働いてきた俺の真の力。見せてやろう)

    シオン(あたしだって負けないんだから!)

    アクセル(あー、もうやだぁぁぁ!!! 誰かこの腹黒地獄部屋から救い出してくれぇぇぇ!!!)
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