NGハプニング集・3D版 前編
*この話はAnother chapter4を元にしたギャグ作品となっております。見ていない方でも楽しめるようには書きましたが、ご覧になった方がより一層楽しめると思います。
どこぞの世界にある、一つの部屋。
中を除くと、そこには小ざっぱりとした空間に、一つのビデオカメラ。
そこに映るように立っている人物こそが…この小説を手がける一人である作者のNANAである。
「この小説を読んでいらっしゃる皆さん、今回は特別編としてギャグ満載でお送りする3Dの情報を元にした私の『第四章』のNGハプニング集を取り集めしてみました。そして、今回一人のゲストをお呼びしております!!」
そう言って作者が手を上げると、そこには一人の少年が。
茶色のツンツンした髪に青い目、青の服に耳にはヘッドフォンを付けている。
ここまで言えば、彼が誰かお分かりだろう。
「『3D』に登場する、【KH】ではFFキャラ以外での初のゲストキャラ、DSソフトである『すばらしきこのせかい』で主役を勤めました“桜庭音繰”です!!」
「何で俺がこんな所に…こう言うの、嫌いなんだよ…」
そう言いながらも、重い足取りで作者の隣に立つネク。
誰がどう見ても乗り気ではないネクに、作者はなだめに入る。
「まあ、そう仰らずに。そう言う訳で、彼と共に今回の為に寄せ集められたハプニング集を見ていきたいと思います」
「実際はあんたが作ったもんだろ? しかも発売まだ先なのにいいのか?」
「大丈夫、分かってる情報を元にして作っただけですから。さっそく行ってみようかー!」
拳を上げて開幕宣言すると同時に、何処からか映像が流れた。
3D新衣装編
リク「大丈夫か――」
ハートレスを一閃して、レイアに振り返る。が…
作者「カーット!! ちょっとリク、服が違う!!」
リク「え? あ…」(3Dの衣装に短髪姿)
ソラ「リクでもそんな間違いするんだなー」(3Dの衣装姿)
ヴェン「って、ソラも人の事が言えない!! その服どうしたんだよ!?」
ソラ「あ、あはは…俺達、発表から急いでこっちに来たから…」
リク「どうしても着替える暇がなくて……うぅ、全速力で走ってきたから汗で頭が蒸れる…」(短髪の鬘を取る)
ヴェン「って、その髪ヅラだったのか!?」
リク「しょうがないだろ! この話はまだコーデットの時期なのに、それで短髪になったら明らかにおかしいだろ!?」
レオン「愚痴はいいから、二人ともさっさと着替えてこい」
ソラ「はーい!」
しばらくお待ちください。
ソラ「おまたせー」(何故か青い服にヘッドフォン)
作者「二人ともまた服が違ーうっ!! リクは黒コートだし、ソラに至ってはネクの服じゃないの!?」
ソラ「ごめん…後で気づいたんだけど、俺達服をあっちに忘れてきちゃって…」
クウ「ったく、主役だって言うのにどうしようも無い奴らだな「…全員、今すぐ奴を黒こげにしろぉぉぉ!!!」ちょ!? いきなり何をごあああああああああああああっ!!!??」(集中砲火に見舞われる)
リク「お前、何を考えているんだぁぁぁ!!?」
ソラ「その衣装俺達よりもやばいだろっ!!?」
レイア「クウさん、まだ序盤なのにここでネタバレする気ですかぁ!!?」
クウ「そっ…そうだ……俺も、着替える暇なくてそのまま…――ガクッ」(黒焦げ状態で気絶)
カイリ「今日は何時にも増してすごいNGだね…って、オパール?」
オパール「うぇあ!? き、聞いてなかった何!?」(後ろに何かを隠す)
カイリ「携帯いじって何やってたのかなぁ〜? ね、見せて!」
オパール「だ、だめぇ!! これは見せられうわぁ!!?」(何者かに後ろから取られる)
ユフィ「(携帯のディスプレイを開ける)新衣装のリクの写真? へー、待ち受けにしてたんだー」
オパール「だ、だって…あたしからすれば、短髪のリクって、その…すごい新鮮で、イメージが…!!」
カイリ「あー、でも何か分かるなぁ。こっちの方が顔も見えて爽やかでかっこいいもんね」
オパール「サ、サワヤ…カッコ…!!」(顔から湯気を出している)
シド「ほうほう……どうやらぁ? あの黒髪より銀髪の方を抹消した方がいいと見たぁぁぁ…!!!」(某ゾンビゲームに登場するロケットランチャーをリクに構える)
レオン「シ、シド!? 落ち着け!! 年頃の女の子には恋と言うのも必要で――!!」
シド「んなもんさせるかぁぁぁ!!! 覚悟しろ銀髪がぁぁぁ!!!!!」(ロケットランチャー発射)
リク「何だいきなりぃぃぃ!!?」
ソラ「うわあああああああああああああっ!!!??」
こうして大爆発が起こる中、スタジオの外では―――
ウィド「私達の出番、一番最後で良かったですねぇ〜」(優雅にティータイム)
ゼロボロス「そうですねぇ。それにしても、このケーキ美味しいですねー」(優雅にケーキを食べている)
アクア「ところで、ルキルはどこに?」(クッキーを摘まんでいる)
ルキル「――すまない、遅れたっ!!」(何故か一年前姿のDモードの服)
アクア「ルキル? その格好は…?」
ルキル「今まで、別のスタジオで収録してて……で、時間も無かったからそのまま…」
ウィド「とにかく、さっさと着替えてきなさい。今は休憩中ですから」
ルキル「そうなのか? 分かった、すぐに着替える」(控室に向かう)
アクア「休憩なのかしら…これ?」(爆発音と悲鳴が響くスタジオの扉を見る)
ゼロボロス「まあ、しばらくはこの騒動終わりませんもんね。強ち間違ってはいないでしょう」
アクア「そうね…ここまできたら、私でさえ止める気が起きないもの…」
「ちょっと待て」
映像が終わると同時に、ネクが作者の肩を掴む。
「まさか、今までの話って……全て撮影だったのかぁ!!?」
「そうでなければ、NGシーンなんて撮れないでしょうが」
注:あくまでもギャグ設定ですので、読者の皆さんは本気にしないように。
「うぉい!? まさか、もう一人の作者もかぁ!?」
「そこはご想像にお任せしま「『パイロキネシス』」あちゃちゃちゃちゃぁ!!?」
本気とも冗談ともつかない作者の言葉に、ネクはバッチを握って炎を起こす。
これがネクの攻撃方法である【サイキック】だ。炎の他にも装備するバッチによって物体を動かしたり、手で斬り裂いたり。電撃や水球で攻撃したりも出来る。
炎で黒焦げになった作者を睨みつつ、ネクは威圧するように手に電圧を込めた。
「とにかく、だ。さっさと終わらせる為に早く進めろ」
「は…はぁい…!!」
この脅しに負けたのか、作者はリモコンを操作して次の映像を流し始めた。
新仲間キャラ(!?)編
リク「―――っ!!?」(胸を抑えて膝を付く)
オパール「どっ、どうしたのよ急に!?」
壁に凭れるように蹲るリクに駆け寄っていると…。
コウモリバット「ピギー!!」(リクに向かって飛んでくる)
オパール「ひゃあ!? 何こいつ!?」
ソラ「うわあああっ!? リクのは演技だから心配しなくても――…あっ!?」
その声と同時に、青いデブネコもリクに向かって飛びついて来た。
リク「うわっ!? お前ら、やめろって…!!」(擦り寄る二匹をどかそうとする)
作者「カーット!! あんたらスタジオにペット持ってきていいと思ってる訳!?」
カイリ「いや、突っ込む所違うと思うんだけど…」
テラ「二人とも、一体何処でこんなモンスターを…?」
ソラ「うーん…何て言うか、こいつらは今度の新作の俺達の敵なんだって」
リク「だけど、どう言う訳か俺達に懐いてしまって…それでここまで付いて来ちゃったようだな…」(二匹を撫でながら起き上がる)
ヴェン「へー、こいつら敵なのに仲間になるんだ! 何か新鮮だな!!」
ソラ「そうそう! で、他にもいろんな種類の奴もいて、中にはこいつらのように仲間に出来る奴もいるんだってさ!」
レイア「次の新作って凄いんですね…!!」
カイリ「二人がタッグ組んでの主役だし、3DSでの立体化だし、衣装も新しいし……次のKHも安泰だね」
ソラ「いやぁ…そこまで誉めなくても」(顔を赤くしてニヤける)
カイリ「何より敵も可愛いし、味方に出来るし…!!」
リク「はははっ…ハイ?」
オパール「あーん、可愛いー!! モフモフしてるー!!」(ワンダニャンとコウモリバットを抱きしめる)
カイリ「あっ、ズルイ!! オパール、私にも触らせて!!」
アクア「アンヴァースやハートレスと違って、こっちの方が可愛いわねっ!」
レイア「私、こういった敵をぜーんぶ味方にして囲まれたいですー♪」
ソラ&リク「「あ…あのぉ…?」」
ユフィ「いいねー!! 絶対寝心地いいんだろうなぁ…!!」
エアリス「そう言う訳だから、二人とも? 新作では頑張って集めてねっ!」
そうして二匹の周りでキャイキャイ騒ぐ女性達。
その光景をポツンと見ていると、それぞれの肩に手が置かれる。
テラ「気にするな…二人とも」
クウ「女は、こう言う生き物だ…」
ソラ「クウ…!」(涙目)
リク「テラ…!」(涙目)
「哀れだな、あいつら……でも、ああ言うのを見るとシキを思い出すな…」
そんな事を呟きながらネクは一人の少女を思い出す。
【すばせか】での物語の初めにネクのパートナーになった少女。それが彼の言う“シキ”である。
彼女は裁縫が得意で、サイキックでは猫のぬいぐるみを操って戦っていた。尚、序盤では人間不信だったネクは彼女をころげふぉ!!?
「変な情報を提供するのは止めろ!! 俺のイメージが下がるだろ!?」
「何だかんだ言いつつ、イメージ気にしてるのね」
その辺にあった照明のライトを『サイコキネシス』で地の文にぶつけたネクに、作者は冷静にツッコミを入れた。
「当たり前だっ! 『KH』で出るからには、みんなの期待に答えておかないと…――後が怖いからな…」
そう言うと、何処か遠い目を浮かべるネク。
「シキは出演するなら服をきちんとしろで何時間もあちこちの店で服選びに付き合わされ、ライムが純粋に応援してくれる分ビイトに睨まれるし、ヨシュアはヨシュアで妙に凝った内容の話を長く聞かされて頭がパンクしかけたし……しかも、羽狛さんまで戦いに行く訳じゃないのにいろいろと変な気遣いを…!! うぅ、俺が何をしたって言うんだよ…っ!!」
「何があったのかは、この際聞かないで置いとこうか…」
頭を押さえて嘆くネクに、さすがの作者も顔を逸らした。
「とりあえず、話題変えまして次のハプニングです!! どうぞっ!!」
■作者メッセージ
予想よりも長くなったので、二つに分けました。
続きは後編をどうぞ。
続きは後編をどうぞ。