Fragment6-2
塔の外に出たシャオは、さっそくキーブレードを取り出す。
そうして切っ先を向けると、光が伸びて『異空の回廊』が開いた。
「わぁ…!! キーブレードってすごいっ!! こんな事まで出来るんだ!!」
キーブレードを使った新たな発見に、シャオは思わず目を輝かせた。
「これとライダーを組み合わせて、っと――」
ハンググライダーに変える為に、キーブレードを握りこむ。
その時、空気の切る音と共にシャオの足元が爆発した。
「うわぁ!?」
突然の事に、混乱しながら地面を転がるシャオ。
それでも片膝を付いて体制を立て直していると、爆発した地点から幾つもの闇の球体が飛び出して襲い掛かった。
「くっ…!!」
シャオはそれをキーブレードで弾き返すと、何と広範囲に爆発を起こした。
この攻撃に冷や汗を掻いていると、上から対峙するように一人の男性が目の前に降り立った。
「…攻撃を避けずに弾き返すとはな。懸命な判断だ」
そう声をかけてきたのは、長い茶髪に青の瞳をした黒い眼鏡をかけた男性。
手に持っているのは、所々が陽炎のように曲がった灰色のキーブレード―――『ルナシャドウ』。
この人物に、シャオの目が大きく見開かれた。
「――セヴィル小父さんっ!!?」
自分の世界に居る筈の人物に、シャオは思わず叫ぶ。
だが、セヴィルはまるで知人に会ったようなシャオに眉を潜めていた。
「俺の名前を知ってるのか? しかも、小父さんってまだそんな歳じゃないんだけどな」
まるで初対面の様子に、シャオはようやく彼が『この世界』のセヴィルだと気づく。
このままではまずいと感じ、どうにか話題を逸らそうとした。
「い、いいんだよ!! ボクからしてみれば、充分オジサンじゃないか!!…――今から計算しても、七十は余裕で越してる可能性が…」
「『陰流破』っ!!」
シャオの小言が聞こえたのか、セヴィルは勢いよくキーブレードを振るって闇の衝撃波をぶつけた。
「うわっと!? 危ないなぁ、もう…」
どうにか衝撃波を横に避けつつ、話題を逸らした事に成功してホッとする。
だが、キーブレードを構えるセヴィルを見て、シャオは一番の問題を呟いた。
「セヴィル小父さんに長期戦はマズいよね…――師匠だって、模擬選ではギリギリで勝ってたし…」
知らず知らずの内に、手に汗が滲む。
自分の世界のセヴィルはキーブレードマスターを引退していた。この世界ではどうか分からないが、それでもマスター並みの強さを持っているのは確かだろう。
目の前にいる見知った強敵にシャオがキーブレードを握りこむと、見透かしたようにセヴィルが笑った。
「どうした? そのキーブレードは見掛け倒しか?」
「その手の挑発には乗らないよ!!…――行くよっ!! 『スピード・モード』!!」
即座に腕をクロスさせ、『モード・スタイル』の力を解放する。
そうしてキーブレードと共に光の長剣を具現化させると、セヴィルの目の色が変わった。
「二本…?」
「やああぁ!!」
懐に潜り込むように一気に駆けるなり、シャオは二本の剣を素早く振るう。
その攻撃をセヴィルは防御するが、内心では驚きに満ちていた。
「くっ…やるな!!」
「見切った! 『エアアーツ』!!」
回転しながら武器を振うと、最後に周りに風の衝撃波を起こして攻撃する。
シャオの起こした衝撃波にセヴィルは吹き飛ばされるものの、地面を滑りながら崩しかけた体制を戻す。
その状態で、キーブレードを横に振るった。
「『陽狼光』!」
振るったキーブレードから、狼の闘気が眩しい光となってシャオに襲い掛かる。
あまりの眩しさに目を押さえつつ、シャオは横へと転がる。
スピードが上がっていたおかげか、セヴィルの放った攻撃は横に通り過ぎる。
だが、光で視界を潰されたシャオは目を押さえたまま立ち上がれない。
「ううっ、目がチカチカする…っ!!」
「『シャドウフレア』」
その間にもセヴィルの攻撃の手は止まらず、シャオの足元に闇を湧き上がらせて上へと吹き飛ばした。
「うぐっ!? ――第一段階、チェンジ…『ミラージュ・モード』!!」
セヴィルの放った魔法にダメージを受けるも、空中で腕をクロスさせて身体を光らせる。
そうしてシャオの周りの光が弾けた瞬間、彼の姿が消え去った。
「消えた?」
「『トリプルファイガ』!!」
横から声が聞こえて振り向くと、何と三つの火球が飛んできた。
だが、セヴィルはシャオの放った魔法を一気に薙ぎ払った。
「甘いっ!!」
「まだだよ、『インビシビリティ』!!」
再び声が聞こえると、何とセヴィルを巻き込むように十字架の爆発が起こった。
この不意打ちには、さすがのセヴィルも顔を歪める。さらに彼を追撃するように爆発は続く。
傍から見ると逃れようのない攻撃だが、何を思ったのかセヴィルはキーブレードを地面に突きつけた。
「くっ! 『守護陽光』!!」
すると、セヴィルの周りに光の結界が現れて爆発の攻撃を防ぐ。
しかも、光が辺りに弾け飛ぶ。すると、光が不自然に消えた所からシャオの姿が露わになった。
「つぅ…!?」
顔を歪め、腕を押さえているのを見ると攻撃が通ったらしい。
そこを見逃さず、セヴィルはキーブレードを両手で握り込んで縦に構えた。
「『陰陽数珠』!!」
まるで周りに連なるように大きな白と黒の球体を出現させるなり、全てをシャオに向かわせた。
「こうなったら――…『ターンクローズ』!!」
この攻撃に、シャオはキーブレードを振るうように回転する。
そうして全ての球体を弾き返す事で、どうにか追撃を避けた。
「はぁ、はぁ…」
荒くなった息を整えるシャオを、セヴィルは目を細めて黙って見ていた。
「今の技…――何処で覚えた?」
「さあね、自分で考えてみたら?」
あえて答えを言わずに挑発するシャオ。
相手が言う気が無いと分かったのか、セヴィルは軽く肩を竦めた。
「それにしても、さっきから妙な戦闘スタイルを使うな……何処の物好きがそんな事を教えたんだ?」
「うるさいな!! 両親から引き継いだ能力をバカにしないでくれる!?」
「両親から引き継いだ能力?」
シャオの抗議に、セヴィルが思わず聞き返す。
それは彼にとって失言だったのか、シャオは一瞬だけ顔を引くつかせる。
だが、持ち前の冷静さですぐに表情を戻すなりキーブレードを構え直した。
「あんたは分からなくていいよ! ここからは、一気に行くからね!」
そう叫ぶと、腕をクロスして再び身体を光らせた。
「第二段階…『ウィング・モード』!!」
光が弾けるなり、シャオはキーブレードを消して白と黒の双翼を纏う。
「あの翼は…っ!?」
セヴィルが驚いていると、シャオは翼で一気に上空に飛び上がった。
「『エアリル・レイド』!!」
一気に急降下して蹴りを放つシャオ。
セヴィルは後ろに飛んで蹴りを避けるなり、地面にキーブレードを突き刺そうとする。
「くっ…!! 守護――」
「『ウィングノクターン』!!」
光の結界を放とうとするセヴィルに、シャオは黒の翼から幾つもの羽根を弾丸のように飛ばす。
防御が間に合わないと判断したのか、セヴィルは横へと避ける。
その行動にシャオは気づかれないようにニヤリと笑った。
「セヴィルさんの攻撃は結構強力だけどさ――」
そう言いながら、シャオは再度身体を光らせた。
「一つ一つの動作が遅いって知ってるからね!! 第二段階、チェンジ…――『ライト・モード』!!」
服を白黒の色に変え、周りに白黒の球体を回らせる。
そうして光輝くキーブレードを手に具現化させるなり、思いっきり振るった。
「さっきのお返しぃ!! 『シャインブレイク』っ!!」
すると、激しい光が前方にいたセヴィルに襲いかかった。
とっさに目を瞑るが、それでも瞼の裏にまで光の眩しさが届いてしまった。
「ぐぅ…!?」
「光よ、集えっ!!」
目潰しされてよろめいているセヴィルに、シャオはキーブレードを掲げて光を貯める。
やがてキーブレードは光で構築された巨大な剣となり、一気に近づいてセヴィルに斬りかかった。
「いっけぇ!! 『フォトンセイバー』っ!!!」
巨大な光の剣でセヴィルを一閃し、シャオは勢いを殺しながら振り返る。
見ると、斬り裂いたセヴィルは闇に呑まれるようにその場から消え去った。
「はっ、はっ…!」
完全に消えたのを見て、シャオは緊張が解けてその場に座り込んだ。
「もういない、よね…――モード・解除…」
白くなったマフラーを軽く摘まみながら呟くと、光が弾けて元の服装に戻った。
それからキーブレードを消すと、大きく溜息を吐いてジャスから貰った道具袋を取り出した。
「はぁ……『モード・スタイル』で戦うのも大変だよ…」
そう呟きながら、袋から『ハイポーション』を取り出して口に入れる。
ゴクゴクと飲み干して体力を回復させると、ふとセヴィルが消えた場所に目を向けた。
「――自分の世界では知っている人でも、別の世界では敵になる事もある…か」
旅立つ前に言われたジャスの説明の一つを思い出し、シャオは夜空を見上げた。
「でもホント、師匠とセヴィル小父さんの模擬戦見ておいて良かった…――でなければ、今頃は…?」
そこで言葉を止め、一つの記憶を思い浮かべる。
前に修行の一環として、師匠はセヴィルに模擬戦を申し込んだ。いろいろ忙しいはずなのに、彼は自分の為に時間を作ってくれた。
その時の事を思い出すと、シャオに一つの疑問が浮かんだ。
「もしかして…こうなる事、師匠は知ってた…?」
そんな事を考えるが、やがて首を横に振った。
「まさかね……とにかく、ここから離れよう…」
シャオは立ち上がるなり、あの戦闘で消えてしまった回廊を再び開く。
そのままキーブレードをライダー形体に返ると、回廊の中へと飛び込んだ。
シャオが入った事によって異空の回廊が閉じる。すると、闇が現れて中からセヴィルが出てきた。
「行ったか……まったく、手加減も楽じゃないな」
何処か楽しそうに言うと、軽く首を鳴らす。
それから、セヴィルは回廊のあった場所を見た。
「しかし、生身で回廊に入ると闇が蝕む事を分かっていないのか? あるいは耐性があるのか…」
ブツブツと呟きながら、セヴィルはシャオについて考え始めた。
「それにしても、あの少年が使った技…――まさか、あいつに関わりが…?」
戦闘で見せたシャオの技には、幾つか見覚えがある。
彼の言う両親から引き継いだ能力と言うのはよく分からない。だが、あいつの技を使うのならば何かしらの関係を持っているのは確かだ。
「一度、会ってみる必要があるな…」
セヴィルはそう結論をつけると、闇の回廊を使って姿を消した。
■作者メッセージ
作者「さて、これにて断章もようやく半分切りました。ここからはリニューアルしたあとがきへ」
シャオ「リニューアルって…何で本編だけじゃなくてここまで…?」
作者「やー、次回からの私のパートってジェットコースターで言えば一気に急降下するから。今の内に笑いを取って盛り上げようと――」
シャオ「急降下って何!? 一体ボク達に何をさせるのさ!?」
作者「それは言えん。言ったら出演キャラ全員からの制裁が半殺しじゃすまなくなる」
シャオ「本当に何を考えているのさ!? …ちょっと待って、全員ってもしかしてボクも含んでるの? ボクにも何か悪い話考えてるの!?」
作者「さーて、さっそく新技紹介言ってみようかー」
シャオ「はぐらかさずに答えてよぉ!!?」
シャオ新技
【モード・スタイル】
シャオが使う自己強化技。第一段階に四つ、第二段階に四つ、そして最終段階が一つある。
元ネタは『Bbs』でお馴染のコマンドスタイルと『KH2』のドライブを合わせたモノ。
尚、第一段階は変わった属性によって武器が変化する。第二段階は武器だけでなく服装も変わる。最終段階はまだ秘密。
【モード・スタイル 第一段階】
『スピード・モード』:キーブレードと光の長剣の二刀流で、素早さ重視の攻撃を行なう。その為、攻撃力と防御力が低くなる。
『ミラージュ・モード』:主に魔法重視の攻撃を行なう。その際、姿を消して見えなくする事で安全に魔法を使える。だが、一度攻撃を喰らえば姿が見えてしまう。ちなみに、魔法以外にもある程度の剣術が扱えるが攻撃力は低い。
【モード・スタイル 第二段階】
『ウィング・モード』:白と黒の双翼を生やし、両手両足に白と黒の光を纏って格闘術で戦う。もちろん自由に空を飛べ、翼からの攻撃が出来る。
『ライト・モード』:服の色が白黒に変わるだけでなく、白と黒の球体が周囲を回ってキーブレードも光り輝く。光重視の攻撃を中心に行うので、素早さも『スピード・モード』よりもグンと上がる。尚、この元はソラの最終ドライブ『ファイナルフォーム』。
シャオ「これって、テラさんやアクアさんに教えて貰ったんじゃなくて、両親の力なんだよね? どう言う事なの?」
作者「ネタバレなので、ノーコメントです」
シャオ「む〜…でも、役に立つからいっか! 最終段階もすごいんでしょ!?」
作者「やるにはやるけど……ある意味親の能力モロバレだから、最後の部分にね。ついでに、乱用回避と言う名の――ゴニョゴニョ…」
シャオ「何か言った?」
『エアアーツ』:キーブレードを連続で振り回し、最後に回転して風の衝撃波を起こして敵を吹き飛ばす。元はヴェンのフィニッシュ技。
『トリプルファイガ』:前方に三つの火球を飛ばして攻撃する上級魔法。ちなみに、追尾効果はない。
『インビシリティ』:敵の近くに十字架に広がる爆発を起こす闇の魔法。元は『KH2』のゼクシオンが使う技。
シャオ「こうしてみると、人が使うような技ばっかりだけど…?」
作者「これもネタバレになるのでノーコメントです」
シャオ「まさか、僕の両親って…!?」
作者「大丈夫、君が思っているのとは全然違うから」
シャオ「そっか。良かった〜、あんなボサボサ髪の根暗が父親じゃなくて♪」
ゼクシオン「なぜ、ここまで言われないといけないんです…?」
作者「さあ〜? 日頃の行いじゃない?」
『ターンクローズ』:その場で回転しながら斬りつける剣術。セヴィルはこれに見覚えがあるが…?
『エアリル・レイド』:翼で上空に飛んだ後、一気に急降下して威力のある蹴りを放つ。尚、この技はある人の使う技をシャオなりにアレンジしている。
『ウィングノクターン』:黒の翼から幾つもの黒い羽根を弾丸のように飛ばす技。刺さった羽根を爆発させる事も可能。
『シャインブレイク』:キーブレードを振るい、前方に激しい光をぶつける目晦まし用の技。腕で目を覆わないといけないぐらいの発光量だが、ダメージはない。
『フォトンセイバー』:キーブレードに光を溜めて巨大な剣にして、相手を一閃する技。
シャオ「ねぇ…この技なんだけど…」
作者「はい…ア○ト○リコ2の○コナの必殺技が元ネタです。あんなに派手な攻撃は出来ないので、普通に斬りつけるだけですが」
シャオ「作者も大分夢旅人さんに影響されてるね…」
セヴィル新技
『陰流破』:キーブレードを振るい、闇の衝撃波を出す技。単純なだけあり、出は早い。
『陽狼光』:狼の形をした光の闘気を相手にぶつける。まともに見ると視界が潰れるので、目晦ましにもなる。
『シャドウフレア』:敵の足元に闇を凝縮して噴き出す闇の魔法。当たると大きく上空に吹き飛ぶ。
作者「これからから分かると思いますが、セヴィルは光と闇の強力な属性攻撃を使います。キーブレードマスター並みの強さ設定なので、これぐらいは強くしないとね」
セヴィル「技には《陰》や《陽》が付いているしな…ところで、俺のキーブレードだが一体何を思って作ったんだ?」
作者「元々光と闇を使う敵って考えて、とりあえず色を混ぜたら灰色になるでしょ? それで月面は灰色だったのを思い出して、色を灰色にしたキーブレードって事で作りました」
シャオ「二つの色を混ぜて作ったんだ。じゃあ、ボクの髪が灰色なのもそれが「ぬおおおぉぉ!!!」モゴォォォ!!?」(作者に口を塞がれる)
『守護陽光』:キーブレードを突き刺して周囲に光の結界を張って攻撃を防ぎ、結界の破片を辺りに飛ばす。要は『リフレク』系と同じ効果の光の技。
『陰陽数珠』:周りに一mはある光と闇の球体を八個出現させ、相手に放って攻撃する。ちなみに、シャオが攻撃を弾き返せたのはセヴィルが手加減してたから。
シャオ「ちょっと待ってよ!? あれで手加減なの!?」
作者「じゃなかったら『ミラージュ・モード』の状態に細い腕っぱしの攻撃なんかで弾き返せる訳がないじゃん」
シャオ「確かにその状態だとボクはひ弱だけどさ!! 別サイト時代の伯…リクさん何かと一緒に――!!」
リク「シャーオくーん? お前、半殺しにされたいのかー?」(満面の黒い笑み)
シャオ&作者「「ひいいいいいいいいっ!!!??」」(恐怖で互いに抱き合う)
*前のサイトで作っていた話に、リクに女体化と言うとんでもない弱体化をさせました。尚、その内手直しして活動しているpixivに乗せる予定を――。
リク「てめえ!! あの悪夢を再現すんじゃねぇえええっ!!!!!」
作者「どぎゃしゃあああああああああぁ!!!??」
シャオ「セ、セヴィル小父さん…アレ、止められる…?」
セヴィル「さ、さすがに無理だ…返り討ちにさせられる…!!」(作者の返り血を浴びるリクを見ながら)
作者「さ、最後の最後で酷い目にあった…!!」(全身に包帯を巻いている)
シャオ「ボクには自業自得にしか見えないんだけど…?」
作者「さーて、気を取り直してここでもNGシーン行くよー!!」
シャオ「って、これでもそんなのあるのぉ!?」
作者「本編ではシリアスなんだから、アトガキは面白可笑しく!! さっそく行って見よー!!」
NGシーン セヴィル登場シーン
セヴィル「攻撃を避けずに弾き返すとはな、懸命な判断だ……よほどいい師匠を持ってるな」
シャオ「えへへ、そこまででも…!!」(照れている)
セヴィル「その太刀筋も、『女性』にしてはなかなかだ」
シャオ「そんな――…ハイ?」
セヴィル「男なら簡単に止められる威力だが、そんな腕の細さでよく耐えられたものだ。キーブレードを持つ者、女でも油断はならなぐあっ!!?」(殴られた)
シャオ「ボクは男だぁぁぁ!!! どいつもこいつもボクを女に見て…ボクの何がいけないんだぁぁぁ!!!」(拳で殴りつける)
セヴィル「ちょ!? 待てげふぉ!? またこのパターンごぁ!? と、とにかく落ち着けぇぇぇ!!?」
それからしばらくの間、シャオの気が済むまで拳が襲い掛かったと言う。
セヴィル「ほう…!? 前回(Another chapter5)のあとがきに続き、またこのパターンをするとはなぁぁぁ…!!?」(怒りのオーラ)
作者「ふっ…普通ならここでボコボコにやられるが、そうはいかん。もう一個のNGシーン流して回避してやるっ!!」
セヴィル「もう一個だと? それは…まさか、アレか!? 止めろっ!! すぐに止めろぉ!!!」
作者「もう遅い! ハイ、カチッと!」
《テイク2》
セヴィル「攻撃を避けずに弾き返すとはな…懸命な判断だ」
シャオ「セヴィルおじぃ!?」(舌を噛んだ)
作者「カーット。シャオ、何やってんの?」
セヴィル「やれやれ…次は気をつけろ、ほら」(ケアルをかける)
シャオ「は、はりがと…セヴィルおじぃさん…」(口を押えながら)
セヴィル「(ピキリ)今、何と言った…?」
シャオ「ふぇ?」
只ならぬ気配にシャオが見上げると…物凄いオーラを纏ったセヴィルの姿が。
セヴィル「なあ、シャオ…誰が【お爺さん】だってぇ…!!!」(青筋を浮かばせている)
シャオ「うわあああああああっ!!? た、たいさーん!!!」(逃走)
セヴィル「訂正しろぉぉぉ!!! 私はまだ【お兄さん】だぁぁぁぁ!!!」(追いかける)
作者「……その時点で、おじさん発言だよね…」
セヴィル「…………」(身体を振るわせている)
作者「ふふーん、どうだ!! あまりの精神ダメージに声も出ないだろ!!……え? ちょっと待て、キーブレード取り出して光と闇纏わせて何をする気…!? シャ、シャオくーん!? ちょっと来て――!!!」
シャオ「……ボク、しーらないっ!!」
作者「あ、コラ逃げるなぁ!!? ま、待って…仮にもあなたはキーブレードマスター…!! マスターたるもの、常に平常心や良識を持つもの――…ごめんなさぁぁぁい!!!??」
シャオ「作者はセヴィル小父さんに凄い目にあわされているから、ボクが断章の次回予告するよ。次回は回廊を抜け、一つの不思議な城に辿り着いたボクは探索を始める。だけど、そこはボクの世界だった。驚くボクに、次から次へと知らない過去が目の前で繰り広げられていき…――次回、『記憶と思いの力』!! 是非とも見てよね!!」
セヴィル「尚、ここで夢旅人氏にバトンを交代するとの事だ。ここまで読んでくれた読者には感謝する」
作者「あべがが…!! それ、私のセリフ…」
セヴィル「まだ息があるか」(チャキリ)
作者「それでは夢さん、お疲れのないようにっ!!!」