Another chapter9 Terra side‐6
目の前で、冷たく光る刃が迫る。
そんな中、今の自分はボロボロで地面に倒れている。これではもはや、避ける事さえも出来ない。
そうこう考えている内に刃が近づいて、切り裂かれる―――直前、小さな人影が入り込んだ。
「――止めてぇ!!!」
必死な叫びと共に、目を覚ましたのかレイアが両手を広げてクウの前に立つ。
予想もしない乱入にエンも目を見開き、刃はレイアの髪に触れるか触れないかの所で辛うじて止まる。
刃が止まったのを見て、レイアは顔を強張らせてエンを睨む。そんなレイアに、エンは氷のように冷たい眼差しを向けた。
「…どきなさい。あなたも消えたいのですか?」
「…嫌です」
レイアが否定の声を出すと、エンの瞳が淀む。
だが、それを押し殺すように先程よりもきつく言い放つ。
「どけ」
「嫌です…」
「レイア…!! 早く、にげ――!!」
「嫌ですっ!!! 逃げるぐらいなら、最後までクウさんを守りますっ!!!」
クウの声を無視して大声で叫ぶなり、レイアは目に涙を浮かべて顔を俯かせた。
「クウさんは、ずっと守ってくれたんです…!! だから、今度は私が守りますっ!!!」
この決意と共に顔を上げると、今にも泣きそうな表情でエンを睨む。
目の前のレイアを見て、何故か武器を握るエンの手が震える。だが、何処か憎しげに歯を食い縛ると一旦武器を横に引いて怒鳴りつけた。
「だったら、そいつ諸共――っ!!?」
レイアに向かってダブルセイバーを振り上げるが、突然エンが苦しげに胸を押さえてその場に崩れ込んだ。
「ぐっ…こんな、時に…!!」
「え…?」
何が起こったのか分からずレイアが目を丸くしていると、エンは『テレポ』の魔法を唱えその場から消え去った。
「引いた、だと…?」
「一体、どうして…?」
エンの行動に、クウと同じように倒れている無轟とテラも疑問を浮かべる。
その時、立っていたレイアが膝を付いて砂浜に倒れる。
どうにかクウが起き上ってレイアを抱きかかえると、顔色が悪く肩で息をしていた。
「レイア…!!」
「す、すみま…」
「バカ…謝るな…!!」
どうやら相当無理をして助けに入ってくれたようで、クウはそう言ってレイアを抱きしめる。
そんな二人に、テラも身体に鞭を打って起き上るとキーブレードを持った。
「二人、とも…すぐに、回復を…!!」
テラが回復の魔法を唱えようとしていると、急に身体の痛みが引いていく。
同じようにクウも傷が治り、レイアも顔色が少しだけ良くなる。思わず三人が無轟を見ると、こちらに空になった『メガポーション』の瓶を見せて苦笑していた。
「貴重な物だが…こういう時にこそ、使うべきだろうな」
「サンキュ…オッサン」
クウがお礼を述べると、無轟は『ハイエーテル』を取り出して軽く投げる。
するとレイアに魔法の光が宿り、枯渇した魔力が回復したのかゆっくりとクウの服を掴みながら起き上がる。
こうして回復薬を使って最低限の治療をすると、無轟は一息吐いて次の指示を出した。
「先に二人から回復してくれ。俺とクウはその後でいい」
「「分かった(分かりました)…」」
回復魔法を使えるテラとレイアが頷くと、それぞれ傷を癒したり無轟の炎で削られた体力や魔力を持っているアイテムで回復させる。
その間に、無轟は未だに座り込むクウを無理やり立たせると二人から離れる様に海岸へと歩いて行き、まるで押し付ける様に座らせる。
突然の行動にクウが訝しんでいると、無轟が屈み込む。次の瞬間、何とコートを脱がせてその下の黒いシャツを捲り出した。
「な…!? オッサン、何す――!?」
「いいから見せろ。その為にあの二人から遠ざけたんだ」
「…お見通しかよ…」
無轟の放った言葉に、クウは足を組んで横目になって呟く。
こうしてクウが大人しくなると、無轟は思いっきりシャツを捲り上げて背中を覗き込む。
そこにはレイアの回復魔法、そして今しがた使った薬でも完全に治っていないのか、赤黒く切られた痣が残っている。出来るだけ軽く触るが、痛みが走ったのかクウが表情を歪めた。
「いっつ!?」
「身体を張って守ったとは言え、無茶をしたものだな…よく最後まで戦えたものだ」
「…あの攻撃当たってたら、レイアはまず助かってなかっただろ? それなのに弱音吐いたら、絶対泣いて叩かれて説教される」
何処か居心地が悪そうに答えるクウに、無轟も苦笑を浮かべてしまう。
無轟は後ろに移動すると手に癒しの光を宿し、背中に怪我をしている部分に当てた。
「オッサン、『ケアル』使えるのか…!?」
「応急処置用に覚えたものだ。故に治癒力は弱いが、二人が終わる頃には十分だろう」
「回復魔法使えないのは俺だけ、か…――あー、なっさけねぇ。俺だけ何も出来ないのかよ…」
何処か悔しそうにクウは手を後ろにやって軽く重心を預けると、夜になろうとしている空に目を向けた。
「フッ…」
「何だよ、急に笑って?」
「初めてお前と会った時を思い出してな…最初に会った頃は、自分や相手の力量も知ろうとしないで突っ走っていたものを…」
「うっせ…11年も経てば、俺だって成長するさ」
改めて昔の事を無轟に言われ、左手でガシガシと頭を掻いていると近くで炎が出現する。
もはや慣れてしまったのかさほど驚く事もせずにクウがじっと見ていると、炎産霊神が笑いながら現れた。
『中身は成長して無いように思うけどね〜? 冷静ぶって人を遠ざけてたけど、結局ほおって置けなくなって自分から突っ込んでいく所とかさ』
「おい、クソガキ。一発殴らせろ」
『殴ってもいいけど、その手が焼け焦げるだけだよ?』
「神様のクセして、そんなに拳骨が嫌か…っ!?」
すぐさま炎に包まれてガードを見せる炎産霊神に、拳を震わせるクウの額に青筋が浮かぶ。
この二人のやり取りに、無轟は回復しながら笑みを浮かべた。
「だが、こいつの言う通りだ。どんなに性格が変わっても、炎産霊神の言う根本的な所は何一つ変わっていないな」
「…悪いかよ」
「いや…寧ろ、安心した」
思いがけない言葉を言われ、クウは目を見開いてしまう。
あれだけの戦闘力を持ち何処か常識に疎い人が、「安心した」と言う言葉を使うのだ。驚くのも無理はない。
そうしてクウが顔を無轟に向けると、心の内に気づいたのか笑いながら話を続けた。
「俺もテラも、いきなり未来の世界に飛ばされたんだ。正直、戦いだけしてきた俺でも不安になる…だから、この世界を過ごしてきたお前があの頃のように何も変わっていなくて良かったと思ってる」
「オッサンから見たら…俺、そんなに変わってないのか?」
顔を俯かせ不安そうにクウが聞くと、無轟と炎産霊神は顔を見合わせて笑い合った。
「少なくとも、図体だけは成長していたな」
『無轟、単純さもじゃない?』
「オッサン、ガキ…何時か、二人纏めて殴ってやるからな…っ!!」
二人の会話に、クウは怒りを露わにして拳を見せつけた。
「楽しみにしておこう……さて、こんなものか」
「おい、オッサン。まだ完全に治って――」
回復の手を止めて捲っていたシャツを下ろす無轟に、クウは未だに痛む背中を指す。
と、ここで砂を踏む音が聞こえてくる。見ると、回復が終わったのかレイアが小走りで近づいていた。その後ろを、テラが歩いている。
「お待たせしました! クウさん、すぐに治しますからね!!」
「…なるほどな」
レイアに回復して貰いながら、クウは理解する。あえて全部治さずにある程度残して置く事で大した事ない怪我だと認識させれるし、レイアの仕事も残しておける。無轟も無轟でちゃんと考えてくれていた。
そうしていると、テラも無轟を回復させる。やがて全員の治療を終えると、テラが口を開いた。
「これから、どうしようか?」
「あの人は何処かに消えちゃいましたし…」
困ったようにレイアも顔を俯かせていると、クウが一つの提案を出した。
「――なあ、一回あの世界に戻って見ないか? 他の奴らも戻って来て良い頃だろ?」
「それもそうだな…よし、『レイディアントガーデン』に戻ろう」
テラの言葉に、それぞれが頷くと一旦入り江の方へと移動する。
だが、無轟がゆっくりと歩を弱めてある程度三人から離れた所で振り返る。
そこには、炎産霊神が神妙な面付きで無轟をじっと見ていた。
「どうした?」
『無轟…君には話しておいた方がいいと思って…』
「…聞こう」
すぐに無轟が聞く体制に入ると、炎産霊神は口を開いた。
彼が感じた、驚くべき事実を。
「はぁ…はぁ…!!」
世界は変わり、とある世界の荒れ果てた荒野。
その荒野にある一つの岩に寄り掛るように、エンは胸元を抑え込んで座っていた。
「あらあら、大丈夫…――でも、なさそうね?」
「あなたですか…」
後ろから近づいた気配に振り返ると、そこには仮面を付けたカルマが腕を組んで笑っている。
そうして座り込むエンの傍に近づくなり、何処か面白そうに首を傾げた。
「――限界、近付いているようね?」
「否定はしません……もう、分かっている事ですから」
これ以上弱気な所を見せられないのか、エンは苦しそうに立ち上がりカルマに背を向け去ろうとする。
「どんなに力が強くても、どんなに抑え込もうとも、『消える』と言う運命は変えられない」
だが、カルマの放った言葉にエンは足を止める。
そんなエンの背に、カルマは非情にも更に言葉で攻め立てた。
「それは―――ノーバディとして生まれた、あなたの宿命」
そう。それが彼の正体。かつて、ある人物の抜け殻から生まれたノーバディ。
しかし、彼はもう―――世界に存在できる時間が残されていない。
でも、そのおかげで協力と言う形で手を取り合えた。
「そうだな…宿命は、抗えない。抗えきれない」
まるで自分自身に言い聞かせると、ゆっくりとこちらに振り返る。
そのまま顔に巻いている布に手を当てると、素顔を露わにしてカルマに語りかけた。
「カルマ。私の計画には、あなたの計画が必要です」
「ええ、私もあなたの力と知識には助かってる。だからこそ、あなたの計画にこうして協力してるのよ?」
「大丈夫ですよ……これが、私の決めた道ですから」
「ふふ、期待してるわよ?」
互いに協力や利用をしあい、時に弱みを探り合う。
何処か歪な関係を持つ二人の間を、乾いた風が通り抜けた。
そんな中、今の自分はボロボロで地面に倒れている。これではもはや、避ける事さえも出来ない。
そうこう考えている内に刃が近づいて、切り裂かれる―――直前、小さな人影が入り込んだ。
「――止めてぇ!!!」
必死な叫びと共に、目を覚ましたのかレイアが両手を広げてクウの前に立つ。
予想もしない乱入にエンも目を見開き、刃はレイアの髪に触れるか触れないかの所で辛うじて止まる。
刃が止まったのを見て、レイアは顔を強張らせてエンを睨む。そんなレイアに、エンは氷のように冷たい眼差しを向けた。
「…どきなさい。あなたも消えたいのですか?」
「…嫌です」
レイアが否定の声を出すと、エンの瞳が淀む。
だが、それを押し殺すように先程よりもきつく言い放つ。
「どけ」
「嫌です…」
「レイア…!! 早く、にげ――!!」
「嫌ですっ!!! 逃げるぐらいなら、最後までクウさんを守りますっ!!!」
クウの声を無視して大声で叫ぶなり、レイアは目に涙を浮かべて顔を俯かせた。
「クウさんは、ずっと守ってくれたんです…!! だから、今度は私が守りますっ!!!」
この決意と共に顔を上げると、今にも泣きそうな表情でエンを睨む。
目の前のレイアを見て、何故か武器を握るエンの手が震える。だが、何処か憎しげに歯を食い縛ると一旦武器を横に引いて怒鳴りつけた。
「だったら、そいつ諸共――っ!!?」
レイアに向かってダブルセイバーを振り上げるが、突然エンが苦しげに胸を押さえてその場に崩れ込んだ。
「ぐっ…こんな、時に…!!」
「え…?」
何が起こったのか分からずレイアが目を丸くしていると、エンは『テレポ』の魔法を唱えその場から消え去った。
「引いた、だと…?」
「一体、どうして…?」
エンの行動に、クウと同じように倒れている無轟とテラも疑問を浮かべる。
その時、立っていたレイアが膝を付いて砂浜に倒れる。
どうにかクウが起き上ってレイアを抱きかかえると、顔色が悪く肩で息をしていた。
「レイア…!!」
「す、すみま…」
「バカ…謝るな…!!」
どうやら相当無理をして助けに入ってくれたようで、クウはそう言ってレイアを抱きしめる。
そんな二人に、テラも身体に鞭を打って起き上るとキーブレードを持った。
「二人、とも…すぐに、回復を…!!」
テラが回復の魔法を唱えようとしていると、急に身体の痛みが引いていく。
同じようにクウも傷が治り、レイアも顔色が少しだけ良くなる。思わず三人が無轟を見ると、こちらに空になった『メガポーション』の瓶を見せて苦笑していた。
「貴重な物だが…こういう時にこそ、使うべきだろうな」
「サンキュ…オッサン」
クウがお礼を述べると、無轟は『ハイエーテル』を取り出して軽く投げる。
するとレイアに魔法の光が宿り、枯渇した魔力が回復したのかゆっくりとクウの服を掴みながら起き上がる。
こうして回復薬を使って最低限の治療をすると、無轟は一息吐いて次の指示を出した。
「先に二人から回復してくれ。俺とクウはその後でいい」
「「分かった(分かりました)…」」
回復魔法を使えるテラとレイアが頷くと、それぞれ傷を癒したり無轟の炎で削られた体力や魔力を持っているアイテムで回復させる。
その間に、無轟は未だに座り込むクウを無理やり立たせると二人から離れる様に海岸へと歩いて行き、まるで押し付ける様に座らせる。
突然の行動にクウが訝しんでいると、無轟が屈み込む。次の瞬間、何とコートを脱がせてその下の黒いシャツを捲り出した。
「な…!? オッサン、何す――!?」
「いいから見せろ。その為にあの二人から遠ざけたんだ」
「…お見通しかよ…」
無轟の放った言葉に、クウは足を組んで横目になって呟く。
こうしてクウが大人しくなると、無轟は思いっきりシャツを捲り上げて背中を覗き込む。
そこにはレイアの回復魔法、そして今しがた使った薬でも完全に治っていないのか、赤黒く切られた痣が残っている。出来るだけ軽く触るが、痛みが走ったのかクウが表情を歪めた。
「いっつ!?」
「身体を張って守ったとは言え、無茶をしたものだな…よく最後まで戦えたものだ」
「…あの攻撃当たってたら、レイアはまず助かってなかっただろ? それなのに弱音吐いたら、絶対泣いて叩かれて説教される」
何処か居心地が悪そうに答えるクウに、無轟も苦笑を浮かべてしまう。
無轟は後ろに移動すると手に癒しの光を宿し、背中に怪我をしている部分に当てた。
「オッサン、『ケアル』使えるのか…!?」
「応急処置用に覚えたものだ。故に治癒力は弱いが、二人が終わる頃には十分だろう」
「回復魔法使えないのは俺だけ、か…――あー、なっさけねぇ。俺だけ何も出来ないのかよ…」
何処か悔しそうにクウは手を後ろにやって軽く重心を預けると、夜になろうとしている空に目を向けた。
「フッ…」
「何だよ、急に笑って?」
「初めてお前と会った時を思い出してな…最初に会った頃は、自分や相手の力量も知ろうとしないで突っ走っていたものを…」
「うっせ…11年も経てば、俺だって成長するさ」
改めて昔の事を無轟に言われ、左手でガシガシと頭を掻いていると近くで炎が出現する。
もはや慣れてしまったのかさほど驚く事もせずにクウがじっと見ていると、炎産霊神が笑いながら現れた。
『中身は成長して無いように思うけどね〜? 冷静ぶって人を遠ざけてたけど、結局ほおって置けなくなって自分から突っ込んでいく所とかさ』
「おい、クソガキ。一発殴らせろ」
『殴ってもいいけど、その手が焼け焦げるだけだよ?』
「神様のクセして、そんなに拳骨が嫌か…っ!?」
すぐさま炎に包まれてガードを見せる炎産霊神に、拳を震わせるクウの額に青筋が浮かぶ。
この二人のやり取りに、無轟は回復しながら笑みを浮かべた。
「だが、こいつの言う通りだ。どんなに性格が変わっても、炎産霊神の言う根本的な所は何一つ変わっていないな」
「…悪いかよ」
「いや…寧ろ、安心した」
思いがけない言葉を言われ、クウは目を見開いてしまう。
あれだけの戦闘力を持ち何処か常識に疎い人が、「安心した」と言う言葉を使うのだ。驚くのも無理はない。
そうしてクウが顔を無轟に向けると、心の内に気づいたのか笑いながら話を続けた。
「俺もテラも、いきなり未来の世界に飛ばされたんだ。正直、戦いだけしてきた俺でも不安になる…だから、この世界を過ごしてきたお前があの頃のように何も変わっていなくて良かったと思ってる」
「オッサンから見たら…俺、そんなに変わってないのか?」
顔を俯かせ不安そうにクウが聞くと、無轟と炎産霊神は顔を見合わせて笑い合った。
「少なくとも、図体だけは成長していたな」
『無轟、単純さもじゃない?』
「オッサン、ガキ…何時か、二人纏めて殴ってやるからな…っ!!」
二人の会話に、クウは怒りを露わにして拳を見せつけた。
「楽しみにしておこう……さて、こんなものか」
「おい、オッサン。まだ完全に治って――」
回復の手を止めて捲っていたシャツを下ろす無轟に、クウは未だに痛む背中を指す。
と、ここで砂を踏む音が聞こえてくる。見ると、回復が終わったのかレイアが小走りで近づいていた。その後ろを、テラが歩いている。
「お待たせしました! クウさん、すぐに治しますからね!!」
「…なるほどな」
レイアに回復して貰いながら、クウは理解する。あえて全部治さずにある程度残して置く事で大した事ない怪我だと認識させれるし、レイアの仕事も残しておける。無轟も無轟でちゃんと考えてくれていた。
そうしていると、テラも無轟を回復させる。やがて全員の治療を終えると、テラが口を開いた。
「これから、どうしようか?」
「あの人は何処かに消えちゃいましたし…」
困ったようにレイアも顔を俯かせていると、クウが一つの提案を出した。
「――なあ、一回あの世界に戻って見ないか? 他の奴らも戻って来て良い頃だろ?」
「それもそうだな…よし、『レイディアントガーデン』に戻ろう」
テラの言葉に、それぞれが頷くと一旦入り江の方へと移動する。
だが、無轟がゆっくりと歩を弱めてある程度三人から離れた所で振り返る。
そこには、炎産霊神が神妙な面付きで無轟をじっと見ていた。
「どうした?」
『無轟…君には話しておいた方がいいと思って…』
「…聞こう」
すぐに無轟が聞く体制に入ると、炎産霊神は口を開いた。
彼が感じた、驚くべき事実を。
「はぁ…はぁ…!!」
世界は変わり、とある世界の荒れ果てた荒野。
その荒野にある一つの岩に寄り掛るように、エンは胸元を抑え込んで座っていた。
「あらあら、大丈夫…――でも、なさそうね?」
「あなたですか…」
後ろから近づいた気配に振り返ると、そこには仮面を付けたカルマが腕を組んで笑っている。
そうして座り込むエンの傍に近づくなり、何処か面白そうに首を傾げた。
「――限界、近付いているようね?」
「否定はしません……もう、分かっている事ですから」
これ以上弱気な所を見せられないのか、エンは苦しそうに立ち上がりカルマに背を向け去ろうとする。
「どんなに力が強くても、どんなに抑え込もうとも、『消える』と言う運命は変えられない」
だが、カルマの放った言葉にエンは足を止める。
そんなエンの背に、カルマは非情にも更に言葉で攻め立てた。
「それは―――ノーバディとして生まれた、あなたの宿命」
そう。それが彼の正体。かつて、ある人物の抜け殻から生まれたノーバディ。
しかし、彼はもう―――世界に存在できる時間が残されていない。
でも、そのおかげで協力と言う形で手を取り合えた。
「そうだな…宿命は、抗えない。抗えきれない」
まるで自分自身に言い聞かせると、ゆっくりとこちらに振り返る。
そのまま顔に巻いている布に手を当てると、素顔を露わにしてカルマに語りかけた。
「カルマ。私の計画には、あなたの計画が必要です」
「ええ、私もあなたの力と知識には助かってる。だからこそ、あなたの計画にこうして協力してるのよ?」
「大丈夫ですよ……これが、私の決めた道ですから」
「ふふ、期待してるわよ?」
互いに協力や利用をしあい、時に弱みを探り合う。
何処か歪な関係を持つ二人の間を、乾いた風が通り抜けた。
■作者メッセージ
NANA「さーて、今回も…」
クウ「おい、待てやぁ…!!!」
NANA「いきなり!?」
テラ「逃がすかぁ…!!!」
NANA「さらに追加ぁ!?」
レイア「どうして私達、エンさんと戦ってるんですか…しかも、最後は全滅で?」
NANA「い、いやだって…!! こ、ここで少しでもエンについて謎って言うか、人間性を出したいな〜って思って、こう言ったプランを…!!」
クウ「だからって戦わせる事ねーだろぉ!!! オッサンいなかったり、エンが自分から引かなかったら俺ら確実に殺されてただろぉ!!?」
NANA「いやいや、殺すっていうよりは消すだけだから!!」
クウ「意味一緒じゃねーかぁ!!!」
テラ「まさかとは思うが…他にもこう言ったプラン、立てている訳ではないよな…?」
NANA「えーと、この後の台本どうだったっけ?」(台本を捲る)
クウ「レイア、殺れ」
レイア「もちろんですっ!!! 全上級魔法、たっぷりとお見舞いしますっ!!!」(魔法発動)
NANA「ちょー!! 《ヤ》の字がおかしい!! と言うか、止めてぇぇぇ!!!……なーんてね、ここで【FF12】で溜めこんだ『リフレガの魔○』!!」(魔法の障壁に包まれる)
レイア「ほえっ!?」
クウ「『リフレガ』って、事は…どぁああああ!!? こっちに反射してきやがった!!?」
テラ「うわああああああああっ!!?」(跳ね返った魔法に巻き込まれる)
NANA「あっはははは!! どうだぁ、毎度毎度やられてばっかりの私じゃないぞー!!!」
*作者が図に乗って高笑いしておりますので、事前に撮った新技紹介見て待っていてください。
テラ新技紹介
『ダークヘイズ』:闇を纏った突進攻撃を繰り出す。尚、雑魚敵の場合には死の宣告効果をつける。
『ファイアストライク』:炎を纏ったキーブレードで回転攻撃を行う。
『フリーズレイド』:氷の力を纏ったキーブレードを投げつける。当たった敵はフリーズ状態になる。
テラ「『ダークヘイズ』の効果はともかくとして、どうして『フリーズレイド』の異常状態もエンには効かなかったんだ?」
NANA「エンについての補足になりますが、翼の力は具現化されていない状態でも有効と言う事です。大体、ボスには異常状態が効かないのは良くある話でしょう?」
テラ「それはそうだが、少しぐらい弱体されても…」
NANA「弱体して、効きやすくしてみろ。【COM】でのアクセルやラクシーヌ、一回目のマールーシャ戦では『フリーズ&気絶』コンボで無傷で勝利出来るし、リク=レプリカ戦なんて今の方法に加え、Dモードリクの気絶状態の攻撃繰り返せばほぼ反撃無しで勝利を――」
アクセル「ほう…? だったら、今ここで実践して貰おうかぁ?」(チャクラム装備)
ラクシーヌ「コンボ喰らわせる前に、ズタボロにしてくれようじゃない…!!」(夥しい電気を纏わせている)
マールーシャ「何だったら、『死の宣告』もつけてやろうか?」(スペクターを呼び寄せる)
ルキル「一瞬で闇に葬ってやる…!!」(拳を鳴らしてる)
NANA「え!? あ、いや…わ、私はGBA版では正々堂々と、戦ったからそんな鬼畜コンボを使っては…――テ、テラさーん無言で去っちゃ…と、とんずらーーーーっ!!?」(逃走)
『ケアルガ』:言わずと知れた、癒しの上級魔法。味方を大きく回復する。
『クエイク』:キーブレードを掲げ、自分を中心に大きな岩を隆起させる上級の魔法。
『アルテマキャノン』:キーブレードをキャノン砲に変え、巨大な光弾を発射するテラ専用のシュートコマンドの最強技。標的にぶつかると、大爆発を起こす。
『ウィンドカッター』:風を纏った回転攻撃を何度も行い、相手を打ち上げる技。
テラ「それにしても、今回は大技が多かったな」
NANA「今回は言い換えれば、ラスボスとのイベント戦でしたからね。なので、いろいろと大技を使わせてみました」
テラ「イベント戦? どう言う事だ?」
NANA「ほら、RPGではよくある確実に負けるボス戦…はぁ!?」
テラ「負け確定で俺達をエンと戦わせた訳か…!?」(『アルテマキャノン』準備中)
NANA「さいならーーーーーっ!!!」(再び逃走)
クウ新技紹介
『ダークサンダガ』:黒い羽根を突き刺し、そこから黒い雷を放出させる技。スピカの魔法とは出し方が違うだけで、技の性能は一緒。
『ブレイズ・ローカス』:足を振り上げて、炎の衝撃波を繰り出す格闘技。実はスピカの使う『炎撃嵐舞』の元技でもある。
クウ「今回の話で俺とスピカの関係が分かったから、こうして使わせたのか?」
NANA「はい〜。ようやくクウとスピカの関連性を書けましたので、戦闘での技も関係あるモノをこうして使わせました〜」
クウ「やけに上機嫌だな? そんなに嬉しいのか?」
NANA「そりゃあ、この関係が最終章では山場になっていくんだし…」
クウ「山場? どういう事だ?」
NANA「それはもう、いろいろですよ〜!! …そう、いろいろ…」(ボソッ)
クウ「?」
『アクロバット・アーツ』:相手をアッパーで浮かせ、舞うように空中で蹴りを放つ技。尚、アッパーを当てなくても蹴りを放つ事は可能。
『メテオドライヴ』:大きく屈んで相手を蹴り上げた後、瞬時に掴んで地面に打ち付ける技。元はディ○ティア012でティファが使う技。
クウ「にしても、何で俺がティファの技を…」
NANA「同じ格闘使いだし、参考にと思って動画を見ていたら『これは使えそう!』と思って、こうして取り入れてみました」
クウ「まあ、いいか。実際、エンの防御を解くぐらいの威力だったし…」
NANA「そうそう。これ補足だけど、今回のエンは翼を出してないって事で、実はスピカの時よりも手加減して戦っていたんだよね〜。だから、次も喰らうとは限らない…」
クウ「『メテオドライブ』ゥ!!!」
NANA「げぶぉ!!?」
テラ&クウ連携技
『インパクト・ダーガ』
上空にいる相手にテラが歯車上に変形したキーブレードで攻撃し、真下からクウも怒涛の蹴りを浴びせる。
最後にキーブレードと拳にありったけの闇を宿し、思いっきり振り下ろして地面に打ち付ける。
テラ「アクアやヴェンに続き、ようやく俺も連携技が使えたか」
クウ「ところで、【インパクト】は分かるが【ダーガ】ってのは何だ?」
NANA「【FF12】に登場する闇属性の上級魔法です。豪快な攻撃に闇を加えるので、ピッタリだと思いまして」
テラ「そう言えば、この連携攻撃では『留まりし思念』での技だったな…なあ。もしかして、他にも使わせてくれるのか?」
NANA「ええ、まあ。思念体もテラの力ですからね。ただし、出す際はある程度威力等は調整はさせて貰いますが」
テラ「どうして!?」
クウ「いや、当然だろ。あれだけド派手な攻撃の猛ラッシュに攻撃力も半端ないし…」
NANA「それに加えて、コマンド封印や変化機能なんて使ったら無轟と同レベルになるでしょ…」
テラ「…すまない、俺が悪かった」
レイア「最後、無轟さんに失礼な言い方な気がするんですが…?」
レイア新技紹介
『デスペル』:敵にかけられた有利なステータス効果を解除する魔法。
『シェル』:魔法による攻撃や回復を緩和する守護の魔法。その為、今回の戦いでは『シェル』によってクウに『ケアルガ』等の回復魔法が効きにくい状態となり怪我を完全に治せなかった。
レイア「あのぉ…この補足、普通は本編でするものではないんですか?」
NANA「まあ、その…戦闘シーンに力を入れたので、こう言った説明がずさんになってしまって…しかも、文字数の事もあって補足の説明すら入らない状態になってしまって…」
レイア「本当ですか? 実は忘れてただけではないんですか?」
NANA「ドキィ!!」
『ベネディクトヴィスター』:レイアの想いによって生まれた上級魔法。自身の全ての魔力を引き換えに祝福の光を放ち、自分以外の味方を回復するだけでなく全パラメータも一時的に上げる。ちなみに「ベネディクト」とはラテン語で祝福、「ヴィスター」もラテン語で勝利と言う意味。
レイア「今回も少なかったですけど、新しい魔法を覚えましたし、ヒロインらしい見せ場がありました。次回もきっと、私の愛の力が発揮されるはず――」
NANA「いや、次は最終章だから…どちらかと言うと、クウの愛よりは隠している部分の方に注目があると――」
レイア「(プチン)…メテオホーリーフレアメルトンアーダーコプラスルインガデスカオスアルテマァ!!!」
NANA「ちょ!? 使えない魔法混じって…ぎゃあああああああっ!!?」(全部直撃)
無轟新技紹介
『炎産霊神』:刀身全部に灼熱の炎を纏い斬りつけると同時に、灼熱の奔流が相手に襲い掛かる技。普通の敵ならば灰燼となる。
『火之夜藝』:刀身に炎を纏い連続斬りする技。避けても炎が幾度も襲い来る。
『烈火・緋の花』:火の粉を起爆剤にして、火を灯した凛那で振るい爆発する技。もちろん、使った本人は無傷で済む。
『火之R毘古』:刀身に炎を纏わせ叩き斬る事で、炎が大津波のように相手を飲み込む。今回は地面に叩き斬った事で上空のエンに炎での目隠しを行った。
『ケアル』:言わずと知れた癒しの初級魔法。
NANA「今回こちらで使った技は、ガイム投稿版での作品を元にしております。技の読み仮名が分からないと言う方は、『夢旅人暇つぶし小説解析』での無轟の紹介でご確認ください」
無轟「何と言うか…今回、初めて戦闘らしい戦闘を行ったな」
NANA「まあ、その…強さの事もあるので戦闘は少なめですが、夢さんから借りているキャラなので待遇のある扱いにと思って、誰よりも物語の核心に近く位置するように仕向けています」
炎産霊神『それって、前回の女の子と最後の僕のセリフの事? どれだけ近くにいるの?』
NANA「ぶっちゃけて言えば、ラスボスの正体が分かってる所までですかね」
無轟「いいのか? そんな事を話しても?」
NANA「…今回と言い、前回のスピカ戦を考えれば正体が分かるかもしれないから…」(ズーン)
エン新技紹介
『フリーズゼロ』:氷点下の冷気を漂わせ、相手を一瞬で氷漬けにする魔法。『フリーズ』よりも時間が長く、その威力は炎産霊神さえも凍らせるほど。
『マイティガード』:『プロテス』と『シェル』の魔法を同時にかける守護の魔法。効果はオパールの【合成】と一緒だが、耐久力は無轟の『炎産霊神』すら防ぐと高性能。
『シャドウサークル』:相手の足元に黒い魔方陣を展開させ、そこから出現した影が呑み込むように攻撃する闇の魔法。
『フォール・テレポ』:『テレポ』で相手の頭上に移動し、急降下して刃で切り裂く技。回避と奇襲が同時に行えるのがネック。
『ファイガ』:言わずと知れた、炎の上級魔法。足元に炎を集約させ、爆発する火柱を起こす。
『カラミティブリンガー』:刃の切先に闇を溜めこみ、大きな球体として放つ技。球体は武器に当たってもくっ付いてしまうので弾き返す事が出来す、何かしらの攻撃で完全に相殺しない限り襲い掛かる。余談だが、技名を訳すると「災禍を招く者」と言う意味。
エン「しかし、よくこんな技思いつきましたね」
NANA「無轟との対決ですから、何か意表の付いた攻撃を考えた結果です。これは裏話になりますが、名前の方は…打ち切りになった企画書からちょこっと拝借を…」
エン「打ち切り? 企画書? どういう事です?」
NANA「…見えない所で、いろいろあったんだよ…」(遠い目&涙目)
『ダンシングエッジ』:双剣状態の時に使用可能。舞い踊る様に双剣を振るって攻撃する技。
『セイグリットムーン』:フィールドの中央で薄い球体を作り、そこから聖なる光を全体に発生させて攻撃する魔法。尚、攻撃と共に闇で作られたクウの翼が消えたは、この魔法が聖属性だから。
エン「この技の名前…何処かで聞いたような…」
NANA「わ、私は【KH2】のサウンドトラックなんて聞いてませんよ!? そう、たまたまで…!!」
エン「見苦しい言い訳ですね…――って、この曲名【KH2】の『存在しなかった城』のフィールド曲ではないですか!?」
NANA「やー、フィールドの方が名前的にいい感じだと思って。ボス戦の曲での技も考えてみたけど、何か凶悪でエンに似合わないのでこっちに…」
エン「言い訳がましい。『セイグリットムーン』」
NANA「はぎしゃ!?」
『テレポ』:言わずと知れた、移動の魔法。目的地に移動したり、使い方次第では瞬間移動も可能。
NANA「とまあ、技紹介はここで終了っと。ここからは軽く今回の話のトークをお送りしまーす」
炎産霊神『それはいいけど…どうして僕達二人だけ? テラ達はどこにいったの?』
NANA「レイアの魔法でボロボロになって現在治療してます。あ、嘘は言ってませんからね?」
無轟「まあいい。今回の戦いについてだが…出来れば、奴とは全力で戦いたかったものだ」
炎産霊神『そうだよ! 前哨戦とは言え、もう少し僕達に出番くれても良かったんじゃない? 初めてまともにバトル行ったんだしさ!』
NANA「とんでもない! そんな事したら…こうなります」
*もしも、一対一でのバトルを行ったら?
エン「はぁ!!」(攻撃する)
菜月(*配役として借りてしまいました、あと実際はこんな強さではありません)「効くか!! 喰らえぇ!!」(反撃)
エン「くっ…なかなかやりますねぇ!!」
菜月「お前もだ!! さあ、皆!! そこで応援でもして俺の勇姿を見ていてくれ――!!」
クウ「だぁれが見るかぁああああっ!!!」(ドロップキックを放つ)
菜月「ぎゃお!? な、何を…!?」
リク「何をだとぉ!? KHキャラである俺達を差し置いて、一人だけ美味しい所取りやがって!!」
ソラ「そうだぁ!! 俺達の出番寄越せぇぇぇ!!!」
オパール「少しは寄越しなさい!!!」
アクア「私もマスターよ!! 出番ぐらい与えなさい!!」
菜月「い、いやちょ…ぐへぇ!?」(踏みつけられる)
ウィド「あ、痛いですか? すみません、すみませーん♪」(容赦なく蹴りつける)
スピカ「ごめんなさいねー? 私、手加減分からなくって〜♪」(容赦なく剣でぶっ刺す)
菜月「あぎゃぶへおがぁ…!? ゆ、許してぇえええぇぇ…!!!」
NANA「――とまあ、仲間がいるのに一対一の対決に持ち込んだら、合同編でもこのような暴動が起きかねない」
無轟「…確かにこれは、自重しなければいけないな…」
炎産霊神『折角特別に登場したのに、哀れな扱いだね…』
NANA「とはいえ、これはあくまでもギャグの話ですので。さて、次の話題に移りましょうか」
エン「ようやく私の話ですか…質問したい事は多々ありますが、とりあえずネタバレしない程度に抑えておきましょうか」
NANA「はい、どうぞ」
エン「まず、どうして私はあの島にいたんです? それに、私がノーバディだと明るみになりましたが…」
NANA「前半はネタバレ確定なので、スルーです。最終章で全てを明らかにはします。後半の方ですが、次の夢さんのバトンでカルマの過去話を書くそうなので、こちらもある程度バラそうとこうしました」
エン「では、今回の戦いですが私はどれぐらいの力で戦っていたんですか?」
NANA「スピカとの戦いでは、翼を具現化させているので半分程。今回は翼無しで戦っていたので、三分の一ぐらいですね」
無轟「あれで三分の一か…フ、互いに全力で戦う際が楽しみだ」
エン「そこまで期待されても困るのですが…その時は、お手柔らかにお願いします」
NANA「…この危険な会話はほおって置いて、話も終わった事でここからはいつものNGシーンに行って見ましょうかー!!」
NGシーン・エンの反撃後
クウ「がはっ!?」
エン「どうしました、これで終わりとか言いませんよね?」
クウ「ちく、しょ…」
リヴァル「うえぇぇぇぇん!!」
エン「…本当に、諦めが――」(必死で目を逸らしてる)
リヴァル「びえぇぇぇん!!」
NANA「はいカーット! ついでに休憩!」
クウ「やっぱりこうなるか…」
テラ「無理やり続けたら、すごい事になるからな…」
無轟「それにしても、可愛い赤ん坊だな」(エンに抱かれてるリヴァルを見る)
エン「ああ、目に入れても可愛くてな…ほーら、リヴァルー。高い、たかーい!」
リヴァル「きゃきゃ!」
ソラ「これが…俺達のラスボス…?」
レイア「凄くいいパパさんですね! 見てるこっちが和みます〜!」
ヴェン「和むけど…無茶苦茶倒しにくい……って言うか、なんでこんな人がチート並みの強さ設定なんだよ…!?」
炎産霊神『人は見かけに寄らないって言うけど…――ん? 何だろ、この黒いモヤ…?』
リヴェル「ちゃ! ままぁー!」
エン「はっ!? 殺気がっ!?」
リヴァルが手を伸ばす方を見ると…そこには、怒りのオーラを纏った一人の女性が。
奥さん「あ・な・た? 私の留守中にリヴァルの世話を見てって言ってたわよねぇぇ…!!?」(片手で携帯電話を握り潰す)
テラ「け、携帯が…!? 携帯が木っ端微塵にぃ!!?」
エン「ま、待て…!! こここここは落ち着いて話を…!!」(滝汗)
奥さん「さっきまでこっそり見てたけど…こんな生き物にリヴァルの子守頼んでたそうね…!?」
ソラ「ひいいいぃぃぃ!!! ワンダニャンがボールにぃぃぃ!!?」
リク「コウモリバットォォォォ!!?」
ヴェン「ドリームイーター達が、見るも無残な姿に…っ!!?」(青い顔で震えてる)
ソラ「さっさささくしゃぁ!!? 何だよあの奥さんっ!!?」
NANA「だって、ねぇ…アクアは普通に強いし、レイアはレイアで恋人(?)に関して強いし、オパールとリリィだって前回はあんな戦い出来るし…それだったら、奥さんもそうしよっかって。よく言うじゃん『女は強し』って」
リク「絶対強いの意味違うっ!!」
奥さん「すみませーん。少しの間、この子をお願いします〜」(エンから無理やりリヴァルを奪って差し出す)
ヴェン「ハ、ハイ…!!」(リヴァル君を受け取る)
奥さん「さっ、あなたはこっちにいらっしゃい。夫がやる子育てについて、みっちり教えてあげるから♪」(ガシリ!)
エン「待てぇ!!! 話せば分かる、話せば…!!!」
そうしてエンが奥さんによってスタジオの裏に引っ張られて数秒後―――
「ぎゃああああああああああああああああああああああああっ!!!!!」
『『『お父さーーーーーーーーんっ!!!??』』』
クウ「…次の登場は血染めの服か?」
テラ「全身包帯塗れじゃないか…?」
無轟「どちらにしても…戦いにくいな…」
エン「作者…よっぽど死にたいみたいですね…!!?」(ダブルセイバー装備)
NANA「ま、待て…奥さんに弱いと言うのも、ある意味ギャップがあると思ってだなぁ…!!」
エン「遺言はそれで全部ですか、ではさような――」
リヴァル「うえええぇん!!」(隣の部屋から大泣き)
NANA「エンさん良いんですかー!? リヴァル君泣いてますけどー!!」(必死)
エン「くっ…! 待ってろリヴァル、お父さんが行くからなー!!」(去る)
NANA「あ、危なかった…!!」
夢サイドでの裏舞台
神無「ほー、あっちの親父から話は聞いてたが…ホント、可愛いお子さんだな〜! いないいなーい…ばぁ!」
リヴァル「きゃきゃ!」
チェル「それにしても、あれだけの強さを持った奴の子供とは…将来はどんな風に成長するんだ?」
エン「どんな風だろうと、この子が元気に育ってくれれば私は満足ですよ。あなた方もそうでしょう?」
神無「まあ、そうだな。俺も神月やヴァイの為に鍛錬してきたし…そうそう、その頃の写真持ってるぜ!! ほれ!」(幼い頃の二人の写真を見せつける)
チェル「それなら、俺もシンクに始末者としての鍛錬のビデオを今も持ってるぞ。このビデオを見ながら、攻撃や動きを事細かく教えて…今では立派に育ったよなぁ」(しみじみ)
エン「そうなんですか…同じ父親としての話、実に興味深いものです。良ければいろいろと聞かせて貰えませんか?」
神無「そうだな…よーし、ここは皆で息子達の座談会でもするかぁ!!! 神月やヴァイの不良時代や青春時代も事細かく語ってやるぞ!!!」
チェル「たまにはそう言うのも悪くはないな。俺もシンクの汗と涙の成長を語ってやるか」
エン「本当ですか!? ではさっそく…――ハァ!?」
突然エンが振り向くと、そこには黒いオーラを纏った三人の人影が。
奥さん「あ・な・た? 折角リヴァルを寝かしつけてたのに、一体何をしてるのかしら…?」(有無を言わざるオーラ)
神月「おい、親父ぃ…あっちで久々にヴァイと一緒に拳で語り合いたいんだが?」(拳をゴキゴキと鳴らしている)
シンク「父さん…今すぐ始末者引退させてあげるよ…」(ジャキリと冷たい銃の装填音を鳴らす)
父親三人「「「あ…あはははは…っ!!?」」」
その後、父親三人がどうなったかは…――皆様の想像にお任せします。
NANA「さて、特別シーンも終わりましたし、いつものように次回予告と行きましょうか」
謎の少女「それなら我がやる!! ここしばらく出番が無くて暇なんじゃ!!」
NANA「え? あっ、コラ!?」
謎の少女「次回はアクア達の話で、テラ達と別れた後もトワイライトタウンに残っていた。原因はあの戦いの後に見つけた目覚めないルキル。だが、三人が目を離した隙にルキルは目覚めるものの、知らない筈の記憶に翻弄される様に街中を彷徨う。そんな彼に、あの黒コートの人物が前に立ち憚り―――次回、『黄昏に眠りし歪んだ人形』…何じゃ、この殺気は?」
ルキル「作者ぁ…前回と言い、前々回と言い、俺に何をさせる気だぁぁぁ…!!」(ドス黒い闇のオーラ)
謎の少女「我、用事思い出したわい…」
NANA「何この分かりやすいパターン!? そ、それよりも…これは、その…!!」
ルキル「言い訳無用だぁ!!! ダーク――!!」
NANA「ええい、させるかぁ!!! ディシ○ィアで手塩にかけて育てているシャントット様、お願いしますー!!!」
シャントット「ようござんす!」(EXモード)
ルキル「お、俺用事思い出し…」
NANA「人を散々脅しといて逃がすかぁ!!! シャントット様ァ!!!」
シャントット「ブチ切れましたわー!!! オーホホホホホ!!」(連続魔法発動)
ルキル「ぎゃああああああああっ!!?」
シャントット「破壊の衝動ですわー!!」(大爆発を起こす)
NANA「よーし、フィニッシュ決めた所で…この後もまだまだ私のターンが続きますので、どうぞご覧ください!」
アクア「見事に黒焦げですね…」
ウィド「あの作者の反撃が一気に凄まじくなりましたね…」
クウ「おい、待てやぁ…!!!」
NANA「いきなり!?」
テラ「逃がすかぁ…!!!」
NANA「さらに追加ぁ!?」
レイア「どうして私達、エンさんと戦ってるんですか…しかも、最後は全滅で?」
NANA「い、いやだって…!! こ、ここで少しでもエンについて謎って言うか、人間性を出したいな〜って思って、こう言ったプランを…!!」
クウ「だからって戦わせる事ねーだろぉ!!! オッサンいなかったり、エンが自分から引かなかったら俺ら確実に殺されてただろぉ!!?」
NANA「いやいや、殺すっていうよりは消すだけだから!!」
クウ「意味一緒じゃねーかぁ!!!」
テラ「まさかとは思うが…他にもこう言ったプラン、立てている訳ではないよな…?」
NANA「えーと、この後の台本どうだったっけ?」(台本を捲る)
クウ「レイア、殺れ」
レイア「もちろんですっ!!! 全上級魔法、たっぷりとお見舞いしますっ!!!」(魔法発動)
NANA「ちょー!! 《ヤ》の字がおかしい!! と言うか、止めてぇぇぇ!!!……なーんてね、ここで【FF12】で溜めこんだ『リフレガの魔○』!!」(魔法の障壁に包まれる)
レイア「ほえっ!?」
クウ「『リフレガ』って、事は…どぁああああ!!? こっちに反射してきやがった!!?」
テラ「うわああああああああっ!!?」(跳ね返った魔法に巻き込まれる)
NANA「あっはははは!! どうだぁ、毎度毎度やられてばっかりの私じゃないぞー!!!」
*作者が図に乗って高笑いしておりますので、事前に撮った新技紹介見て待っていてください。
テラ新技紹介
『ダークヘイズ』:闇を纏った突進攻撃を繰り出す。尚、雑魚敵の場合には死の宣告効果をつける。
『ファイアストライク』:炎を纏ったキーブレードで回転攻撃を行う。
『フリーズレイド』:氷の力を纏ったキーブレードを投げつける。当たった敵はフリーズ状態になる。
テラ「『ダークヘイズ』の効果はともかくとして、どうして『フリーズレイド』の異常状態もエンには効かなかったんだ?」
NANA「エンについての補足になりますが、翼の力は具現化されていない状態でも有効と言う事です。大体、ボスには異常状態が効かないのは良くある話でしょう?」
テラ「それはそうだが、少しぐらい弱体されても…」
NANA「弱体して、効きやすくしてみろ。【COM】でのアクセルやラクシーヌ、一回目のマールーシャ戦では『フリーズ&気絶』コンボで無傷で勝利出来るし、リク=レプリカ戦なんて今の方法に加え、Dモードリクの気絶状態の攻撃繰り返せばほぼ反撃無しで勝利を――」
アクセル「ほう…? だったら、今ここで実践して貰おうかぁ?」(チャクラム装備)
ラクシーヌ「コンボ喰らわせる前に、ズタボロにしてくれようじゃない…!!」(夥しい電気を纏わせている)
マールーシャ「何だったら、『死の宣告』もつけてやろうか?」(スペクターを呼び寄せる)
ルキル「一瞬で闇に葬ってやる…!!」(拳を鳴らしてる)
NANA「え!? あ、いや…わ、私はGBA版では正々堂々と、戦ったからそんな鬼畜コンボを使っては…――テ、テラさーん無言で去っちゃ…と、とんずらーーーーっ!!?」(逃走)
『ケアルガ』:言わずと知れた、癒しの上級魔法。味方を大きく回復する。
『クエイク』:キーブレードを掲げ、自分を中心に大きな岩を隆起させる上級の魔法。
『アルテマキャノン』:キーブレードをキャノン砲に変え、巨大な光弾を発射するテラ専用のシュートコマンドの最強技。標的にぶつかると、大爆発を起こす。
『ウィンドカッター』:風を纏った回転攻撃を何度も行い、相手を打ち上げる技。
テラ「それにしても、今回は大技が多かったな」
NANA「今回は言い換えれば、ラスボスとのイベント戦でしたからね。なので、いろいろと大技を使わせてみました」
テラ「イベント戦? どう言う事だ?」
NANA「ほら、RPGではよくある確実に負けるボス戦…はぁ!?」
テラ「負け確定で俺達をエンと戦わせた訳か…!?」(『アルテマキャノン』準備中)
NANA「さいならーーーーーっ!!!」(再び逃走)
クウ新技紹介
『ダークサンダガ』:黒い羽根を突き刺し、そこから黒い雷を放出させる技。スピカの魔法とは出し方が違うだけで、技の性能は一緒。
『ブレイズ・ローカス』:足を振り上げて、炎の衝撃波を繰り出す格闘技。実はスピカの使う『炎撃嵐舞』の元技でもある。
クウ「今回の話で俺とスピカの関係が分かったから、こうして使わせたのか?」
NANA「はい〜。ようやくクウとスピカの関連性を書けましたので、戦闘での技も関係あるモノをこうして使わせました〜」
クウ「やけに上機嫌だな? そんなに嬉しいのか?」
NANA「そりゃあ、この関係が最終章では山場になっていくんだし…」
クウ「山場? どういう事だ?」
NANA「それはもう、いろいろですよ〜!! …そう、いろいろ…」(ボソッ)
クウ「?」
『アクロバット・アーツ』:相手をアッパーで浮かせ、舞うように空中で蹴りを放つ技。尚、アッパーを当てなくても蹴りを放つ事は可能。
『メテオドライヴ』:大きく屈んで相手を蹴り上げた後、瞬時に掴んで地面に打ち付ける技。元はディ○ティア012でティファが使う技。
クウ「にしても、何で俺がティファの技を…」
NANA「同じ格闘使いだし、参考にと思って動画を見ていたら『これは使えそう!』と思って、こうして取り入れてみました」
クウ「まあ、いいか。実際、エンの防御を解くぐらいの威力だったし…」
NANA「そうそう。これ補足だけど、今回のエンは翼を出してないって事で、実はスピカの時よりも手加減して戦っていたんだよね〜。だから、次も喰らうとは限らない…」
クウ「『メテオドライブ』ゥ!!!」
NANA「げぶぉ!!?」
テラ&クウ連携技
『インパクト・ダーガ』
上空にいる相手にテラが歯車上に変形したキーブレードで攻撃し、真下からクウも怒涛の蹴りを浴びせる。
最後にキーブレードと拳にありったけの闇を宿し、思いっきり振り下ろして地面に打ち付ける。
テラ「アクアやヴェンに続き、ようやく俺も連携技が使えたか」
クウ「ところで、【インパクト】は分かるが【ダーガ】ってのは何だ?」
NANA「【FF12】に登場する闇属性の上級魔法です。豪快な攻撃に闇を加えるので、ピッタリだと思いまして」
テラ「そう言えば、この連携攻撃では『留まりし思念』での技だったな…なあ。もしかして、他にも使わせてくれるのか?」
NANA「ええ、まあ。思念体もテラの力ですからね。ただし、出す際はある程度威力等は調整はさせて貰いますが」
テラ「どうして!?」
クウ「いや、当然だろ。あれだけド派手な攻撃の猛ラッシュに攻撃力も半端ないし…」
NANA「それに加えて、コマンド封印や変化機能なんて使ったら無轟と同レベルになるでしょ…」
テラ「…すまない、俺が悪かった」
レイア「最後、無轟さんに失礼な言い方な気がするんですが…?」
レイア新技紹介
『デスペル』:敵にかけられた有利なステータス効果を解除する魔法。
『シェル』:魔法による攻撃や回復を緩和する守護の魔法。その為、今回の戦いでは『シェル』によってクウに『ケアルガ』等の回復魔法が効きにくい状態となり怪我を完全に治せなかった。
レイア「あのぉ…この補足、普通は本編でするものではないんですか?」
NANA「まあ、その…戦闘シーンに力を入れたので、こう言った説明がずさんになってしまって…しかも、文字数の事もあって補足の説明すら入らない状態になってしまって…」
レイア「本当ですか? 実は忘れてただけではないんですか?」
NANA「ドキィ!!」
『ベネディクトヴィスター』:レイアの想いによって生まれた上級魔法。自身の全ての魔力を引き換えに祝福の光を放ち、自分以外の味方を回復するだけでなく全パラメータも一時的に上げる。ちなみに「ベネディクト」とはラテン語で祝福、「ヴィスター」もラテン語で勝利と言う意味。
レイア「今回も少なかったですけど、新しい魔法を覚えましたし、ヒロインらしい見せ場がありました。次回もきっと、私の愛の力が発揮されるはず――」
NANA「いや、次は最終章だから…どちらかと言うと、クウの愛よりは隠している部分の方に注目があると――」
レイア「(プチン)…メテオホーリーフレアメルトンアーダーコプラスルインガデスカオスアルテマァ!!!」
NANA「ちょ!? 使えない魔法混じって…ぎゃあああああああっ!!?」(全部直撃)
無轟新技紹介
『炎産霊神』:刀身全部に灼熱の炎を纏い斬りつけると同時に、灼熱の奔流が相手に襲い掛かる技。普通の敵ならば灰燼となる。
『火之夜藝』:刀身に炎を纏い連続斬りする技。避けても炎が幾度も襲い来る。
『烈火・緋の花』:火の粉を起爆剤にして、火を灯した凛那で振るい爆発する技。もちろん、使った本人は無傷で済む。
『火之R毘古』:刀身に炎を纏わせ叩き斬る事で、炎が大津波のように相手を飲み込む。今回は地面に叩き斬った事で上空のエンに炎での目隠しを行った。
『ケアル』:言わずと知れた癒しの初級魔法。
NANA「今回こちらで使った技は、ガイム投稿版での作品を元にしております。技の読み仮名が分からないと言う方は、『夢旅人暇つぶし小説解析』での無轟の紹介でご確認ください」
無轟「何と言うか…今回、初めて戦闘らしい戦闘を行ったな」
NANA「まあ、その…強さの事もあるので戦闘は少なめですが、夢さんから借りているキャラなので待遇のある扱いにと思って、誰よりも物語の核心に近く位置するように仕向けています」
炎産霊神『それって、前回の女の子と最後の僕のセリフの事? どれだけ近くにいるの?』
NANA「ぶっちゃけて言えば、ラスボスの正体が分かってる所までですかね」
無轟「いいのか? そんな事を話しても?」
NANA「…今回と言い、前回のスピカ戦を考えれば正体が分かるかもしれないから…」(ズーン)
エン新技紹介
『フリーズゼロ』:氷点下の冷気を漂わせ、相手を一瞬で氷漬けにする魔法。『フリーズ』よりも時間が長く、その威力は炎産霊神さえも凍らせるほど。
『マイティガード』:『プロテス』と『シェル』の魔法を同時にかける守護の魔法。効果はオパールの【合成】と一緒だが、耐久力は無轟の『炎産霊神』すら防ぐと高性能。
『シャドウサークル』:相手の足元に黒い魔方陣を展開させ、そこから出現した影が呑み込むように攻撃する闇の魔法。
『フォール・テレポ』:『テレポ』で相手の頭上に移動し、急降下して刃で切り裂く技。回避と奇襲が同時に行えるのがネック。
『ファイガ』:言わずと知れた、炎の上級魔法。足元に炎を集約させ、爆発する火柱を起こす。
『カラミティブリンガー』:刃の切先に闇を溜めこみ、大きな球体として放つ技。球体は武器に当たってもくっ付いてしまうので弾き返す事が出来す、何かしらの攻撃で完全に相殺しない限り襲い掛かる。余談だが、技名を訳すると「災禍を招く者」と言う意味。
エン「しかし、よくこんな技思いつきましたね」
NANA「無轟との対決ですから、何か意表の付いた攻撃を考えた結果です。これは裏話になりますが、名前の方は…打ち切りになった企画書からちょこっと拝借を…」
エン「打ち切り? 企画書? どういう事です?」
NANA「…見えない所で、いろいろあったんだよ…」(遠い目&涙目)
『ダンシングエッジ』:双剣状態の時に使用可能。舞い踊る様に双剣を振るって攻撃する技。
『セイグリットムーン』:フィールドの中央で薄い球体を作り、そこから聖なる光を全体に発生させて攻撃する魔法。尚、攻撃と共に闇で作られたクウの翼が消えたは、この魔法が聖属性だから。
エン「この技の名前…何処かで聞いたような…」
NANA「わ、私は【KH2】のサウンドトラックなんて聞いてませんよ!? そう、たまたまで…!!」
エン「見苦しい言い訳ですね…――って、この曲名【KH2】の『存在しなかった城』のフィールド曲ではないですか!?」
NANA「やー、フィールドの方が名前的にいい感じだと思って。ボス戦の曲での技も考えてみたけど、何か凶悪でエンに似合わないのでこっちに…」
エン「言い訳がましい。『セイグリットムーン』」
NANA「はぎしゃ!?」
『テレポ』:言わずと知れた、移動の魔法。目的地に移動したり、使い方次第では瞬間移動も可能。
NANA「とまあ、技紹介はここで終了っと。ここからは軽く今回の話のトークをお送りしまーす」
炎産霊神『それはいいけど…どうして僕達二人だけ? テラ達はどこにいったの?』
NANA「レイアの魔法でボロボロになって現在治療してます。あ、嘘は言ってませんからね?」
無轟「まあいい。今回の戦いについてだが…出来れば、奴とは全力で戦いたかったものだ」
炎産霊神『そうだよ! 前哨戦とは言え、もう少し僕達に出番くれても良かったんじゃない? 初めてまともにバトル行ったんだしさ!』
NANA「とんでもない! そんな事したら…こうなります」
*もしも、一対一でのバトルを行ったら?
エン「はぁ!!」(攻撃する)
菜月(*配役として借りてしまいました、あと実際はこんな強さではありません)「効くか!! 喰らえぇ!!」(反撃)
エン「くっ…なかなかやりますねぇ!!」
菜月「お前もだ!! さあ、皆!! そこで応援でもして俺の勇姿を見ていてくれ――!!」
クウ「だぁれが見るかぁああああっ!!!」(ドロップキックを放つ)
菜月「ぎゃお!? な、何を…!?」
リク「何をだとぉ!? KHキャラである俺達を差し置いて、一人だけ美味しい所取りやがって!!」
ソラ「そうだぁ!! 俺達の出番寄越せぇぇぇ!!!」
オパール「少しは寄越しなさい!!!」
アクア「私もマスターよ!! 出番ぐらい与えなさい!!」
菜月「い、いやちょ…ぐへぇ!?」(踏みつけられる)
ウィド「あ、痛いですか? すみません、すみませーん♪」(容赦なく蹴りつける)
スピカ「ごめんなさいねー? 私、手加減分からなくって〜♪」(容赦なく剣でぶっ刺す)
菜月「あぎゃぶへおがぁ…!? ゆ、許してぇえええぇぇ…!!!」
NANA「――とまあ、仲間がいるのに一対一の対決に持ち込んだら、合同編でもこのような暴動が起きかねない」
無轟「…確かにこれは、自重しなければいけないな…」
炎産霊神『折角特別に登場したのに、哀れな扱いだね…』
NANA「とはいえ、これはあくまでもギャグの話ですので。さて、次の話題に移りましょうか」
エン「ようやく私の話ですか…質問したい事は多々ありますが、とりあえずネタバレしない程度に抑えておきましょうか」
NANA「はい、どうぞ」
エン「まず、どうして私はあの島にいたんです? それに、私がノーバディだと明るみになりましたが…」
NANA「前半はネタバレ確定なので、スルーです。最終章で全てを明らかにはします。後半の方ですが、次の夢さんのバトンでカルマの過去話を書くそうなので、こちらもある程度バラそうとこうしました」
エン「では、今回の戦いですが私はどれぐらいの力で戦っていたんですか?」
NANA「スピカとの戦いでは、翼を具現化させているので半分程。今回は翼無しで戦っていたので、三分の一ぐらいですね」
無轟「あれで三分の一か…フ、互いに全力で戦う際が楽しみだ」
エン「そこまで期待されても困るのですが…その時は、お手柔らかにお願いします」
NANA「…この危険な会話はほおって置いて、話も終わった事でここからはいつものNGシーンに行って見ましょうかー!!」
NGシーン・エンの反撃後
クウ「がはっ!?」
エン「どうしました、これで終わりとか言いませんよね?」
クウ「ちく、しょ…」
リヴァル「うえぇぇぇぇん!!」
エン「…本当に、諦めが――」(必死で目を逸らしてる)
リヴァル「びえぇぇぇん!!」
NANA「はいカーット! ついでに休憩!」
クウ「やっぱりこうなるか…」
テラ「無理やり続けたら、すごい事になるからな…」
無轟「それにしても、可愛い赤ん坊だな」(エンに抱かれてるリヴァルを見る)
エン「ああ、目に入れても可愛くてな…ほーら、リヴァルー。高い、たかーい!」
リヴァル「きゃきゃ!」
ソラ「これが…俺達のラスボス…?」
レイア「凄くいいパパさんですね! 見てるこっちが和みます〜!」
ヴェン「和むけど…無茶苦茶倒しにくい……って言うか、なんでこんな人がチート並みの強さ設定なんだよ…!?」
炎産霊神『人は見かけに寄らないって言うけど…――ん? 何だろ、この黒いモヤ…?』
リヴェル「ちゃ! ままぁー!」
エン「はっ!? 殺気がっ!?」
リヴァルが手を伸ばす方を見ると…そこには、怒りのオーラを纏った一人の女性が。
奥さん「あ・な・た? 私の留守中にリヴァルの世話を見てって言ってたわよねぇぇ…!!?」(片手で携帯電話を握り潰す)
テラ「け、携帯が…!? 携帯が木っ端微塵にぃ!!?」
エン「ま、待て…!! こここここは落ち着いて話を…!!」(滝汗)
奥さん「さっきまでこっそり見てたけど…こんな生き物にリヴァルの子守頼んでたそうね…!?」
ソラ「ひいいいぃぃぃ!!! ワンダニャンがボールにぃぃぃ!!?」
リク「コウモリバットォォォォ!!?」
ヴェン「ドリームイーター達が、見るも無残な姿に…っ!!?」(青い顔で震えてる)
ソラ「さっさささくしゃぁ!!? 何だよあの奥さんっ!!?」
NANA「だって、ねぇ…アクアは普通に強いし、レイアはレイアで恋人(?)に関して強いし、オパールとリリィだって前回はあんな戦い出来るし…それだったら、奥さんもそうしよっかって。よく言うじゃん『女は強し』って」
リク「絶対強いの意味違うっ!!」
奥さん「すみませーん。少しの間、この子をお願いします〜」(エンから無理やりリヴァルを奪って差し出す)
ヴェン「ハ、ハイ…!!」(リヴァル君を受け取る)
奥さん「さっ、あなたはこっちにいらっしゃい。夫がやる子育てについて、みっちり教えてあげるから♪」(ガシリ!)
エン「待てぇ!!! 話せば分かる、話せば…!!!」
そうしてエンが奥さんによってスタジオの裏に引っ張られて数秒後―――
「ぎゃああああああああああああああああああああああああっ!!!!!」
『『『お父さーーーーーーーーんっ!!!??』』』
クウ「…次の登場は血染めの服か?」
テラ「全身包帯塗れじゃないか…?」
無轟「どちらにしても…戦いにくいな…」
エン「作者…よっぽど死にたいみたいですね…!!?」(ダブルセイバー装備)
NANA「ま、待て…奥さんに弱いと言うのも、ある意味ギャップがあると思ってだなぁ…!!」
エン「遺言はそれで全部ですか、ではさような――」
リヴァル「うえええぇん!!」(隣の部屋から大泣き)
NANA「エンさん良いんですかー!? リヴァル君泣いてますけどー!!」(必死)
エン「くっ…! 待ってろリヴァル、お父さんが行くからなー!!」(去る)
NANA「あ、危なかった…!!」
夢サイドでの裏舞台
神無「ほー、あっちの親父から話は聞いてたが…ホント、可愛いお子さんだな〜! いないいなーい…ばぁ!」
リヴァル「きゃきゃ!」
チェル「それにしても、あれだけの強さを持った奴の子供とは…将来はどんな風に成長するんだ?」
エン「どんな風だろうと、この子が元気に育ってくれれば私は満足ですよ。あなた方もそうでしょう?」
神無「まあ、そうだな。俺も神月やヴァイの為に鍛錬してきたし…そうそう、その頃の写真持ってるぜ!! ほれ!」(幼い頃の二人の写真を見せつける)
チェル「それなら、俺もシンクに始末者としての鍛錬のビデオを今も持ってるぞ。このビデオを見ながら、攻撃や動きを事細かく教えて…今では立派に育ったよなぁ」(しみじみ)
エン「そうなんですか…同じ父親としての話、実に興味深いものです。良ければいろいろと聞かせて貰えませんか?」
神無「そうだな…よーし、ここは皆で息子達の座談会でもするかぁ!!! 神月やヴァイの不良時代や青春時代も事細かく語ってやるぞ!!!」
チェル「たまにはそう言うのも悪くはないな。俺もシンクの汗と涙の成長を語ってやるか」
エン「本当ですか!? ではさっそく…――ハァ!?」
突然エンが振り向くと、そこには黒いオーラを纏った三人の人影が。
奥さん「あ・な・た? 折角リヴァルを寝かしつけてたのに、一体何をしてるのかしら…?」(有無を言わざるオーラ)
神月「おい、親父ぃ…あっちで久々にヴァイと一緒に拳で語り合いたいんだが?」(拳をゴキゴキと鳴らしている)
シンク「父さん…今すぐ始末者引退させてあげるよ…」(ジャキリと冷たい銃の装填音を鳴らす)
父親三人「「「あ…あはははは…っ!!?」」」
その後、父親三人がどうなったかは…――皆様の想像にお任せします。
NANA「さて、特別シーンも終わりましたし、いつものように次回予告と行きましょうか」
謎の少女「それなら我がやる!! ここしばらく出番が無くて暇なんじゃ!!」
NANA「え? あっ、コラ!?」
謎の少女「次回はアクア達の話で、テラ達と別れた後もトワイライトタウンに残っていた。原因はあの戦いの後に見つけた目覚めないルキル。だが、三人が目を離した隙にルキルは目覚めるものの、知らない筈の記憶に翻弄される様に街中を彷徨う。そんな彼に、あの黒コートの人物が前に立ち憚り―――次回、『黄昏に眠りし歪んだ人形』…何じゃ、この殺気は?」
ルキル「作者ぁ…前回と言い、前々回と言い、俺に何をさせる気だぁぁぁ…!!」(ドス黒い闇のオーラ)
謎の少女「我、用事思い出したわい…」
NANA「何この分かりやすいパターン!? そ、それよりも…これは、その…!!」
ルキル「言い訳無用だぁ!!! ダーク――!!」
NANA「ええい、させるかぁ!!! ディシ○ィアで手塩にかけて育てているシャントット様、お願いしますー!!!」
シャントット「ようござんす!」(EXモード)
ルキル「お、俺用事思い出し…」
NANA「人を散々脅しといて逃がすかぁ!!! シャントット様ァ!!!」
シャントット「ブチ切れましたわー!!! オーホホホホホ!!」(連続魔法発動)
ルキル「ぎゃああああああああっ!!?」
シャントット「破壊の衝動ですわー!!」(大爆発を起こす)
NANA「よーし、フィニッシュ決めた所で…この後もまだまだ私のターンが続きますので、どうぞご覧ください!」
アクア「見事に黒焦げですね…」
ウィド「あの作者の反撃が一気に凄まじくなりましたね…」