リラ様の誕生日記念企画・少年よ大志を抱け?(前編)
ここは、南国の島々が集う世界―――ディスティニーアイランド。
この世界の子供達が遊び場として使う小島から離れた場所に、人々が暮らす本島がある。
さて、今回の誕生会の為に本島のある施設が特別に貸し出された。その中を覗くと…。
「それでは、授業を始めましょう」
「「「「ちょっと待てぇぇぇーーーーーーーーーーっ!!!!!」」」」
学校の教室の一つから幾つものツッコミが響き渡っていた。
「何ですか、いきなり叫んだりして?」
ツッコミした人達を見ながら、作者の作ったキャラであるウィドが教卓で首を傾げる。
すると、別作品の主人公の一人であるリズが椅子から立ち上がって目の前の机をバシバシ叩きだす。
「『何ですか?』じゃないわよ!! これは私達の作者の誕生日を祝う為に好き放題に暴れまわる企画じゃないの!?」
「そうだぁ!! 誕生日と言えばケーキだろ!? 甘いお菓子だろぉ!! なのにどうしてそれらが出なくて勉強しなくちゃいけないんだぁぁぁ!!!」
その隣に座っていた彼女の親友であるムーンも、リズと同じように不満をウィドにぶつけまくる。
何か企画について間違った解釈をしている二人に、さらに隣で冷や汗を掻く人物がいた。
「おい…お前の娘、何げに物騒な事を言ってるが…」
そう言って、隣のロクサスを呆れた目で見るのは『3D』で再び登場決定したヴァニタスだ。
何故彼がここにいるのか? ただ単にリラさんが出演をリクエストしたからです。
さて、話を戻して同じく出演リク(リクエストの略称です。決してリクではありません)を出したロクサスを見ると…。
「あのアホ作者の誕生日とは言え、シーソルトアイスが出ないってどう言う事だよ!! 説明しろぉぉぉ!!!」
「お前父親だろ!? 子供の間違いぐらいちゃんと訂正しろぉぉぉ!!!」
二人と同じく、不満をウィドにぶつけていた。
リズとは父親の関係だが、今回は『3D』での祝登場と言う事で勝手にゲーム本編での姿にしています。リラさん、先に謝っておきます。ごめんなさい。
「許可も無しにやったのかてめぇはぁぁ!!!」
ぎゃあああああああああああああああっ!!?
「何か、ヴァニタスがツッコミ役になってるような…――それより、先生。今回の企画がどうして授業なのか訳ぐらい説明してくれ…」
作者をラスボス戦でのようにボコボコにする中、同じくこちらで登場するルキルが机に座りながら頭を押さえる。
その言葉で、ようやくウィドが本題に入った。
「決まってますよ。あなた達の作者であるリラは今年で受験生なのですよ? そこで教師として、誕生日と言う日に浮かれないよう勉学のありがたさを教えようとこの企画を立てたんです」
「納得出来るかぁ!!! だったら私達に教えずに、あのアホ作者に直接叩き込めばいいじゃないの!!」
リズの言う事はある意味正しいだろう。彼女の作者が受験だからと、とばっちりを喰らってはたまらない。
ルキルを除いた他の三人も頷く中、ウィドは何処か冷めた目で視線を逸らした。
「直接叩き込めたら私だって苦労しませんよ。それに…あなた達にはこの企画を受ける十分な理由があります」
「はぁ? 何だよ、理由って?」
ムーンが逆に睨みながら聞き返すと、ウィドの目が急激に冷める。
そして、不満を垂らす四人を思いっきり睨みつけた。
「では聞きますが…――この中で学校に行った事のある人、いたら手を上げなさい」
「「「「うぐっ…」」」」
「なるほどな…そう言う事か」
ウィドの言葉に怯む四人に対し、ルキルは冷静に理解する。
そう。ここにいる五人は学校に行った事がない。リズとムーンは機関で暮らしていたし、ロクサスも仮想データで夏休みを過ごしたが、学校には行っていない。ヴァニタスは論外で、ルキルはウィドと暮らして勉強は習うものの学校と言う環境ではない。
「そう言う事です。分かったら授業を始めましょう、今回は私だけでなくクウも参加してくれますから」
そう言って隣を見ると、同じく教師として来たクウもいる。
こうして、誕生日企画の特別授業がスタート…――する訳がなかった。
「そんなくだらない物、誰がやるかぁ!!!」
「そうだぁ!! ハートレスを倒すのに、そんな面倒な物なんてやらなくていいだろ!!?」
「大体、私はスピカの弟であるあなたが出演するって言うから昨日は機関メンバー全員と模擬戦(と言う名の殺戮)やってきたのにっ!!!」
「俺だってリク=レプリカが主演するって言うから夜遅くまで肩慣らしにグラッセ達と戦っていたんだ!! そいつを踏み台にしてリクを倒すつもりなのに、何だってそんな面倒な事しなきゃならないっ!!!」
上からヴァニタス、ロクサス、リズ、ムーンが不満を爆発させるなり、思いっきり文句をウィドにぶつける。
そんな中、ムーンの言葉に反応したのか、座っていたルキルが立ち上がって睨みつけた。
「ほう…俺はあいつの踏み台替わりか?」
「それ以外に何がある? どうせ『COM』じゃ何度も戦っておいて消滅するだろ?」
「そうか…これでも俺は『3D』での復活フラグの話題が上がっているのを知らないのか?」
「知るか。それにフラグはフラグだろ? ま、復活したとしてもヤラレ役には変わりないだろ?」
「言うじゃないか……さすがはあいつの息子だぁ…!! おい、作者ぁ!!! 合併パートでの『ビフロンス編』の強化させろぉ!!! こいつを徹底的に叩きのめすっ!!!」
さすがのルキルもキレたようで、ヴァニタスにボコボコにされた作者に怒鳴りつけた。
「お、おい!? 合併パートって何を「この前の夢旅人との話し合いで、二つのパートが終わったら作者が先に『ビフロンス編』書いて、夢旅人が『レプセキア編』書くって話を」もう止めろぉ!!? これ以上ネタバレするなぁぁぁ!!!」
作品のネタバレ事項に、すぐにヴァニタスが大声で遮る。
その間に、ムーンもキーブレードを取り出してルキルを睨みつける。
「上等だぁ!!! 強化したてめえをぶっ倒してまた一歩強くなってやらぁっ!!!」
もはや一触即発となってしまい、誰もが頭を押さえてしまう。
こうして、リクの息子とレプリカの戦いがスタート―――
「いい加減にしろぉ!!!」
「「ごふっ!?」」
直後、ウィドが投げた二本のチョークが二人の頭にクリティカルヒットした。
「受験の心得・其の一。授業中の私語は禁止…分かったか?」
「「ハ、ハイ…っ!!」」
投げた体制で睨みつけられるので、喧嘩してた二人は恐ろしさを感じて頷く。
この一連の流れに、リズは目を丸くした。
「さすがね、ウィド…――あのムーンをチョーク一本で止めるなんて、スピカの弟ってのも伊達じゃないわ…」
「まあ、何だかんだで同じ血を引いてるからな…」
「いや、否定ぐらいしろよっ!!?」
リズの考えに頷くクウに、再びヴァニタスがツッコミを入れたのは言うまでもない。
「さ、授業を開始しましょう。はい、用意した教科書を開いてくださーい」
「「「「はぁ〜い…」」」」
ウィドの言葉に、リズ達は嫌そうに今回の為に準備された教科書を机に置く。逆に、ルキルはテキパキと教科書だけでなくノートの準備をしている。
これぞ、優等生の鏡である。皆さんも、授業の時はルキルのマネをしましょう。
「いいですか? 授業の時はルキルのようにノートも開いて黒板をメモしてくださいね? そして、これから教える大事な部分は分かるようにマーカーで引いて――」
ウィドが授業のやり方を事細かく教えるが、そんな事を聞く四人ではなかった。
「あ〜…めんどくさーい…」
「こんなの、機関じゃ教えないって…」
リズとロクサスが嫌そうにウィドの説明を聞いていると、クウが明後日の方向を見ながら注意した。
「グダグダ言わずにちゃんとしろよー? 学生って言うのは、本来勉強が仕事だからな」
「う〜…!!」
クウの正論にムーンが唸るが、状況は何も変わらない。
そうこうしている内に、ウィドの説明が終わった。
「――と、これが基本です。では、さっそく古文から始めましょう。教科書と黒板を見つつ、私の話を聞いてくださいね。まず、教科書36ページを開いてくださーい」
こうして、ウィドによる特別授業が始まった…。
この世界の子供達が遊び場として使う小島から離れた場所に、人々が暮らす本島がある。
さて、今回の誕生会の為に本島のある施設が特別に貸し出された。その中を覗くと…。
「それでは、授業を始めましょう」
「「「「ちょっと待てぇぇぇーーーーーーーーーーっ!!!!!」」」」
学校の教室の一つから幾つものツッコミが響き渡っていた。
「何ですか、いきなり叫んだりして?」
ツッコミした人達を見ながら、作者の作ったキャラであるウィドが教卓で首を傾げる。
すると、別作品の主人公の一人であるリズが椅子から立ち上がって目の前の机をバシバシ叩きだす。
「『何ですか?』じゃないわよ!! これは私達の作者の誕生日を祝う為に好き放題に暴れまわる企画じゃないの!?」
「そうだぁ!! 誕生日と言えばケーキだろ!? 甘いお菓子だろぉ!! なのにどうしてそれらが出なくて勉強しなくちゃいけないんだぁぁぁ!!!」
その隣に座っていた彼女の親友であるムーンも、リズと同じように不満をウィドにぶつけまくる。
何か企画について間違った解釈をしている二人に、さらに隣で冷や汗を掻く人物がいた。
「おい…お前の娘、何げに物騒な事を言ってるが…」
そう言って、隣のロクサスを呆れた目で見るのは『3D』で再び登場決定したヴァニタスだ。
何故彼がここにいるのか? ただ単にリラさんが出演をリクエストしたからです。
さて、話を戻して同じく出演リク(リクエストの略称です。決してリクではありません)を出したロクサスを見ると…。
「あのアホ作者の誕生日とは言え、シーソルトアイスが出ないってどう言う事だよ!! 説明しろぉぉぉ!!!」
「お前父親だろ!? 子供の間違いぐらいちゃんと訂正しろぉぉぉ!!!」
二人と同じく、不満をウィドにぶつけていた。
リズとは父親の関係だが、今回は『3D』での祝登場と言う事で勝手にゲーム本編での姿にしています。リラさん、先に謝っておきます。ごめんなさい。
「許可も無しにやったのかてめぇはぁぁ!!!」
ぎゃあああああああああああああああっ!!?
「何か、ヴァニタスがツッコミ役になってるような…――それより、先生。今回の企画がどうして授業なのか訳ぐらい説明してくれ…」
作者をラスボス戦でのようにボコボコにする中、同じくこちらで登場するルキルが机に座りながら頭を押さえる。
その言葉で、ようやくウィドが本題に入った。
「決まってますよ。あなた達の作者であるリラは今年で受験生なのですよ? そこで教師として、誕生日と言う日に浮かれないよう勉学のありがたさを教えようとこの企画を立てたんです」
「納得出来るかぁ!!! だったら私達に教えずに、あのアホ作者に直接叩き込めばいいじゃないの!!」
リズの言う事はある意味正しいだろう。彼女の作者が受験だからと、とばっちりを喰らってはたまらない。
ルキルを除いた他の三人も頷く中、ウィドは何処か冷めた目で視線を逸らした。
「直接叩き込めたら私だって苦労しませんよ。それに…あなた達にはこの企画を受ける十分な理由があります」
「はぁ? 何だよ、理由って?」
ムーンが逆に睨みながら聞き返すと、ウィドの目が急激に冷める。
そして、不満を垂らす四人を思いっきり睨みつけた。
「では聞きますが…――この中で学校に行った事のある人、いたら手を上げなさい」
「「「「うぐっ…」」」」
「なるほどな…そう言う事か」
ウィドの言葉に怯む四人に対し、ルキルは冷静に理解する。
そう。ここにいる五人は学校に行った事がない。リズとムーンは機関で暮らしていたし、ロクサスも仮想データで夏休みを過ごしたが、学校には行っていない。ヴァニタスは論外で、ルキルはウィドと暮らして勉強は習うものの学校と言う環境ではない。
「そう言う事です。分かったら授業を始めましょう、今回は私だけでなくクウも参加してくれますから」
そう言って隣を見ると、同じく教師として来たクウもいる。
こうして、誕生日企画の特別授業がスタート…――する訳がなかった。
「そんなくだらない物、誰がやるかぁ!!!」
「そうだぁ!! ハートレスを倒すのに、そんな面倒な物なんてやらなくていいだろ!!?」
「大体、私はスピカの弟であるあなたが出演するって言うから昨日は機関メンバー全員と模擬戦(と言う名の殺戮)やってきたのにっ!!!」
「俺だってリク=レプリカが主演するって言うから夜遅くまで肩慣らしにグラッセ達と戦っていたんだ!! そいつを踏み台にしてリクを倒すつもりなのに、何だってそんな面倒な事しなきゃならないっ!!!」
上からヴァニタス、ロクサス、リズ、ムーンが不満を爆発させるなり、思いっきり文句をウィドにぶつける。
そんな中、ムーンの言葉に反応したのか、座っていたルキルが立ち上がって睨みつけた。
「ほう…俺はあいつの踏み台替わりか?」
「それ以外に何がある? どうせ『COM』じゃ何度も戦っておいて消滅するだろ?」
「そうか…これでも俺は『3D』での復活フラグの話題が上がっているのを知らないのか?」
「知るか。それにフラグはフラグだろ? ま、復活したとしてもヤラレ役には変わりないだろ?」
「言うじゃないか……さすがはあいつの息子だぁ…!! おい、作者ぁ!!! 合併パートでの『ビフロンス編』の強化させろぉ!!! こいつを徹底的に叩きのめすっ!!!」
さすがのルキルもキレたようで、ヴァニタスにボコボコにされた作者に怒鳴りつけた。
「お、おい!? 合併パートって何を「この前の夢旅人との話し合いで、二つのパートが終わったら作者が先に『ビフロンス編』書いて、夢旅人が『レプセキア編』書くって話を」もう止めろぉ!!? これ以上ネタバレするなぁぁぁ!!!」
作品のネタバレ事項に、すぐにヴァニタスが大声で遮る。
その間に、ムーンもキーブレードを取り出してルキルを睨みつける。
「上等だぁ!!! 強化したてめえをぶっ倒してまた一歩強くなってやらぁっ!!!」
もはや一触即発となってしまい、誰もが頭を押さえてしまう。
こうして、リクの息子とレプリカの戦いがスタート―――
「いい加減にしろぉ!!!」
「「ごふっ!?」」
直後、ウィドが投げた二本のチョークが二人の頭にクリティカルヒットした。
「受験の心得・其の一。授業中の私語は禁止…分かったか?」
「「ハ、ハイ…っ!!」」
投げた体制で睨みつけられるので、喧嘩してた二人は恐ろしさを感じて頷く。
この一連の流れに、リズは目を丸くした。
「さすがね、ウィド…――あのムーンをチョーク一本で止めるなんて、スピカの弟ってのも伊達じゃないわ…」
「まあ、何だかんだで同じ血を引いてるからな…」
「いや、否定ぐらいしろよっ!!?」
リズの考えに頷くクウに、再びヴァニタスがツッコミを入れたのは言うまでもない。
「さ、授業を開始しましょう。はい、用意した教科書を開いてくださーい」
「「「「はぁ〜い…」」」」
ウィドの言葉に、リズ達は嫌そうに今回の為に準備された教科書を机に置く。逆に、ルキルはテキパキと教科書だけでなくノートの準備をしている。
これぞ、優等生の鏡である。皆さんも、授業の時はルキルのマネをしましょう。
「いいですか? 授業の時はルキルのようにノートも開いて黒板をメモしてくださいね? そして、これから教える大事な部分は分かるようにマーカーで引いて――」
ウィドが授業のやり方を事細かく教えるが、そんな事を聞く四人ではなかった。
「あ〜…めんどくさーい…」
「こんなの、機関じゃ教えないって…」
リズとロクサスが嫌そうにウィドの説明を聞いていると、クウが明後日の方向を見ながら注意した。
「グダグダ言わずにちゃんとしろよー? 学生って言うのは、本来勉強が仕事だからな」
「う〜…!!」
クウの正論にムーンが唸るが、状況は何も変わらない。
そうこうしている内に、ウィドの説明が終わった。
「――と、これが基本です。では、さっそく古文から始めましょう。教科書と黒板を見つつ、私の話を聞いてくださいね。まず、教科書36ページを開いてくださーい」
こうして、ウィドによる特別授業が始まった…。