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番外・外伝夢旅人小説

夢旅人

INDEX

  • あらすじ
  • 01 番外第一幕
  • 02 番外第一幕 その2
  • 03 番外第一幕 あとがき
  • 04 外伝第一幕 神理の夢
  • 05 外伝第一幕 神理の夢 その2
  • 06 番外第二幕
  • 07 番外第二幕 その2
  • 08 番外第二幕 その3
  • 09 番外第二幕 その4
  • 10 番外第二幕 その5
  • 11 番外第二幕 その6改
  • 12 番外第二幕 その7
  • 13 番外第二幕 その8
  • 14 番外第二幕 その9
  • 15 番外第二幕 その10
  • 16 番外第二幕 その11
  • 17 番外 第三幕「クリスマスプレゼント前編」
  • 18 番外 第三幕「クリスマスプレゼント後編」
  • 19 KH 1-01
  • 20 KH 1-02
  • 21 KH 1-03
  • 22 KH 1-04
  • 23 KH 1-05
  • 24 KH 1-06
  • 25 KH 1-07
  • 26 KH 2-01
  • 27 KH 2-02
  • 28 KH 2-03
  • 29 KH 2-04
  • 30 KH 2-05
  • 31 KH 2-06
  • 32 KH 2-07
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  • 34 KH 3-01
  • 35 KH 3-02
  • 36 KH 3-03
  • 37 KH 3-04
  • 38 KH 3-05
  • 39 KH 3-06
  • 40 KH 3-07
  • 41 KH 3-08
  • 42 KH 3-09
  • 43 KH 4-01
  • 44 KH 4-02
  • 45 KH 4-03
  • 46 KH 4-04
  • 47 KH 4-05
  • 48 KH 4-06
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  • 51 KH 4-09
  • 52 KH 4-10
  • KH 4-08

     ――――。
     閃光は途切れない。
     ヴァニタスのキーブレードは砲身が溶け始めている。しかしなおもエネルギーの迸りは絶え間ない。
     ――――暴走している。

    「どうなってるんだっ……!?」

    「それは私の台詞だが」

     ヴァニタスのエネルギーに呑まれたはずの無貌の王は健在だった。光に晒され、像が微かに歪み始めているものの、消滅してはいなかった。
     ヴァニタスのエネルギーを、ソラが阻んでいるのだ。
     キーブレードを盾にされたことで、ヴァニタスの光線は周囲に飛び散り、ドラゴンの表皮を燃やしている。ただでさえ短い墜落までの時間は更に削られていっている。

    「僕は敵だぞ。なぜ助ける。ここで僕を消してしまえば……まぁ、消せればの話だけれど?
     ……奇跡的な幸運に恵まれすぎた結果、偶然にも僕がいないうなったとして……おまえに不都合があるのかい?」

    「知らないよ、そんなこと!」

    「まったく、だろうと思った……!」

     押し込まれそうなソラを後ろから、リクが支える。掌を通じてリクの力がキーブレードに伝わる。ソラの体制が徐々に持ちなおされてきた。

    「おまえはいつもそうだ。イカダを作るって言った時もサボってばかりで、いい加減で……心に正直だ」

    「心?」

    「私にもわかるよ。ソラが選ばれた理由」

     シオンは離れた位置でソラとリクの奮闘を眺め、呟いた。一度手に持ったキーブレードを――――その贋作に視線を落とし、再びソラを見て目を細めた。
     ソラはキーブレードを握り直す。エネルギーを押し返し始めている。

    「ソラは自由なんだ。たとえ……箱庭みたいな小さい世界にいたとしても、ソラの心には羽が生えてる。世界の壁も飛び越えて、心と心をつないでいける。だから……ソラじゃなきゃダメなんだよね、ロクサス」

    「……だからこそ、世界にバランスをもたらす強いマスターに…………いいえ。みんなの心の痛みをいやす『光』……やさしさの勇者になれる。あの人が見込んだ通りね」

     アクアは立ち尽くしていた。手からはキーブレードも消えている。
     勝敗を確信していた。
     それを裏付けるように、キーブレードの勇者たちの胸に小さな灯りが点った。

    「これは……?」

    「呪いが解けたんだ。これで、君たちは元の場所に帰ることになる」

    「えっ……!?」

    「認めたくないがな……どうやら、お前たちに呪いを……願いを託したのは、この俺も同じだったようだ」

     無貌の王が自分の胸元を指差した。光の点が線で結ばれ――――鍵穴を作っている。

    「それは……!」

    「余という鍵穴を通じて、境界線は傾いた。今この瞬間であれば、元の世界に戻れよう」

    「でもヴァニタスが……!」

     リクが苦言を呈した。押し返しつつあるものの、依然として局面はよく言って拮抗、現実的には押され気味だ。手が離せるような状況ではない。
     そんなことをすれば――――危険なのは無貌の王自身だ。

    「良い。十分に願いは叶った。……帰るがいい、我が招きに応じた勇者たちよ。お前のあるべき場所に、あるべき時間に」

     そう言って、無貌の王はソラとリクの肩を後ろから掴み、引き寄せた――――。

    16/01/10 01:46 夢旅人   

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