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ダブルクロスThe 3rd Edition【君に捧げる詩】

NANA

INDEX

  • あらすじ
  • 01 セッションの準備編
  • 02 PC1紹介
  • 03 PC2紹介
  • 04 PC3紹介
  • 05 PC4紹介
  • 06 オープニングフェイズ1&2
  • 07 オープニングフェイズ3&4
  • 08 ミドルフェイズ1(前編)
  • 09 ミドルフェイズ1(中編)
  • 10 ミドルフェイズ1(後編)
  • 11 ミドルフェイズ2(前編)
  • 12 ミドルフェイズ2(後編)
  • 13 ミドルフェイズ3
  • 14 ミドルフェイズ4
  • 15 ミドルフェイズ5&6
  • 16 ミドルフェイズ6(潜入編1)
  • 17 ミドルフェイズ6(潜入編2)
  • 18 ミドルフェイズ6(戦闘編)
  • 19 ミドルフェイズ6(調査編)
  • 20 ミドルフェイズ7(前編)
  • 21 ミドルフェイズ7(後編)
  • 22 クライマックスフェイズ1
  • 23 クライマックスフェイズ2
  • 24 クライマックスフェイズ3
  • 25 クライマックスフェイズ4
  • 26 クライマックスフェイズ5
  • 27 クライマックスフェイズ6
  • 28 クライマックスフェイズ7&バックトラック
  • 29 エンディングフェイズ1
  • 30 エンディングフェイズ2
  • クライマックスフェイズ6


    スピカ「ここらで本気を出させて貰おうか!
     マイナーで『ボルトアクションライフル』を使用して達成値を上げる。メジャーは《コンセントレイト3:ノイマン》《マルチウェポン3》《急所狙い3》――ここに吸血のアージエフェクト《鮮血の旋風2》を加えて範囲攻撃を行う!! ダイス10個、攻撃力21、達成値5、C値7、浸蝕率は167%だ!」


     《命中判定》
     10D+5(C値7)→31


    スピカ「リカ、蒼空、頼む!」

    ルキル「分かった! 《勝利の女神5》発動、達成値を46にする! 浸食率144%!」

    クウ「いいぜ、受け取りな! 《アージペイン2》発動、浸食率161%!」

    GM「では、ヒスイは《砂の結界》でカバーリングを…」

    スピカ「その必要はない」


     星華は両手の銃のカードリッジを素早く変更する。今求めているのは、いかに彼らを倒すかだけ。実行するには、そろそろ自分も限界を考える事を放棄した方がいい。二人を見てそう思えた。
     そんな星華の思考を読み取ったのか、ルピナスが声を荒げる。

    ルピナス『なぜそこまで戦おうとするUGN!! お前らの守る世界を見てみろ、人も組織も全てが醜さと愚かな欲望で塗れているじゃないか!!』

    星華『守る理由ならあるさ』

    ルピナス『なにを…!!』

    星華『俺の理想の為――そして、愛すべき人と共に歩む為。…ただ、それだけだよ』

    ルピナス『愛だと!? ふざけるなぁ!! そんな下らないバカな理由でこんな世界を守ると言うのか!?』

    星華『ああ。守るさ――何だったら見せてやる。お前らの歪んだ力なんかよりも、もっと純粋で強い愛の力…【想い人】を心に秘めた力ってやつをなぁ!!!』


    スピカ「ここでDロイス【想い人】の効果発動! カバーリング不能、ガード・装甲無視して直接ダメージを与える!」

    SM「しまった! そのための範囲攻撃か!!」

    GM「うう…どっちみち、この達成値では無理です。ダメージどうぞ」

    スピカ「見せてやる、愛の力を!」


     《ダメージ算出》
     8D+21→58


    星華『こんな世界でも、壊れた心でも、俺は彼女を守ると決めた――だからこそ』

     異常となったノイマンによる思考回路で、あらゆる無駄な情報をクリアにする。
     耳障りな騒音も、余分な考えも、敵以外の人物も、攻撃を行うに当たっての精密計算には必要ない。
     彼らがどう動くか、効率的に傷を負える箇所はどこか――そして自分の強さを引き出してくれる蒼空の想いがあれば、それで十分。

    ヒスイ『何をしようと無駄で』

     ヒスイが端末を守ろうとした所で、星華は無言のまま引き金を引く。引かれた銃弾――否、旋風はヒスイを通り抜けて真後ろの端末を直に傷つける。
     だが、それだけでは終わらない。飛び散った旋風に合わせる様に星華が次々と引き金を引く事で不可視の銃弾の空間を作り上げ、端末と一緒に二人に浴びせる事で防御を崩す。
     その攻撃の中で、星華は旋風の中で血の刃が飛び散っている事に気づく。すぐに力の出所を理解し、蒼空の方を向いた。

    蒼空『一人でかっこつけるな!』

    星華『仕方ないだろう。それだけ君を愛しているんだ、蒼空』

    蒼空『うっ…うっせえんだよ、バーカ!』

    ルピナス『UGNめ…やはりお前らも世界の敵だなっ!!!』

    星華『UGNだからこそだ。本当に大事な何かを守ろうとする奴ほど、諦めが人一倍悪いものだ』


    スピカ「さあ、これで邪毒5の効果もついたな。《氷の城塞》の効果は打ち消せないが、そこそこダメージは稼げたはずだ」

    GM「正直痛いです…バステ回復は運切につけていたんですが…」

    オパール「この調子ならいける!」

    クウ「次は俺の番だな。
     マイナーで《ブラッドコントロール3》。メジャーで《コンセントレイト4:ブラム=ストーカー》《紅の刃4》《ブラッドバーン5》《レネゲイドスマイト3》だ。最後の『貴人の礼装』の効果発動、達成値を5底上げしてヒスイに攻撃だ! ダイス12、攻撃力31、達成値23、浸食率173%!
     さらに『夢』のロイスをタイタス昇華! C値−1下げるぜ! そして《闇の鍵》の効果でダイス6個追加だ!」

    GM「では意思判定を…って、もうクリアしてますね。まあ一応振ってください」


     《意思判定》
     9D+9→28


    蒼空『リカ、お前の力を貸せ!』

    リカ『分かった!』

     リカの持つ鍵が投げられ、蒼空は持ち手をキャッチする。
     瞬間、彼女の中のレネゲイドが暴れ始めて衝動が精神を蝕むように掻き乱される。

    蒼空(これが…鍵の力…! 心を開く所か、こじ開けられてるみてぇじゃねーか…!)

    エン《蒼空、衝動に駆られてはいけない! 蒼空っ!》

    蒼空(夢のあいつのように、あいつらを倒す力…違う、俺を踏み躙っただけの力を…!)

     視界が闇に染まる。何も見えない、何も聞こえない。ただ、内なる声が喚いている。
     苦しめ、叫べ、嘆け、跪け、そしてそして――


    「――それが本当に、俺の欲望なのか?」


     突如聞こえた声と共に、手を握られる。
     そこにいたのはエンとよく似ている男。手を握ったまま、真剣な眼差しを向けている。
     認識したと同時に視界が晴れる。もうあの男は何処にもいない。けど、蒼空の心はさっきと打って変わり不思議と落ち着いていた。

    蒼空『――あぁ、そうか…そうだったんだ』

    エン《蒼空…?》

    蒼空(あの悪夢は俺を苦しめる呪いじゃない――夢のあいつと同じように、同じ気持ちを味わってほしくないから…意地でも守れって伝える為だったんだな)

     あの人物はこびり付いた悪夢が作り出した幻か。加虐衝動が見せた幻影か。
     いや、理由なんてもうどうでもいい。

    蒼空『――ああ、やってやる』

     “彼”は大事な事を教えてくれた。それだけは確かなのだから。

    蒼空『だから、その力を今だけは俺にくれぇ!!!』


     《命中判定》
     18D+23(C値6)→67


    クウ「これだけやって、達成値44かよ…」

    GM「普通は良い方ですよそれ。ヒスイは《グラビティガード3》を発動させます」


     《ダメージ算出》
     7D+31→72
     3D→12 72−12→60


    GM「合計、126…! あ…HP123なので、戦闘不能です」

    オパール「やった! 残るはルピナス一人!」

    クウ「ああ。HPが2になったが、俺と星華の攻撃で一人減らせた。このターンで倒せる」

    GM「ええ…倒せそうですね。さて、イニシアチブですが…」

    SM「ここでルピナスは《極大消滅波3》を発動! さらに、Dロイス【造られた魔】を使用してレベルは7になるよ!」

    スピカ「…ぶつける相手はもちろん」

    SM「お察しの通り、エンゲージで固まっている響、星華、リカの三人だよ! リアクション不可の9Dダメージだ!」


     《ダメージ算出》
     9D→48


    ルピナス『同胞の思い…無駄にはしない!! 全員消えろぉ!!!』

     ルピナスが力を発揮すると、三人の足元から猛吹雪が襲い掛かった。

    蒼空『お前らっ!?』


    三人「「「(天義星華/玲崎愛衣/記憶)のロイスをタイタス昇華!!」」」

    SM「さて、これで三人のロイスが3つになったね。蒼空も4つになってるし、そっちもいい感じに追いつめられた」

    オパール「リカに関しては、もう後がないよ…あたし達も、これ以上ロイスを切ったらいずれ塔の歌声に浸蝕されちゃう…!」

    スピカ「本当にこのターンでルピナスを倒さないとな…響、リカ、頼めるか?」

    オパール&ルキル「「もちろん!」」

    オパール「さて、あたしの番! マイナーで《完全獣化2》《バトルビート3》!
     メジャーは《コンセントレイト3:ハヌマーン》《音速攻撃2》《一閃2》《神獣撃4》でエンゲージに入ってルピナスを攻撃! 全力の攻撃をしたいけど、相手が隠し玉持ってる可能性もあるから堅実に攻撃するわ! ダイス20、攻撃力9+9D、達成値3、C値7、浸蝕率171%!」


     《命中判定》
     20D+3(C値7)→27


    オパール「なんかさ、さっきからあたしとルキルのダイス運あんまり良くないよね?」

    SM「これはガードで凌ごうか。さ、ダメージを」


     《ダメージ算出》
     12D+9→71


    響《守る為に何かを、失ったとしても 辛さからはもう、目を逸らさないよぉぉ!!!》

    ルピナス『ぐふっ…!!』

     衝動によって変貌したからか、響の歌も荒々しいヘビメタ風の曲調に変わる。だが、想いは変わらず彼女の熱い拳がルピナスを守る氷を砕いて彼にキツいパンチをお見舞いした。


    GM「83に56で…総計、139…ルピナスのHPは136です」

    オパール「やった!」

    GM「ですが、ここでルピナスは《燃える魂4》を発動します! HP40で復活します!」


    ルピナス『俺は…俺達は、ここで終わる訳にはいかないんだ!! 彼女を殺した人間どもに復讐するまでは!!!』

    リカ『それがあんたの本音か…だが、あんたと同じで俺はもう立ち止まらない。俺は俺の意志で動く!』


    ルキル「俺の番。オートで闇の鍵を装備し、マイナーで戦闘移動してルピナスのエンゲージに入る。メジャーで《コンセントレイト3:バロール》《コントロールソート2》《巨人の斧4》ダイス9個、攻撃力25、達成値7、C値7、浸蝕率は151%!」


     《命中判定》
     9D+7(C値7)→43


    GM「ルピナスはガードします。ルキルさんのダイス運なら、生き残れる可能性がワンチャンありますからね!」

    ルキル「おいどういう意味だ! 攻撃力は高いし、期待値出せば余裕だろ!」


     《ダメージ算出》
     5D+25→47


    オパール「期待値が――何ですって?」

    ルキル「言うな…!!」

    クウ「お前、スピカやグラッセよりダイス運酷いぞ…」

    SM「残りHP8。いやー、本当に生き残ったよ!」


     ギリギリのラインで立ち上がるルピナスに、リカがすかさず一閃する。
     しかし、ルピナスは寸前の所で氷剣で攻撃をいなす。おかげで、致命傷までは受けずに踏み止まる事が出来た。

    ルピナス『まだだ…まだ、終わるかぁ!!!』

    響『どうしてそこまで…!』

    ルピナス『どうして? 決まっている、それが俺達人ならざる者の欲望(ネガイ)だからだぁ!!』


    GM「ルピナスの番です。マイナーで《氷の加護4》を発動。
     メジャーは《コンセントレイト:サラマンダー3》《フレイムタン5》《アドレナリン2》《罪人の枷3》《拒絶の業火4》さらに《キリングパフューム2》を組み合わせます。ダイス12、攻撃力32、達成値6、C値7。リアクション不可の攻撃となり、ラウンド間達成値−6と5m後方に移動ですよ!」

    オパール「狙う相手は…」

    GM「決まってますよ、響さん?」

    オパール「ですよねー」


     《命中判定》
     12D+6→39

     《ダメージ算出》
     4D+32→57


    ルピナス『お前が…お前さえいなければぁ!!!』

     氷剣に絶対零度の冷気を纏わせると、至近距離にいる響に斬りかかる。
     斬撃と共に冷気の爆発に呑まれ、響を吹き飛ばす。後方に吹き飛ばされた響は全身が凍り付いている。
     だが、身体は限界でも闘志は消えていない。

    響『…それでも、あたしは…守って見せる!!!』


    オパール「黒羽蒼空のロイスをタイタス昇華!」

    GM「これで全員の行動は終了。クリンナップに入ります――バッドステータスはエフェクトより優先される効果ですので、邪毒の効果でルピナスと端末に15点ダメージを与えます。これにより、ルピナスは戦闘不能となりました。響さんのバステは回復します」


     再び立ち上がる響の姿に、ルピナスも苛立ちを交えて剣を構える。
     直後、意思とは関係なく糸が切れたように体が床に沈む。
     何が起きたか分からないルピナスに、離れた場所にいた星華が目を伏せたまま宣告する。

    星華『限界だ。もうお前は戦えない』

    ルピナス『なに、を――し…』

    星華『速さや知能以外にある、俺の能力――あらゆるものを分解する力だ』

     冷淡に言いながら、取り付けていた右手の銃のカードリッジを床に落とす。
     微弱に存在するハヌマーンの波の力を増幅させ、展開させる為の媒体。風をおこすだけで殺傷能力はない。ただ風を媒介に体内の気に干渉し、構造情報を書き換える事が出来る。
     情報を読み取り、物質の一部を分解する。これが、天義星華の持つ隠された切り札だ。

    17/04/22 02:28 NANA   

    ■作者メッセージ
     補足コーナー:Dロイス【想い人】について

     心に強く思う人がいる事を表すDロイス。その思いは通常よりも遥かに強い。
     相手は恋人でもいいし、親友でもいい。また、家族やライバル、敵など強い感情を抱く者ならば誰でもいい。
     ロイスである絆はオーヴァードにとって日常に引き戻す力であり、奮い立たせる力となる。その中でも【想い人】となるロイスは心を守る鎧であり剣となる。強い思いは多少の障害を諸共しない。
     しかし、大切な人との繋がりが失われると、通常よりも酷い痛みと喪失を感じる事となる。下手をすれば、心を引き裂かれてしまう程に。
     星華の場合――ここまで読んでくれた読者にしたら、説明するだけの情報はないだろう。とにかく蒼空を愛している。この一言に尽きる。


     このDロイスは、持っているロイスから【想い人】となるロイスを1つだけ選択する。Sロイスルールも導入しているなら、対象を重複しても構わない。一度【想い人】に設定したら、セッション中は変更は出来ない。
     シナリオ中に1回。ダメージロールを行う直前に使用でき、与えるダメージは対象の装甲値・ガード値をすべて無視して算出する。更に、他キャラがカバーリングを宣言しても対象を移し替える事は出来ない。
     ただし、【想い人】に指定したロイスをタイタスしたらバックトラックでは2倍振りが出来なくなる。
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