ゲーノベ :: ゲーム小説掲示板 > NANA&夢旅人 > Re:開闢の宴 合併リレー小説

Re:開闢の宴 合併リレー小説

NANA&夢旅人

INDEX

  • あらすじ
  • 01 序章【動き出す者】
  • 02 第一章 心剣士編第一話「仮面の女」
  • 03 第一章 心剣士編第二話「古戦場/王手詰み」
  • 04 第一章 心剣士編第三話「仮面/難解」
  • 05 第一章 心剣士編第四話「訪問者」
  • 06 第一章 心剣士編断章 「蠢き続ける計画」
  • 07 Another an introduction 【終わりから始まりへ】
  • 08 Another chapter1 Sora side‐1 「新たなる始まり」
  • 09 Another chapter1 Sora side‐2
  • 10 Another chapter1 Sora side‐3
  • 11 Another chapter1 Sora side‐4
  • 12 Fragment1 「旅のチケット」
  • 13 第一章 永遠剣士編第一話「永遠」
  • 14 第一章 永遠剣士編第二話「タルタロス」
  • 15 第一章 永遠剣士編第三話「仮面の遠謀/タルタロス到着」
  • 16 第一章 永遠剣士編第四話「塔/襲撃」
  • 17 第一章 永遠剣士編第五話「戦の始まり」
  • 18 第一章 永遠剣士編第六話「火種/孔」
  • 19 第一章 永遠剣士編第七話「黒龍魔王/猫」
  • 20 第一章 永遠剣士編第八話「イヴ」
  • 21 第一章 永遠剣士編第九話「アガレス・グシフォン」
  • 22 第一章 永遠剣士編第十話「歌姫/流星」
  • 23 第一章 永遠剣士編第十一話「途絶/酷い奴」
  • 24 第一章 永遠剣士編第十二話「仮面の情報」
  • 25 第一章 永遠剣士編断章「仮面/永遠/凛那」
  • 26 Another chapter2 Terra side‐1 「止まり、開かれし物語」
  • 27 Another chapter2 Terra side‐2
  • 28 Another chapter2 Terra side‐3
  • 29 Fragment2「介入」
  • 30 Another chapter3 Aqua side‐1「光の行く先へ」
  • 31 Another chapter3 Aqua side‐2
  • 32 Another chapter3 Aqua side‐3
  • 33 Fragment3「試練」
  • 34 第二章 心剣士編第一話/第二話「嵐の前の静寂/布告」
  • 35 第二章 心剣士編第三話「戦のはじまり」
  • 36 第二章 心剣士編第四話「爻わる刃たち」
  • 37 第二章 心剣士編第五話「鬼人」
  • 38 第二章 心剣士編第六話「贖罪」
  • 39 第二章 心剣士編第七話「Sinの理」
  • 40 第二章 心剣士編第八話「妖刀/天舞剣 」
  • 41 第二章 心剣士編第九話「正体/無轟の家」
  • 42 第二章 心剣士編第十話「斬る覚悟」
  • 43 第二章 心剣士編断章「約定」
  • 44 第二章 反剣士編第一話「黒羽の旅人」
  • 45 第二章 反剣士編第二話「アダム/竜泉郷」
  • 46 第二章 反剣士編第三話「来訪/白竜」
  • 47 第二章 反剣士編第四話「ゼロボロスとシンメイ」
  • 48 第二章 反剣士編第五話「龍神シンメイ/双龍の過去」
  • 49 第二章 反剣士編第六話「新たな関係」
  • 50 第二章 反剣士編第七話「語らい」
  • 51 第二章 反剣士編第八話「顰める真実」
  • 52 Another chapter4 Sora&Terra side‐1「時を超えた再会」
  • 53 Another chapter4 Sora&Terra side‐2
  • 54 Another chapter4 Sora&Terra side‐3
  • 55 Another chapter4 Sora&Terra side‐4
  • 56 Another chapter4 Sora&Terra side‐5
  • 57 Another chapter4 Sora&Terra side‐6
  • 58 Fragment4-1「届かぬ思い」
  • 59 Fragment4‐2「本気の戦い」
  • 60 Fragment4-3
  • 61 Another chapter5 Aqua side‐1「共に守る一つの想い」
  • 62 Another chapter5 Aqua side‐2
  • 63 Another chapter5 Aqua side‐3
  • 64 Another chapter5 Aqua side‐4
  • 65 Fragment5-1「異世界からの来訪者」
  • 66 Fragment5-2
  • 67 NGハプニング集・3D版 前編
  • 68 NGハプニング集・3D版 後編
  • 69 第三章 三剣士編第一話「出立/口論」
  • 70 第三章 三剣士編第二話「追跡/解除」
  • 71 第三章 三剣士編断章壱 「裏切り者アバタール」
  • 72 第三章 三剣士編第三話「会合」
  • 73 第三章 三剣士編第四話「心剣世界」
  • 74 第三章 三剣士編第五話「蒼炎の女神」
  • 75 夢旅人誕生日記念作品・祝おう、騒ごう、生き延びれのトークショー!? 前編
  • 76 夢旅人誕生日記念作品・祝おう、騒ごう、生き延びれのトークショー!? 後編
  • 77 第三章 三剣士編第六話「秩序の騎士アルビノーレ」
  • 78 第三章 三剣士編第七話「大地の半神アレスティア」
  • 79 第三章 三剣士編第八話「襲撃! KR」
  • 80 第三章 三剣士編第九話「ゼロボロス/シンメイ」
  • 81 第三章 三剣士編第十話「揃う切っ先」
  • 82 Another chapter6 Sora&Aqua side‐1「鏡の再会」
  • 83 Another chapter6 Sora&Aqua side‐2
  • 84 Another chapter6 Sora&Aqua side‐3
  • 85 Another chapter6 Sora&Aqua side‐4
  • 86 Another chapter6 Sora&Aqua side‐5
  • 87 Another chapter6 Sora&Aqua side‐6
  • 88 Another chapter6 Sora&Aqua side‐7
  • 89 Another chapter6 Sora&Aqua side‐8
  • 90 Another chapter6 Sora&Aqua side‐9
  • 91 Fragment6‐1「鍵が奏でる戦い」
  • 92 Fragment6-2
  • 93 第四章 三剣士編第一話「僅かな一幕 その1」
  • 94 第四章 三剣士編第二話「焦り」
  • 95 リラ様の誕生日記念企画・少年よ大志を抱け?(前編)
  • 96 リラ様の誕生日記念企画・少年よ大志を抱け?(中編)
  • 97 リラ様の誕生日記念企画・少年よ大志を抱け?(後編)
  • 98 第四章 三剣士編第三話「集い地」
  • 99 第四章 三剣士編第四話「箱舟モノマキア」
  • 100 第四章 三剣士編第五話「協議」
  • 101 第四章 三剣士編断章「黄泉の細道」
  • 102 Another chapter7 Terra&Aqua side‐1「夕日が照らす陰と陽」
  • 103 Another chapter7 Terra&Aqua side‐2
  • 104 Another chapter7 Terra&Aqua side‐3
  • 105 Another chapter7 Terra&Aqua side‐4
  • 106 Another chapter7 Terra&Aqua side‐5
  • 107 Another chapter7 Terra&Aqua side‐6
  • 108 Another chapter7 Terra&Aqua side‐7
  • 109 Another chapter7 Terra&Aqua side‐8
  • 110 Another chapter7 Terra&Aqua side‐9
  • 111 Fragment7‐1「記憶と思いの力」
  • 112 Fragment7‐2
  • 113 Fragment7‐3
  • 114 Fragment7‐4
  • 115 第五章 三剣士編第一話「前夜」
  • 116 第五章 三剣士編第二話「たどり着いた世界の光景」
  • 117 第五章 三剣士編第三話「開戦」
  • 118 第五章 三剣士編第四話「先魁」
  • 119 第五章 三剣士編第五話「光に宿る影」
  • 120 第五章 三剣士編第六話「無浄輪無廻」
  • 121 第五章 三剣士編第七話「二人の最果て」
  • 122 第五章 三剣士編第八話「第四島攻略前編」
  • 123 第五章 三剣士編第九話「第四島攻略後編」
  • 124 第五章 三剣士編第十話「第二島攻略前編」
  • 125 第五章 三剣士編第十一話「第二島攻略後編」
  • 126 第五章 三剣士編第七話「幕間1」
  • 127 第五章 三剣士編第十二話「第五島攻略前編」
  • 128 第五章 三剣士編第十三話「第五島攻略後編」
  • 129 第五章 三剣士編第十四話「第三島攻略序」
  • 130 第五章 三剣士編第十五話「第三島攻略破」
  • 131 第五章 三剣士編第十六話「第三島攻略急の壱」
  • 132 第五章 三剣士編第十七話「第三島攻略急の弐」
  • 133 第五章 三剣士編第十八話「第一島へ」
  • 134 Another chapter8 Sora side‐1「儚き海の哀歌」
  • 135 Another chapter8 Sora side‐2
  • 136 Another chapter8 Sora side‐3
  • 137 Another chapter8 Sora side‐4
  • 138 Another chapter8 Sora side‐5
  • 139 Another chapter8 Sora side‐6
  • 140 Another chapter8 Sora side‐7
  • 141 Another chapter8 Sora side‐8
  • 142 Another chapter8 Sora side‐9
  • 143 Another chapter8 Sora side‐10
  • 144 Another chapter8 Sora side‐11
  • 145 Another chapter8 Sora side‐12
  • 146 Another chapter8 Sora side‐13
  • 147 Another chapter8 Sora side‐14(あとがき追記しました)
  • 148 Fragment8‐1「天使のレクイエム」
  • 149 Fragment8‐2
  • 150 第六章 三剣士編第一話「沸き立つ心」
  • 151 第六章 三剣士編第二話「魂の慟哭」
  • 152 第六章 三剣士編第三話「時と空の防陣」
  • 153 第六章 三剣士編第四話「記憶の再編」
  • 154 第六章 三剣士編第五話「魔K刀リンナ」
  • 155 第六章 三剣士編第六話「煌く炎」
  • 156 第六章 三剣士編第七話「戦闘 アバタール」
  • 157 第六章 三剣士編第八話「戦いの果て」
  • 158 第六章 三剣士編第九話「真実へ」
  • 159 第六章 三剣士編第十話「神理と代行体」
  • 160 第六章 三剣士編第十一話「ユニテ・イリアドゥス」
  • 161 第六章 三剣士編第十二話「共有」
  • 162 第六章 三剣士編第十三話「蒼と茜」
  • 163 第六章 三剣士編第十四話「運命の軌」
  • 164 Another chapter9 Terra side‐1 「交差せし歯車」
  • 165 Another chapter9 Terra side‐2
  • 166 Another chapter9 Terra side‐3
  • 167 Another chapter9 Terra side‐4
  • 168 Another chapter9 Terra side‐5
  • 169 Another chapter9 Terra side‐6
  • 170 Fragment9「始まりを紡ぎし者達」
  • 171 Another chapter10 Aqua side‐1「黄昏に眠りし歪んだ人形」
  • 172 Another chapter10 Aqua side‐2
  • 173 Another chapter10 Aqua side‐3
  • 174 Another chapter10 Aqua side‐4
  • 175 Fragment10-1「真(まこと)に隠された偽り」
  • 176 Fragment10-2
  • 177 Fragment10-3
  • 178 Fragment10-4(あとがき追記しました)
  • 179 第七章 罪業編第一話「深き混沌の過去」
  • 180 第七章 罪業編第二話「χブレード」
  • 181 第七章 罪業編第三話「開闢の英雄」
  • 182 第七章 罪業編第四話「白と黒」
  • 183 第七章 罪業編第五話「いざや進め」
  • 184 第七章 三剣士編第一話「結びつく絆 前編」
  • 185 第七章 三剣士編第二話「結びつく絆 後編/神理とは」
  • 186 第七章 三剣士編第三話「一時の暇」
  • 187 Another the last chapter‐1 「絶望へのカウントダウン」
  • 188 Another the last chapter‐2
  • 189 Another the last chapter‐3
  • 190 Another the last chapter‐4
  • 191 Another the last chapter‐5
  • 192 Another the last chapter‐6
  • 193 Another the last chapter‐7
  • 194 Another the last chapter‐8
  • 195 Another the last chapter‐9
  • 196 Another the last chapter‐10
  • 197 Another the last chapter‐11
  • 198 Another the last chapter‐12
  • 199 Another the last chapter‐13
  • 200 Another the last chapter‐14
  • 201 Another the last chapter‐15
  • 202 Another the last chapter‐16
  • 203 Another the last chapter‐17
  • 204 Another the last chapter‐18
  • 205 Another the last chapter‐19
  • 206 Another the last chapter‐20
  • 207 Another the last chapter‐21
  • 208 Another the last chapter‐22
  • 209 Another the last chapter‐23
  • 210 Another the last chapter‐24
  • 211 Another the last chapter‐25
  • 212 Another the last chapter‐26
  • 213 Another the last chapter‐27 (あとがき追記しました)
  • Fragment8‐2


    「『ルインガ』!!」

    「『ホーリースター』!!」

     お互いから放たれた光の球体がそれぞれぶつかると、巨大な爆発を起こした。
     爆発を中心に辺りに暴風が巻き起こる。スピカは片手で顔を覆うなり表情を顰めた。

    「互角…くっ!?」

     爆発の規模にスピカが眉をしかめていると、隙を狙ってエンが武器を握って駆け込んでいる。
     そうして振るわれた刃をどうにか避けるなり、再び手を振るった。

    「『ダークサンダガ』!!」

    「フッ!!」

     前方に扇状に広がる黒い雷を出すと、エンは背にある翼を広げる。
     直後、何と翼が盾代わりとなって黒い雷を受け止めた。
     この行動にスピカが目を細めていると、翼の隙間からエンが笑いかけた。

    「例え、守護の魔法が無いとしても…これぐらいの攻撃、私には効きませんよ?」

    「そう…だったら!!」

     スピカは目を光らせると、手を上に振り上げた。

    「お望み通り、これ以上の攻撃をしてあげるわっ!! 『アトモスクエイク』!!」

     魔法を発動させると、辺り一帯が重力場に包まれてその中で大地震を発生させる。
     重力場によって作られる磁場に身体に負荷がかかり、更に地面を抉られて作られた岩が縦横無尽に飛んでくる。
     これにはエンも耐え切れず、どうにか翼を広げて重力場を脱出した。

    「上級の魔法をそれぞれ融合させるとは…」

     そう呟いて上空を飛んでいると、『レビデト』によって身体の軽くなったスピカが重力場を抜け出してこちらへと跳んでいた。

    「これはオマケよっ!! 『空衝撃・牙煉』!!」

     剣を振るうと、あの巨大な衝撃波をエンに放つ。
     すぐに翼を使って横に避けるが、後ろにあった崖にぶつかって岩石となって落ちていく。
     そんな状況に、エンはある魔法を発動させた。

    「『ストップガン』」

    「っ!? 『ベール』!!」

     真上から光の線が落ちるのを見て、スピカは守護の魔法を発動させる。
     それとほぼ同時に、光は地面に落ちて広がり光の膜で出来たドーム状になる。
     すると、その中の空間の時が止まり、崩れ落ちた岩やあの重力場に浮いていた岩が足場となる。そこに、二人は対峙するようにそれぞれ立っていた。

    「ここ一帯の時を止めるなんて…やっぱり、強い」

     紙一重で『ベール』をかけていなかったら、確実に周りの景色と同様に時を止められていた。
     ある意味危険な状況にも関わらず、スピカの表情には恐れも不安も無く笑みが零れている。
     これを見て、エンはどこか呆れた目で見返した。

    「これほど見せて、武者震いするとは…」

    「強い人と戦うの、好きなの」

     強がりではない、本心からの言葉を笑いながら答えるスピカ。
     元々、彼女は戦うのが好きだ。強い相手と戦えば、世界が広い事が改めて分かる。何より、自分の強さに限界を感じさせず成長していけるからだ。
     より戦う気になったスピカに、エンは何処か寂しそうに顔を逸らした。

    「…やはり、どの世界でも変わらないか」

    「何か言った?」

    「いえ何も。それよりも…今度はこちらの番、ですよね?」

     そう言うなり、ダブルセイバーの柄を外し再び双剣に変える。
     すぐにスピカが身構えると、エンは足場を蹴りそれぞれの剣に光と闇を宿した。

    「『トワイライトエッジ』!!」

    「『閃光』!!」

     双剣に宿した光と闇の力で切り裂こうとしたが、その前にスピカが光の障壁を作って攻撃をガードした。

    「やっ…はぁ!!」

     そのまま二回続けるように横に大きく薙ぎ払うが、エンは双剣をクロスに構えてどうにか攻撃を防御する。
     スピカの攻撃が終わって防御を解くと、エンが手に闇を纏わせた。

    「『カーズ・スロウ』」

     直後、エンの手から闇は消えてスピカに纏わりつく。
     思わず目を見張るが、身体に纏った闇はすぐに掻き消えてしまった。

    「今のは…!?」

     思わず身体を見回すが、特に異変は見られないし『ベール』の効果も発揮したままだ。
     そうしている間に、エンが再び双剣を振るってきた。

    「くぅ!?」

     思考を中断して攻撃を交わすと、受け流すように剣で防御しながらどうにか足場から飛び跳ねる。
     そうして下の方にある足場に跳んで距離を取っていると、双剣を握りながらエンが笑っていた。

    「やはり強い人だ…ここまで戦えたのは久々ですよ」

     本当に嬉しそうに笑うエンに、スピカが若干息切れを起こしながら目を細めた。


    「あなた…誰なの?」


     このスピカの質問に、エンの表情が布越しに強張る。
     しかし、すぐに相手に悟られぬように表情を戻すと何事も無く首を傾げた。

    「急にどうしたんです?」

    「どうして私を襲うのか知らないけど…あなたは、闇に捕らわれた悪い人に思えない」

    「そう偽ってると考えないのですか?」

    「あなたと戦いを交えて思った事だもの…――戦いにこそ、信念が滲み出るもの。そう、知り合いに教えて貰ったから」

     遠い昔、自分に戦いや知識を教えてくれた人について思い出す。
     自分にとって彼は師であり、兄のような存在だった。それ故に、今も尊敬の思いがある。
     知り合いについての記憶を思い出しながら、スピカは再びエンを見つめた。

    「それに、何故か…あなたと戦うと、ワクワクするの。こうして力の差も見せられたのに、怖いとか負けるとか感じない。今とても気持ちが高ぶって、変に懐かしい…“エン”って名乗った時も、妙な違和感を感じたし」

     そう心に湧き上がる思いを伝えると、エンを逃がさないように視線を捉えた。

    「あなた、本当に何者なの?」

     このスピカの質問に対し、エンは何かを堪える様に歯を食い縛る。
     そして、ギラギラと輝いた金色の瞳でスピカを睨むように口を開いた。

    「誰でもない…私は、誰でもない存在なんだぁ!!! 災厄よ、降り注げ!! 『メテオ』っ!!!」

     まるで自分自身に言い聞かせるように怒鳴りつけると、辺り一帯に隕石が降り注ぎ出す。
     突然の猛攻に迫られ、スピカは即座に足場を渡るように降り注ぐ隕石から逃げる。
     しかし、足場は隕石に巻き込まれるように砕け散り数を減らしていく。このままではまずいと感じたのか、スピカは剣に氷の力を纏わせた。

    「仕方ないわね…『氷壁破・白柱』!!」

     跳躍しながら剣を地面に振るうと、刀身から氷弾を飛ばす。
     放った氷弾が地面に当たると、何と大きな氷の柱が飛び出るようにして現れる。
     こうしてスピカは作った足場に乗ると、剣を軽く振るってエンを睨んだ。

    「何を…!?」

     思わずエンが見ていると、スピカが腰を落として前に手をやる形で居合抜きの構えを取る。
     その間に幾つもの隕石がスピカに落ちてくる。だが、隕石が直撃するよりも前に剣を思いっきり横に振るった。

    「――『一閃・修羅』ァ!!」

     空気を切り裂く音が響き渡り、降り注いでいた隕石、止まっている岩の足場、さらにはエンにも斬撃が同時に襲い掛かる。
     すると、降り注いでいた隕石や岩が粉々に砕け散っていく。この斬撃の威力に、さすがのエンもよろめきつつも翼を羽ばたかせその場から下降した。

    「私だけでなく、全ての足場や隕石を砕くとは…」

    「さあ!! その顔、そろそろ拝めさせて貰いましょうか!?」

     痛みに顔を歪めていると、氷柱からスピカが跳躍して一気に近づいた。

    「『炎撃嵐舞』!!」

     剣を斬り上げるように振るい、エンに思いっきり炎の衝撃波をぶつける。
     更なるダメージと共に、エンに巻かれていた布が燃えて隠された顔が露わになった。


     ―――直後、スピカは息を呑んで彼の顔に釘付けになった。


    「その立ち振る舞い、その表情…本当に“あの時”とそっくりだ」

    「ウ、ソ…!?」

     顔が露わになったエンが淡々と呟いているにも関わらず、スピカが息を呑んだまま動きを止める。
     その状態で、『レビデト』によってゆっくりと下降していた時だった。

    「あらあら、ビックリしちゃって。よほど彼の顔に見覚えがあるのね?」

     突然聞こえた女性の声に、そちらを振り返る。
     見ると、自分の作った氷柱の上に白黒の仮面を付けた女性が頬に手を当てて立っていた。

    「あなたは――!!」

    「名乗る必要はないわ」

     それだけ言うと、女性は手を翳す。
     虚空から取り出したのは、金色の刀身、紅色の唾と柄のキーブレード。
     そうして自分に武器を構えるのを見て、スピカも戦闘態勢に入ろうとしたが。

    (え…?)

     何故か、身体がピクリとも動かない。
     それでも『レビデト』の効果はあるのか、僅かに働く重力に沿ってゆっくりと下降していく。
     そんな自分に、女性がキーブレードを握って跳躍する。

    (身体が、動かない…っ!! まさか、さっきのアレが原因っ!?)

     少し前にエンが放った魔法を思い出していると、女性はもう目の前にいた。

    「どちらにせよ…――あなたはもう、私達のモノよ」

     この言葉を最後に、スピカに無慈悲な一閃が振り下ろされた。

    (――っ…!!?)

     身体に走る痛みに、スピカは大きく目を見開く。
     しかし、痛みはすぐに治まり、それと共に意識が闇に沈んでいく。
     段々と薄れていく意識の中、仮面の女性の後ろにいた彼が視界に入る。
     彼は、何故か悲しげな表情をして自分を見つめていた。その光景を最後に、スピカは完全に意識を手放した…。



     魔法で作った空間が掻き消え、時間が動きだす。
     スピカによって粉々にされた岩や隕石は風によって砂埃となって荒野の彼方へと散って行く。
     その光景を眺めながら、カルマはゆっくりと口を開いた。

    「これで、『Sin化』は済んだわ」

    「ありがとうございます、カルマ」

    「これも計画の為だもの。でも…――あなた、随分と優しいじゃない」

     そう言うと、カルマは後ろを振り返る。
     そこでは、エンが仮面を付けて眠るスピカを抱きかかえていた。
     彼女の意識が無くなると同時に、『レビデト』の効果も切れて地面に落下した。それを、エンが抱きかかえて助けたのだ。

    「身体が勝手に動いた。ただ、それだけです」

     何処かそっけなく言うと、エンはスピカを両手で抱えて歩き出す。
     戦いの跡地から去ろうとするエンに、カルマは何処か呆れた溜息をついた。

    「理解してる? 彼女を洗脳したのは私の能力。だけど、彼女を傷付ける選択をしたのはあなた自身よ?」

     カルマの言葉に、エンは足を止める。
     しかし、エンは何も言わず翼を広げてその場から消えて行く。
     これを見て、カルマは苦笑しながら肩を竦めると同じようにその場から消えた。



     別の世界でありながら、同じ目的を持つ二人の行動で、今一つの未来が生み出された。
     心の剣士達と半神達が、カルマによって洗脳された者達と己の世界を取り戻す光の未来…。
     その裏では、世界を旅するキーブレード使い達を、深い絶望に落とす闇の未来が始まっていた…。

    12/07/16 23:04 NANA&夢旅人   

    ■作者メッセージ

     NANA「これにて、今回の断章は終了――」
     シャオ「ちょっと待ってぇぇぇ!!!」
     NANA「何? 今回は誰も犠牲になってないでしょ?」
     ソラ「それ以前の問題なんだけど!!?」
     リク「何だよ今回の戦いは!!? ラスボスとはいえ、あそこまで強くするか!!?」
     クウ「しかもエンと一人で戦えるって、どれだけスピカを強くしてんだ!!?」
     ウィド「最後は『Sin化』で敵になるとは、何を考えているんです!!?」
     NANA「いや、だって…二人の戦いは【FF13-2】のライトニングvsカイアスをイメージしていたもので…。実際に、タイトルもDCLのライトニング編から捩りましたし…」
     ヴェン「女神の力持った人達のバトルって事ぉぉぉ!!?」
     テラ「話の最後に何か意味ありげな言葉もあるが…――この戦い、俺達を勝たせる気はあるのか?」(キーブレード出現)
     アクア「神並みの力を持つラスボスとバトルさせるなんて…みんな、少し痛めつけましょう」(黒いオーラでキーブレードを取り出す)
     NANA「待てェ!? 最後はマスターにあるまじき言葉使い…って、全員攻撃するなぁぁぁ!!?」



     *いつもの如く作者が全員からやられてますので、新技紹介見てお待ちください。まあ、これも自業自得よね。 Byスピカ



     スピカ新技

     『デスペル』:敵にかけられた有利なステータス効果を解除する魔法。

     『ファイガ』:言わずと知れた上級の炎の魔法だが、スピカの場合は足元に収縮させて敵を巻き込むほどの大爆発を起こす。


     レイア「あのぉ…どうして、スピカさんのモーションは私達のように火球じゃないんですか…?」
     NANA「そりゃあ、私のキャラの中では彼女は《最強》の部類なんで、それに見合った魔法を使わせようとさまざまなFFのバトルを参考にして作りました」
     アクア「だからと言って、ここまで高性能にしなくてもいいじゃない!! 本来魔法を中心に戦う私達はどうなるの!?」
     NANA「それを作者の私が教えたら面白くない!! こう言うのは自分で考えてこそ成長するものでしょう!?」
     レイア「何か…正論言われてるようで言われてないような…?」
     アクア「とにかく、自力でどうにかしないといけないのはハッキリしたわ…」


     『空衝撃・牙煉』:剣を振るって巨大な衝撃波を相手に放つ剣技。名前から分かる通り、ウィドの使う『空衝撃』の上級技でもある。何故彼女がウィドと同じ剣術を使えるのかはある秘密が…。

     『雷光剣』:敵の上空から大量に雷を落としつつ、剣で斬り裂く剣技。元ネタは【FF13】の主人公ライトニングの使う技。


     クウ「おい…何だってライトニングの技を取り入れたんだ?」
     NANA「だって、ライトニングと言えば《お姉さん》、《強い》、《戦い好きな人と気が合う》とスピカと似たような感じに加え、技の性能も高いんでこうして取り入れてみました」
     クウ「言われれば、確かに少し似た所あるけどなぁ…はぁ、気が滅入る…」
     ウィド「気が滅入るとは何です!? あなたは仮にも姉さんの――!!」
     NANA「ちょっとぉ!? そこからはゲーノベからこの作品を見てる人に対してネタバレになるから止めてーっ!!!」


     『スパークガ』:色取り取りの光の結晶を具現化させ、周囲を回転して光の軌道を作り出して攻撃する魔法。本来は【3D】のソラ専用の魔法。


     ソラ「これって俺の魔法なのに、どうしてスピカさんが使ってるの!?」
     NANA「まあ、その…ソラ達って最終章まで出番ないから、とりあえず前倒しでスピカに使わせて――」
     ソラ「(プチッ!)キングダニャン、ワンダニャン!! いくよぉ!!」(『デュアルリンク』発動)
     NANA「『ワンダージャンボリー』なんて使うなぁぁぁ!!? いやぁぁぁ!!!」(巨大なキングダニャンに追いかけられる)


     『覇弾』:刀身に光を纏わせ、無数の光の弾を敵に放つ技。ウィドの使う『光弾』の上級技。

     『風破・飛燕』:刀身に風を纏わせ、足元に風を叩きつける事で真上に回避する技。尚、これは『風破』の発生技で上級はまた別にある。

     『サーチライト』:光のピットを作り出して設置し、敵が近づいたら自動的に幾つもの光線を出して攻撃する。元はディ○ティアでセシルが使っていた技。

     『破魔斬』:敵を一閃し、斬撃と共に補助魔法の効果も打ち消す剣技。

     『リフレガ』:言わずと知れた、上級の反射の魔法。アクアと同じで自分の身を守る効果を持つ。

     『ルイン』:光の弾を敵に放つ魔法。属性は光でなく無なので、属性耐性のある敵でも使えるのがネック。元は【FF13】に登場する魔法。

     『レビデト』:自分自身の重力を激減させる事で、ジャンプ力を上げたり落下速度を下げる補助の魔法。尚、使い方によっては更に凄い行動も…。


     リク「おい…何だ、最後の意味ありげな文章は?」
     NANA「えー? それ教えちゃったら面白くないじゃーん?」(ニヤニヤ)
     ルキル「まさか、俺達に身を持って体験しろって言うのか!?」
     NANA「さあー? どうでしょうねー?」
     リク「おい…そうなっても勝てるよな? リリス達やあのハートレスみたいに勝てるよなぁ!!?」
     ルキル「そ、そうだよな? ノエルやセラだってカイアスを倒せるんだ、俺達だって倒せるよなぁ!!?」
     NANA「とりあえず、一人で戦うって事は無いね。ソロだと夢さんのキャラ(一部のキャラ除いて)も含めて確実に敗北する強さ設定じゃないと割に合わないし…」
     リク&ルキル「「てめえの血は何色だぁぁぁ!!!」」
     NANA「何でこんな時だけ息ピッタリなのぉぉ!!?」


     『ルインガ』:光の弾を敵にぶつけた直後、ダウンする程の大爆発を起こす上級の魔法。これも【FF13】から拝借しました。

     『ダークサンダガ』:黒い雷を扇状に飛ばす闇の上級魔法。

     『アトモスクエイク』:辺り一帯に重力場を作り、その中で磁場による大地震を起こす魔法。その後地震で地面を削って造られた岩が浮き、縦横無尽に敵に襲い掛かる。

     『ベール』:あらゆる状態異常の耐性を上げる魔法。こちらも【FF13】からの魔法。

     『閃光』:前方に光の障壁を張って攻撃を防御した後、二回剣を振るって攻撃する技。元はディシティアでセフィロスが使う技。


     ウィド「それにしても、どうしてセフィロスの剣技を?」
     NANA「確かにセフィロスの武器はなっがい刀ですけど、ディシティアでは意外とスピードもあるしどのキャラでも毎回ボッコボコにやられる程の剣技見舞われ、ついでに漢字記名なのでこうして取り入れました」
     ウィド「ボコボコにされるのは単にあなたの操作が下手なだけでしょうに…」
     NANA「(ムカッ)おのれぇ…最終章ではそんな文句言えないようにしてやるぅ…!!」


     『氷壁破・白柱』:氷の弾を飛ばし、大きな氷柱を出現させる。尚、今回は足場を作り出したが、本来は敵にぶつけて氷柱に閉じ込める技。ウィドが使う『氷壁破』を妨害でなく攻撃に改良した上級剣技。


     ヴェン「なあ、この技…結構えげつないか?」
     NANA「まあ何ていうか…この技、元ネタはB○EACHのヒロインの一人、朽○ルキ○が使う『初の○・○月』だからねぇ。それに、エンの力量なら氷柱に閉じ込めてもすぐに自力で壊せるし」
     テラ「スピカもそうだが、エンもどのくらいの力量にしているんだ…?」
     NANA「それはのちのお楽しみですよ〜♪」
     ヴェン「楽しそうに言われても嬉しくないっ!!!」


     『一閃・修羅』:視界に捉えたモノ全てに一閃を見舞わせる技。『一閃』の上級…と言うより最終奥義級の技で、威力は隕石も砕くほど。

     『炎撃嵐舞』:剣を振って炎の衝撃波をぶつける剣技。余談だが、この技はスピカ自身が編み出した訳ではなく、ある人の技を拝借して作った技。



     エン新技

     『プロテス』:物理攻撃を軽減する障壁を纏う、守護の魔法。だが、その効果は猛攻さえも掠り傷にすると桁違い。

     『リフレクトウォール』:あらゆる攻撃や魔法を倍返しに反射する障壁を張る守護の魔法。一度かければかなり便利。ただし、弱点は『デスペル』系の効果のある技や魔法だと打ち消される事だが、実はもう一つ存在する。


     ソラ「何だよこの高性能な魔法!?」
     リク「ダブルセイバーかと思ったら二刀流になるし、どう対処しろと言うんだ!?」
     NANA「そんなの、普通に防御しろとしか言いようがないけど?」
     ヴェン「あれか!? BbsFMに出てくる隠しボス(謎の男)をモチーフにしたのか!?」
     NANA「まあ、それ以前にダブルセイバーを二つに分けて二刀流になるってのはあちこちの漫画やゲームで読んだり見たりしてたんだけどさぁ。【FF】ではジタンやガブラスやライトニングも使ってるシーンがあるし、隠しボス(謎の男)も使ってきたから、よし使おうと思ってこうして取り入れました〜」
     ソラ「鬼だ!! あんた鬼だぁ!!」
     NANA「うっさい!! 分身使ったり一撃でHP1になったり無数の光線出すピット使ったり敵が無制限で出てきたりパーティ全部に99999ダメージ喰らわせたりHPが一千万以上だったり倒しても何度も復活しないだけマシだろぉ!!?」
     三人「「「そんなのあったら本当に死ぬわぁ!!!」」」


     『テラーバースト』:武器を振るって黒い暴風を敵にぶつける技。尚、威力はまともに立っていられないほどとかなり強力。

     『ブラッドクロス』:×印の赤黒い衝撃波を発生させる技。ダブルセイバーでは衝撃波を飛ばすが、二刀流では近距離で放つ。

     『インフェルノ』:武器に炎を纏い、敵にぶつけ巨大な火柱を起こす。【FF13-2】のカイアスが使った技。


     カイリ「それにしても、どうして【FF13-2】のカイアスから引用したの?」
     NANA「一応ラスボスって事もあるけど、大事な人の為に世界を犠牲にしてでも成し遂げるって言うのがエンと似ていたのでこうして技を取り入れてみました」
     カイリ「そんな事言って、間違ってたらどうするの? まだ途中までしか進んでいないでしょ?」
     NANA「ウグゥ!?」

     *実際この時点では、まだライトニングと再会したシーンまで進めていません。なので間違っていたらごめんなさい。


     『アーククロウ』:ダブルセイバーをブーメランのようにして敵に飛ばす。魔法を弾き返すと威力は高い。

     『ホーリースター』:敵を引き付ける光の球体を放ち、大爆発を起こす光の魔法。元はディシティアのクジャが使う技。

     『ストップガン』:光線を放って光のドームを作り、その中の空間の時を止める魔法。元は【3D】でリクとソラを助ける為に王様が使った魔法でもある。


     リク「おいボケ作者…血染めじゃ足りないようだなぁぁぁ…!!?」(溢れんばかりの殺意)
     NANA「ど…どうしてそんなに怒ってらっしゃるのかなぁ…!!?」(滝汗)
     リク「どうして王様の魔法をこいつが使っているぅ!!? 言えぇ!! 今すぐ答えれば切り刻んで魚のエサで済ませてやるぅ!!!」
     NANA「それどっちみち助からない運命だよねぇ!!?」
     リク「当たり前だぁ!!! こんな俺を何度も助けてくれただけでなく、あの小さな体で支えて傍にいてくれた王様の技を、エンなんかに使わせるなんて――!!!」
     オパール「ふーん、あっそぉ…――リクって、意外と小さくて可愛いモノが好きなの? ふぅぅぅん、ごめんねぇ気づかなくってぇ?」(冷笑)
     リク「え? ちょ、オパール…?」
     オパール「言っとくけど、嫉妬とかしてないからね? それよりもお詫びにぃ、今からソラ達やリリィに言いふらしてくるね? 本当はリクって、小さくて可愛い動物の姿がだーい好きなんだって」(何処かに去る)
     リク「ちが…や、止めてくれぇぇぇ!!!」(顔面蒼白で追いかける)
     NANA「…恋する女って恐ろしい…!!」


     『トワイライトエッジ』:それぞれの刀身に光と闇を宿し、相手を斬り裂く技。

     『カーズ・スロウ』:呪いの闇を相手に宿し、時間差で発動させる魔法。今回はスピカの動きを止めたが、場合によってはそれよりも恐ろしい効果が発動する事も…。


     クウ「ちょっと待てぇ!!? 動き止めるよりも恐ろしい効果!?」
     シャオ「一体他に何を考えてるのさ!?」
     NANA「そんな事言われてもねぇ……とりあえず、『クリティカルモード』の再現データ状態の13機関メンバー全員の前で彼ら関連の恥ずかしい話したら教えてもいいかな〜?」
     二人「「嬲り殺されて来いって言いたいんかいっ!!?」」


     『メテオ』:天空から隕石を降らせる魔法。しかし、巨大な隕石を落として爆発させるテラ達と違い、無数の隕石を降り注がせた。


     リズ「さっきから見てれば、何じゃこの二人のチート技のオンパレードはぁぁぁ!!?」
     NANA「おや? あなたはリラさんの所の主役のリズじゃないですか。どうしてここに?」
     リズ「決まってるでしょ!!! こっちはスピカって人と戦って見事にボコボコにされたのよ!? 次のリベンジの為にも戦略見ようと思ってこの作品まで来たのに…何よこれ!? 打つ手無しじゃないのっ!!!」
     NANA「そりゃそうでしょ。スピカの強さは言ってみれば13機関の再現データや思念のヴァニタス並みの設定ですし、エンに至っては『クリティカルモード』の留まりし思念やBbsFMで登場するノーハーツぐらい(?)の強さ設定にしているし」
     リズ「あんた殺す気!? って言うか、最後のカッコの中身の理由が気になるんですけど!?」
     NANA「まあ、あれだ。スピカの場合、十分にレベルを上げて敵の攻撃に耐えつつ行動パターンを読めばどうにか倒せる。エンの場合はレベルを最大にまで上げてどれだけ倒されても何日も何ヶ月も根気よく戦い続ければ何時か倒せるさ! ってレベル」
     リズ「それって要は一回死んで来いって事よね!?」
     NANA「大丈夫。私は再現データのゼムナス戦は一回で倒せたから、スピカもそれぐらいにはする。ちなみに、『クリティカルモード』で留まりし思念倒すのに私は一か月かかった。そこを考え、エンは少々ぶっ飛んだ設定に――」
     リズ「どうなってんのよ、この二人の力量はぁぁぁ!!?」
     NANA「第一、よーく考えて見なさい。夢旅人サイドに登場するカルマは奇襲と言う方法に加え、半分とは言え神と戦って勝っているレベルだ。エンがそれ以下だったらカルマと同類の扱いを受けてはいない!! そうでしょう!?」
     リズ「まあ…『Sin化』はしないものの、カルマやアバタールの性格考えたらそうなるだろうけど…――それでも納得いかなーい!!!」
     シャオ「ボクにしてみれば、リズの破天荒ぶりな戦闘もチートに思えるんだけど…?」
     リズ「シャオー? 光と闇の嵐喰らいたーい?」(超黒笑)
     シャオ「ご、ごめんなさい!! 謝るからそれだけは…!!」
     リズ「もう遅い!! あんたの作者諸共八つ当たりしてやるわぁぁぁ!!!」
     シャオ「ぎゃあああああああああああ!!?」
     NANA「てめっ!? 私まで巻き込むなぁぁぁ!!?」

     *その後、二人の行方を知る者は誰もいなかった…一人だけいたが、怖くて誰も聞く気など持てなかったとさ…。



     スピカ「で、今回のあとがきを終わらせる訳ないでしょう? はい、『ケアルガ』」
     NANA「あ、あたた…!! 毎度の事ながら、酷い目にあった…」(回復しながら)
     スピカ「まったく…それで、どうして私をこんな目に遭わせたのか説明してくれるわよねぇ?」(手に魔力を溜めている)
     NANA「ハ、ハイ!! 説明、させて頂きます…!!」
     スピカ「よろしい。じゃ、お願いね」(魔力を引っ込める)
     NANA「今回の話は前倒しの意味でラスボスであるエンの力量、そして本作では名前だけですが他の作品では出ちゃってるスピカの力量も知って貰いたくて今回このようなバトルの話にしました。補足ですが、二人ともこれが全力ではありません。まだまだ余力を隠し持っていますので、今後のバトルではそこを書ければと思っています」
     スピカ「それで、私を『Sin化』させたのは?」
     NANA「現時点では言えません。とりあえず、最終章で明らかになりますのでそこまで待って頂ければと思っています」
     スピカ「まあ、最後に不吉なフラグも立ってるから仕方ないけど…それで、尺が余ったけどどうするの? あの空気でNGシーンいく気?」
     NANA「いや、私だって空気読みますからね? さすがにそんな事しませんよ…」
     スピカ「じゃあ、ここでソラ編の補足でもするのかしら?」
     NANA「うん、まあ…急いで書いたから説明不足の部分もあるけど、それは追記の形であとがきで書く事にします。でも、マジでどうしよう…? 私のあとがきは笑いが命なのに…!!」
     スピカ「食材の鮮度とあとがきのギャグを一緒にしないでほしいわね。大して面白くも無いし、ハッキリ言って迷惑よ」
     NANA「そこまで言うかぁ!!?」
     エン「では、ここで私とリヴァルのほのぼのシーンと行きましょうか。リヴァルー、出番が来て嬉しいだろー?」
     リヴァル「たい!」
     NANA「無拓な赤ちゃん前に出して意見押しつけるなラスボスゥゥゥ!!!」
     スピカ「…もう良いわ。この際何でもいいからやっちゃいましょう」
     NANA「スピカさーん!! 諦めないでこの人説得…ちょ、息子の前でダブルセイバーを私に向けるってそれでもあんた父親かぁぁぁ!!?」



     *外野がうるさいので、スタジオの隠しカメラの映像を見てお待ちください。Byスピカ



     撮影現場の裏側編

     ・とある日の休憩室にて


     NANA「エンさーん、そろそろ撮影の時間…」
     エン「シー! 静かにしてくれ! …よしよーし、いい子だ」(そう言って腕を揺らす)
     リヴァル「く〜…」(気持ちよさそうに眠ってる)
     奥さん「ごめんなさいね。さっきまでリヴァル、お父さんと遊びたいってせがんじゃって。今ようやく寝た所なの」
     NANA「なーる。それでずっと遊び相手になってた訳ですか」
     エン「あぁ…もう少しリヴァルの寝顔の見ていたいが、そろそろ撮影だろう? 悪いが、この子を頼む――」

     そうしてリヴァルを奥さんに預けていると、突然ドアが勢いよく開く。

     ゼアノート(アンセム)「ふははははっ!!! ようやく私の出番が来るとは…いやぁ、嬉しい物だなぁ!!!」
     NANA「あ、ゼアノートさん。おつかれでーす」
     ゼアノート(アンセム)「これからラストまで私の姿…あの老いぼれ爺や抜け殻とは訳が違う!!! これで一気に人気を――…ん? 何だこの殺気は?」
     リヴェル「うええええん!! びええええん!!」(号泣)
     エン「貴様ぁぁぁ…!!! よくもリヴァルを起こしてくれたなぁぁぁ…!!?」(怒りのオーラ)
     奥さん「一度泣かしたら大変なのよ…? 身に染みて、教えてあげましょうか?」(拳をポキポキ鳴らしてる)
     ゼアノート(アンセム)「ヒイィ!!? ま、待て…私は初代ラスボスだぞ? こんな扱い、許せると…落ち着け頼む話を聞けェェェェ!!!??」
     NANA「…撮影、無理だね」


     ゼアノート(アンセム)「何故私もこんな扱い受けるのだぁぁぁ!!?」
     リク「当然だろ、外道が」(この上なく冷めた目)
     ルキル「お前の存在自体迷惑なんだよ、下種が」(同じく)
     テラ「もう一度エンに突き出したいくらいだ」(拒絶する程の闇のオーラ)
     エン「呼びましたかぁ?」(黒笑)
     ゼアノート(アンセム)「ヒィイイイイイイっ!!!」(逃走)
     ソラ&ヴェン「「こんなのいつものリク(テラ)じゃない…!!!」」(ガタガタ)


     ・とある日の託児所にて


     リヴァル「く〜…」(スヤスヤとワンダニャンを抱きかかえてベットで眠ってる)
     カイリ「かっわいい〜!! 何か、ギュって抱きしめたーい!!」
     オパール「分かる分かる!! こう、守ってあげたいって感じだよね〜!!」
     アクア「二人とも、声が大きいわよ。リヴァル君が起きちゃうわ」
     リリィ「そう言うアクアさんも、頬が緩んでますよ?」
     アクア「そ、そうかしら…?」

     ガールズトークで盛り上がる中、バタバタと足音が…。

     ソラ「たたたたたいへんたいへんたいへんたいへんたいだぁぁぁ!!!」(思いっきりドアを開ける)
     カイリ「大変なのはソラでしょ? ほら、落ち着いて」
     リク「おおおおち、落ち着いてる場合じゃないんだ…!!」
     リリィ「リク、どうしたの?」
     オパール「そんなに顔を真っ青にして、何かあった?」
     テラ「ヴェン、今の内だ!! 早くリヴァルに!!」
     ヴェン「あ、ああ!! 『バニッシュ』!!」(リヴァルを見えなくする)
     アクア「テラ、ヴェン? 一体どうしたの?」

     そうして首を傾げる中、一人の人物が部屋の中に。

     ウィド「失礼します、リヴァルは何処にいますか?」
     ソラ「リ、リヴァルならさっき奥さんと帰ったって!!」(冷汗)
     ウィド「そうなんですか? 折角ミルクを作ったのですが…」(何やら紫の液体が入った哺乳瓶を取り出す)
     カイリ「そ、それミルク、なんですか…!?」
     リリィ「オパール…ミルクって、こんなに禍々しい色だっけ…?」
     オパール「あ、あたしも思ったわそれ…!?」
     ウィド「仕方ありません。また来た時にでも飲ませる事にしましょう…」(そう言って部屋を出る)
     ヴェン「あ、危なかった…!!」(その場に座り込む)
     アクア「テラ達が慌ててたの、こう言う事だったのね…」
     テラ「あんなものを飲ませたら、まず助からないだろうからな…」
     リク「下手すればハートレスになりかねない…」
     リヴァル「く〜…」

     全員が冷や汗を掻く中、リヴァルは何も知らずに気持ちよさそうに眠っていたとか。


     NANA「何て言うか…器がでかいな…」
     エン「それもそうでしょう。何と言っても私の息子ですし、こんなの慣れっこですから」
     スピカ「慣れっこ? どう言う事なの?」
     エン「それは――」
     NANA「あー!!! エンさん、リヴァル君が泣いてるー!!!」
     エン「何ぃ!? 待ってろリヴァル、今お父さんが行くからなー!!!」(何処かに去る)
     スピカ「急にどうしたの? そんなに慌てて?」
     NANA「ちょ、ちょっといろいろ…さて、次回の断章なんですが…――実は、まだ未定です」
     シャオ「未定!? どういう事なのさ!! またボクの出番無いって事!?」
     NANA「シャオのはあるよ。でも、その間の断章が決まってないの。まあ、このままだとあれ何で、とりあえずシャオの断章だけ予告しましょう」
     シャオ「よーし、それじゃあさっそく……コホン。次回の舞台は『レイディアントガーデン』!! そこでボクはレオンさん達と知り合ってお世話になったんだ。そんな時、ソラさん達が戻って来て合流を決意。それと同時に、大量のハートレスやノーバディが現れ、そしてボクはあの人と対峙する!!」
     スピカ「次回、『真(まこと)に隠された偽り』。次も見てくださいね」
     NANA「ここで、夢さんにバトンを交代します。少し遅れましたが、お疲れの無いように」
    HOME
    Copyright NANA&夢旅人 All Rights Reserved.
    CGI by まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.34c